444 / 2,518
第444話 思い付きで刀を打ってみた
しおりを挟む
「よぅ、久しぶり。元気にしてたか?」
俺は、アンソニに渡しておいた魔導無線を使って、ケモ耳三人娘たちと連絡を取っている。明日には、あちらの街で合流できるのだが、先に話を通しておこうと思い連絡を入れた。俺の近くでは、三幼女たちがノートを広げて何かをしている
『元気にしてます。ごはんも美味しいし、皆優しいです』
「そっか、それは良かったね。その街のことは、無理やり突き合わせてしまったけど、ごめんね。いきなりだけど、やりたいことは決まったかな?」
『……街で働くのもいいかなって思ってたんですが、シュウさんについてダンジョンへもぐったり、スカルズのみなさんと一緒に他の街へ行き、色々なところへ行きたくて冒険者になったことを思い出しました……でもディストピアからは離れたくなくて……そちらに戻ったら、ダンジョンに入ったり、樹海で採取でもしたりしようかと思っています』
「ん~そうか、君たちにちょっとお願いがあるんだけど、スカルズのみんなと協力して、レッドドラゴンを定期的に狩ってもらえないかな? と思ってるんだけど、どうかな?」
『『『はぁ?』』』
『さすがにレッドドラゴンは、人が増えても狩れるものではないですよ? いくら助けてもらった恩とはいえ、それは無理です……』
「ごめん、言葉が足りてなかったな。レッドドラゴンを倒してきたのは知っているよね。その際に……よいしょっと、この武器を使って倒しているんだよ。魔剣グラム、ドラゴンキラーの効果の付いた武器、これをパーティーに貸し出す。
それに、今回手に入れたレッドドラゴンの素材を使って作る装備も、貸し出すから頼めないかな? 他にもドラゴンキラーの効果の付いた、ドラゴンウィングを君に貸し出す予定だ。後、双剣ベイオウルフっていう、ドラゴンキラーの効果がついた装備も貸し出す予定だ」
『『『…………』』』
『国宝級の武器がどうしてそんなに?』
「それはまた今度教えてやるよ。で、この装備があれば、攻撃は通じるようになるから、問題ないと思うんだけど。始めは俺らもサポートするし、命の危険があったら撤退できるように、整えるからやってみないか?」
『ちょっと相談してもいいですか?』
「別にかまわないよ。今すぐの返事じゃなくてもいいから」
前向きに検討してくれるのかな? 後は何しよっかな? 久々に老ドワーフの所に行ってみるか。そう考えてドワーフたちが入り乱れている、鍛冶ストリートに足を運ぶ。
「じっちゃん! いるか!」
カンコンカンコン音が響いてるので、大きな声で老ドワーフを呼ぶと、
「そんな大きな声で呼ばんでも聞こえていわ! 小童」
いつものやり取りなのだが、三幼女が老ドワーフの言った「小童」という単語に反応して、三人で囲んでポカポカ殴っている。表現的にはポカポカという感じなのだが、やられている本人はかなり痛がっている。体力ゲージが目に見えたら、ものすごい勢いで数字が減っている気がする。
「三人ともそれ以上は禁止! じっちゃんは、元気そうでよかったわ」
「たった今元気じゃなくなったけどな。それで何の用じゃ?」
「ちょっと時間が空いたから、刀を打ちに来たんだけど手伝ってくれない?」
「またつくるんか? こりん奴だな。お主のつくり方は面白いから、見てて楽しいんだ。手伝ってやるぞい」
「今日は、オリハルコンとミスリルを合金してみようかと思ってるんだ。鋼の刀と作り方は違うけど、何とかできそうな気がするから、試してみようかと思ってるんだ」
「贅沢なこった、普通ならミスリルもオリハルコンも、試しで使えるような金属じゃないのにな。いつも思うんだが、何で鍛造する時に、何度も何度も金属をたたむんだ?」
「きちんとした理由は判んないけど、心鉄と皮鉄に分けて心鉄は柔軟性を、皮鉄は硬さだったかな? 何度も熱して織り込むことで硬くなって、研いだ時の切れ味が良くなるんじゃね? きちんとしたことが知りたいなら、本をやるから読むといいよ」
俺も知らないので適当な事を言って、最後には本に丸投げをした。DPからササっと召喚して、老ドワーフに投げつけておいた。
目を輝かせて読みだした老ドワーフは放置して、準備を始める。オリハルコンとミスリルのインゴットを取り出して配分。割合を考えながら叩いていく。
最終的にオリハルコンとミスリルの割合は、六対四でやってみる事にした。熱して溶かして、混ぜて冷やして叩いていく。ガルドに出張で、鍛冶ストリートに来てもらっている。
この街の人間からしたら、ありふれた光景だから忘れているが、下級の精霊でも街の中に住んでること自体が極稀なのに、上級精霊が街の中を移動しているのは、普通ならあり得ないのだ。
ガルドの力を借りて適温にして叩いて、折り返して叩いて層を作っていく、何回折り返したか分からないが心鉄を間に挟んで整形していく。
予想より大きくなってしまった。それもそのはず、オリハルコンで一本分作れる量に、ミスリルを混ぜ込んだため、使っている金属の量が五割位多いのだ。大きくなっても不思議ではない。大太刀サイズの物ができてしまった。
研ぎについてはまた今度やろう、さっきから三幼女が「早く早く、ご飯ができている」と、俺の事を急かしているので早くいかないと、昨日と同じようになってしまう。
「じっちゃん、明日からしばらく街を離れるから、そのまま置いておいてくれ」
「結構長物だから早めに取りにきてくれよ。あ、待て! 残りオリハルコンとミスリルどうすんだ?」
「じっちゃんにあげるから勝手に使ってくれ、近いうちに無茶な依頼するかもしれないからよろしく!」
「任せておけ! お前さんからの依頼をこなせば、あの酒出してくれるんだろ? やる気がみなぎるってもんよ」
三幼女を両腕と肩車をして家に戻っていく。
さて、明日はあの街に行くか。う~~む、本当にあの街って、何て名前なんだ? 聞いたっけ? 街に入る前に兵士が何か言っていた気がするけど、覚えがないな。向こうに着いたらアンソニに聞いてみるか。
俺は、アンソニに渡しておいた魔導無線を使って、ケモ耳三人娘たちと連絡を取っている。明日には、あちらの街で合流できるのだが、先に話を通しておこうと思い連絡を入れた。俺の近くでは、三幼女たちがノートを広げて何かをしている
『元気にしてます。ごはんも美味しいし、皆優しいです』
「そっか、それは良かったね。その街のことは、無理やり突き合わせてしまったけど、ごめんね。いきなりだけど、やりたいことは決まったかな?」
『……街で働くのもいいかなって思ってたんですが、シュウさんについてダンジョンへもぐったり、スカルズのみなさんと一緒に他の街へ行き、色々なところへ行きたくて冒険者になったことを思い出しました……でもディストピアからは離れたくなくて……そちらに戻ったら、ダンジョンに入ったり、樹海で採取でもしたりしようかと思っています』
「ん~そうか、君たちにちょっとお願いがあるんだけど、スカルズのみんなと協力して、レッドドラゴンを定期的に狩ってもらえないかな? と思ってるんだけど、どうかな?」
『『『はぁ?』』』
『さすがにレッドドラゴンは、人が増えても狩れるものではないですよ? いくら助けてもらった恩とはいえ、それは無理です……』
「ごめん、言葉が足りてなかったな。レッドドラゴンを倒してきたのは知っているよね。その際に……よいしょっと、この武器を使って倒しているんだよ。魔剣グラム、ドラゴンキラーの効果の付いた武器、これをパーティーに貸し出す。
それに、今回手に入れたレッドドラゴンの素材を使って作る装備も、貸し出すから頼めないかな? 他にもドラゴンキラーの効果の付いた、ドラゴンウィングを君に貸し出す予定だ。後、双剣ベイオウルフっていう、ドラゴンキラーの効果がついた装備も貸し出す予定だ」
『『『…………』』』
『国宝級の武器がどうしてそんなに?』
「それはまた今度教えてやるよ。で、この装備があれば、攻撃は通じるようになるから、問題ないと思うんだけど。始めは俺らもサポートするし、命の危険があったら撤退できるように、整えるからやってみないか?」
『ちょっと相談してもいいですか?』
「別にかまわないよ。今すぐの返事じゃなくてもいいから」
前向きに検討してくれるのかな? 後は何しよっかな? 久々に老ドワーフの所に行ってみるか。そう考えてドワーフたちが入り乱れている、鍛冶ストリートに足を運ぶ。
「じっちゃん! いるか!」
カンコンカンコン音が響いてるので、大きな声で老ドワーフを呼ぶと、
「そんな大きな声で呼ばんでも聞こえていわ! 小童」
いつものやり取りなのだが、三幼女が老ドワーフの言った「小童」という単語に反応して、三人で囲んでポカポカ殴っている。表現的にはポカポカという感じなのだが、やられている本人はかなり痛がっている。体力ゲージが目に見えたら、ものすごい勢いで数字が減っている気がする。
「三人ともそれ以上は禁止! じっちゃんは、元気そうでよかったわ」
「たった今元気じゃなくなったけどな。それで何の用じゃ?」
「ちょっと時間が空いたから、刀を打ちに来たんだけど手伝ってくれない?」
「またつくるんか? こりん奴だな。お主のつくり方は面白いから、見てて楽しいんだ。手伝ってやるぞい」
「今日は、オリハルコンとミスリルを合金してみようかと思ってるんだ。鋼の刀と作り方は違うけど、何とかできそうな気がするから、試してみようかと思ってるんだ」
「贅沢なこった、普通ならミスリルもオリハルコンも、試しで使えるような金属じゃないのにな。いつも思うんだが、何で鍛造する時に、何度も何度も金属をたたむんだ?」
「きちんとした理由は判んないけど、心鉄と皮鉄に分けて心鉄は柔軟性を、皮鉄は硬さだったかな? 何度も熱して織り込むことで硬くなって、研いだ時の切れ味が良くなるんじゃね? きちんとしたことが知りたいなら、本をやるから読むといいよ」
俺も知らないので適当な事を言って、最後には本に丸投げをした。DPからササっと召喚して、老ドワーフに投げつけておいた。
目を輝かせて読みだした老ドワーフは放置して、準備を始める。オリハルコンとミスリルのインゴットを取り出して配分。割合を考えながら叩いていく。
最終的にオリハルコンとミスリルの割合は、六対四でやってみる事にした。熱して溶かして、混ぜて冷やして叩いていく。ガルドに出張で、鍛冶ストリートに来てもらっている。
この街の人間からしたら、ありふれた光景だから忘れているが、下級の精霊でも街の中に住んでること自体が極稀なのに、上級精霊が街の中を移動しているのは、普通ならあり得ないのだ。
ガルドの力を借りて適温にして叩いて、折り返して叩いて層を作っていく、何回折り返したか分からないが心鉄を間に挟んで整形していく。
予想より大きくなってしまった。それもそのはず、オリハルコンで一本分作れる量に、ミスリルを混ぜ込んだため、使っている金属の量が五割位多いのだ。大きくなっても不思議ではない。大太刀サイズの物ができてしまった。
研ぎについてはまた今度やろう、さっきから三幼女が「早く早く、ご飯ができている」と、俺の事を急かしているので早くいかないと、昨日と同じようになってしまう。
「じっちゃん、明日からしばらく街を離れるから、そのまま置いておいてくれ」
「結構長物だから早めに取りにきてくれよ。あ、待て! 残りオリハルコンとミスリルどうすんだ?」
「じっちゃんにあげるから勝手に使ってくれ、近いうちに無茶な依頼するかもしれないからよろしく!」
「任せておけ! お前さんからの依頼をこなせば、あの酒出してくれるんだろ? やる気がみなぎるってもんよ」
三幼女を両腕と肩車をして家に戻っていく。
さて、明日はあの街に行くか。う~~む、本当にあの街って、何て名前なんだ? 聞いたっけ? 街に入る前に兵士が何か言っていた気がするけど、覚えがないな。向こうに着いたらアンソニに聞いてみるか。
0
お気に入りに追加
454
あなたにおすすめの小説
性奴隷を飼ったのに
お小遣い月3万
ファンタジー
10年前に俺は日本から異世界に転移して来た。
異世界に転移して来たばかりの頃、辿り着いた冒険者ギルドで勇者認定されて、魔王を討伐したら家族の元に帰れるのかな、っと思って必死になって魔王を討伐したけど、日本には帰れなかった。
異世界に来てから10年の月日が流れてしまった。俺は魔王討伐の報酬として特別公爵になっていた。ちなみに領地も貰っている。
自分の領地では奴隷は禁止していた。
奴隷を売買している商人がいるというタレコミがあって、俺は出向いた。
そして1人の奴隷少女と出会った。
彼女は、お風呂にも入れられていなくて、道路に落ちている軍手のように汚かった。
彼女は幼いエルフだった。
それに魔力が使えないように処理されていた。
そんな彼女を故郷に帰すためにエルフの村へ連れて行った。
でもエルフの村は魔力が使えない少女を引き取ってくれなかった。それどころか魔力が無いエルフは処分する掟になっているらしい。
俺の所有物であるなら彼女は処分しない、と村長が言うから俺はエルフの女の子を飼うことになった。
孤児になった魔力も無いエルフの女の子。年齢は14歳。
エルフの女の子を見捨てるなんて出来なかった。だから、この世界で彼女が生きていけるように育成することに決めた。
※エルフの少女以外にもヒロインは登場する予定でございます。
※帰る場所を無くした女の子が、美しくて強い女性に成長する物語です。
幼なじみ三人が勇者に魅了されちゃって寝盗られるんだけど数年後勇者が死んで正気に戻った幼なじみ達がめちゃくちゃ後悔する話
妄想屋さん
ファンタジー
『元彼?冗談でしょ?僕はもうあんなのもうどうでもいいよ!』
『ええ、アタシはあなたに愛して欲しい。あんなゴミもう知らないわ!』
『ええ!そうですとも!だから早く私にも――』
大切な三人の仲間を勇者に〈魅了〉で奪い取られて絶望した主人公と、〈魅了〉から解放されて今までの自分たちの行いに絶望するヒロイン達の話。
冤罪をかけられ、彼女まで寝取られた俺。潔白が証明され、皆は後悔しても戻れない事を知ったらしい
一本橋
恋愛
痴漢という犯罪者のレッテルを張られた鈴木正俊は、周りの信用を失った。
しかし、その実態は私人逮捕による冤罪だった。
家族をはじめ、友人やクラスメイトまでもが見限り、ひとり孤独へとなってしまう。
そんな正俊を慰めようと現れた彼女だったが、そこへ私人逮捕の首謀者である“山本”の姿が。
そこで、唯一の頼みだった彼女にさえも裏切られていたことを知ることになる。
……絶望し、身を投げようとする正俊だったが、そこに学校一の美少女と呼ばれている幼馴染みが現れて──
蘇生魔法を授かった僕は戦闘不能の前衛(♀)を何度も復活させる
フルーツパフェ
大衆娯楽
転移した異世界で唯一、蘇生魔法を授かった僕。
一緒にパーティーを組めば絶対に死ぬ(死んだままになる)ことがない。
そんな口コミがいつの間にか広まって、同じく異世界転移した同業者(多くは女子)から引っ張りだこに!
寛容な僕は彼女達の申し出に快諾するが条件が一つだけ。
――実は僕、他の戦闘スキルは皆無なんです
そういうわけでパーティーメンバーが前衛に立って死ぬ気で僕を守ることになる。
大丈夫、一度死んでも蘇生魔法で復活させてあげるから。
相互利益はあるはずなのに、どこか鬼畜な匂いがするファンタジー、ここに開幕。
校長室のソファの染みを知っていますか?
フルーツパフェ
大衆娯楽
校長室ならば必ず置かれている黒いソファ。
しかしそれが何のために置かれているのか、考えたことはあるだろうか。
座面にこびりついた幾つもの染みが、その真実を物語る
【完結】【勇者】の称号が無かった美少年は王宮を追放されたのでのんびり異世界を謳歌する
雪雪ノ雪
ファンタジー
ある日、突然学校にいた人全員が【勇者】として召喚された。
その召喚に巻き込まれた少年柊茜は、1人だけ【勇者】の称号がなかった。
代わりにあったのは【ラグナロク】という【固有exスキル】。
それを見た柊茜は
「あー....このスキルのせいで【勇者】の称号がなかったのかー。まぁ、ス・ラ・イ・厶・に【勇者】って称号とか合わないからなぁ…」
【勇者】の称号が無かった柊茜は、王宮を追放されてしまう。
追放されてしまった柊茜は、特に慌てる事もなくのんびり異世界を謳歌する..........たぶん…....
主人公は男の娘です 基本主人公が自分を表す時は「私」と表現します
特殊部隊の俺が転生すると、目の前で絶世の美人母娘が犯されそうで助けたら、とんでもないヤンデレ貴族だった
なるとし
ファンタジー
鷹取晴翔(たかとりはると)は陸上自衛隊のとある特殊部隊に所属している。だが、ある日、訓練の途中、不慮の事故に遭い、異世界に転生することとなる。
特殊部隊で使っていた武器や防具などを召喚できる特殊能力を謎の存在から授かり、目を開けたら、絶世の美女とも呼ばれる母娘が男たちによって犯されそうになっていた。
武装状態の鷹取晴翔は、持ち前の優秀な身体能力と武器を使い、その母娘と敷地にいる使用人たちを救う。
だけど、その母と娘二人は、
とおおおおんでもないヤンデレだった……
第3回次世代ファンタジーカップに出すために一部を修正して投稿したものです。
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる