ダンマス(異端者)

AN@RCHY

文字の大きさ
上 下
397 / 2,518

第397話 ゲーム大会後、RPG(Real play game)

しおりを挟む
 一時間くらいのんびりと狩りをしていると、ブラウニーの一人が昼食ができたと、呼びに来たのでみんなで、家の食堂へ向かおうとしたら『こちらに準備してあります』と別のフロアに案内をされた。

 無駄にハイテクな魔道具を利用しているのが一目でわかる。あれって保温系の魔道具に、劣化防止のエンチャントをかけているやつだな。話を聞くと、時間経過のない収納のカバンに後五回分の食事を入れてあるとの事だ。シルキーとブラウニーたちの本気度がうかがえる。

 それにしても時間経過が無い収納系のアイテムがあるのに、移動や転移系のアイテムや魔法が一切ないんだろうな。時間を止めるより移動系の方が、楽にできそうな気がするんだけどな。空間拡張ができるんだから、空間いじる技術はあるのに転移ができないのは謎だ!

 それはさておき、今日の昼食は昨日のカレーをアレンジした、カレー料理が多く出ていた。間食用としてチキンカレーとナンも収納のカバンに入っているようだ。

 俺の昼食は、カレーで煮たタンドリーチキンをパンに挟んだものや、カレー味のカツサンド、カレーパンなどガッツリ系で攻めている。飲み物はマンゴーラッシーだ!

 昼食が終わりみんなが、解放された部屋に向かおうとした時に思い出した!

「みんなちょっと待ってくれ! 相談したいことが一つあったんだわ」

 席を立っていたメンバーが全員戻ってきて、椅子に座ったので話を進めていく。

「グリエルから話があって領主っぽく、家を大きくしてほしいって言われたんだ。で、二つの選択肢があるんだけど、みんなの意見がききたいんだけどいいかな?」

 みんなの様子を見てから、話を進めていく。

「一つ目は、今の家を拡張して大きくする方法。この場合は、今の家の部分を中心にしてプライベートエリアにして周りに増築する形になるかな。もう一つはこの家とは別に家を建ててそれを使う形かな」

 そうやって話すと、この家が無くなるのは嫌だけど新しい家に住むのもな……といった話が中心だった。

「今の家はそのままに、新しく作る家に直接行けるような形にしようか? 増築というよりは、二つの家をつなげる形に近いけど、離れみたいな家だろうか? そんな感じならいいかな? 何かある時だけ新しい家に行って、普段はいつもの家のまま。新しい家はメイド達に任せるってことでどうかな?」

 それならいいかな、という意見が全般になったのでこの方針で進めていくことになった。この二日が終わったら新しい家の構想を考えようと言って、解散となる。嫁たちに限らずシルキーにブラウニーたちも、足早にゲームをする場所へ向かっていく。

 召喚した精霊たちは、俺の知識を引き継いでいるからゲーム好きなのには納得できるけど、妻たちは何で好きになったんだろうな? やっぱり前にも思っていたけど、娯楽の少ない世界で日本のゲームに触れたからだろうか?

 それから一日半はゲーム大会になった。大会の中心はやっぱり綾乃なので、装備の素材集めをしているメンバーが多かったが、他にもたくさんゲームしているメンバーがいたので、装備を統一して討伐時間競い合っているメンバーも多かった。

 やっぱり強かったのは、総ゲーム時間の多い年少組だ。効率よく攻撃して倒しているのが見て取れるな。

 だけど、最後に参加した俺と綾乃、ミリーとリンドのチームが一番早く討伐してしまったのだ。もちろんボッチプレイヤーの綾乃の指示のおかげだろう。何せ部位に対するダメージのカウントまで、他人の分を含め完璧だったのだ。効率よく倒すために上手に罠も使うし、もう別次元だった。

 その後に大会とは別に、綾乃が率いた年少組のチームが討伐時間をはかったところ、さらに十秒ほど早く討伐が終わったのだ。やっぱり現役で長時間ゲームしているメンバーは強いな。

 大会も終わり次の日が来た。綾乃がこれ以上ゲームにのめりこむ前に、あいつの仕事を準備しておかないとな。その前にレベル上げもそうだけど、スキルをいくつか与えておかないと。なので、朝食後綾乃を呼び出す。

「綾乃、RPGは好きか?」

「そうね、ドラ〇エ、エフエ〇、テイ〇ズ、なんでもござれ!」

「そっか、オンラインのラグナ〇クオンラインなら、何の職業やるタイプだ?」

「あのゲームも私やってたわね。五キャラカンストさせたわよ! あえて言うなら回復系と思わせ、殴るタイプのアークビショップかしら?」

「あーそういうタイプなんだ。お前には回復系とバフ系に鈍器、メイス系のスキルでいいか? それに盾を持たせて、付与系を使わせればそれっぽくなりそうだな」

「どういうこと? 何の話してるの? ゲームの話じゃないの?」

「ゲームは昨日までだろ? 今日は綾乃の適性を考えるターンだ。いわゆる殴り支援を希望したから、そういう風にスキル構成を組んでるところじゃないか」

「希望したって、そんなにスキルが簡単に覚えられるわけないじゃないですか~やだな~も~」

「お前は、俺の事を誰だと思っているんだ?」

「悪の大魔王!」

「まだそれを続けるのか……まぁ間違ってないけど、俺はダンマスだぞ? ダンジョンで宝箱に入っている、スキル宝珠っていうのは聞き覚え無いか?」

「聞き覚えはないけど、もしかしてそれが召喚できるってこと?」

「正解!」

「じゃぁじゃぁ一つ欲しい魔法があるの! 召喚魔法欲しい! 召喚魔法!」

「残念! 召喚魔法はあるか分からないんだよ。綾乃にはサービスで、クリエイトゴーレムをプレゼントしよう! 便利だぞ!」

「ゴーレム使いね! 悪くないわ! そうだ、私にもモフモフ要因が欲しいんだけど! あなたのそばにいる、ハクちゃんみたいなのが欲しい!」

「さらに残念! ハクはユニークらしく一度しか召喚できなかったんだよ。他のドラゴンは今のとこ召喚できないからな。クリエイトゴーレムの使い方は、そのうち教えるからそれまでは適当にな。先にレベルをあげておきたいんだよ」

「じゃぁ、あの狐ちゃんが欲しい!」

「わかったから! それ以上近付くな! 近い近い! 何匹いればいい?」

「狼のモフモフも捨てがたいけど、モフモフ要因を前に出して戦わせたくないから、狐ちゃんに後ろから支援をしてもらえればいいわね!」

「四匹くらい召喚しておくか。白・黒・黄色・茶色の狐で決定な! 異論は受け付けない!」

「モフモフなら何でもありよ! よろしくね!」

 さっと狐を四匹召喚して色に合わせた魔法を覚えさせて、二〇〇までLvをあげておく。もちろん能力向上スキルはLv十で覚えさせている。魔法スキルは三くらいで止めているけどな。

 そのまま綾乃にもスキルを覚えさせる。狐と一緒で能力向上スキルはLv十で回復魔法もLv十で、それ以外のスキルは三で止めている。ここから先は自分であげてくれ!

「それと、これを渡しておくな。収納の腕輪だ。ポーションは入れてあるから無理すんなよ。装備はレザー系にハイプリみたいな、羽織る感じでいこうか。さすがに重装はいやだろ?」

「そうね、可愛くないからパス! どうせハイプリなら、女のタイプより男タイプのハイプリがいいわ!」

「ご主人様、話についていけません」

「あとで教える! 男のハイプリなら下に着るレザー系の装備は、多少ごっつくても行けるか? 少し防御力に余裕が出来そうだな」

「そうね、よろしくお願いしていいかな?」

 綾乃は俺に乗せられて、MMORPG的なノリでレベル上げに参加させることになった。強く生きろ! コスプレは作るから任せろ!

「じゃぁ付き添いは、誰に任せるか?」

「同じ狐の従魔を持つから、私が行ってこようか?」

「ミリーか、なら大丈夫だな。戦闘スタイルは違うけど、前に出て戦うっていうのは似てるから問題ないよな」

 これからの綾乃の育成スケジュールが決まっていった。
しおりを挟む
感想 316

あなたにおすすめの小説

サバイバル能力に全振りした男の半端仙人道

コアラ太
ファンタジー
年齢(3000歳)特技(逃げ足)趣味(採取)。半仙人やってます。  主人公は都会の生活に疲れて脱サラし、山暮らしを始めた。  こじんまりとした生活の中で、自然に触れていくと、瞑想にハマり始める。  そんなある日、森の中で見知らぬ老人から声をかけられたことがきっかけとなり、その老人に弟子入りすることになった。  修行する中で、仙人の道へ足を踏み入れるが、師匠から仙人にはなれないと言われてしまった。それでも良いやと気楽に修行を続け、正式な仙人にはなれずとも。足掛け程度は認められることになる。    それから何年も何年も何年も過ぎ、いつものように没頭していた瞑想を終えて目開けると、視界に映るのは密林。仕方なく周辺を探索していると、二足歩行の獣に捕まってしまう。言葉の通じないモフモフ達の言語から覚えなければ……。  不死になれなかった半端な仙人が起こす珍道中。  記憶力の無い男が、日記を探して旅をする。     メサメサメサ   メサ      メサ メサ          メサ メサ          メサ   メサメサメサメサメサ  メ サ  メ  サ  サ  メ サ  メ  サ  サ  サ メ  サ  メ   サ  ササ  他サイトにも掲載しています。

辺境領主は大貴族に成り上がる! チート知識でのびのび領地経営します

潮ノ海月@書籍発売中
ファンタジー
旧題:転生貴族の領地経営~チート知識を活用して、辺境領主は成り上がる! トールデント帝国と国境を接していたフレンハイム子爵領の領主バルトハイドは、突如、侵攻を開始した帝国軍から領地を守るためにルッセン砦で迎撃に向かうが、守り切れず戦死してしまう。 領主バルトハイドが戦争で死亡した事で、唯一の後継者であったアクスが跡目を継ぐことになってしまう。 アクスの前世は日本人であり、争いごとが極端に苦手であったが、領民を守るために立ち上がることを決意する。 だが、兵士の証言からしてラッセル砦を陥落させた帝国軍の数は10倍以上であることが明らかになってしまう 完全に手詰まりの中で、アクスは日本人として暮らしてきた知識を活用し、さらには領都から避難してきた獣人や亜人を仲間に引き入れ秘策を練る。 果たしてアクスは帝国軍に勝利できるのか!? これは転生貴族アクスが領地経営に奮闘し、大貴族へ成りあがる物語。

異世界転生!俺はここで生きていく

おとなのふりかけ紅鮭
ファンタジー
俺の名前は長瀬達也。特に特徴のない、その辺の高校生男子だ。 同じクラスの女の子に恋をしているが、告白も出来ずにいるチキン野郎である。 今日も部活の朝練に向かう為朝も早くに家を出た。 だけど、俺は朝練に向かう途中で事故にあってしまう。 意識を失った後、目覚めたらそこは俺の知らない世界だった! 魔法あり、剣あり、ドラゴンあり!のまさに小説で読んだファンタジーの世界。 俺はそんな世界で冒険者として生きて行く事になる、はずだったのだが、何やら色々と問題が起きそうな世界だったようだ。 それでも俺は楽しくこの新しい生を歩んで行くのだ! 小説家になろうでも投稿しています。 メインはあちらですが、こちらも同じように投稿していきます。 宜しくお願いします。

【改稿版】休憩スキルで異世界無双!チートを得た俺は異世界で無双し、王女と魔女を嫁にする。

ゆう
ファンタジー
剣と魔法の異世界に転生したクリス・レガード。 剣聖を輩出したことのあるレガード家において剣術スキルは必要不可欠だが12歳の儀式で手に入れたスキルは【休憩】だった。 しかしこのスキル、想像していた以上にチートだ。 休憩を使いスキルを強化、更に新しいスキルを獲得できてしまう… そして強敵と相対する中、クリスは伝説のスキルである覇王を取得する。 ルミナス初代国王が有したスキルである覇王。 その覇王発現は王国の長い歴史の中で悲願だった。 それ以降、クリスを取り巻く環境は目まぐるしく変化していく…… ※アルファポリスに投稿した作品の改稿版です。 ホットランキング最高位2位でした。 カクヨムにも別シナリオで掲載。

クラス転移から逃げ出したイジメられっ子、女神に頼まれ渋々異世界転移するが職業[逃亡者]が無能だと処刑される

こたろう文庫
ファンタジー
日頃からいじめにあっていた影宮 灰人は授業中に突如現れた転移陣によってクラスごと転移されそうになるが、咄嗟の機転により転移を一人だけ回避することに成功する。しかし女神の説得?により結局異世界転移するが、転移先の国王から職業[逃亡者]が無能という理由にて処刑されることになる 初執筆作品になりますので日本語などおかしい部分があるかと思いますが、温かい目で読んで頂き、少しでも面白いと思って頂ければ幸いです。 なろう・カクヨム・アルファポリスにて公開しています こちらの作品も宜しければお願いします [イラついた俺は強奪スキルで神からスキルを奪うことにしました。神の力で学園最強に・・・]

最弱スキルも9999個集まれば最強だよね(完結)

排他的経済水域
ファンタジー
12歳の誕生日 冒険者になる事が憧れのケインは、教会にて スキル適性値とオリジナルスキルが告げられる 強いスキルを望むケインであったが、 スキル適性値はG オリジナルスキルも『スキル重複』というよくわからない物 友人からも家族からも馬鹿にされ、 尚最強の冒険者になる事をあきらめないケイン そんなある日、 『スキル重複』の本来の効果を知る事となる。 その効果とは、 同じスキルを2つ以上持つ事ができ、 同系統の効果のスキルは効果が重複するという 恐ろしい物であった。 このスキルをもって、ケインの下剋上は今始まる。      HOTランキング 1位!(2023年2月21日) ファンタジー24hポイントランキング 3位!(2023年2月21日)

クラス転移で裏切られた「無」職の俺は世界を変える

ジャック
ファンタジー
私立三界高校2年3組において司馬は孤立する。このクラスにおいて王角龍騎というリーダーシップのあるイケメンと学園2大美女と呼ばれる住野桜と清水桃花が居るクラスであった。司馬に唯一話しかけるのが桜であり、クラスはそれを疎ましく思っていた。そんなある日クラスが異世界のラクル帝国へ転生してしまう。勇者、賢者、聖女、剣聖、など強い職業がクラスで選ばれる中司馬は無であり、属性も無であった。1人弱い中帝国で過ごす。そんなある日、八大ダンジョンと呼ばれるラギルダンジョンに挑む。そこで、帝国となかまに裏切りを受け─ これは、全てに絶望したこの世界で唯一の「無」職の少年がどん底からはい上がり、世界を変えるまでの物語。 〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜 カクヨム様、小説家になろう様にも連載させてもらっています。

クラスまるごと異世界転移

八神
ファンタジー
二年生に進級してもうすぐ5月になろうとしていたある日。 ソレは突然訪れた。 『君たちに力を授けよう。その力で世界を救うのだ』 そんな自分勝手な事を言うと自称『神』は俺を含めたクラス全員を異世界へと放り込んだ。 …そして俺たちが神に与えられた力とやらは『固有スキル』なるものだった。 どうやらその能力については本人以外には分からないようになっているらしい。 …大した情報を与えられてもいないのに世界を救えと言われても… そんな突然異世界へと送られた高校生達の物語。

処理中です...