ダンマス(異端者)

AN@RCHY

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第346話 ゴーストタウン攻防戦ブレイクタイム

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 スカルレギオンを倒してからニ時間程経っている。休憩も終わり行動しようとしてマップ先生を確認する。

「あれ? ノーライフキングがいないんだけど」

 俺がエリア掌握している範囲内にノーライフキングがいなかったのだ。外に続く通路の方は今内側から開けられないようになっているので、ゴーストタウンの方に戻ったのかな?

 あのスイッチを探し当てて、配置していた腕型ゴーレムを排除したのか? マップで確認すると扉が開いていたので間違いないだろう。

「ノーライフキングはゴーストタウンに戻ってるみたいだな。それならわざわざ今日戦う必要ないよな。あの死にぞこないがわざわざ、俺たちに休憩する時間をくれるっていうんだから、遠慮なく今日は休憩しよう。

 明日は少し武器の調整をしていこうか、あいつには魔法はあまり効かないから、武器に聖銀を添付してアンデッド特攻の武器にできないか試してみよう」

 俺の言葉に従って行動を始める。

 まだ夕食までは時間があるので、みんなでお風呂に入ろうということになった。砦であると同時にいろんな人がとどまる予定であるので、大浴場なども用意している。ここに詰める兵士と商人たちの体の垢を落とせるように、かけ流しの温泉をDPで召喚している。

 ここは森の外とつながっている出入り口のある砦と、つなげられるようにしようかと思っている。もちろん行政府には何も言っていない! で、このゴーストタウンには、ディストピアの住人以外を住めるようにしようと考えている。

 なぜそんなことをしようかと思っているのは、ゴーストタウンを奪取できれば、ダンマスのスキルで監視することができるのでちょうどいいかな? と、ふと思ったからだ。

 果たしてどこにダンジョンコアがあるのだろうか? 探すのはノーライフキングをボコってからだけどな。

 大浴場はもちろん男女別なのだが、今回は俺を含めて女性の方に入っている。男湯と女湯があるので、俺は男湯で妻たちは女湯に入るように言うと、全員が男湯で入ると言い出したのだ。

 誰も入っていないとはいえ、妻を男湯に入れるのはあり得ないだろうと思い、女湯へ入るように再度言うと、俺を女湯に引きずり込んで今の状況になった。妻たちと一緒で他に誰も入っていないのに、女湯だとなんだか落ち着かない、このソワソワって何だろうな?

 もちろん従魔たちも一緒に入っているので、みんなの事もきれいに洗ってあげる。相変わらずスライムたちは洗う意味があるのか疑問に思うが、一〇〇均で売っているようなナイロン製の体洗う道具を使うと、なぜか高速でプルプル震えて喜ぶんだからしょうがないよな。

 今日の夕食は、丼物だった! 俺は大盛の親子丼を注文して、単品で鶏カツとキャベツの千切りを注文した。サッパリする食べ物として、サーモンと紫玉ねぎのビネガーマリネを準備してくれていた。

 今日もご飯が美味い! 親子丼の出汁もうまいし、卵もうまいな。何の卵使ってるんだろうな? 濃厚で味わい深いんだよな。ダンジョン農園? 牧場? でシルキーたちが進めている家畜の品種改良によってできた何かかな?

 食事も終わってすることがなくなったので、一日の疲れをとるためにみんなでストレッチを始める。以前戦闘訓練を行っているときなどは、しっかりやっていたのだが、いつ頃からだろうか、やらなくなっていたな。

 みんなも体が硬くなっているようだったので、入念に行うことになった。一時間三十分ほどかけて柔軟を行うと、だいぶ体がほぐされた。ダンジョンに入る入らない戦闘の有無に関係なく、朝は柔軟をしようと話になった。

 なので朝食後に三十分程ストレッチをするように決めた。

 みんなとスキンシップを取りながらストレッチをしていると、程よく眠くなってきたので今日は早めに寝る事になった。ベッドを用意していなかったので、畳を敷き詰めてその上に、大量に布団を並べて思い思いの所で寝る事になった。

 俺はスライムベッドにスライム枕、足が疲れていたので布団でも足の下に入れて高くしようかと考えていたら、クロが俺の体を使えと言わんばかりに尻尾を足元にもってきて、寝そべったので遠慮なく乗せさせてもらった。

 お腹の上には少し大きくなってきているハクが丸まって寝始めた。モフモフもスライムクッションも味わって最強の寝床だ! 今日の俺の隣はミリーとカエデだったので、腕枕までしてもらい眠りについた。

 気付いたら朝だった! ついさっき寝たつもりだったけど、気持ちよく目覚めた。というより目覚めたら気持ちよかったというべきだろうか? ミリーに抱き着かれており至高の柔らかさが、顔に当たっているのだからこういう表現になってもおかしくないよね!

 みんなで新人組の持ってきてくれた食事を食べてから、昨日の話の通り食休みをはさんでストレッチを始めた。起きてからまだ時間がたってないという事もあり、体が昨日以上に硬かった。入念に筋を伸ばしてから一日が始まった。

「さて、まずは武器を少しいじろうかと思う。みんながメインに使っている武器に、聖銀の粉末を混ぜ込んだアダマンタイトでコーティングをしようと思う。みんなの武器にはもうアダマンコーティングがしてあるけど、その上にするつもりだよ。最悪表面がはがれても武器としては問題ないかなって思ってるけどどうかな?」

 俺の問いかけにみんな問題がなさそうな様子で頷いていた。

「昨日の夕食前に材料は準備して混ぜてあるから、後はコーティングするだけなんだけど、さすがに何の実験もしないでみんなの武器に施すのは良くないから……よいしょっと! 俺が修行中に作った武器の中で一番性能のいい刀で実験してみるね」

 みんなもクリエイトゴーレムを覚えているが、俺のように細かい造形はできないので修行中である。年齢が低い妻たちの方が、得意な様子だった。

 みんながまだできないので俺が施して行く事になるのだが、まずは自分で打った刀にアダマンコーティングを施していく。カエデの作品みたいにまだ綺麗に波紋が出ていないが、それでも品質的には実用に耐えられるものだと、カエデが太鼓判を押してくれた一品だ。

 次に昨日準備した聖銀の粉末+アダマンタイトを混ぜた、聖銀タイトと名付けた物をさらにコーティングしていく。

 聖銀と他の金属を混ぜて合金にする事はできるのだが、アダマンタイトに限ってはクリエイトゴーレム以外で加工することができないので、粉末を混ぜ込んで聖銀の効果を出せないかと苦肉の策で作った物だ。

 聖銀は特殊な金属で合金にすると、合わせた金属によって全く違う属性を帯びてしまうため、聖属性として使うためには単体か、粉末で混ぜ込む方法しか思いつかなかったんだけどな!

「ん~見た目はきれいだけど、効果はどうなんだろうな?」

 マップ先生で武器のステータスをチェックしてみた。

【打刀(聖銀タイトコーティング仕様】
 品質 B+

「品質はB+って、プラスってどういうことだ? 十段階だったのになんだこれ?」

 しばらく話し合ったが、分かるわけがないという結論になったので放置することに決めた。

「じゃぁ試し切りをしてみようかな」

 準備してあった直径ニ十センチメートル程の丸太の前に立った。抜刀の構えをして刀を振り抜く、綺麗に上下に分かれた。

 妻たちからは拍手があがるが、これくらいはみんなできるだろ?

「後はアンデッドに対して効果があるかだけど、召喚して試せばいっか?」

 アンデッドで一番強いやつを呼び出そうとリストを見ていると、今までに召喚できなかったスケルトンジェネラルの強化種がリストに増えていた。昨日のスカルレギオンとの戦闘のおかげかな? さっそく呼んで試してみる。

「刀の腹を押し当てただけでも、多少効果があるみたいね。シュウ、それでどこか軽く切り付けてみて!」

 カエデの言葉に従って、右腕を切り付けてみると斬撃属性の攻撃に比較的強いスケルトンジェネラルの腕にひびが入った。

「聖銀だけの武器よりは効果は薄いけど、強度を考えると十分、いえ、聖銀だけの武器より使いやすいわね。鋼よりは硬いけど銀というだけあって、柔らかいんだよね。

 特にSランクのノーライフキングの事を考えると強度が無いと武器が壊れる可能性も高いし、そういう意味では圧倒的にこっちの方がいいわね。ってことで、みんなの武器にも施してね」

 カエデに頼まれて俺は武器にコーティングを始める。その間妻たちは召喚リストを眺めて、よさそうなものが無いか調べる事になった。
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