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第562話 テンプレに遭遇
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八十階を攻略して地上に戻り、次の日にまたダンジョンの攻略を開始する。
八十一階は普通のつくりと言ってはおかしいかもしれないが、洞窟型のダンジョンになっていた。
「変な言い方だけど落ち着くな、あるべきダンジョンの形って感じがするわ」
「ご主人様がそれ言うの? 魔王城みたいなダンジョン作ったり、街を作ってみたり色々しているのに!」
シェリルからお腹の下からえぐるような、言葉のボディーブローをくらってしまった。い、一応俺だってまともなダンジョンを作ってるよ! 肉ダンジョンとか鉱石ダンジョンとか繊維ダンジョンとかね!
「進もうか、いつも通り警戒を!」
洞窟型の階層を進んでいく。魔物の種類は上層の魔物と特に変わらず、暗黒トラップの階層にいた隠密系の魔物も増えていたので、たまに奇襲を受ける事があったが、問題なく対応できていた。
五階進む間に奇襲を受けて攻撃をくらったのは、俺が三回だけだった。俺が狙われる理由はよくわからないが、スキルばかりに頼っている上に注意散漫になっていたから、年少組でも出来る事が俺にはできてなかったようだ。
対人戦に強くても魔物の不意打ちで死んだら、元も子もないよな。今度ガルドの戦闘講座でも受けに行こうかな? たまに妻たちが受けてるって言ってたし、予定はほとんどないから、付き合ってもらって鍛えなおすか。
八十三階で珍しい物を発見した。鉱床なのだが、宝石が取れるであろう鉱床だったのだ。
「宝石がむき出しになってる鉱床って珍しいな。表に出ているのは屑な宝石だと思うけど、ちょっと掘り込んだら、それなりの品質の宝石が出てきそうな気がする。
ゲーム脳ならランダムで鉱石のテーブルが決まっていて、掘った時に鉱石が決まるなんて思ってしまうんだよな。それに採掘のスキルLvで鉱石の質や種類が変わってしまうみたいな……ね」
「さすがにゲームっぽいダンジョンの作りをしているとはいっても、それは無いと思いますよ。
ダンジョンの壁が戻るのだって時間がかかるわけですし、ヴローツマインの鉱石ダンジョンも、大体掘っている場所で出てくる鉱石は、一緒だと報告を受けているので、スキルが関係するのは……体力の消費量が減るか、掘れる量が増えるくらいじゃないですかね?」
採掘や採集のスキルLvって、何に影響するのかと思ってたけど、Lvが上がる事で恩恵を受けるんだな。生産系のスキルは、扱える素材が増えるから何かあると思ってたけど、そういう事だったんだな。
「宝石って魔法増幅とかに使うって言っていた覚えがあるけど、それ以外に使い道ってあるの?」
「え? 魔道具を作ってるのにそんなことも知らないの?」
「えぇ!? 魔道具なんてほとんど作ってないよ?」
「シュウ、魔力を使って動く物は総称して、魔導具っていうのよ。そういえば、シュウの魔道具って全部魔核を使ったゴーレムになるのよね。一応分類的には魔道具になるけど、さすがに他の人と同じってわけにはいかないよね。
簡単に説明するわ。例えばシュウの場合、攻撃に使える程大きな火の魔法を使える魔道具を作る時は、魔核にクリエイトゴーレムで情報を書き込んで、使うと火の玉なりなんなりが出るようにするでしょ?
他の魔道具の場合は、込められた魔力や魔石の中の魔力を使って、火の玉を出すのは同じなんだけど、その場合触媒として、特殊加工したルビーに魔力を通すと、火の玉なんかが出るようになるのよ」
「ん~属性を付与するのに、宝石が必要ってことか? そう考えるとクリエイトゴーレムってすごいんだな。魔導具なら普通は、宝石を特殊加工して使うってことは、ディストピアで使っている五徳みたいなのも金かかってるのか?」
「あの程度なら宝石を使わなくても、使う事が出来ますね」
「色々あるんだな。五階全部にありそうだから、マークしておく必要もないよな。進んでいこうか」
こんな感じで八十三階と、それ以降を踏破している。
八十五階のガーディアンを倒して、地上に戻ってギルドに行ったら、面倒事に巻き込まれた。
何というかテンプレ的で、ダンジョンにこもっていて俺の事をしらない冒険者が、可愛い女の子を侍らせていたため、からんできたのだ。
「おい、あんちゃん! 可愛い女をたくさん連れているじゃねえか、半分くらい俺たちに貸してくれよ。金ならくれてやるから。小さい奴らはいいから、そっちをよろしく頼むわ。明日には帰してやるから、お前らこのねーちゃんたち連れてけ」
「おぃ、俺の女に手を出すな!」
おぃ、妻たちよ、何で年少組まで若干モジモジしてんだよ!
「あんちゃん、そんな無理するなよ。女の前で強がりたいのはわかるけど、相手が悪いぞ。剛腕の戦斧使いとは、俺の事なんだからな。このドーンボーンでも名の通った冒険者だぞ」
「ふ~ん、ドーンボーンで名の通った冒険者って事は、この国でも有数の冒険者って事なのか?」
「そういう事だ。それが分かったならさっさと女を寄越しな!」
「断る! お前らがこの国でも有数の冒険者だと言うなら、冒険者の質を考え直すべきだな。ん? あ~あれか、実力だけで成り上がった無法者、って意味で名の通った冒険者か? それなら納得だわ」
俺はストレスでも溜まってるのだろうか? わざわざ煽ってる俺がいるんだが、ここは冒険者ギルドというだけあって、何人かが俺の言葉に反応していた。
「おぃ小僧、それは俺に対する侮辱か? 覚悟はできてるんだろうな?」
「お前こそ、自分の言ってる事が理解できてんだろうな? 俺の妻たちを寄越せだと? 寝言は寝てからいえよ、ハゲ!」
そう、よくわからんがこいつはスキンヘッドだったので、ついつい出てしまった一言。
言葉にならない言葉を発してハゲが、背負っていた戦斧を抜いて俺に切りかかってきた。刃の所を避けるために距離を詰めようとしたが、俺より先に動いていた小柄な影が見えた。シェリルが一歩先に動き出し、ハゲのボディに拳を突き立てていた。あ~あ、これ吐くんだろうな、かわいそうに。
小柄なシェリルが殴り倒すと同時に、ギルド職員が駆けつけてきた。
「何事ですか!」
「そこのハゲが斧で切りかかってきたから、殴って止めた」
「冒険者ギルドで手を出したんですか? 殴るなんて非常識な!」
「まてまて、このギルドは斧抜いて切りかかってきた奴より、殴り倒したほうが非常識なのか? 斧で切られて死ねと?」
「すいません。暴力沙汰は、久しぶりだったもので気が動転していたようです。斧で切りかかられたのに、正当防衛せずに死ねという事はさすがに言いません。ですが、事情は聞かせていただきたいと思いますので、一緒についてきてください」
ハゲと一緒に連れていかれ、一部始終をちょっと誇張してギルド職員に話した。途中でハゲが口をはさんできたが、無視して話を進めた。もちろん俺たちはおとがめなし。ハゲは高い罰金を払わされたそうだ。
ついでに理由もなく次に接触してきた場合は、殺害許可までおりた。これは俺に犯罪をさせようという、罠ではないだろうか? 殺すのは問題になりそうなので、もし絡んできても半殺しで済ませようという話になった。でも、ハゲにこの後からまれることはなかった。
八十一階は普通のつくりと言ってはおかしいかもしれないが、洞窟型のダンジョンになっていた。
「変な言い方だけど落ち着くな、あるべきダンジョンの形って感じがするわ」
「ご主人様がそれ言うの? 魔王城みたいなダンジョン作ったり、街を作ってみたり色々しているのに!」
シェリルからお腹の下からえぐるような、言葉のボディーブローをくらってしまった。い、一応俺だってまともなダンジョンを作ってるよ! 肉ダンジョンとか鉱石ダンジョンとか繊維ダンジョンとかね!
「進もうか、いつも通り警戒を!」
洞窟型の階層を進んでいく。魔物の種類は上層の魔物と特に変わらず、暗黒トラップの階層にいた隠密系の魔物も増えていたので、たまに奇襲を受ける事があったが、問題なく対応できていた。
五階進む間に奇襲を受けて攻撃をくらったのは、俺が三回だけだった。俺が狙われる理由はよくわからないが、スキルばかりに頼っている上に注意散漫になっていたから、年少組でも出来る事が俺にはできてなかったようだ。
対人戦に強くても魔物の不意打ちで死んだら、元も子もないよな。今度ガルドの戦闘講座でも受けに行こうかな? たまに妻たちが受けてるって言ってたし、予定はほとんどないから、付き合ってもらって鍛えなおすか。
八十三階で珍しい物を発見した。鉱床なのだが、宝石が取れるであろう鉱床だったのだ。
「宝石がむき出しになってる鉱床って珍しいな。表に出ているのは屑な宝石だと思うけど、ちょっと掘り込んだら、それなりの品質の宝石が出てきそうな気がする。
ゲーム脳ならランダムで鉱石のテーブルが決まっていて、掘った時に鉱石が決まるなんて思ってしまうんだよな。それに採掘のスキルLvで鉱石の質や種類が変わってしまうみたいな……ね」
「さすがにゲームっぽいダンジョンの作りをしているとはいっても、それは無いと思いますよ。
ダンジョンの壁が戻るのだって時間がかかるわけですし、ヴローツマインの鉱石ダンジョンも、大体掘っている場所で出てくる鉱石は、一緒だと報告を受けているので、スキルが関係するのは……体力の消費量が減るか、掘れる量が増えるくらいじゃないですかね?」
採掘や採集のスキルLvって、何に影響するのかと思ってたけど、Lvが上がる事で恩恵を受けるんだな。生産系のスキルは、扱える素材が増えるから何かあると思ってたけど、そういう事だったんだな。
「宝石って魔法増幅とかに使うって言っていた覚えがあるけど、それ以外に使い道ってあるの?」
「え? 魔道具を作ってるのにそんなことも知らないの?」
「えぇ!? 魔道具なんてほとんど作ってないよ?」
「シュウ、魔力を使って動く物は総称して、魔導具っていうのよ。そういえば、シュウの魔道具って全部魔核を使ったゴーレムになるのよね。一応分類的には魔道具になるけど、さすがに他の人と同じってわけにはいかないよね。
簡単に説明するわ。例えばシュウの場合、攻撃に使える程大きな火の魔法を使える魔道具を作る時は、魔核にクリエイトゴーレムで情報を書き込んで、使うと火の玉なりなんなりが出るようにするでしょ?
他の魔道具の場合は、込められた魔力や魔石の中の魔力を使って、火の玉を出すのは同じなんだけど、その場合触媒として、特殊加工したルビーに魔力を通すと、火の玉なんかが出るようになるのよ」
「ん~属性を付与するのに、宝石が必要ってことか? そう考えるとクリエイトゴーレムってすごいんだな。魔導具なら普通は、宝石を特殊加工して使うってことは、ディストピアで使っている五徳みたいなのも金かかってるのか?」
「あの程度なら宝石を使わなくても、使う事が出来ますね」
「色々あるんだな。五階全部にありそうだから、マークしておく必要もないよな。進んでいこうか」
こんな感じで八十三階と、それ以降を踏破している。
八十五階のガーディアンを倒して、地上に戻ってギルドに行ったら、面倒事に巻き込まれた。
何というかテンプレ的で、ダンジョンにこもっていて俺の事をしらない冒険者が、可愛い女の子を侍らせていたため、からんできたのだ。
「おい、あんちゃん! 可愛い女をたくさん連れているじゃねえか、半分くらい俺たちに貸してくれよ。金ならくれてやるから。小さい奴らはいいから、そっちをよろしく頼むわ。明日には帰してやるから、お前らこのねーちゃんたち連れてけ」
「おぃ、俺の女に手を出すな!」
おぃ、妻たちよ、何で年少組まで若干モジモジしてんだよ!
「あんちゃん、そんな無理するなよ。女の前で強がりたいのはわかるけど、相手が悪いぞ。剛腕の戦斧使いとは、俺の事なんだからな。このドーンボーンでも名の通った冒険者だぞ」
「ふ~ん、ドーンボーンで名の通った冒険者って事は、この国でも有数の冒険者って事なのか?」
「そういう事だ。それが分かったならさっさと女を寄越しな!」
「断る! お前らがこの国でも有数の冒険者だと言うなら、冒険者の質を考え直すべきだな。ん? あ~あれか、実力だけで成り上がった無法者、って意味で名の通った冒険者か? それなら納得だわ」
俺はストレスでも溜まってるのだろうか? わざわざ煽ってる俺がいるんだが、ここは冒険者ギルドというだけあって、何人かが俺の言葉に反応していた。
「おぃ小僧、それは俺に対する侮辱か? 覚悟はできてるんだろうな?」
「お前こそ、自分の言ってる事が理解できてんだろうな? 俺の妻たちを寄越せだと? 寝言は寝てからいえよ、ハゲ!」
そう、よくわからんがこいつはスキンヘッドだったので、ついつい出てしまった一言。
言葉にならない言葉を発してハゲが、背負っていた戦斧を抜いて俺に切りかかってきた。刃の所を避けるために距離を詰めようとしたが、俺より先に動いていた小柄な影が見えた。シェリルが一歩先に動き出し、ハゲのボディに拳を突き立てていた。あ~あ、これ吐くんだろうな、かわいそうに。
小柄なシェリルが殴り倒すと同時に、ギルド職員が駆けつけてきた。
「何事ですか!」
「そこのハゲが斧で切りかかってきたから、殴って止めた」
「冒険者ギルドで手を出したんですか? 殴るなんて非常識な!」
「まてまて、このギルドは斧抜いて切りかかってきた奴より、殴り倒したほうが非常識なのか? 斧で切られて死ねと?」
「すいません。暴力沙汰は、久しぶりだったもので気が動転していたようです。斧で切りかかられたのに、正当防衛せずに死ねという事はさすがに言いません。ですが、事情は聞かせていただきたいと思いますので、一緒についてきてください」
ハゲと一緒に連れていかれ、一部始終をちょっと誇張してギルド職員に話した。途中でハゲが口をはさんできたが、無視して話を進めた。もちろん俺たちはおとがめなし。ハゲは高い罰金を払わされたそうだ。
ついでに理由もなく次に接触してきた場合は、殺害許可までおりた。これは俺に犯罪をさせようという、罠ではないだろうか? 殺すのは問題になりそうなので、もし絡んできても半殺しで済ませようという話になった。でも、ハゲにこの後からまれることはなかった。
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