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第262話 試作品人造ゴーレム完成
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素材についての吟味は、試作品を作ってからという事になった。そのほかにも早く作っておきたい理由だあったのだ。自己学習機能を使った最適化を自分で行ってもらうためだ。俺がいちいちすべての行動をプログラムすることは不可能なので、学習できるようにしてみたのだ。
前から思っていたが細かくプログラムすると不具合が出やすいため、自己学習機能ができないか魔石に書き込んでみたのだがすんなりできたのだ。
行動プログラムに関しては、【条件付けのようなプログラム】を組まなければならないのに対して、自己学習機能の方は、【自分に行動に不具合があったり動きにくい場合や、周りの人間からの指摘を受け入れて自分なりに判断する】みたいなアバウトな命令でも学習してくれるのだ。
ある程度は、行動プログラムを組まないと自己判断すらできないのだが、一度組んでしまえばコピーもできるのですごく使い勝手がいい事が分かったのだ。
ただ何でこんなアバウトでもいいのかと思えば、スキルLvの問題だったようだ。
チビ神著者の【これでYOUもスキルマスター】のクリエイトゴーレムの欄に小さく後書きのように【Lvによって魔核に書き込む指示がアバウトでも大丈夫!】などと書かれていたのだ。思わず破り捨てて、また召喚して破り捨ててしまうくらいイラッときた。
間違いないように言っておくが、召喚した当初には描かれてなかった項目だったのだ。破り捨てた後に怒鳴り声で『あなたのために追加で記入してあげたのに恩知らず』と言われたのだ。初めから書いとけコンチキショー!
どちらにしてもアバウトな行動プログラムだと単純な動きになってしまうので細かく調整する必要があるとの事。
単純な例で言えば【敵を見つけたら攻撃】だと基本接近して殴る蹴る……というより腕を振り回したり蹴りを適当にぶつけようとするのに対して、【敵を見つけたら格闘技で攻撃】と【格闘技の基本的な動きをプログラム】したばあいでは、行動に天と地ほどの差が出るのだ。
そりゃ適切な攻撃がある程度できるんだから当たり前だろう。
ただ自己学習機能をプログラムできるのはAランク以上の魔石が二個必要になる。一つは行動などをプログラムする魔核、もう一つは自己学習機能をプログラムし、もう一つの魔核のプログラムの追加と修正する魔核だ。
ランクの低い魔石で行うと理由は不明だが壊れてしまうためだ。面白い事に視覚の魔核もAランク以上の魔石で作ることで見て学習することもできるようになったのだ。
これはネルの「ゴーレムって目はないの?」という発言から、調整した所Aランクの魔石を使ったらうまく接続できて学習機能がさらにアップしたのだ。なのでしばらくは、柔術や剣術、棒術の映像を繰り返し見させて行動をマネするところから始めた。
一体で行うより数体で情報を学んで、お互いに情報を交換し合った方がいいと考えて、情報交換用の魔核も取り付けている。なんだろ、ただの他人任せな感じがするけどこれでいいのか? しばらくは本人たちに任せてみよういい結果が出たのなら、それを複製すればいいだろう、失敗したらまた違う方法を考えればいいよな。
人造ゴーレムの試作品ができるまでに、およそ一ヶ月の時間を費やしている。その間にも俺の部下たちはディストピア・グレッグ・ミューズの安定と繁栄に努めてくれていた。
うんうん、俺には何もできないけどみんなが頑張ってくれるから楽ができる! 新しく作った獣人たちのための街は大分安定してきたようだ。さすがはヴローツマインの精鋭が派遣されているだけあるな! 派遣費用のほとんどは俺の懐から出てるけどね。
そういえばジャルジャンの方の話をしてなかったな。汁男共のダンジョンに行くあたりから毎日連絡があって「まだ?」「はやく~」「儂の事わすれたの?」とうざかったらしい。
今回はフェピーに何の非も無かったので、ディストピアに戻ってきてからすぐに地下通路を開いてあげたよ。真っ先に和紙を大量に購入していたね、量産品の和紙でもこちらの世界の羊皮紙より使いやすいみたいで、もうそれはいい笑顔で買っていったそうだよ。
人造ゴーレムがのんびり学習している間に、もう一つのスライム型ゴーレムの製作にかかった。まぁこっちは簡単だいろんな素材つかって作って、ニコたちに動きを教えてもらえばいいのだ。
こっちはダンジョンのどこかに配置して、奇襲で一人でも倒せれば儲けもの位の考えで製作する量産型ゴーレムなのだ。初めの一匹だけはAランクの魔石を二個使って学習させるが、その後のスライムゴーレムに関しては、複製して情報をDランクあたりの魔石に書きこむ予定だ。
なぜDかといえばディストピアで今一番使われてない魔石だからだ。屑魔石や低ランク魔石は、家庭内やお店、街灯等につかわれているため、需要も多く安定して選出されているので、これを使うのは気が引けたのだ。
ただDランクになるとそういった生活用途に使うには割高になってしまい、魔道具を作るにはランクが微妙に足りないという事で余っている状態だったのだ。
だからと言って買いたたく真似はせずに、一般的な金額で買い取ってスライムゴーレム用に大量に買い付けたのだ。お金はたんまりあるので、ディストピアのために散財覚悟で買い取ったが、大した金額を使う事は出来なかったという話付きだ。
いろんなスライムを作ることにした。
毒のスライムが有効的だろう。だがそうすると何かの拍子に自分たちにも害になる可能性があるので死海の水を使った物や、可燃性の高い石油や油、ゲル状の何か多数を作ってみた。
行き止まりなどになる部屋に毒性の高い強酸性・強アルカリ性の水溶液を作成している。他にも溶解液などを使ったスライムを作っている。
後半のスライムは、一匹一殺を目的として作っている。毒性の高い物や腐食性の高い物であれば、その場で殺せずとも影響が出て殺せるだろう。このスライムたちはいわゆる侵入者専用の兵器だ。
スライム型ゴーレムは素材を考えるだけで終わってしまったので、防衛に必要な物を色々検討することになった。特にメタ〇ギアファンのメアリーとマリアがタレットや銃付きの監視装置みたいなのを猛プッシュしてきたので、ピースを流用したタレットと銃付き監視装置を作成する。
このゴーレムたちは遠隔操作できるようにしてあり、非常事態になった時に作動する仕組みになっている。
メタ〇ギアネタが出てきたので、爆発物のゴーレムも作ってみた。動くことはできないのでダンジョンの通路などに見えないようにして配置してくことになる。
特に地雷などは敵を殺すのではなく、負傷させることが目的なので必ず通らないといけない通路に大量に配置している。爆発条件は非常事態に俺の関係者が近くに居らず、敵が有効射程に入った際に爆発となっている。
クリエイトゴーレムってよく考えると、機械を魔法で作っているような感じだよな。魔導エンジンも俺がクリエイトゴーレムで作ったら簡単だったのにな、と思ったことを口にしたら、それでは俺以外に誰も作れないじゃないですか! 難しくても誰かに作れることが大事なんですよ?
ご主人様は本当にぬけてるところがあるんですから、という私も世の中に出せない魔道具をいろいろ作ってしまってますけどね、とアリスとライムが猛抗議と自白をしていた。この娘らマッドサイエンティストにならないといいけど大丈夫だよな?
少々不安になる場面もあったがダンジョン防衛強化計画が着実に進んでいく。
前から思っていたが細かくプログラムすると不具合が出やすいため、自己学習機能ができないか魔石に書き込んでみたのだがすんなりできたのだ。
行動プログラムに関しては、【条件付けのようなプログラム】を組まなければならないのに対して、自己学習機能の方は、【自分に行動に不具合があったり動きにくい場合や、周りの人間からの指摘を受け入れて自分なりに判断する】みたいなアバウトな命令でも学習してくれるのだ。
ある程度は、行動プログラムを組まないと自己判断すらできないのだが、一度組んでしまえばコピーもできるのですごく使い勝手がいい事が分かったのだ。
ただ何でこんなアバウトでもいいのかと思えば、スキルLvの問題だったようだ。
チビ神著者の【これでYOUもスキルマスター】のクリエイトゴーレムの欄に小さく後書きのように【Lvによって魔核に書き込む指示がアバウトでも大丈夫!】などと書かれていたのだ。思わず破り捨てて、また召喚して破り捨ててしまうくらいイラッときた。
間違いないように言っておくが、召喚した当初には描かれてなかった項目だったのだ。破り捨てた後に怒鳴り声で『あなたのために追加で記入してあげたのに恩知らず』と言われたのだ。初めから書いとけコンチキショー!
どちらにしてもアバウトな行動プログラムだと単純な動きになってしまうので細かく調整する必要があるとの事。
単純な例で言えば【敵を見つけたら攻撃】だと基本接近して殴る蹴る……というより腕を振り回したり蹴りを適当にぶつけようとするのに対して、【敵を見つけたら格闘技で攻撃】と【格闘技の基本的な動きをプログラム】したばあいでは、行動に天と地ほどの差が出るのだ。
そりゃ適切な攻撃がある程度できるんだから当たり前だろう。
ただ自己学習機能をプログラムできるのはAランク以上の魔石が二個必要になる。一つは行動などをプログラムする魔核、もう一つは自己学習機能をプログラムし、もう一つの魔核のプログラムの追加と修正する魔核だ。
ランクの低い魔石で行うと理由は不明だが壊れてしまうためだ。面白い事に視覚の魔核もAランク以上の魔石で作ることで見て学習することもできるようになったのだ。
これはネルの「ゴーレムって目はないの?」という発言から、調整した所Aランクの魔石を使ったらうまく接続できて学習機能がさらにアップしたのだ。なのでしばらくは、柔術や剣術、棒術の映像を繰り返し見させて行動をマネするところから始めた。
一体で行うより数体で情報を学んで、お互いに情報を交換し合った方がいいと考えて、情報交換用の魔核も取り付けている。なんだろ、ただの他人任せな感じがするけどこれでいいのか? しばらくは本人たちに任せてみよういい結果が出たのなら、それを複製すればいいだろう、失敗したらまた違う方法を考えればいいよな。
人造ゴーレムの試作品ができるまでに、およそ一ヶ月の時間を費やしている。その間にも俺の部下たちはディストピア・グレッグ・ミューズの安定と繁栄に努めてくれていた。
うんうん、俺には何もできないけどみんなが頑張ってくれるから楽ができる! 新しく作った獣人たちのための街は大分安定してきたようだ。さすがはヴローツマインの精鋭が派遣されているだけあるな! 派遣費用のほとんどは俺の懐から出てるけどね。
そういえばジャルジャンの方の話をしてなかったな。汁男共のダンジョンに行くあたりから毎日連絡があって「まだ?」「はやく~」「儂の事わすれたの?」とうざかったらしい。
今回はフェピーに何の非も無かったので、ディストピアに戻ってきてからすぐに地下通路を開いてあげたよ。真っ先に和紙を大量に購入していたね、量産品の和紙でもこちらの世界の羊皮紙より使いやすいみたいで、もうそれはいい笑顔で買っていったそうだよ。
人造ゴーレムがのんびり学習している間に、もう一つのスライム型ゴーレムの製作にかかった。まぁこっちは簡単だいろんな素材つかって作って、ニコたちに動きを教えてもらえばいいのだ。
こっちはダンジョンのどこかに配置して、奇襲で一人でも倒せれば儲けもの位の考えで製作する量産型ゴーレムなのだ。初めの一匹だけはAランクの魔石を二個使って学習させるが、その後のスライムゴーレムに関しては、複製して情報をDランクあたりの魔石に書きこむ予定だ。
なぜDかといえばディストピアで今一番使われてない魔石だからだ。屑魔石や低ランク魔石は、家庭内やお店、街灯等につかわれているため、需要も多く安定して選出されているので、これを使うのは気が引けたのだ。
ただDランクになるとそういった生活用途に使うには割高になってしまい、魔道具を作るにはランクが微妙に足りないという事で余っている状態だったのだ。
だからと言って買いたたく真似はせずに、一般的な金額で買い取ってスライムゴーレム用に大量に買い付けたのだ。お金はたんまりあるので、ディストピアのために散財覚悟で買い取ったが、大した金額を使う事は出来なかったという話付きだ。
いろんなスライムを作ることにした。
毒のスライムが有効的だろう。だがそうすると何かの拍子に自分たちにも害になる可能性があるので死海の水を使った物や、可燃性の高い石油や油、ゲル状の何か多数を作ってみた。
行き止まりなどになる部屋に毒性の高い強酸性・強アルカリ性の水溶液を作成している。他にも溶解液などを使ったスライムを作っている。
後半のスライムは、一匹一殺を目的として作っている。毒性の高い物や腐食性の高い物であれば、その場で殺せずとも影響が出て殺せるだろう。このスライムたちはいわゆる侵入者専用の兵器だ。
スライム型ゴーレムは素材を考えるだけで終わってしまったので、防衛に必要な物を色々検討することになった。特にメタ〇ギアファンのメアリーとマリアがタレットや銃付きの監視装置みたいなのを猛プッシュしてきたので、ピースを流用したタレットと銃付き監視装置を作成する。
このゴーレムたちは遠隔操作できるようにしてあり、非常事態になった時に作動する仕組みになっている。
メタ〇ギアネタが出てきたので、爆発物のゴーレムも作ってみた。動くことはできないのでダンジョンの通路などに見えないようにして配置してくことになる。
特に地雷などは敵を殺すのではなく、負傷させることが目的なので必ず通らないといけない通路に大量に配置している。爆発条件は非常事態に俺の関係者が近くに居らず、敵が有効射程に入った際に爆発となっている。
クリエイトゴーレムってよく考えると、機械を魔法で作っているような感じだよな。魔導エンジンも俺がクリエイトゴーレムで作ったら簡単だったのにな、と思ったことを口にしたら、それでは俺以外に誰も作れないじゃないですか! 難しくても誰かに作れることが大事なんですよ?
ご主人様は本当にぬけてるところがあるんですから、という私も世の中に出せない魔道具をいろいろ作ってしまってますけどね、とアリスとライムが猛抗議と自白をしていた。この娘らマッドサイエンティストにならないといいけど大丈夫だよな?
少々不安になる場面もあったがダンジョン防衛強化計画が着実に進んでいく。
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