ダンマス(異端者)

AN@RCHY

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第475話 野営地での一幕

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「ただいま~~」

「「「「「おかえりなさいませ!!」」」」」

 メギドから野営地まで五分もかからずに到着した。

「食事の前にちょっとみんなに報告があります! さっき捕まえた盗賊たちのアジトが近くにあるみたいなので、明日の朝食を食べたら退治しに行きます。土木組のみんなは作業を続けててほしいんだけどいいかな?

 やってもらう事は説明していくからよろしくね。あと、リンドはここに残って、みんなの監督をお願い。残りのメンバーは俺と一緒に盗賊退治だ。ニコとスライムは連れて行くけど、あっちのはあからさまに嫌な顔してるので、置いてくね」

 四匹のオオカミは露骨に嫌な顔をして、四匹の狐は隠れるようにオオカミたちのお腹の下に潜り込んでいた。ハクは天幕の上でクワァ! っと鳴いてこっちに関心を持っていなかった。

 今日の夕食は、アマレロが中心となって準備したそうだが、鉄板焼きだった。その種類は豊富でお好み焼きから始まり、もんじゃ焼き、ステーキ、焼きそば、海鮮、餃子、パンケーキ等、他にも各種肉や野菜が準備されていた。

 今回はライブキッチン風で、俺たちの前で焼いてくれるようだ。俺の担当はアマレロで、ブラウニーたちは一人で三人程のメンバーからの注文を取るようだ。

 初めは小さめの豚玉お好み焼きを注文した。ソースはシルキーたちが手掛けた、お好み焼き専用のソースを使っている。その後は、サイコロステーキ・鶏の照り焼きを三口ぐらいずつと、餃子五つを注文。焼けるのを待っている間に、お勧めの野菜焼きをポリポリ食べた。

 海鮮系も少し食べたかったので、お任せで焼いてもらい、しめの焼きそばを頬張った。やばい、食べ過ぎて苦しい。でも、デザートのパンケーキまで食べちゃったけどな!

 食事の後は入浴タイムなので、俺は寝る前に入りたいからという事で、先に女性陣にお風呂に入ってくるように促す。みんなが入っている間に明日、俺が盗賊退治に行っている間にすることをメモしておく。といっても、ため池を掘ったり、壁の外に溝を掘ったりしてもらうつもりだ。

 川からため池へは地上じゃなくて、穴を掘って地下を通す予定だ。深い意味はないけど、何となくやってみたいと思ったから、取り入れただけだ。土木組でも穴を掘れるだろうが、クリエイトゴーレムで修復機能はつけられないから、ここら辺は俺がやることになるだろうな。

 みんなが上がって来たので、準備してもらっておいた冷たい果実水を渡していく。いい飲みっぷりだな。誰が教えたか分かり切ってることだが、土木組のみんなは足を肩幅にひらいて、左手がを腰に当てて右手に果実水をもって、グビグビと飲んでいる。

 綾乃色に染まりすぎだろ。いや違うか? ワザと染めている可能性の方が高いな。今度釘をさしておかないといけないな。

 リンドに明日の作業内容を伝えておく。俺がいない時に、地下を掘るのは危ないので、その作業はしないように注意しておく。寝るにはまだ早いので、土木組は勉強をすると言って、ミリーを連れて食堂用に作った天幕へ入っていった。三幼女も一緒についていき、残ったのは俺とカエデとリンドだった。

 残った三人で、明日の退治について段取りを立てていく。マップ先生を使用している俺たちには、敵の数もほぼ完ぺきに把握できるし、奇襲もかけ放題なので大雑把な作戦内容になっていた。

 村に残っている人間の数は四十九人。今日捕らえたやつと合わせると七十二人? もし全員が盗賊だったのなら、結構大所帯の盗賊だったんだな。四十九人をさすがに一台の馬車に乗せられないので、二台用意する事が決まった。

 退治する方法は、村を囲んでの奇襲。そこで、できるだけ無力化して、逃げた盗賊はマップ先生を使って追跡をして捕まえるっと。もちろん奇襲を担当するのは、スライムたちである。無音の暗殺者の如き活躍を期待する!

 さて、いい時間になったので風呂に入りに行くかな……お前ら、何でそこにいるんだ?

 お風呂には、俺とミリーの従魔が勢ぞろいしていた。俺がしょっちゅうお風呂に入れるため、こいつらも風呂好きになってしまい、毎回苦労して洗うはめになるのだ。ちょっと前に良い魔法を開発したのだ!

 といっても参考にしたのは、高圧洗浄機だ。魔力で威力を調節できて、水は少し拡散気味に噴出されるようにしてある。ある程度の範囲まとめてキレイにできるようにだ。

 洗剤を付けて洗うのは大変なので、洗剤の入った湯船をを準備して、そのお湯を使った高圧洗浄魔法で体の大きいオオカミたちにかけていき、全身を洗ったら今度はキレイな湯船からお湯をひいて流す形だ。洗い終わったら並んでお風呂につかる。

 体の小さい狐たちはその風呂に頭だけ出してつかるのだ。つかった後に俺がわしゃわしゃ洗って、自分たちで魔法を使い泡を流している。それでも八匹もいると、それなりに時間がかかるのだ。かけるだけとはいえ疲れるのには変わりない。

 ハクだけは、俺に手で洗ってもらわないと気が済まないようで、俺が体を洗い出すと俺の前に現れて洗えと圧をかけてくるので、しょうがなく洗う事になるのだ。これが一番疲れるんだよな。羽の内側なども洗わないといけないと拗ねるので、手をかける必要がある感じだ。

 結局、お風呂を上がったのは入ってから二時間も経っていた。姉御組の三人以外はもう寝ているようで、三人は大人の時間を楽しんでいるようだった。

 お酒にあうつまみを作ってもらい、色々な話をしているようだ。俺の家でお酒を飲むのは、この三人だけなんだよな。元から飲んでいたからだと思うが、他の妻たちはお酒じゃなくても楽しめるから、わざわざ飲もうとしない感じだな。ヴローツマインのドワーフたちの醜態も見ているしな。

「三人ともまだ寝ないのか?」

「シュウが上がってくるのを待ってたのよ。ハクたちがいなかったから、多分上がってくるのは時間かかると思って、アマレロにおつまみを頼んで話をしてたのよ」

「待たせたようですまんな。で、何で待ってたんだ?」

「たまには私たちで独占しようかなって思って待ってたのよ。他のみんなもいるから、夜のアレは出来ないけど、添い寝位はいいでしょ?」

「そうだな。もう酒飲むのはやめて寝よっか」

 俺の言葉に従ってベッドに横になる。今日はリンドが俺の事を腕枕して、逆にカエデが陣取るようだ。俺が腕枕をするのではなく、リンドが腕枕をするという何とも言えない寝姿だ。
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