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第417話 呆気ない終息
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俺は来た通路に土魔法と火魔法のオリジナルの複合魔法【ラヴァ】を使用する。安直な名前を付けたがラヴァ……溶岩というだけあって、魔法としての効力は絶大だ。
岩等を火魔法で溶かしたものを敵にぶっかけるのだが、こういった洞窟系のダンジョンでは効果が倍増する。逃げる場所が少ないからな。それに、魔法の力で普通より早く流れていくため、油断していると……通路の先から悲鳴が聞こえてくる。こうなるのである。
しばらくすると悲鳴が聞こえなくなった。声の数からすると、おそらく五人くらいは死んだのではないだろうか? 俺はそんなことを考えながら、イリアにキモイ視線を向けてきた屑をにらみつけながら、ある魔法を発動している。
この魔法は、綾乃に銃を作っていいか聞かれた時に、綾乃の発想から完成した魔法だ。銃は昔にその武器で無双したダンジョンマスターがいて、神たちが対人、対魔物戦に制限をかけてしまったことを話して色々考察したのだ。
使うのは、土魔法と風魔法の複合魔法だ。魔法名は【スナイパー】、こりゃまた安直な名前だが、土魔法で圧縮した岩、弾丸を回転させ高速で撃ち出す魔法だ。風魔法を利用して風の抵抗を減らし、狙った場所へ直線で飛ぶようにしたオリジナルの魔法だ。
結果は魔法として銃弾の再現をしているだけで、銃ではないのでこの世界の法則には引っかからずに済んだのだ。ただ、魔法の規模が小さいと言っても、消費する魔力はかなりの物であるため、バカスカ撃つことはできない魔法である。
そんな【スナイパー】を利用して、イリアにキモイ視線を向けてきた相手に向けて撃ち込む。頭に撃ち込むとスイカみたいに破裂してしまうので、心臓を狙って撃ちこんでいる。威力が高かったため人差し指位の弾丸が、拳大の穴を胸の中心に開けていた。
今のやり取りを見て、迷賊たちはかられる側だという事を理解してしまった。錯乱して無謀に突っ込んできた迷賊は、ケモ耳の1人に切り伏せられ、絶望した人間はその場に膝をついていた。その中でもリーダーと思わしき人物が、
「てめえら、何腑抜けてんだ! ここでなんとかしねえと死ぬだけだぞ! いったんあそこまで引くぞ!」
こいつ、襲撃が失敗した時の事を考えて、次の作戦を考えていたのか? でも逃がさないよ。俺を中心に約一〇〇メートル程の物理結界を張る。
俺以外のメンバーは通路に逃げて行った、迷賊を追いかけようとしたが、ダンジョン経験の多いスカルズやケモ耳娘によって進むのを止められている。
「みなさん、この先に罠がある可能性が高いです。無策で突っ込んではいけません。タンクの方を前に出して盾を構えながら、その後ろで斥候の方が罠の有無を確認しながら進むのがセオリーです」
へ~そうなんだ、でもね。
隊列を整えて進もうとした瞬間、
「なんだこれ! 見えない壁が目の前にあるぞ?」
「これじゃ、あの部屋に行けないじゃないか!」
「リーダーどうすればいいんだ!」
怒鳴り声が聞こえてくる。迷賊は俺の結界によって、身動きが取れなくなっている。
「可能なら生きているやつらが多い方が良いけど、最悪リーダーと呼ばれた奴だけ生かしておいてくれ」
俺は指示を出して索敵に神経を向けていく。レイリーが先頭を歩き、その後ろをソフィーとネルがついていく。罠はなさそうで索敵の範囲内に迷賊たちを捕えた。何やら道具のようなものを、取り出しているような動きを捕えた。
「みんなストップ! 奥で何かしてるな……レイリー大盾に持ち替えて進んでくれ」
「了解しました」
盾技といえばいいのだろうか? レイリーが大盾を装備して【フォートレス】を使用している。
フォートレスは盾で防御のできる範囲を広げるスキルだ。力場のようなものを作り出し、盾とスキルのLvによって強度が変わってくる技だ。城壁のように仲間を守るというのが、スキルの語源になっているとかいないとか?
レイリーが通路いっぱいに防御範囲を広げて、ゆっくりと進んでいく。
十字路の右側の通路から、突然ビンのようなものがレイリーをめがけて飛んできたが、フォートレスに阻まれてビンが割れる。次の瞬間、通路の奥から魔力の反応が強くなった。迷賊の誰かが魔法を唱えているようだ。三秒ほどすると魔法が完成したようで、魔法がビンが投げ込まれた通路から飛んでくる。
その魔法は、ファイアアローだった。今更こんな魔法でどうしようと思ってるんだ? レイリーの盾にぶつかる前に急に通路が爆発した。
爆発が収まっても炎が収まっていない。むしろ粘着質の何か燃えているような感じだった。燃える液体か? まさかこんなところでこんなものに出会うとはな。こういった物に注意を払ってなかった、俺の落ち度だな。この世界にもこんな物質があってもおかしくないもんな。
爆発した爆薬のような性質と、タールの性質が合わさった物と言っていいのだろうか? 今は爆発はしていないがかなり火の勢いは強いな。二つの素材が混じってたのかな?
「レイリー大丈夫か?」
「少し熱かったですが、ダメージになるほどの事はありません」
「了解した。少し下がってからフォートレスを解除してくれ、水で押し流す! イリア精霊魔法であの火を消してくれ」
レイリーが下がってフォートレスを解除すると、イリアの精霊魔法が発動する。レイリーを避けて結構大量の水が通路を進んでいく。ちょっと量が多すぎかな?
「みんな足元に注意してくれ、物理結界を張ってるから多分水が戻ってくるぞ」
イリアがやっちゃった! みたいな顔をして舌を出していた。可愛いけど今はそういう事をしている場合じゃないぞ!
しばらくすると水が押し寄せてきた? 戻ってきた?
俺らはレイリーが大盾で、水の勢いを殺してくれたので靴の中に水が入るくらいの被害で済んだ。が、迷賊たちはそうはいかなかったようだ。通路いっぱいに押し寄せてきた水に体をとられて、レイリーの前まで流されてきてしまったのだ。
レイリーがすぐに気付いて、スタンプの要領で腹を踏ん付けていくと、気絶するか痛みに騒ぐメンバーに分かれていた。うるさいので、騒ぐ迷賊に追加で蹴りをおみまいしておく。
「何か情けない終わり方だな。ちょっとミスも目立ったけど、結果的にはイリア、いい仕事したな!」
俺がほめて頭をなでると飛び跳ねて喜んでいる。その姿をシェリルとネルが羨ましそうに見ている。いや、この二人だけでなく年少組・年中組の全員が同じ表情をしている。お前たち仲いいな。
さて、こいつらの繋がりを調べないとな。
岩等を火魔法で溶かしたものを敵にぶっかけるのだが、こういった洞窟系のダンジョンでは効果が倍増する。逃げる場所が少ないからな。それに、魔法の力で普通より早く流れていくため、油断していると……通路の先から悲鳴が聞こえてくる。こうなるのである。
しばらくすると悲鳴が聞こえなくなった。声の数からすると、おそらく五人くらいは死んだのではないだろうか? 俺はそんなことを考えながら、イリアにキモイ視線を向けてきた屑をにらみつけながら、ある魔法を発動している。
この魔法は、綾乃に銃を作っていいか聞かれた時に、綾乃の発想から完成した魔法だ。銃は昔にその武器で無双したダンジョンマスターがいて、神たちが対人、対魔物戦に制限をかけてしまったことを話して色々考察したのだ。
使うのは、土魔法と風魔法の複合魔法だ。魔法名は【スナイパー】、こりゃまた安直な名前だが、土魔法で圧縮した岩、弾丸を回転させ高速で撃ち出す魔法だ。風魔法を利用して風の抵抗を減らし、狙った場所へ直線で飛ぶようにしたオリジナルの魔法だ。
結果は魔法として銃弾の再現をしているだけで、銃ではないのでこの世界の法則には引っかからずに済んだのだ。ただ、魔法の規模が小さいと言っても、消費する魔力はかなりの物であるため、バカスカ撃つことはできない魔法である。
そんな【スナイパー】を利用して、イリアにキモイ視線を向けてきた相手に向けて撃ち込む。頭に撃ち込むとスイカみたいに破裂してしまうので、心臓を狙って撃ちこんでいる。威力が高かったため人差し指位の弾丸が、拳大の穴を胸の中心に開けていた。
今のやり取りを見て、迷賊たちはかられる側だという事を理解してしまった。錯乱して無謀に突っ込んできた迷賊は、ケモ耳の1人に切り伏せられ、絶望した人間はその場に膝をついていた。その中でもリーダーと思わしき人物が、
「てめえら、何腑抜けてんだ! ここでなんとかしねえと死ぬだけだぞ! いったんあそこまで引くぞ!」
こいつ、襲撃が失敗した時の事を考えて、次の作戦を考えていたのか? でも逃がさないよ。俺を中心に約一〇〇メートル程の物理結界を張る。
俺以外のメンバーは通路に逃げて行った、迷賊を追いかけようとしたが、ダンジョン経験の多いスカルズやケモ耳娘によって進むのを止められている。
「みなさん、この先に罠がある可能性が高いです。無策で突っ込んではいけません。タンクの方を前に出して盾を構えながら、その後ろで斥候の方が罠の有無を確認しながら進むのがセオリーです」
へ~そうなんだ、でもね。
隊列を整えて進もうとした瞬間、
「なんだこれ! 見えない壁が目の前にあるぞ?」
「これじゃ、あの部屋に行けないじゃないか!」
「リーダーどうすればいいんだ!」
怒鳴り声が聞こえてくる。迷賊は俺の結界によって、身動きが取れなくなっている。
「可能なら生きているやつらが多い方が良いけど、最悪リーダーと呼ばれた奴だけ生かしておいてくれ」
俺は指示を出して索敵に神経を向けていく。レイリーが先頭を歩き、その後ろをソフィーとネルがついていく。罠はなさそうで索敵の範囲内に迷賊たちを捕えた。何やら道具のようなものを、取り出しているような動きを捕えた。
「みんなストップ! 奥で何かしてるな……レイリー大盾に持ち替えて進んでくれ」
「了解しました」
盾技といえばいいのだろうか? レイリーが大盾を装備して【フォートレス】を使用している。
フォートレスは盾で防御のできる範囲を広げるスキルだ。力場のようなものを作り出し、盾とスキルのLvによって強度が変わってくる技だ。城壁のように仲間を守るというのが、スキルの語源になっているとかいないとか?
レイリーが通路いっぱいに防御範囲を広げて、ゆっくりと進んでいく。
十字路の右側の通路から、突然ビンのようなものがレイリーをめがけて飛んできたが、フォートレスに阻まれてビンが割れる。次の瞬間、通路の奥から魔力の反応が強くなった。迷賊の誰かが魔法を唱えているようだ。三秒ほどすると魔法が完成したようで、魔法がビンが投げ込まれた通路から飛んでくる。
その魔法は、ファイアアローだった。今更こんな魔法でどうしようと思ってるんだ? レイリーの盾にぶつかる前に急に通路が爆発した。
爆発が収まっても炎が収まっていない。むしろ粘着質の何か燃えているような感じだった。燃える液体か? まさかこんなところでこんなものに出会うとはな。こういった物に注意を払ってなかった、俺の落ち度だな。この世界にもこんな物質があってもおかしくないもんな。
爆発した爆薬のような性質と、タールの性質が合わさった物と言っていいのだろうか? 今は爆発はしていないがかなり火の勢いは強いな。二つの素材が混じってたのかな?
「レイリー大丈夫か?」
「少し熱かったですが、ダメージになるほどの事はありません」
「了解した。少し下がってからフォートレスを解除してくれ、水で押し流す! イリア精霊魔法であの火を消してくれ」
レイリーが下がってフォートレスを解除すると、イリアの精霊魔法が発動する。レイリーを避けて結構大量の水が通路を進んでいく。ちょっと量が多すぎかな?
「みんな足元に注意してくれ、物理結界を張ってるから多分水が戻ってくるぞ」
イリアがやっちゃった! みたいな顔をして舌を出していた。可愛いけど今はそういう事をしている場合じゃないぞ!
しばらくすると水が押し寄せてきた? 戻ってきた?
俺らはレイリーが大盾で、水の勢いを殺してくれたので靴の中に水が入るくらいの被害で済んだ。が、迷賊たちはそうはいかなかったようだ。通路いっぱいに押し寄せてきた水に体をとられて、レイリーの前まで流されてきてしまったのだ。
レイリーがすぐに気付いて、スタンプの要領で腹を踏ん付けていくと、気絶するか痛みに騒ぐメンバーに分かれていた。うるさいので、騒ぐ迷賊に追加で蹴りをおみまいしておく。
「何か情けない終わり方だな。ちょっとミスも目立ったけど、結果的にはイリア、いい仕事したな!」
俺がほめて頭をなでると飛び跳ねて喜んでいる。その姿をシェリルとネルが羨ましそうに見ている。いや、この二人だけでなく年少組・年中組の全員が同じ表情をしている。お前たち仲いいな。
さて、こいつらの繋がりを調べないとな。
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