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第662話 打ち合わせ終了
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夕食が終わり、妻たちには残ってもらっている。
「みんな、まだどこに行くか決まってないかもしれないけど、みんなに着ていく服というか装備を準備したから、どこかの街に行く時は、これを着てほしいと思う。昔購入した冒険者見習いのような装備じゃなくて、似合いそうな装備を選んだから是非使ってほしい。
一人ひとり袋に入れてあるから、後で開けて試着してみてくれ。ゆっくり行くところ決めていいからな。ニコは俺の護衛があるから連れてはむりだけど、他のスライムはOKだから貸してほしかったら、本人たちに交渉してくれ。俺からは以上!」
妻たちは、そのまま食堂で話し合いを続けるようだ。
俺はみんなを食堂へ置いて、今日済ませたいことを済ませに行政府へ向かう。道中でディストピアの住民に会うが、ニコたちスライムの人気が半端ない。会う人会う人に撫でられている。それが嬉しいのか、高速でプルプルする姿が見られている。
俺にも挨拶をしてくれるが、スライムがデフォルメされたような姿なので可愛いし、普通の下水にいる粘液系のスライムとは違うので親しみやすいから、みんなが夢中になってしまうのもしょうがないよな。これが粘液系のスライムだったら、絶対に連れて歩かなかったしな。
ディストピアの道を、街の中心へ向かって進んでいく。この時間でも中央広場はにぎやかだ。ディストピアの住人は、いつの間にか二万人近くに増えたようだが、それでもこんだけ賑やかな事は無いのでは? と思ってしまう。
グリエルたちが審査をして、ディストピアに住んでいるから問題は無いのだろう。まぁ問題があったら、その時に対処するしかないからな。犯罪を犯すなら、相応の対応すればいいだけだしな。
そうこうしているうちに、行政府についた。まだ早い時間だが、下は冒険者ギルドになっているので、冒険者たちが素材採取の依頼が無いか確認している。いくら何でも買い取ってもらえるとはいえ、相場で買い取ってもらえるものを狩りに行くのは、お金を稼ぐうえで大切な事だ。
きちんと情報を得ないで、狩りに行く冒険者も少なくないようで、ミリーが心配していた。ディストピアでは、買取金額などを掲示して、魔物の強さもしっかりと書いている。死んでほしくは無いが、ここまでして死ぬ奴は、しょうがないと割り切るしかないとの事。
中層にある学校は、まだ人が誰も来ていない。この時間に人がいても、教師役の人間だけだろう。
上層にある行政府に到着する。ここには夜勤者もいるため明かりがついており、俺に挨拶をしてくれた。他にも早出の人間もいるようで、ちらほら仕事をしている姿を見かける。
そのままグリエルの執務室に向かっていく。もちろんクロやギンもついてきている。この建物は俺のた……従魔たちのために階段や通路、扉が大きく作られているのだ。だから問題なく通る事が出来る。
グリエルの執務室に入ると、
「シュウ様、お待ちしておりました」
ゆっくりグリエルが来るのを待とうかと思ったら、執務室にグリエルとガリアだけではなく、ゼニスまでそろっていた。名前は知らないけど、秘書としてよく俺たちの会議に立ち会ってくれる人もだ。メガネの似合いそうな、学級委員タイプの女の子が、そのまま大きくなった感じだ。
「昨日、ミドリ様からお話を伺って、急遽ゼニスさんにも同席していただいた方がいいと思い、呼んでいます。ちょうど、ゴーストタウンに来ていたので助かりました」
「助かるんだけど、俺がこの時間に来ないで、お昼過ぎとかに来たらどうするつもりだったんだ?」
「何を言っているんですか、シュウ様がこういった面倒事を後回しにする事は無いのですから、少なくとも昼前には来ると思ってましたよ。多少遅くなっても、ミドリさんから説明を受けた事を、検討していれば十分に時間がつぶせますからね」
何か俺の行動がよまれてる。
「時間が勿体無いので早速ですが、話しをすすめていきましょう。
確か『子供が生きるために行った犯罪は、情状酌量の余地があると思うから、そういう子供には少年院みたいなのを作ろう』
との事でしたが、ミドリ様から説明のあった厚生施設や、職業訓練の施設を新たに作ってほしい、という事でよろしいのですか?」
「概ねそんな感じでいいと思っている」
「それなのですが、更生施設は言葉の意味から分かるのですが、職業訓練の施設というのは、学校とどう違うのですか?」
「簡単に言えば、学校は学ぶ場所、職業訓練はその名の通り職業の訓練、分かりやすく言えば、ドワーフに鍛冶の弟子入りするみたいな形をイメージするといいかな?」
「何となくわかりますが、職業訓練の施設はどういった意味があるのでしょうか? 後、訓練するには師事する人が、必要になりますよね? どうなさいますか?」
「俺の思っている事と、離れてる感じがするな。俺が思い描いてるのは、子供が生きるために行ってしまった犯罪であれば、仕事につければまっとうに生きられると考えてるんだ。職業訓練を通して、働ける技術を身に着けて更生させたいと思ってるんだ。
だから更生施設と職業訓練施設は一体にして、みんなで集団生活を行ってもらって、安全に生活できる場所を提供して、訓練して巣立ってもらいたいと考えているんだ」
「なるほど、確かに生きるために犯してしまう犯罪……食料の盗みとかは必ずありますからね。それで捕まると、十二歳以下であれば労働力として見られないし、養うのにもお金がかかりますから、打ち首何て言うのも珍しくないですからね。そういう子たちに対して、やり直せる機会を与えると考えていいんですね?」
「そういう事だ。で資金は、俺のお金から出してくれ。どうせ使いきれないんだから、自分の街で慈善活動するのは問題ないだろ?」
「ちょっといいですか? 職業訓練とは、技術系の体験をさせて、学ばせるだけですか?」
ゼニスが何かを思いついたのか、会話に入って来た。
「別に技術だけにはこだわってないよ。人によって興味がある物が違うんだからな。先生になりたいならある程度更生したら、孤児院に突っ込んでもいいだろうしな」
「という事は、商会から教師役を出して、商売の事を教えるのもありという事ですか?」
「それは問題ないぞ。カザマ商会なら自分から、働きたいと思っている人は多いんじゃないか? そういった人材の方が、良かったりしないのか?」
「優秀だったという前置きはありますが、孤児院から何人か商会に働きに来ていますが、下手な番頭よりよっぽど戦力になります。シュウ様の作った、勉強のプログラムがいいんだと思います。
そのノウハウを受けた訓練施設から出てくるのであれば、戦力として申し分ないと考えています。外から来る人間は調査もしっかりしないと、スパイの可能性もありますから」
「そっか、そこらへんは任せる。集団生活をできて、周りを塀で囲える場所に大きめの施設を作ってくれ。形は任せる。計画ができたら俺にも見せてくれ。それと分からない事があったら聞いてくれ。魔導無線を持っておくから連絡くれ」
「「「了解しました」」」
三人は理解した様子で計画を練り始めた。
「みんな、まだどこに行くか決まってないかもしれないけど、みんなに着ていく服というか装備を準備したから、どこかの街に行く時は、これを着てほしいと思う。昔購入した冒険者見習いのような装備じゃなくて、似合いそうな装備を選んだから是非使ってほしい。
一人ひとり袋に入れてあるから、後で開けて試着してみてくれ。ゆっくり行くところ決めていいからな。ニコは俺の護衛があるから連れてはむりだけど、他のスライムはOKだから貸してほしかったら、本人たちに交渉してくれ。俺からは以上!」
妻たちは、そのまま食堂で話し合いを続けるようだ。
俺はみんなを食堂へ置いて、今日済ませたいことを済ませに行政府へ向かう。道中でディストピアの住民に会うが、ニコたちスライムの人気が半端ない。会う人会う人に撫でられている。それが嬉しいのか、高速でプルプルする姿が見られている。
俺にも挨拶をしてくれるが、スライムがデフォルメされたような姿なので可愛いし、普通の下水にいる粘液系のスライムとは違うので親しみやすいから、みんなが夢中になってしまうのもしょうがないよな。これが粘液系のスライムだったら、絶対に連れて歩かなかったしな。
ディストピアの道を、街の中心へ向かって進んでいく。この時間でも中央広場はにぎやかだ。ディストピアの住人は、いつの間にか二万人近くに増えたようだが、それでもこんだけ賑やかな事は無いのでは? と思ってしまう。
グリエルたちが審査をして、ディストピアに住んでいるから問題は無いのだろう。まぁ問題があったら、その時に対処するしかないからな。犯罪を犯すなら、相応の対応すればいいだけだしな。
そうこうしているうちに、行政府についた。まだ早い時間だが、下は冒険者ギルドになっているので、冒険者たちが素材採取の依頼が無いか確認している。いくら何でも買い取ってもらえるとはいえ、相場で買い取ってもらえるものを狩りに行くのは、お金を稼ぐうえで大切な事だ。
きちんと情報を得ないで、狩りに行く冒険者も少なくないようで、ミリーが心配していた。ディストピアでは、買取金額などを掲示して、魔物の強さもしっかりと書いている。死んでほしくは無いが、ここまでして死ぬ奴は、しょうがないと割り切るしかないとの事。
中層にある学校は、まだ人が誰も来ていない。この時間に人がいても、教師役の人間だけだろう。
上層にある行政府に到着する。ここには夜勤者もいるため明かりがついており、俺に挨拶をしてくれた。他にも早出の人間もいるようで、ちらほら仕事をしている姿を見かける。
そのままグリエルの執務室に向かっていく。もちろんクロやギンもついてきている。この建物は俺のた……従魔たちのために階段や通路、扉が大きく作られているのだ。だから問題なく通る事が出来る。
グリエルの執務室に入ると、
「シュウ様、お待ちしておりました」
ゆっくりグリエルが来るのを待とうかと思ったら、執務室にグリエルとガリアだけではなく、ゼニスまでそろっていた。名前は知らないけど、秘書としてよく俺たちの会議に立ち会ってくれる人もだ。メガネの似合いそうな、学級委員タイプの女の子が、そのまま大きくなった感じだ。
「昨日、ミドリ様からお話を伺って、急遽ゼニスさんにも同席していただいた方がいいと思い、呼んでいます。ちょうど、ゴーストタウンに来ていたので助かりました」
「助かるんだけど、俺がこの時間に来ないで、お昼過ぎとかに来たらどうするつもりだったんだ?」
「何を言っているんですか、シュウ様がこういった面倒事を後回しにする事は無いのですから、少なくとも昼前には来ると思ってましたよ。多少遅くなっても、ミドリさんから説明を受けた事を、検討していれば十分に時間がつぶせますからね」
何か俺の行動がよまれてる。
「時間が勿体無いので早速ですが、話しをすすめていきましょう。
確か『子供が生きるために行った犯罪は、情状酌量の余地があると思うから、そういう子供には少年院みたいなのを作ろう』
との事でしたが、ミドリ様から説明のあった厚生施設や、職業訓練の施設を新たに作ってほしい、という事でよろしいのですか?」
「概ねそんな感じでいいと思っている」
「それなのですが、更生施設は言葉の意味から分かるのですが、職業訓練の施設というのは、学校とどう違うのですか?」
「簡単に言えば、学校は学ぶ場所、職業訓練はその名の通り職業の訓練、分かりやすく言えば、ドワーフに鍛冶の弟子入りするみたいな形をイメージするといいかな?」
「何となくわかりますが、職業訓練の施設はどういった意味があるのでしょうか? 後、訓練するには師事する人が、必要になりますよね? どうなさいますか?」
「俺の思っている事と、離れてる感じがするな。俺が思い描いてるのは、子供が生きるために行ってしまった犯罪であれば、仕事につければまっとうに生きられると考えてるんだ。職業訓練を通して、働ける技術を身に着けて更生させたいと思ってるんだ。
だから更生施設と職業訓練施設は一体にして、みんなで集団生活を行ってもらって、安全に生活できる場所を提供して、訓練して巣立ってもらいたいと考えているんだ」
「なるほど、確かに生きるために犯してしまう犯罪……食料の盗みとかは必ずありますからね。それで捕まると、十二歳以下であれば労働力として見られないし、養うのにもお金がかかりますから、打ち首何て言うのも珍しくないですからね。そういう子たちに対して、やり直せる機会を与えると考えていいんですね?」
「そういう事だ。で資金は、俺のお金から出してくれ。どうせ使いきれないんだから、自分の街で慈善活動するのは問題ないだろ?」
「ちょっといいですか? 職業訓練とは、技術系の体験をさせて、学ばせるだけですか?」
ゼニスが何かを思いついたのか、会話に入って来た。
「別に技術だけにはこだわってないよ。人によって興味がある物が違うんだからな。先生になりたいならある程度更生したら、孤児院に突っ込んでもいいだろうしな」
「という事は、商会から教師役を出して、商売の事を教えるのもありという事ですか?」
「それは問題ないぞ。カザマ商会なら自分から、働きたいと思っている人は多いんじゃないか? そういった人材の方が、良かったりしないのか?」
「優秀だったという前置きはありますが、孤児院から何人か商会に働きに来ていますが、下手な番頭よりよっぽど戦力になります。シュウ様の作った、勉強のプログラムがいいんだと思います。
そのノウハウを受けた訓練施設から出てくるのであれば、戦力として申し分ないと考えています。外から来る人間は調査もしっかりしないと、スパイの可能性もありますから」
「そっか、そこらへんは任せる。集団生活をできて、周りを塀で囲える場所に大きめの施設を作ってくれ。形は任せる。計画ができたら俺にも見せてくれ。それと分からない事があったら聞いてくれ。魔導無線を持っておくから連絡くれ」
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