ダンマス(異端者)

AN@RCHY

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第640話 溶岩エリアのガーディアン?

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 日も明け、神のダンジョン突入十一日目。

「さて、六十一階に行こうか。不確定要素があるけど、進むよ。みんな警戒態勢で進もう」

 みんなで警戒をしながら進んでいく。階段を降りるたびに、熱気のような物が伝わってくる。これと似た感じをどこかで……

「ご主人様、一度階段を上ってください!」

 先行していたライラから報告を受けたピーチが、進むのを止めて戻る事を指示したので、俺たちは今来た階段を戻っていく。

「ライラ、報告してもらっていいか?」

「わかりました。ご主人様もおりている時に感じたと思いますが、あの熱気は次のフロアからの物でした。ドーンボーンにあったような、熱を帯びたフロアに、マグマのような物が流れています」

「そういう事か。マッピングしてくれているウィスプの中で、死んでいる奴がいる理由が分かった。マグマがあるって事は、炎属性の何かもいるだろうし、マグマ自体でもダメージをくらう可能性があるもんな。霊体の魔物だから属性ダメージしか、基本はいらないからな」

 ウィスプが死んだ理由を理解して、ちょっとすっきりした。と言っても、ここを進まないといけないので、ドーンボーンで作った魔道具を取り出して、みんなが装備していく。馬車にも魔核を追加して、熱対策を施す。

 全員の準備が終わったところで、再度進んでいく。

「気温は保ててるけど、マグマから出てる熱波みたいなものは、どうにもならないな。魔道具の出力を上げて、周りの温度を少し下げよっか? 熱波の影響を少しは、抑えないと体がきついかもな」

 みんなの魔道具を、クリエイトゴーレムでいじっていく。問題なく設定できたので大丈夫だ。温度を変えれ無かったものから、調節できるようにしたので、かなり使い勝手がよくなっている。

 少しは熱波の影響を抑えられるようになったが、完全に影響を消すことは、無理だったようだ。

 アンデッドは火に弱いが、熱に弱いわけじゃないので、このフロアを進む分には、マグマに注意すれば特に問題はなさそうだ。でも、火属性の魔物がいるはずだしヤバいかもな。

 進んでいくと、火をまとったコウモリ、ファイアバットが攻めてきた。まだ強さ的に、スケルトンたちにとっては雑魚なのだが、火という弱点に対して、うっとうしそうな感じが見られる。

 このタイプのダンジョンなら、簡単な攻略法があるからな。まさに力押しの戦法なのだが……

「ピーチ、強さの把握は出来たから、力押しで行こう。ドーンボーンでやったあれを、ここでやるよ。スケルトンメイジも水魔法を使えるから、スケルトン・俺・魔法組の順でゴリ押ししていこう。他はまわりの警戒をお願い。敵の位置までは分からないから、護衛頼むよ」

 ドーンボーンに比べて、魔物の強さは大分上をいっているので、どこまで倒せるか分からないが、ピーチに許可をとり、ごり押しで行く事に決めた。

 魔力を七割位使うまで魔法を行使する予定なので、頑張ってもらいたいところだ。全員にマナポーションを持たせているので、急な戦闘になった場合は、それを飲んでからの参加になる予定だ。

 森エリアで出てきたデカいワームの件もあるので、安全対策は出来るだけしないといけないな。

 全員が順々に魔法を使い、五割程消費したあたりで、お昼になった。最短距離を進んでいるので、上の階と一緒で一日で六階は降りれる計算だ。水魔法で薙ぎ払っているため、森エリアよりは楽に進めているのが救いだが熱い……

 魔法で倒しきれていない魔物が数多くいたが、水魔法のおかげで動きは悪くなり、護衛のメンバーで問題なく処理できている。強いからか、ドーンボーンの様にはいかないな。でも、移動速度は維持できている。それにしても、このダンジョン何階まであるんだろうな?

 溶岩エリア三日目に、推定ガーディアンと思われる魔物が現れた。ワームより上位の魔物だという事が分かる。体長ニメートル程で、この暑いエリアを移動できる魔物であるため、三十階の間に一匹いる、侵入者を排除する罠の一つではないかと判断した。

 俺たちの前に現れたのは、真っ赤に燃えている鎧の魔物だ。よく見覚えのあるタイプの魔物だ。いろんな街に配置している、リビングドールを少し大きくした感じの見た目なのだ。

 多分、俺が好んで使っている、ミスリルやアダマンコーティングした、リビングアーマーより上位の鎧だろう。

「この部屋を隔離! 他の魔物の介入を許さずに、孤立させるぞ。タンクはシュリ、リリー、俺の三人でやる!」

「「「「ご主人様!!」」」」

 ピーチの指示が出る前に、俺が指示を飛ばす。

 タンクをやる中に俺の名前が出ると、妻たちが反応してダメだと言おうとするが、有無を言わせずに俺は前に出る。

 シュリも抜いて、俺がこのダンジョンで初めのタンクをする。俺は移動中に自分に、防御魔法のウォーターヴェールをかける。ヴェールと言っているが、火の耐性が強くなる魔法だ。個人的には、ファイアプロテクションでいいと思うのだが……

 装備は俺と一緒で、剣と盾のスタイルだ。あいつから出る炎は、ヴェールによって守られているため、ダメージになっていない。チビ神に頼んで作り替えた俺の身体は、十全に力をふるう事が出来ている。

 あいつ……ファイアナイトでいいか。ファイアナイトの攻撃をしっかりと受け流せているし、攻撃すれば盾をはじく攻撃を、仕掛ける事が出来るようになっている。これ、俺一人でも勝てるんじゃね?

 いかんな、勝てるとしても危険に身を晒すと、確実にみんなに怒られるからな。これ以上の独断は後が怖い。

 何度も打ち合っている間に、部屋の隔離が終わり他の魔物も処理し終えている。

「シュリ、リリー、しばらく俺が、こいつを引き付ける。いざという時に、動けるようにしておいてくれ。【チェイン】」

 スキルを使用して、俺とファイアナイトの距離はほぼゼロになり、その間合いで攻防を繰り広げる。超近距離なので、剣の柄で叩いたり、蹴りを使ったり、盾で相手を殴打したりしている。

「みんな、攻める準備できたか? 今からスキルを解除して離れるから、攻撃を頼む! そしたら、シュリとタンクを交換する。ライム、ウォーターヴェールをシュリに!」

 俺がスキルを解除して、上段から叩きつけるように剣を振り下ろすが、ファイアナイトはしっかりと盾でガードしてきた。多少体勢を崩せたので、その場から離れると、水魔法や矢がファイアナイトを捕える。
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