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第208話 未到達領域
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ダンジョン四日目。
五十九階からの出発か。ちょっと行けば六十階、その先は未到達領域と呼ばれている。ってリンドは進んだことあるのに未到達領域とは何ぞや、と思ったがリンドたち以外六十一階以降に行ったものは今の所いない上に、ダンジョンの情報がないので未到達領域って呼んでいるようだ。
情報があるのは六十階のBOSSまでか、この先どれだけ時間がかかるんだろうな。
六十階のBOSSは、ミスリルゴーレム五体だった。こいつら小さいけど硬いな、素材と大きさによってやっぱりタフさが決まるんじゃねえか?
普通サイズのミスリルゴーレムなのに、倒すのにそこそこ時間がかかった。とはいえ十分ほどなのだが。この先どんなゴーレムが増えるんだろうな。
六十一階からはブロンズゴーレム、青銅のゴーレムが出てきた。やっぱり素材と大きさで耐久力や強さが決まるんだと思うけど、素材の硬度は関係なさそうだな。ゴーレムよりもドールたちがめんどくさい。明らかに強くなっているのだ。
武器の品質も少しずつ上がっている印象だし、何より動きがよくなってるから質が悪い。パーティーみたいに前衛・後衛・遊撃に分かれて連携をとる上に、ゴーレムは肉壁と言わんばかりの扱いをしているのだ。このダンジョンのメインって実はドールじゃね? って思えてきた。
次の階段を探しながらの探索はとにかく時間がかかった。今まで三十分で一階を降りれていたのだが、今は一時間三十分程もかかっている。リンドたちはよく七十三階まで行けたもんだな。飯がなくなって無ければもっといけたのかな? そう考えると俺達の持ってる収納系の装備って反則級だな。
「誰か一応マッピングしてる? このダンジョンを支配下に置ければ、ダンジョンのマップなんて必要ないけど、誰かやってる?」
「は~い、私が担当してます! こういう事もあるだろうと、ノーマンさんが教えてくれたんです! でも紙はDPで召喚してもらったものです。ネルはご主人様のお役に立ちたくて色々覚えたんですよ!」
無い胸を張ってドヤ顔をしているネルがいた。この年頃のドヤ顔は微笑ましいな。昼食時に四階分降りてきた地図を見せてもらうと、結構な精度の地図だった。話を聞いていくと、どうやらノーマンはマッピングのために測量や観察のスキルを覚えさせていたらしい。
うん、自由にしていいといったけど本当に自由に育てたんだな。そもそも半年以上遅れて冒険者の訓練をし始めたネルがシェリルたちに追いつきつつある現状を考えれば、どれだけ無理をさせたかが気になるところだな。
でもネル自身がそれを望んでいる感じだから何ともいえんか、まぁ楽しそうだし何よりシェリルたちと一緒にいられることが嬉しそうだからいいか……いいのか?
階段を探しながらダンジョンを降りてくのってここまでめんどくさいんだな。おそらくこのダンジョンは、大きく見ても四キロメートル四方のダンジョンだろう。普通に考えて、それだけ広いダンジョンを何の手掛かりもなしに一時間三十分のペースで一階ずつ降りてるのは異常なんだろうな。
今日は六十八階まで降りれれば十分だろう。欲を言うなら六十九階まで行って休憩を取りたいところだが、今のペースで六十九階まで行くと、休憩時間がかなり削られてしまうので出来れば避けたい。
ただ六十七階に入って野営に向いている部屋があったらそこで休むつもりだけどな。六十八階について見つかりませんでしたって言って、六十九階に泣く泣く降りることになるのは、絶対に避けたい。
戦闘を前提として休息をとるのであれば、ある程度の広さがあれば問題ないが、守ることを考えるとやはり行き止まりの部屋が防衛に向いているんだよね。最悪ピンチになったら入口を土魔法でふさげば、ダンジョンに吸収するまでの間は時間が稼げるしな。
そういえば、ダンジョンには特殊な能力があるのだ。ダンジョンの壁面に穴があけられても、ある一定時間を過ぎると穴が塞がり修復してくれるのだ。それと同じようにダンジョンの中で異物が放置されると吸収されてしまうのだ。
ちなみに吸収する基準は生命体でないこと、生命体が近くにいないこと、魔石が体内にない事、一定以下の魔法の道具でないことの4種類が確認されている。まぁクリエイトゴーレムの魔核も魔石と同じ扱いになると思うけどな。
この条件を満たせばダンジョンが吸収してしまうようだ。ダンジョンの中に死体が残らないのは魔物が食べるとかスライムがきれいにするとかじゃなくて、ダンジョン自身が死体を食ってたんだよね。だから一説にはダンジョンが生きているって言われてるんだろうな。
「ご主人様、六十七階にはよさそうなところが無かったので、六十八階へ行きましょうか?」
「そうだね。六十七階での休憩は諦めようか、六十八階でそれらしいところを探そう。多少広い空間があったら、そこを陣取って休憩するか。夜番がめんどくさいだろうけど今日は我慢してもらおう」
六十八階を半分ほど探索した時に階段を発見したが降りずに近くの部屋を陣取ることにした。
「みんなは野営の準備してもらっていいかな? 俺と従魔は戦闘にほとんど参加してないから、ちょっと六十九階にいいところがないか見てくるよ。ただマッピングしてるネルは連れてきたいんだけど」
「では、シェリルとイリアもお連れになってください。後レイリーさんとミリーさんにも監視をしてもらいましょう。それでよろしければ一時間ほどなら許可します」
「了解、もし良さそうなところがあったら移動するから、そのつもりでお願いね。いつでも連絡が取れるようにいくつか中継アンテナ設置しとくから、何かあったら連絡してくれ」
野営場所を後にして五人と従魔十七匹を連れて六十九階へ降りていく。
「俺はあまり戦闘に参加できてなかったから、体も動かしたいんだよな。ちょっと暴れるからみんなフォローしてほしいな」
レイリーとミリーはやれやれといった表情をして、三幼女は頑張れ! と応援してくれている。フォローを主にしてくれるのは従魔たちだが、かといって何もしないわけにはいかないのが、レイリーとミリーなんだよね。苦労かけるけどお願いね!
あまり活躍させてあげられなかった大薙刀をもって魔物を見やる。六十九階なのでかなり魔物の数が増えているようだ。降りて直ぐの部屋には、この部屋のおそらくMAXに近い合わせて四十五匹のゴーレムとドールがいた。武器持ってるめんどくさい奴らだな!
武器に魔力を流し雷付与を行っていく。武器だけの切れ味で問題なく切り裂けるので、切れ味ではなくスピードを重視した付与を行っている。武器防具にはさすがに切り裂けないものもあるのだが、スピードとステータスでごり押して、武器や盾を弾き飛ばして倒している感じだな。
俺もストレス発散してるけど、ニコとハクが特に酷い気がする。俺の護衛を任されることは嫌ではないが、戦っている姿を見ているのに自分たちが戦えていなかったことがストレスになっていたようだ。ハクなんてゴーレムの腕や足を噛み千切ってるし。どんだけ頑丈な歯とあごの力をもってるのやら。
四十分ほど暴れまわっていると階段を見つけてしまった。戻る時間を考えたら後十分位しか探索する時間ないかな。まぁ体をもう少し動かしたいしちょっとそこらへん見てきますかな!
えっと、久々に運がいいと思った。階段近くの部屋が行き止まりになっていて、しかもそれなりに広かったのだ。ピーチに連絡していつでも出発できるように準備しておくように伝えてから、部屋の敵を一掃して娘たちを迎えに行った。
五十九階からの出発か。ちょっと行けば六十階、その先は未到達領域と呼ばれている。ってリンドは進んだことあるのに未到達領域とは何ぞや、と思ったがリンドたち以外六十一階以降に行ったものは今の所いない上に、ダンジョンの情報がないので未到達領域って呼んでいるようだ。
情報があるのは六十階のBOSSまでか、この先どれだけ時間がかかるんだろうな。
六十階のBOSSは、ミスリルゴーレム五体だった。こいつら小さいけど硬いな、素材と大きさによってやっぱりタフさが決まるんじゃねえか?
普通サイズのミスリルゴーレムなのに、倒すのにそこそこ時間がかかった。とはいえ十分ほどなのだが。この先どんなゴーレムが増えるんだろうな。
六十一階からはブロンズゴーレム、青銅のゴーレムが出てきた。やっぱり素材と大きさで耐久力や強さが決まるんだと思うけど、素材の硬度は関係なさそうだな。ゴーレムよりもドールたちがめんどくさい。明らかに強くなっているのだ。
武器の品質も少しずつ上がっている印象だし、何より動きがよくなってるから質が悪い。パーティーみたいに前衛・後衛・遊撃に分かれて連携をとる上に、ゴーレムは肉壁と言わんばかりの扱いをしているのだ。このダンジョンのメインって実はドールじゃね? って思えてきた。
次の階段を探しながらの探索はとにかく時間がかかった。今まで三十分で一階を降りれていたのだが、今は一時間三十分程もかかっている。リンドたちはよく七十三階まで行けたもんだな。飯がなくなって無ければもっといけたのかな? そう考えると俺達の持ってる収納系の装備って反則級だな。
「誰か一応マッピングしてる? このダンジョンを支配下に置ければ、ダンジョンのマップなんて必要ないけど、誰かやってる?」
「は~い、私が担当してます! こういう事もあるだろうと、ノーマンさんが教えてくれたんです! でも紙はDPで召喚してもらったものです。ネルはご主人様のお役に立ちたくて色々覚えたんですよ!」
無い胸を張ってドヤ顔をしているネルがいた。この年頃のドヤ顔は微笑ましいな。昼食時に四階分降りてきた地図を見せてもらうと、結構な精度の地図だった。話を聞いていくと、どうやらノーマンはマッピングのために測量や観察のスキルを覚えさせていたらしい。
うん、自由にしていいといったけど本当に自由に育てたんだな。そもそも半年以上遅れて冒険者の訓練をし始めたネルがシェリルたちに追いつきつつある現状を考えれば、どれだけ無理をさせたかが気になるところだな。
でもネル自身がそれを望んでいる感じだから何ともいえんか、まぁ楽しそうだし何よりシェリルたちと一緒にいられることが嬉しそうだからいいか……いいのか?
階段を探しながらダンジョンを降りてくのってここまでめんどくさいんだな。おそらくこのダンジョンは、大きく見ても四キロメートル四方のダンジョンだろう。普通に考えて、それだけ広いダンジョンを何の手掛かりもなしに一時間三十分のペースで一階ずつ降りてるのは異常なんだろうな。
今日は六十八階まで降りれれば十分だろう。欲を言うなら六十九階まで行って休憩を取りたいところだが、今のペースで六十九階まで行くと、休憩時間がかなり削られてしまうので出来れば避けたい。
ただ六十七階に入って野営に向いている部屋があったらそこで休むつもりだけどな。六十八階について見つかりませんでしたって言って、六十九階に泣く泣く降りることになるのは、絶対に避けたい。
戦闘を前提として休息をとるのであれば、ある程度の広さがあれば問題ないが、守ることを考えるとやはり行き止まりの部屋が防衛に向いているんだよね。最悪ピンチになったら入口を土魔法でふさげば、ダンジョンに吸収するまでの間は時間が稼げるしな。
そういえば、ダンジョンには特殊な能力があるのだ。ダンジョンの壁面に穴があけられても、ある一定時間を過ぎると穴が塞がり修復してくれるのだ。それと同じようにダンジョンの中で異物が放置されると吸収されてしまうのだ。
ちなみに吸収する基準は生命体でないこと、生命体が近くにいないこと、魔石が体内にない事、一定以下の魔法の道具でないことの4種類が確認されている。まぁクリエイトゴーレムの魔核も魔石と同じ扱いになると思うけどな。
この条件を満たせばダンジョンが吸収してしまうようだ。ダンジョンの中に死体が残らないのは魔物が食べるとかスライムがきれいにするとかじゃなくて、ダンジョン自身が死体を食ってたんだよね。だから一説にはダンジョンが生きているって言われてるんだろうな。
「ご主人様、六十七階にはよさそうなところが無かったので、六十八階へ行きましょうか?」
「そうだね。六十七階での休憩は諦めようか、六十八階でそれらしいところを探そう。多少広い空間があったら、そこを陣取って休憩するか。夜番がめんどくさいだろうけど今日は我慢してもらおう」
六十八階を半分ほど探索した時に階段を発見したが降りずに近くの部屋を陣取ることにした。
「みんなは野営の準備してもらっていいかな? 俺と従魔は戦闘にほとんど参加してないから、ちょっと六十九階にいいところがないか見てくるよ。ただマッピングしてるネルは連れてきたいんだけど」
「では、シェリルとイリアもお連れになってください。後レイリーさんとミリーさんにも監視をしてもらいましょう。それでよろしければ一時間ほどなら許可します」
「了解、もし良さそうなところがあったら移動するから、そのつもりでお願いね。いつでも連絡が取れるようにいくつか中継アンテナ設置しとくから、何かあったら連絡してくれ」
野営場所を後にして五人と従魔十七匹を連れて六十九階へ降りていく。
「俺はあまり戦闘に参加できてなかったから、体も動かしたいんだよな。ちょっと暴れるからみんなフォローしてほしいな」
レイリーとミリーはやれやれといった表情をして、三幼女は頑張れ! と応援してくれている。フォローを主にしてくれるのは従魔たちだが、かといって何もしないわけにはいかないのが、レイリーとミリーなんだよね。苦労かけるけどお願いね!
あまり活躍させてあげられなかった大薙刀をもって魔物を見やる。六十九階なのでかなり魔物の数が増えているようだ。降りて直ぐの部屋には、この部屋のおそらくMAXに近い合わせて四十五匹のゴーレムとドールがいた。武器持ってるめんどくさい奴らだな!
武器に魔力を流し雷付与を行っていく。武器だけの切れ味で問題なく切り裂けるので、切れ味ではなくスピードを重視した付与を行っている。武器防具にはさすがに切り裂けないものもあるのだが、スピードとステータスでごり押して、武器や盾を弾き飛ばして倒している感じだな。
俺もストレス発散してるけど、ニコとハクが特に酷い気がする。俺の護衛を任されることは嫌ではないが、戦っている姿を見ているのに自分たちが戦えていなかったことがストレスになっていたようだ。ハクなんてゴーレムの腕や足を噛み千切ってるし。どんだけ頑丈な歯とあごの力をもってるのやら。
四十分ほど暴れまわっていると階段を見つけてしまった。戻る時間を考えたら後十分位しか探索する時間ないかな。まぁ体をもう少し動かしたいしちょっとそこらへん見てきますかな!
えっと、久々に運がいいと思った。階段近くの部屋が行き止まりになっていて、しかもそれなりに広かったのだ。ピーチに連絡していつでも出発できるように準備しておくように伝えてから、部屋の敵を一掃して娘たちを迎えに行った。
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