ダンマス(異端者)

AN@RCHY

文字の大きさ
上 下
478 / 2,518

第478話 順調に進む街作成

しおりを挟む
 今日の作業は、下水を作ったところで終了だ。夕食の時間になるので野営地に戻ることにした。

「明日は土を盛っていこうか。といっても、地下から持ち出した量じゃ足りないから魔法で出すしかないんだけどね。一応方法は考えてあるから明日試してみようか」

 ワイワイガヤガヤしながら野営地に戻り、夕食を済ませる今日も美味しいごはんだった! お風呂に入ろうとした所で問題が発生した。三幼女と土木組が突入してきた。

 ロリコンじゃないから喜びはしないが、知らない……わけじゃないけど、男の俺が入ってる風呂に、突入してくるのはどうなのだろうか?

 それだけならよかったが、カエデやミリー、リンドまで入ってきたのだ。明るい所で女性の裸を見れば、俺の息子が元気になる可能性があるわけで、そんなものを土木組の娘たちには見せられない。三幼女にもだけどな!

 俺の精神力は、性欲に勝ってくれたようだ! 痴態を見せずに済んでよかった。思ったより人間の精神力って、すごいんだな。妻の裸だから耐えれた? 最近ご無沙汰だったし、このカエデ、ミリー、リンドは大人の魅力がね……色々ヤバかったけど、痴態を晒さなくて済んでよかった!

 苦行を強いられた俺の精神は、すり減った事により安眠を求めていた。スライムベッドを用意して、俺は深い眠りについた。

 何か寝苦しくなって目が覚めれば、土木組を含めたみんなが、スライムの柔らかさを求めて俺の周りに集まっていて、寝苦しくなっていたのだ。ニコたちスライムの人気に嫉妬! はしないけど、下水にはなった粘液型スライムは、不評だったな。

 同じスライムでも見た目があれだと、近付きたくなくなるわな。

 二度寝をするには遅かったので、そこで目を覚ますことにした。昨日買った小説をブッ君で読もう。俺の定位置と化している、野営地の真ん中にソファーを設置して、くつろいだスタイルで読み始める。

 のんびりしていると、香ばしいにおいが漂ってきて現実に意識が引き戻される。

 それと同時に呼ばれる声が聞こえてきたので食堂へ向かう。今日の朝食はトーストにベーコン、卵、サラダと洋風の朝食だ。卵も目玉焼きとスクランブルエッグにゆで卵と、いろんなタイプが準備されていた。

「街開拓? 街作成? リアルA〇車で行こう? 何でもいいわ! 三日目開始! 土台を作るぞ! 昨日運んだ土を固めて行こう」

 簡単に街の形を説明していく。まぁミニチュアを作って説明したんだけどね。

 領主館は門から大体直線距離で九〇〇メートル程の位置に作って、そこから領主館の同心円状に、約四〇メートル毎に一メートル下がるように段差を作り、中間地点あたりに大きめの通路を作る予定だ。区画整理は、それ以上するつもりはないので後はアンソニに丸投げする。

「整地をしようかな。門から四〇メートル程をできる限り平らになるようにならしてね」

 この程度の事は土木組でもすることができるので任せる事にした。距離を測るのはみんなの得意技なのでテキパキと距離を測って問題なく初めの段が完成した。問題はここからだな。

「さぁ、ここからは一メートル高くして、この範囲全体に土を盛り上げるよ。大体でいいから土をならしていこうか」

 完ぺきにこなす事なんてできないので、大体で行うようにしている。地盤は固め過ぎずに程よく硬い状態にしておいた。硬くしすぎると家を建てる際に問題が出てしまうので、程よく硬くしておく。

 上に行くほど盛り上げる範囲は狭くなるが、後二段三段盛り上げると地下から掘り出した土が無くなるので、そこからは土魔法の出番だろう。

 土木組は俺のマネをして二段目の土台を作っていく、途中で変に柔らかかったり無駄に硬かったりする場所があったので、声をかけて修正させている。初めてにしては上出来だと思う。

 ただ年齢がな……地球でもこの子たちより年下の子が働いていたとはいえ、俺は日本人で……そんなこと考えても意味ないんだろうな。俺たちの事を手伝ってくれているから、出来る限り本人たちのしたいことをさせてあげよう!

 順調に二段目まで完成した所で昼食の時間になってしまった。今日の昼食はブラウニーたちが、現場まで運んできてくれていた。

 ピクニック的な感じで食べられるように、おにぎりやサンドウィッチにから揚げなどを詰め合わせた、行楽弁当のような物を準備してくれていた。これなら明日もこれでいい気がするな。

「さて、午後の作業を始めようか! 三段目の土は足りなかったから、ここからは土魔法を使っての作業になるよ。魔力を今までよりたくさん使うから、注意して魔法を使うようにね。特にイメージが大事だから、良く見ておくようにね。【アースプリペア】」

 食事が終わり休憩も終わったので、午後の作業が開始された。

 これからは魔力を大量に使って土を作っていく必要がある。土や石、水等そこにあるものを使用して魔法を使うと魔力が少なくて済むが、ない場合は魔力で生み出して使用する形になるので、魔力の消費が激しいのだ。

 今までそれをしていなかったのは、クリエイトゴーレムの方がこの先便利なので、習熟させるために使わせていなかったのだ。

 そもそもこの魔法名もどうかと思うが、土魔法のLv六で覚えたが、全く使っていなかった魔法だ。プリペアって、間違いじゃなければ、準備するとかそういった意味だった気がするんだけど……土を準備する? 間違ってはいないけど、あってもいないような何とも言い難い魔法名だよな。

 夜までに五段目まで作ることができた。魔力の関係で五段目までだったので、明後日には領主館の所までは、問題なく作れるだろう。ただそこから先が本番なんだけどね。

 段差にした部分の下水をどうするかという事になるのだが、そこに関しては上の十段分くらいは、再度その下に穴を掘って下水を作る予定だ。管を通して下水へ流すのだが、それ以外の部分は頑丈な壁で囲い、水をためられるようにしておく予定だ。

 川があるからって水が常に大量にあるわけじゃないので、そこに水をためれるようにする。下水の汚水をスライムたちに浄化してもらいながら、その水を人力ポンプで移して、さらにスライムに浄化してもらい、綺麗な水を作れるようにしておいた。

 思っていたよりスライムが有用で、びっくりしたわ! ゴーストタウンで実験した時も、びっくりするほど水がきれいになったのだ。

 スライムは、有機物や有機物だったもの以外には興味を示さず、プール一杯分くらいの汚水であれば、洗面器五十杯分くらいのスライムがいれば、四日ほどでキレイにしてしまうのだ。有機物以外の不要な物は、浄化の魔道具とろ過機を使用すれば、川の水よりよっぽど綺麗になったのだ。

 計算通り二日後には、領主館の作れる位置まで段を作ることができた。明日は上の部分の下水と、インフラ整備にため池の作成ってところかな?
しおりを挟む

あなたにおすすめの小説

性奴隷を飼ったのに

お小遣い月3万
ファンタジー
10年前に俺は日本から異世界に転移して来た。 異世界に転移して来たばかりの頃、辿り着いた冒険者ギルドで勇者認定されて、魔王を討伐したら家族の元に帰れるのかな、っと思って必死になって魔王を討伐したけど、日本には帰れなかった。 異世界に来てから10年の月日が流れてしまった。俺は魔王討伐の報酬として特別公爵になっていた。ちなみに領地も貰っている。 自分の領地では奴隷は禁止していた。 奴隷を売買している商人がいるというタレコミがあって、俺は出向いた。 そして1人の奴隷少女と出会った。 彼女は、お風呂にも入れられていなくて、道路に落ちている軍手のように汚かった。 彼女は幼いエルフだった。 それに魔力が使えないように処理されていた。 そんな彼女を故郷に帰すためにエルフの村へ連れて行った。 でもエルフの村は魔力が使えない少女を引き取ってくれなかった。それどころか魔力が無いエルフは処分する掟になっているらしい。 俺の所有物であるなら彼女は処分しない、と村長が言うから俺はエルフの女の子を飼うことになった。 孤児になった魔力も無いエルフの女の子。年齢は14歳。 エルフの女の子を見捨てるなんて出来なかった。だから、この世界で彼女が生きていけるように育成することに決めた。 ※エルフの少女以外にもヒロインは登場する予定でございます。 ※帰る場所を無くした女の子が、美しくて強い女性に成長する物語です。

冤罪をかけられ、彼女まで寝取られた俺。潔白が証明され、皆は後悔しても戻れない事を知ったらしい

一本橋
恋愛
痴漢という犯罪者のレッテルを張られた鈴木正俊は、周りの信用を失った。 しかし、その実態は私人逮捕による冤罪だった。 家族をはじめ、友人やクラスメイトまでもが見限り、ひとり孤独へとなってしまう。 そんな正俊を慰めようと現れた彼女だったが、そこへ私人逮捕の首謀者である“山本”の姿が。 そこで、唯一の頼みだった彼女にさえも裏切られていたことを知ることになる。 ……絶望し、身を投げようとする正俊だったが、そこに学校一の美少女と呼ばれている幼馴染みが現れて──

幼なじみ三人が勇者に魅了されちゃって寝盗られるんだけど数年後勇者が死んで正気に戻った幼なじみ達がめちゃくちゃ後悔する話

妄想屋さん
ファンタジー
『元彼?冗談でしょ?僕はもうあんなのもうどうでもいいよ!』 『ええ、アタシはあなたに愛して欲しい。あんなゴミもう知らないわ!』 『ええ!そうですとも!だから早く私にも――』  大切な三人の仲間を勇者に〈魅了〉で奪い取られて絶望した主人公と、〈魅了〉から解放されて今までの自分たちの行いに絶望するヒロイン達の話。

【完結】【勇者】の称号が無かった美少年は王宮を追放されたのでのんびり異世界を謳歌する

雪雪ノ雪
ファンタジー
ある日、突然学校にいた人全員が【勇者】として召喚された。 その召喚に巻き込まれた少年柊茜は、1人だけ【勇者】の称号がなかった。 代わりにあったのは【ラグナロク】という【固有exスキル】。 それを見た柊茜は 「あー....このスキルのせいで【勇者】の称号がなかったのかー。まぁ、ス・ラ・イ・厶・に【勇者】って称号とか合わないからなぁ…」 【勇者】の称号が無かった柊茜は、王宮を追放されてしまう。 追放されてしまった柊茜は、特に慌てる事もなくのんびり異世界を謳歌する..........たぶん….... 主人公は男の娘です 基本主人公が自分を表す時は「私」と表現します

【書籍化】パーティー追放から始まる収納無双!~姪っ子パーティといく最強ハーレム成り上がり~

くーねるでぶる(戒め)
ファンタジー
【24年11月5日発売】 その攻撃、収納する――――ッ!  【収納】のギフトを賜り、冒険者として活躍していたアベルは、ある日、一方的にパーティから追放されてしまう。  理由は、マジックバッグを手に入れたから。  マジックバッグの性能は、全てにおいてアベルの【収納】のギフトを上回っていたのだ。  これは、3度にも及ぶパーティ追放で、すっかり自信を見失った男の再生譚である。

幼馴染の彼女と妹が寝取られて、死刑になる話

島風
ファンタジー
幼馴染が俺を裏切った。そして、妹も......固い絆で結ばれていた筈の俺はほんの僅かの間に邪魔な存在になったらしい。だから、奴隷として売られた。幸い、命があったが、彼女達と俺では身分が違うらしい。 俺は二人を忘れて生きる事にした。そして細々と新しい生活を始める。だが、二人を寝とった勇者エリアスと裏切り者の幼馴染と妹は俺の前に再び現れた。

処理中です...