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第365話 まさか……
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従魔たちの人気にうらやましくはなったが、こいつらがちょこちょこ顔を出していたから、こういった騒ぎになるんだろうな。俺も時間があればできる限り散歩するか?
しなきゃいけないことがあるし、こいつらみたいに何度も足を運ぶ時間もないよな。それに今日は従魔たちだけど、いつもは妻の誰かがついてくるからな気軽にってわけにもいかないか?
従魔たちとコミュニケーションをとっている、住人をながめながら物思いにふけっていると、急に服の裾を引かれたので視線を落とすと、ニコに連れられてきた赤ちゃんがキャッキャ言いながら俺の裾をつかんでいた。ニコが抱っこするように、すすめてくる来る感じがしたので、抱上げる。
「可愛いな、ほっぺたがぷにぷにで柔らかいしな。首がまだすわってないから危なっかしいけど、赤ちゃんはそういうものだよな。元気に育つんだぞ!」
俺が赤ちゃんを抱いて話しかけていると、母親らしき人が声をかけてきた。
「シュウ様、本当にありがとうございました。奴隷だった私の子が無事に生まれたのも、元気に育っているのもシュウ様がディストピアを作ってくださり、私たちを住まわせてくださるからです。病気にかかった時は回復魔法士の方を派遣したり、ポーションを惜しみなく使ってくださったので今元気でいられます」
俺はそんなことをした覚えはなかったので、どこかで曲解しているのではと思ったが、俺の指示のもと作られた病院や、スキルのLv上げに作っていたポーションの事を言っているらしい。
大した事はしていないし、俺は俺でみんなを街作りに利用しただけだから、気にする必要は無いと言っておいた。他の母親たちも感謝しており、むず痒くなったのでみんなを連れて離れる事にした。
ギンに乗って街を散策していると、クロの背中からニコが俺の顔を目がけて飛んできた。かわす暇もなく顔面キャッチをするはめになった。まぁ痛くないのでいいんだけど、不意打ちされると驚くからやめてほしいところだ。
俺の顔に張り付いていたニコが、俺の頭の上に移動してポフポフと俺の頭を触手で叩いてくる。
「なんだよニコ、何で俺は頭を叩かれてるんだ?」
ニコにそう聞くと触手でクロの背中を見るように促された。
「えっと、赤ちゃんと遊んでたのに俺が邪魔したって言ってるのか?」
正解だったらしく俺の頭を叩く触手の力が上がった。普段は虹色でいろんな色になるのだが、今は若干赤色が強くなっている、もしかして怒ってるのか?
「そんなに遊びたかったら、残ればよかったんじゃないか? ギンにクロにハク、コウにソウもいるんだから、お前たちが抜けても大丈夫だろ?」
そんな風に話すとクロの背中をまた見るように促された。そうすると、スライムが器用に妻の顔、ピーチとシュリの顔を作り、少し離れた所に俺の顔を作っていた。
俺の顔の近くにいるチビスライム、おそらく自分たちを再現しているのだろう、他の従魔たちも再現しているので多分間違いない。
その中でチビスライムだけが離れていくと、ピーチとシュリの顔が怒り出した表情になった。
「えっと、俺から離れるとピーチとシュリに怒られるって事か?」
大正解! と言わんばかりに体を震わした、頭の上で揺れるな! 気持ち悪くなるだろうが!
「遊んでたのを邪魔したわけじゃないって、今度時間ができたらスライムたちで行ってくるといいよ。ピーチたちにも伝えておくから、気の済むまで相手できるようにしといてやるよ」
そう話すと喜びを表しているのか、また高速で震え始めた。だからやめろって! 揺れているニコをつかんでクロの背中に投げる。そうすると、クロの背中に残っていたスライムたちが、受け止めるように移動してキャッチしていた。
いつ見てもいい連携だな。
今日はそのまま街を見て回り行く先々で従魔たちが、かわいがられているのを見て、普段庭で寝ている姿以外は見たことなかったので何か新鮮だな。でも俺より先に従魔たちに気付いて『あ、いたんですか?』っていうのは止めてくれ、俺の心臓はそんなに強くないんだよ。
いっぱい作ってもらった弁当を、公園で広げてお昼を食べていると、ディストピアの住人も集まってきてみんなで食事大会みたいなのが開始されてしまった。急遽シルキーとブラウニーたちを呼んで、パーティー風にしてみた。パーティーの荷物は用事の済んだ妻たちが運んできてくれたので、そのまま設営を始める。
この時間だとこれない人も多いので、このまま夜までパーティーをすることにした。
今日はここで食事が食べれるとわかったようで、近くの奥様方が集まってきて、いろんな話をしたりしながら料理の準備をしてくれている。色々な地域から買った奴隷たちも多かったので作る料理に特徴が色々あったな。
順調だったのだが、一番困ったのは妻たちが赤ちゃんを抱いて、こっちをチラチラ見ている仕草だった。赤ちゃんは可愛いけど、まだね、どうしたらいいのやら? そして姉御組の三人! 他が真似するからやめろ! 年少組なんて意味が分からずにやってるけど、年中組以上はわかってやってるからやめてほしい!
居心地が悪くてその場を離れてしまった。公園の端っこでのんびりしていると、子供たちが寄ってきた。シュウ様シュウ様と足にくっついたり、背中を上ったりしてきた。
しばらく遊んでいると、もう一人子供が寄ってきた。みんなの輪の中に自然と入ってきていたので、遅れて広場にきた子なのかな?
三十分位遊んでいると軽く何か食べたくなったので、子供たちを連れてシルキーのいる場所に向かっていく。急に左の脇腹に激痛が走る。振り向くと最後に来た子供が俺の脇腹にナイフを突き立てていた。
でも目が虚ろで意識があるように見えなかった。クソが、意識が遠のいていく、最後の力を振り絞ってピーチにエリクサーを持ってくるように通信した。
しなきゃいけないことがあるし、こいつらみたいに何度も足を運ぶ時間もないよな。それに今日は従魔たちだけど、いつもは妻の誰かがついてくるからな気軽にってわけにもいかないか?
従魔たちとコミュニケーションをとっている、住人をながめながら物思いにふけっていると、急に服の裾を引かれたので視線を落とすと、ニコに連れられてきた赤ちゃんがキャッキャ言いながら俺の裾をつかんでいた。ニコが抱っこするように、すすめてくる来る感じがしたので、抱上げる。
「可愛いな、ほっぺたがぷにぷにで柔らかいしな。首がまだすわってないから危なっかしいけど、赤ちゃんはそういうものだよな。元気に育つんだぞ!」
俺が赤ちゃんを抱いて話しかけていると、母親らしき人が声をかけてきた。
「シュウ様、本当にありがとうございました。奴隷だった私の子が無事に生まれたのも、元気に育っているのもシュウ様がディストピアを作ってくださり、私たちを住まわせてくださるからです。病気にかかった時は回復魔法士の方を派遣したり、ポーションを惜しみなく使ってくださったので今元気でいられます」
俺はそんなことをした覚えはなかったので、どこかで曲解しているのではと思ったが、俺の指示のもと作られた病院や、スキルのLv上げに作っていたポーションの事を言っているらしい。
大した事はしていないし、俺は俺でみんなを街作りに利用しただけだから、気にする必要は無いと言っておいた。他の母親たちも感謝しており、むず痒くなったのでみんなを連れて離れる事にした。
ギンに乗って街を散策していると、クロの背中からニコが俺の顔を目がけて飛んできた。かわす暇もなく顔面キャッチをするはめになった。まぁ痛くないのでいいんだけど、不意打ちされると驚くからやめてほしいところだ。
俺の顔に張り付いていたニコが、俺の頭の上に移動してポフポフと俺の頭を触手で叩いてくる。
「なんだよニコ、何で俺は頭を叩かれてるんだ?」
ニコにそう聞くと触手でクロの背中を見るように促された。
「えっと、赤ちゃんと遊んでたのに俺が邪魔したって言ってるのか?」
正解だったらしく俺の頭を叩く触手の力が上がった。普段は虹色でいろんな色になるのだが、今は若干赤色が強くなっている、もしかして怒ってるのか?
「そんなに遊びたかったら、残ればよかったんじゃないか? ギンにクロにハク、コウにソウもいるんだから、お前たちが抜けても大丈夫だろ?」
そんな風に話すとクロの背中をまた見るように促された。そうすると、スライムが器用に妻の顔、ピーチとシュリの顔を作り、少し離れた所に俺の顔を作っていた。
俺の顔の近くにいるチビスライム、おそらく自分たちを再現しているのだろう、他の従魔たちも再現しているので多分間違いない。
その中でチビスライムだけが離れていくと、ピーチとシュリの顔が怒り出した表情になった。
「えっと、俺から離れるとピーチとシュリに怒られるって事か?」
大正解! と言わんばかりに体を震わした、頭の上で揺れるな! 気持ち悪くなるだろうが!
「遊んでたのを邪魔したわけじゃないって、今度時間ができたらスライムたちで行ってくるといいよ。ピーチたちにも伝えておくから、気の済むまで相手できるようにしといてやるよ」
そう話すと喜びを表しているのか、また高速で震え始めた。だからやめろって! 揺れているニコをつかんでクロの背中に投げる。そうすると、クロの背中に残っていたスライムたちが、受け止めるように移動してキャッチしていた。
いつ見てもいい連携だな。
今日はそのまま街を見て回り行く先々で従魔たちが、かわいがられているのを見て、普段庭で寝ている姿以外は見たことなかったので何か新鮮だな。でも俺より先に従魔たちに気付いて『あ、いたんですか?』っていうのは止めてくれ、俺の心臓はそんなに強くないんだよ。
いっぱい作ってもらった弁当を、公園で広げてお昼を食べていると、ディストピアの住人も集まってきてみんなで食事大会みたいなのが開始されてしまった。急遽シルキーとブラウニーたちを呼んで、パーティー風にしてみた。パーティーの荷物は用事の済んだ妻たちが運んできてくれたので、そのまま設営を始める。
この時間だとこれない人も多いので、このまま夜までパーティーをすることにした。
今日はここで食事が食べれるとわかったようで、近くの奥様方が集まってきて、いろんな話をしたりしながら料理の準備をしてくれている。色々な地域から買った奴隷たちも多かったので作る料理に特徴が色々あったな。
順調だったのだが、一番困ったのは妻たちが赤ちゃんを抱いて、こっちをチラチラ見ている仕草だった。赤ちゃんは可愛いけど、まだね、どうしたらいいのやら? そして姉御組の三人! 他が真似するからやめろ! 年少組なんて意味が分からずにやってるけど、年中組以上はわかってやってるからやめてほしい!
居心地が悪くてその場を離れてしまった。公園の端っこでのんびりしていると、子供たちが寄ってきた。シュウ様シュウ様と足にくっついたり、背中を上ったりしてきた。
しばらく遊んでいると、もう一人子供が寄ってきた。みんなの輪の中に自然と入ってきていたので、遅れて広場にきた子なのかな?
三十分位遊んでいると軽く何か食べたくなったので、子供たちを連れてシルキーのいる場所に向かっていく。急に左の脇腹に激痛が走る。振り向くと最後に来た子供が俺の脇腹にナイフを突き立てていた。
でも目が虚ろで意識があるように見えなかった。クソが、意識が遠のいていく、最後の力を振り絞ってピーチにエリクサーを持ってくるように通信した。
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