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第490話 魔物の羊の不思議な生態
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「何でシュウ様がここにいるか分かりませんが、気にしたら負けなようですので、一緒に羊の毛刈りに参加してもらおうと思います。魔物の羊の毛に埋まりすぎて、窒息しないように気を付けてくださいね。先に普通の羊の毛を刈りましょう。お手本を見せますので、よく見ていてください」
教師役の人間が二人前に出てきて、羊を捕まえてお尻を下にして座らせる。簡単に言えばスコ座りと呼ばれる感じにして、一人が抱えながら座らせている。
バリカンのような物を取り出して、毛を刈りだした。あれは魔導バリカンというもので、魔道具らしい。簡単に作れる魔導具の様でいっぱい準備されていた。
俺は昔テレビで見た覚えのある方法で、スコ座りをさせてから股に挟んでお腹の毛を刈っていく。もっさりと刈れるため気持ちいい、何か癖になりそうだ。
孤児院の子たちも楽しそうに、二人一組で毛を刈っていた。一人が終わると交換して、もう一人毛を刈り始める。こら三幼女! モフモフしてて気持ちいのはわかるけど、まだ汚いからそこにダイブするのはやめなさい!
普通の羊が終わると魔物の羊の毛刈りになった。どうやってやるのかと思ったら、お尻のあたりをポンポンと叩きながら「毛を刈るよ」と言うと、素直にその場に伏せをしてくれる。
卵型のような毛の塊が沈んで、何となくまんじゅうっぽい毛の塊に変身した。五十センチメートル位は沈んだが、それでも刈るには高いな……と思っていたら、教師の手が毛に埋まった! そのまま体の半分が埋まる勢いで体を埋めて、魔導バリカンが動き始めた。
刈り取られた毛が剥がされるように、厚さ六十センチメートル位の毛の絨毯? が浮き上がってくる。五分もすると背中と側面の毛が刈り取られた。羊何頭分の毛が取れたんだろうか? まだお腹の部分についている毛があるので、もうちょっと増える予定だ。
これからどうするのかと思っていると、座らせた時と同じようにお尻の部分を叩いて立たせると、側面からお腹にかけて毛を刈りながら、潜り込むような形でドンドン刈り取っていく。大体十分弱で毛の刈り取りが終わった。思わず拍手してしまった。
さて、次は俺の番だ! 毛を刈ってくれることが分かると、次々と魔導バリカンを持っている人の前に魔物の羊が来る。お前ら賢いな、ブラッシングを迫ってくるクロとギンみたいで、思わずにやけてしまった。毛に埋まりながら毛を刈っていくのは難しいけど、このフワフワ感がたまらん!
教師役の人より何倍も時間がかかりながら、背中と側面の毛刈りが終わった。さて、ポンポンとお尻を叩き立たせると、教師と同じように毛を刈りながら潜り込む。途中で失敗して、顔にダイレクトに毛が落ちてきてしまった。
終わったので、教師役の人間に気になったことを聞いてみる。
「あの羊って魔物だよな?」
「そうですね」
「野生っていっていいのか? 人間に毛を刈られない奴らは、どうなるんだ?」
「聞いた話では、ドンドン毛が硬くなっていくそうです。その際、大きさは変わらずに毛だけが硬くなるらしいですね。毛が硬くなってしばらくすると、今度は体が大きくなるそうですよ。
体が大きくなるのと一緒に、硬くなった毛が複雑に絡み合って、皮膚の上に硬くなった毛で出来た、頑丈な鎧を着ているような状態になるそうですね。毛が柔らかい時は、気性は優しいのですが、毛が硬くなって防御力が高くなると、それに合わせて気性も荒くなっていくようですね」
「魔物ってドロップ品になるのに、こいつらの毛ってそのまま使えるのか? 消えたりしないの?」
「そういわれると不思議ですね。この魔物の毛で作った服が消えたってことは、聞いたことがないですし、高級品なので上級階級の人間が好んで使う素材なので、無くなればすぐに問題になりますしね」
不思議な魔物だな。気性が荒くないなら……待てよ、俺の方が強いと認めてくれれば、俺の支配下にはいってくれるんじゃねえか? ダンマスのスキルで配下に置けるなら、召喚も出来るようになるはずだよな?
「よし、お前ちょっとこっちゃこい。おぉ~賢いな。ちょっと頭に手を置くけど許してくれな」
近寄って来た魔物の羊の頭に手を置いて、ダンマスのスキルを使い支配下に置いてみる。すんなり成功したな。
召喚リストを見て見ると、【バファシープ】という名で新しく追加されていた。この名前の由来って何だろうな? 神の気まぐれか? 残ったバファシープも全部支配下に置いていく。
ここで初めての命令を行っておく。絶対に俺の関係者に怪我をさせない事! 俺のダンジョンのせいか、ダンジョン内の魔物は、敵味方が分かるのでこれで大丈夫だろう。
教師の話を聞いていて硬くなった毛の方が気になったので、別の所に十匹くらいバファシープを召喚して、管理してもらっておこう。
「皆さん、魔物と普通の羊の毛は、混ぜないでくださいね。別々に洗いますので、あちらに運んでください」
リアカーに毛をもっさりと積んで運んでいく。羊とバファシープの毛を別々にして、大きい桶に入れていく。バファシープの方は、直径五メートル位の桶が十個、羊の方は二個分だな。この数には意味があるのかな?
「今度は、この中にお湯を入れていきます。大体五十から六十度位のお湯で洗ってきます」
簡単に一回木の棒みたいなのでかき混ぜながら毛を洗っていく。栓を抜いて布袋に流し入れていく。一つの袋では足りないので、十袋位に分けて入れて二人一組で絞っていく。それをまた樽に戻してお湯を入れて洗っていく。
二回目の洗いは、よくわからない液体を入れてからかき混ぜていた。泡が立っていたので、石鹸か洗剤か何かなんだろう。
「今日の作業はこれで終了です。二回目に洗う時に入れたのは、石鹸水ですね。毛についた油分をとるために、一日漬けおきます。また明日作業があるので頑張りましょうね」
次の作業は明日の様だ。
次の日
「では、昨日と同じように栓を抜いて袋に詰めて搾りましょう。それが終わったらあそこの川に運んでゆすぎます」
一二〇袋の毛が入った袋を運んで、ゆすいでいく。ゆすぐといっても、袋のまま川に突っ込んで、上から踏みつけるような感じでやっている。終わったら水のはっている桶に戻して、その中に入りながら、毛に絡まったごみを取っていく。腰が痛い……
ごみを取り終わったらもう一度水を抜いて絞って戻す。結構重労働だけど、みんなレベルが上がっているので、力は問題ない。
そのままキレイに搾ったら、乾燥させて終わりとの事らしい。
今日も上手い飯が食えそうだ。一緒に作業したので、今日は孤児院のみんなを誘って、うちの庭でバーベキューだ!
教師役の人間が二人前に出てきて、羊を捕まえてお尻を下にして座らせる。簡単に言えばスコ座りと呼ばれる感じにして、一人が抱えながら座らせている。
バリカンのような物を取り出して、毛を刈りだした。あれは魔導バリカンというもので、魔道具らしい。簡単に作れる魔導具の様でいっぱい準備されていた。
俺は昔テレビで見た覚えのある方法で、スコ座りをさせてから股に挟んでお腹の毛を刈っていく。もっさりと刈れるため気持ちいい、何か癖になりそうだ。
孤児院の子たちも楽しそうに、二人一組で毛を刈っていた。一人が終わると交換して、もう一人毛を刈り始める。こら三幼女! モフモフしてて気持ちいのはわかるけど、まだ汚いからそこにダイブするのはやめなさい!
普通の羊が終わると魔物の羊の毛刈りになった。どうやってやるのかと思ったら、お尻のあたりをポンポンと叩きながら「毛を刈るよ」と言うと、素直にその場に伏せをしてくれる。
卵型のような毛の塊が沈んで、何となくまんじゅうっぽい毛の塊に変身した。五十センチメートル位は沈んだが、それでも刈るには高いな……と思っていたら、教師の手が毛に埋まった! そのまま体の半分が埋まる勢いで体を埋めて、魔導バリカンが動き始めた。
刈り取られた毛が剥がされるように、厚さ六十センチメートル位の毛の絨毯? が浮き上がってくる。五分もすると背中と側面の毛が刈り取られた。羊何頭分の毛が取れたんだろうか? まだお腹の部分についている毛があるので、もうちょっと増える予定だ。
これからどうするのかと思っていると、座らせた時と同じようにお尻の部分を叩いて立たせると、側面からお腹にかけて毛を刈りながら、潜り込むような形でドンドン刈り取っていく。大体十分弱で毛の刈り取りが終わった。思わず拍手してしまった。
さて、次は俺の番だ! 毛を刈ってくれることが分かると、次々と魔導バリカンを持っている人の前に魔物の羊が来る。お前ら賢いな、ブラッシングを迫ってくるクロとギンみたいで、思わずにやけてしまった。毛に埋まりながら毛を刈っていくのは難しいけど、このフワフワ感がたまらん!
教師役の人より何倍も時間がかかりながら、背中と側面の毛刈りが終わった。さて、ポンポンとお尻を叩き立たせると、教師と同じように毛を刈りながら潜り込む。途中で失敗して、顔にダイレクトに毛が落ちてきてしまった。
終わったので、教師役の人間に気になったことを聞いてみる。
「あの羊って魔物だよな?」
「そうですね」
「野生っていっていいのか? 人間に毛を刈られない奴らは、どうなるんだ?」
「聞いた話では、ドンドン毛が硬くなっていくそうです。その際、大きさは変わらずに毛だけが硬くなるらしいですね。毛が硬くなってしばらくすると、今度は体が大きくなるそうですよ。
体が大きくなるのと一緒に、硬くなった毛が複雑に絡み合って、皮膚の上に硬くなった毛で出来た、頑丈な鎧を着ているような状態になるそうですね。毛が柔らかい時は、気性は優しいのですが、毛が硬くなって防御力が高くなると、それに合わせて気性も荒くなっていくようですね」
「魔物ってドロップ品になるのに、こいつらの毛ってそのまま使えるのか? 消えたりしないの?」
「そういわれると不思議ですね。この魔物の毛で作った服が消えたってことは、聞いたことがないですし、高級品なので上級階級の人間が好んで使う素材なので、無くなればすぐに問題になりますしね」
不思議な魔物だな。気性が荒くないなら……待てよ、俺の方が強いと認めてくれれば、俺の支配下にはいってくれるんじゃねえか? ダンマスのスキルで配下に置けるなら、召喚も出来るようになるはずだよな?
「よし、お前ちょっとこっちゃこい。おぉ~賢いな。ちょっと頭に手を置くけど許してくれな」
近寄って来た魔物の羊の頭に手を置いて、ダンマスのスキルを使い支配下に置いてみる。すんなり成功したな。
召喚リストを見て見ると、【バファシープ】という名で新しく追加されていた。この名前の由来って何だろうな? 神の気まぐれか? 残ったバファシープも全部支配下に置いていく。
ここで初めての命令を行っておく。絶対に俺の関係者に怪我をさせない事! 俺のダンジョンのせいか、ダンジョン内の魔物は、敵味方が分かるのでこれで大丈夫だろう。
教師の話を聞いていて硬くなった毛の方が気になったので、別の所に十匹くらいバファシープを召喚して、管理してもらっておこう。
「皆さん、魔物と普通の羊の毛は、混ぜないでくださいね。別々に洗いますので、あちらに運んでください」
リアカーに毛をもっさりと積んで運んでいく。羊とバファシープの毛を別々にして、大きい桶に入れていく。バファシープの方は、直径五メートル位の桶が十個、羊の方は二個分だな。この数には意味があるのかな?
「今度は、この中にお湯を入れていきます。大体五十から六十度位のお湯で洗ってきます」
簡単に一回木の棒みたいなのでかき混ぜながら毛を洗っていく。栓を抜いて布袋に流し入れていく。一つの袋では足りないので、十袋位に分けて入れて二人一組で絞っていく。それをまた樽に戻してお湯を入れて洗っていく。
二回目の洗いは、よくわからない液体を入れてからかき混ぜていた。泡が立っていたので、石鹸か洗剤か何かなんだろう。
「今日の作業はこれで終了です。二回目に洗う時に入れたのは、石鹸水ですね。毛についた油分をとるために、一日漬けおきます。また明日作業があるので頑張りましょうね」
次の作業は明日の様だ。
次の日
「では、昨日と同じように栓を抜いて袋に詰めて搾りましょう。それが終わったらあそこの川に運んでゆすぎます」
一二〇袋の毛が入った袋を運んで、ゆすいでいく。ゆすぐといっても、袋のまま川に突っ込んで、上から踏みつけるような感じでやっている。終わったら水のはっている桶に戻して、その中に入りながら、毛に絡まったごみを取っていく。腰が痛い……
ごみを取り終わったらもう一度水を抜いて絞って戻す。結構重労働だけど、みんなレベルが上がっているので、力は問題ない。
そのままキレイに搾ったら、乾燥させて終わりとの事らしい。
今日も上手い飯が食えそうだ。一緒に作業したので、今日は孤児院のみんなを誘って、うちの庭でバーベキューだ!
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