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第473話 下準備開始
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次の日、俺、カエデ、ミリー、リンド、三幼女、土木組十五人の合わせて二十二人は、メギドを経由してから、新しい街の予定地に到着する。
足元にはもちろんニコたちスライムもいるし、ちょっと離れた所には、クロとギンにミリーの従魔も含むオオカミ四匹、狐が四匹、ハクは日向ぼっこをしている。
「よし、野営地を作るぞ! 予定通り大きい天幕を四つ作るぞ! カエデ・ミリー・リンドは中心になって設営してくれ、俺はアンソニからもらった図面を見ながら、予定地の様子を見てくるからよろしく」
みんなに野営の準備を任せて、予定されている街の場所をながめる。
「ん~ただの平地だな。よくこんなところにアンソニは、ディストピアみたいな中心が盛り上がっている街を、作ろうとしたよな。本当に他力本願じゃねえか? 土木組が経験を詰めば、これくらいできるようになるか?」
と考えながら、街をどうやって作るか順番を考えをめぐらしていく。
「盛り上げないといけないから、下水を処理する地下を掘って、土を集めるか。後はため池にする部分も先に掘っておかないとな。アンソニの計画だと、最低でも二十メートルは盛り上げないといけないけど、土が全然足りないよな。魔法で生み出すか?
一回で20メートルを水を上げるとなると、力も無駄だから五メートルを四回繰り返して持ち上げるか?段差にため池を作って、領主館の周りに大きめのため池一つ作れば、水関係は何とかなるか? どれだけ水を流せるか分からんけどな。流す時間とか量を考えれば何とかなるか?」
ブツブツ独り言を言っていると、野営地が完成したようでカエデが俺の事を呼びに来た。
「何ブツブツ言ってんの、野営地完成したわよ」
「みんなお疲れさん! この野営地の周りは、俺が壁を作ろうか。ロックウォール!」
アースウォールの改良版といっていいのだろうか、石の壁を作る魔法だ。高さは二メートル程、直径は五十メートル程だ。その上で結界を張って、侵入を困難にしている。出入りできるのは、出入り口だけ。その入り口も、ミスリル合金製の頑丈な扉で、内側から閂をできるようにしてあるので完璧だ!
俺の壁を作る手際を見て、土木組のみんなは感嘆の声を上げていた。
「イメージさえしっかりしていれば、こういったことも可能になるんだよ。みんなにはゆっくりと、できるようになってもらう予定だから、無理しない程度に頑張ってね」
土木組と三幼女の十八人が大きな返事を返してきた。三人はいつから土木組に仲間入りしたんだ?
「今日はまだ時間があるから、街の壁を作る場所のマーク位はしておこうか」
何もないと思うが従魔たちを野営地に残して、他のメンバーを全員連れていく。
「俺の領地の壁と一体型の街だから、ちょっと形はいびつだけど、門から遠い位置に高さ二十メートル位の所に、領主館を置いてそこから外壁に近くなると段々に下がっていくように作る予定だ。門を中心に一キロメートル位の距離に壁を作るから、みんなでだいたいの位置にマークを付けるよ」
そういったが、みんながどうやって一キロメートル位の所にマークをするのか、見て見たくて手を出さずに様子を見ていた。
土木組は門を中心にした同円上の位置に立って、門とは逆方向を向いて何やら魔法を唱え始めた。
魔法が完成して発動すると門から放射状に線が走る。どのくらいの距離まで線がついているか分からないが、かなり遠くまで線が引かれているな。
魔法を使った後さらにまた魔法を唱え始めた。
魔法が完成して発動すると、少し遠くからドンッと言う音が複数聞こえてきた。その音を確認すると土木組のみんなが、自分のつけた線を進んでいく。
目算で一〇〇メートルくらいだろうか? 全員が止まって、また魔法を唱え始める。先程と同じ魔法だ。近くにいた子の足元を見ると、何やら拳大の跡がついていた。魔法が完成すると先程と同じように、少し遠くからドンッという音が聞こえてくる。
俺はこの時点で、だいたい何をしているかを把握した。
「誰が考えたか知らないけど、これは賢いやり方だな。一〇〇メートルくらい線を付けるっていう事が、一つの魔法で出来なかったから、できるだけ長い線を付ける魔法を使って、次に一〇〇メートルの位置にマークを付ける魔法を使っているんだろうな。
一つずつのイメージなら問題なくできてるってことだろう。十回繰り返せば一キロメートルになる。十五人でやれば、その頂点を線でつなげば、だいたい弧を描くってところだろうな。
これが一メートル単位で調整できるのであれば、土木の現場で役に立ちそうだな。区画整理とか人力で簡単にできるってことだ。うん、よく考えてるな」
俺の考察を聞いて、姉御組の三人は感心して、三幼女はみんなすごーいと騒いでいる。
俺の考察通り十回ほど繰り返すと、全員が最後にマークを付けた場所に立って、手を上げている。次に両端のメンバーから、内側のメンバーに向かって線を引く魔法を使用しようとし始めた。
一つ内側のメンバーは何やら魔力を高めていた。魔法が発動すると魔法を使ったメンバーと、魔力を高めたメンバーの間に線が走る。両端から内側に向かって同じことを繰り返していく。
「今度は、内側の魔力を高めたメンバーを目印に、線を引く魔法を使ったってことかな? 二人の間だけに線が引かれているから、多分そんな感じだろう。それにしてもこんな事誰が考えたんだ?」
最後に壁に向かって線を引いていた。
全部の作業が終わると、最後に引いた線の確認をしてから俺に近付いてきた。
「「「「「終わりました!」」」」」
土木組が全員声を揃えて俺に報告してきた。
「みんな、お疲れ様。もっと時間がかかると思ってたけど、早かったね。気になったんだけど、今の手法を考えたのは誰かな? 学校の先生?」
一番年上に見える子が手を上げて答えてくれた。
「えっと、シュウ様と一緒に授業にきてくれた、綾乃おねーちゃんが教えてくれたんです。ゲームを通して仲良くなってくれたおねーちゃんが、良く会いに来てくれてその時に教えてくれたんです」
「そっか、綾乃が教えたのか。みんなが使いやすいように、色々考えてくれたんだろうな。帰ったら綾乃にお礼言っとくようにね。今の魔法の使い方なら、今回の街を作る作業で活躍できるから、無理しない程度に頑張ろう!」
元気よく返事をして、野営地に一緒に戻っていく。
足元にはもちろんニコたちスライムもいるし、ちょっと離れた所には、クロとギンにミリーの従魔も含むオオカミ四匹、狐が四匹、ハクは日向ぼっこをしている。
「よし、野営地を作るぞ! 予定通り大きい天幕を四つ作るぞ! カエデ・ミリー・リンドは中心になって設営してくれ、俺はアンソニからもらった図面を見ながら、予定地の様子を見てくるからよろしく」
みんなに野営の準備を任せて、予定されている街の場所をながめる。
「ん~ただの平地だな。よくこんなところにアンソニは、ディストピアみたいな中心が盛り上がっている街を、作ろうとしたよな。本当に他力本願じゃねえか? 土木組が経験を詰めば、これくらいできるようになるか?」
と考えながら、街をどうやって作るか順番を考えをめぐらしていく。
「盛り上げないといけないから、下水を処理する地下を掘って、土を集めるか。後はため池にする部分も先に掘っておかないとな。アンソニの計画だと、最低でも二十メートルは盛り上げないといけないけど、土が全然足りないよな。魔法で生み出すか?
一回で20メートルを水を上げるとなると、力も無駄だから五メートルを四回繰り返して持ち上げるか?段差にため池を作って、領主館の周りに大きめのため池一つ作れば、水関係は何とかなるか? どれだけ水を流せるか分からんけどな。流す時間とか量を考えれば何とかなるか?」
ブツブツ独り言を言っていると、野営地が完成したようでカエデが俺の事を呼びに来た。
「何ブツブツ言ってんの、野営地完成したわよ」
「みんなお疲れさん! この野営地の周りは、俺が壁を作ろうか。ロックウォール!」
アースウォールの改良版といっていいのだろうか、石の壁を作る魔法だ。高さは二メートル程、直径は五十メートル程だ。その上で結界を張って、侵入を困難にしている。出入りできるのは、出入り口だけ。その入り口も、ミスリル合金製の頑丈な扉で、内側から閂をできるようにしてあるので完璧だ!
俺の壁を作る手際を見て、土木組のみんなは感嘆の声を上げていた。
「イメージさえしっかりしていれば、こういったことも可能になるんだよ。みんなにはゆっくりと、できるようになってもらう予定だから、無理しない程度に頑張ってね」
土木組と三幼女の十八人が大きな返事を返してきた。三人はいつから土木組に仲間入りしたんだ?
「今日はまだ時間があるから、街の壁を作る場所のマーク位はしておこうか」
何もないと思うが従魔たちを野営地に残して、他のメンバーを全員連れていく。
「俺の領地の壁と一体型の街だから、ちょっと形はいびつだけど、門から遠い位置に高さ二十メートル位の所に、領主館を置いてそこから外壁に近くなると段々に下がっていくように作る予定だ。門を中心に一キロメートル位の距離に壁を作るから、みんなでだいたいの位置にマークを付けるよ」
そういったが、みんながどうやって一キロメートル位の所にマークをするのか、見て見たくて手を出さずに様子を見ていた。
土木組は門を中心にした同円上の位置に立って、門とは逆方向を向いて何やら魔法を唱え始めた。
魔法が完成して発動すると門から放射状に線が走る。どのくらいの距離まで線がついているか分からないが、かなり遠くまで線が引かれているな。
魔法を使った後さらにまた魔法を唱え始めた。
魔法が完成して発動すると、少し遠くからドンッと言う音が複数聞こえてきた。その音を確認すると土木組のみんなが、自分のつけた線を進んでいく。
目算で一〇〇メートルくらいだろうか? 全員が止まって、また魔法を唱え始める。先程と同じ魔法だ。近くにいた子の足元を見ると、何やら拳大の跡がついていた。魔法が完成すると先程と同じように、少し遠くからドンッという音が聞こえてくる。
俺はこの時点で、だいたい何をしているかを把握した。
「誰が考えたか知らないけど、これは賢いやり方だな。一〇〇メートルくらい線を付けるっていう事が、一つの魔法で出来なかったから、できるだけ長い線を付ける魔法を使って、次に一〇〇メートルの位置にマークを付ける魔法を使っているんだろうな。
一つずつのイメージなら問題なくできてるってことだろう。十回繰り返せば一キロメートルになる。十五人でやれば、その頂点を線でつなげば、だいたい弧を描くってところだろうな。
これが一メートル単位で調整できるのであれば、土木の現場で役に立ちそうだな。区画整理とか人力で簡単にできるってことだ。うん、よく考えてるな」
俺の考察を聞いて、姉御組の三人は感心して、三幼女はみんなすごーいと騒いでいる。
俺の考察通り十回ほど繰り返すと、全員が最後にマークを付けた場所に立って、手を上げている。次に両端のメンバーから、内側のメンバーに向かって線を引く魔法を使用しようとし始めた。
一つ内側のメンバーは何やら魔力を高めていた。魔法が発動すると魔法を使ったメンバーと、魔力を高めたメンバーの間に線が走る。両端から内側に向かって同じことを繰り返していく。
「今度は、内側の魔力を高めたメンバーを目印に、線を引く魔法を使ったってことかな? 二人の間だけに線が引かれているから、多分そんな感じだろう。それにしてもこんな事誰が考えたんだ?」
最後に壁に向かって線を引いていた。
全部の作業が終わると、最後に引いた線の確認をしてから俺に近付いてきた。
「「「「「終わりました!」」」」」
土木組が全員声を揃えて俺に報告してきた。
「みんな、お疲れ様。もっと時間がかかると思ってたけど、早かったね。気になったんだけど、今の手法を考えたのは誰かな? 学校の先生?」
一番年上に見える子が手を上げて答えてくれた。
「えっと、シュウ様と一緒に授業にきてくれた、綾乃おねーちゃんが教えてくれたんです。ゲームを通して仲良くなってくれたおねーちゃんが、良く会いに来てくれてその時に教えてくれたんです」
「そっか、綾乃が教えたのか。みんなが使いやすいように、色々考えてくれたんだろうな。帰ったら綾乃にお礼言っとくようにね。今の魔法の使い方なら、今回の街を作る作業で活躍できるから、無理しない程度に頑張ろう!」
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