ダンマス(異端者)

AN@RCHY

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第277話 ご褒美

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「へっ!?」

 何かよくわからないけどダンジョンバトルが終わった。何の面白みもないダンジョンバトルだった。これはチビ神に文句を言わなきゃいけないな!

『あれ? あんたダンジョンバトル時の特殊コマンドについて知らないの? それを使って配下の魔物の視界を共有できるコマンドとかがあるのよ?』

 くそチビ神が! そういう事は早く言えよ! 強制的にダンジョンバトルに参加させた上に、制限をかけたのに何の情報もおろしてこなかった糞駄女神が!!

『あんたって私たちよりスキルの使い方が上手いから失念してたわ。でもあんたの魔物たちまぁまぁ面白かったわよ。まさか別にダンジョン作って、Lvを上げて参加させるとはね、DP以外にもLv上げる方法があるのを失念してたわよ。

 時間がないから大したことができないと思ってたのに。それにしても圧勝も圧勝、相手のダンマスがかわいそうになる位に一方的だったわ。特殊コマンドについては私が悪いから、今回の勝利のご褒美としてユニークスキルとユニークモンスターのどれかニ・三個くらい解放してあげるわ』

 おー三個開放してもらえるのか! ってユニークモンスターは解放するつもりないから……ユニークスキルを解放してもらうにしても、クリエイトゴーレム以外知らないのにどうやって解放してもらうんだよ!

『いちいちスキル名と効果を説明するのは面倒なのよね。一〇〇個近くあるんだからね。何かこういった魔法があったらいいなっていうのない? それに近い魔法を教える事ができるわよ』

 あーそれなら一つ気になってた魔法があるわ。転移とか移動みたいな魔法ってないのか?

『え? そんなのあるわけないじゃん』

 そなの? 俺を地球からチビ神の所に移動させた方法や、チビ神からこの世界に飛ばされた時に、似たような魔法だかスキルを使ったんじゃないのか?

『あれは違うわよ。移動の魔法みたいなものではあるけど、自分を移動させることはできないのよ。特殊な条件で呼び出したり送り込んだりする事限定の物なのよ。

 詳しい話はわたしにもわからないけどね。召喚も似たようなものだって聞いてるわ。でも、遠くの物を目の前に呼び寄せる魔法はあるわよ。生物は無理だし大きさに制限はあるけどね』

 ん~いまいちよくわからんが、そういうものだと思わないといけないって事か。キャスリングがあったから転移みたいなのもないかなって、期待してたけどやっぱりなかったか、全部の街にある俺の家をつなげれば移動も楽になったのにな。

 他に何かほしいと思った魔法何かあったかな? あったら便利だと思ったのは、結界とか、後は道具じゃない奴隷? 隷属? 魔法みたいなのはあると便利そうだな。

 ドリアードやノームみたいに土や植物に干渉して、成長促進できるような魔法も悪くないか? って、それならドリアード召喚すれば済む話だよな。ユニークスキルで解放する必要ねえな。

『今言った三つもユニークスキルにあるわね。結界は結構応用が利くから便利だって、他の女神が言ってたわね。隷属魔法は相手より強い事が最低条件だけど存在してるわ。最後のは多分樹魔法って呼ばれる土や木の精霊達が使う魔法ね、でも基本的には人間は覚えられないからユニーク扱いになってたはずね』

 ふむふむ、思ったよりあるもんだな。精霊や魔物たちが使う魔法がユニークスキルって事は、じゃぁ死霊魔法とかもあったりするのか?

『そうね、分類すればアンデッドと呼ばれる魔物の上位に位置するエルダーリッチや、さらにその上のノーライフキングはその類の魔法を持ってたはずだわ。あと天使系の魔物でも堕天した者達の中にも、使えるのがいた気がするわ。でも悪魔系の魔物は何故か使えるのはいないのよね』

 お前、意外に物知りなんだな! それにしても、今まで召喚リストにも敵にもいなかったからてっきり存在しないと思ってた、天使や悪魔も魔物として存在してるんだな。

『ふふん、もっと褒めていいのよ! でもね、ところどころでチビっていうんじゃないわよ! きちんと聞こえてるんだからね!』

 うんうん、すごいな。とりあえず、パッと思いつくところではこんなもんか。死霊魔法や樹魔法は代用がききそうだからいいとして、欲しい物はクリエイトゴーレム・結界魔法・隷属魔法あたりかな?

『あなたがクリエイトゴーレムを使うと世界のバランスが崩れる気がするけど、本来ならそこまで人気の高いユニークスキルじゃないからね。隷属魔法も魔導具で代用できるからあまり人気無いのよね。

 ただ結界は魔導具で再現されてないから価値的には高いのよね~まぁ価値的に考えれば合わせても三以下位だと思うから、その三つでも問題ないかしらね』

 お? マジかそれは助かるな。ついでに死霊魔法の話で出てきた、アンデッド系の魔物が出てくるダンジョンとか知らないか?

『あなた、また私に情報をたかるの? さすがにこれ以上教えると問題になるのよね。だから場所は教えられないけど、ヒント位ならあげられるわよ。中立都市ってあなたたちが呼んでいる街の、冒険者ギルドに行ってみなさい。魔物の情報ならある程度あそこで仕入れられるわよ』

 何たる盲点! 魔物と戦う冒険者なら情報もっててもおかしくないよな。この世界なら街と呼ばれるサイズの所には、ほぼ連盟に登録されているギルドが設置されているから情報は探し放題か。

 例外はこの前のジャルジャンみたいな奴だろう、ギルドが勝手をしすぎて街が追い出すケースが例外に当たるようだ。

『さて、今回のダンジョンバトルで勝利したご褒美に三つのユニークスキルを解放しておいたから思う存分つかいなさい』

 今度はもっとしっかりルール決めてからダンジョンバトルを開催しろよ! 今回みたいに既存のダンジョンが使えないなら早めに告知して、ゆっくりダンジョンを作らせてくれ、今回は初めてで明らかにオーバーキル過ぎて相手に悪かったからな。

 チビ神とのやり取りが終わって、召喚リストを見ていると希望していたスキルがリストの一番上に表示されていた。念のため召喚してみると、召喚リストから消えずに残っていた。

 とりあえず隷属魔法はともかくとして、クリエイトゴーレムと結界は妻たち全員に覚えさせるか。結界はどんなことができるかわからないけど、属性魔法によるウォールよりは性能が高いと思うし、防御面としては優秀だと考えてるからな。そこまでじゃなくても何かしら使い道あるだろ。

 妻たちを集めてダンジョンバトルの褒美として、宝珠が召喚できるようになったことを伝えてみんなに覚えてもらった。

 全員が喜んだのだが、年少組は全員がお揃いだという事が嬉しかったようで、みんなで大喜びをしていた。一応隷属魔法に関しては俺しか覚える予定がない事を伝えると、嫁たちはまったく興味がないようで俺の好きにしてもいいとの事だった。
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