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第162話 リンド驚愕する
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「なんじゃこりゃ~~!!!」
ディストピアを見たリンドの一言目。その様子が面白かったのか、年少組が「なんじゃこりゃ~~!」と真似していたのが可笑しい。
俺の家、農家の奴隷の家、学校、奴隷家族の家兼商店、奴隷家族の家兼食堂っぽい建物しかないのだ。不自然にならない様に木材をある程度積んではいるが、だだっ広い段々畑の様な地面しかないのだから当たり前だろう。
「何でこんなにインフラが整ってるのよ! まだ街にもなっていないのにおかしいじゃない!」
「へ?」
「ちょっときみ、この非常識な状況が分かってないの? 街ができてないのに道路が整備されているうえに、生活排水を流す様な溝もあるし、それにあの城壁は何? 高すぎるし! ありえないんですけど! でも水はどうするんですか?」
「え? 街作るって決めたんだから、初めにインフラ整備しても変じゃないですよね? 土魔法がつかえる人間が複数いるんですから、作るのは普通じゃないですか? それにあの溝は生活排水を流す溝じゃないですよ。
一応雨なんかが降った時ように流れる動線を作っただけです。生活排水は全部地下に流れるようにしてあります。以前にある街で実験していた、地下下水が成功したのでこの街の地下にも設置してます。水は、親交のある、水精霊のウンディーネに眷属を出してもらうって約束してるんだ」
「……ちょっとこっち来て」
「いって~」
「あんた、少しは常識を知ったらどうなの? 水を水精霊が用意してくれるってどうなの? 地下下水って何? 頭がパンクするんですけど! ばかなの? 死ぬの?」
「君が何でそのセリフを知っているか気になるけど、水精霊なら今の時間、俺の家の庭にいるんじゃないか? アクアいるか~」
しばらくすると、ふわふわとアクアが飛んできた。ツィード君とシルクちゃんもついてきたと、いうよりは連れてこられたと言ったほうが正確だろうか?
「ご主人様、どうかなさいましたか?」
「リンドが興味持ってるみたいだからよんd『ゴツンッ』いって~何すんだよ!」
アクアの表情の温度が下がったように感じるのは気のせいか?
「あなた、ウンディーネ様って言ったら精霊の中でも上位の精霊ですよ? 分かってるんですか? 私たちドワーフは精霊種ではないですが、ノームの眷属みたいなものです。その精霊と同格のウンディーネ様を小間使いみたいにしてるのよ! 場合によっては許さないわよ!」
「いや、許さないと言われてもね。リンドじゃ俺の事倒せないよ? それにここで暴れたら、間違いなくシュリが出てくるからね、手も足も出ずに制圧されるよ? えっと、ツィード君はアクアに怒られてる途中みたいだから、シルクちゃんにガルド・ノーマン・メイを呼んできてもらおうか。急ぎでお願いね」
「シュウ君、今言っていたシルクって子と今、ウンディーネ様に正座させられてるツィードって子も精霊なの?」
「まぁ精霊ですけど……アクア、みんなが揃ってからの方がいいよな?」
「そうですね、揃う前にある程度お話ししておいた方がいいですかね。ここにいるツィード君は闇精霊で、みんなを呼びに行ってもらったシルクちゃんは光精霊ですね。
私たちはご主人様であるシュウ様に加護を受けている者ですよ。私はウンディーネですが、ウンディーネだって、私以外にもたくさんいますからね。そのうちの一人ですので大して偉くもないんですよ」
「アクアの姉御! シルクが戻ってきたよ!」
「シルクちゃん早いわね、えらいえらい。でもねツィード君、私の事を姉御って呼んじゃダメって何度言えばわかるのかな?」
アクアが正座をしているツィードにむかって、目が全然笑っていない綺麗な笑顔で近付いていくと、ツィードの顔色が驚く程危ない色へ変色していく。
「アクア、話が進まないから戻ってきて」
「「「ご主人様、およびですか?」」」
「みんな急いできてくれてありがと。ちょっと紹介したい人がいるから付き合ってくれ。この人は、リンドさんって言ってこの街を見に来てくれたドワーフの街の偉い人だ。
で、こちらの燃えているのがイフリートのガルド、こっちのふわふわしてるのがシルフのメイ、最後にこっちのごつごつしたのはノームのノーマンだ。だから痛いって、無言で叩くな! それに今の状況よくみろよ? めっちゃ睨まれてるのわかってるか?」
「そんなことどうでもいいのよ! ちょっとあんた、なんで四大精霊と光闇の六人も精霊がいるの? なんか特別なばしょなのここって? それに加護をもらってるんじゃなくて、加護をしているってどういうことなの? 私が馬鹿で理解できないだけ?」
「まぁ落ち着いてこのビールでも飲め。まぁ加護をしているとか大げさな事じゃないよ。ただ住む場所を用意しただけだしな。そしたらみんなが協力してくれて、この街を作れるようになったんだよ。
俺はみんなに住む場所を用意して、みんなは俺のために協力してくれてる持ちつ持たれつの関係だよ、こいつ今混乱してるから大目に見てやってくれ」
「ご主人様が言うのでしたら……次は容赦しませんよ? 私の眷属はきれいな水があれば住み着いてくれますからね。ご主人様にはそのもとになる魔導具を作ってもらってるわけですし、私としては感謝しきれないですね」
嘘と事実を混ぜて話を進めていくと、賢いアクアはすぐに察してくれて合わせてくれている。さすが精霊のまとめ役的存在だな。
「ご主人様、リンドさんが立ったまま気絶してます。どういたしましょう?」
「みんなで家の応接間に運んでもらっていいかな? ベッド準備させておくから」
俺は立ったまま器用に気絶しているリンドを精霊たちに任せて、家の中に入ると掃除をしていたミドリがいたので、ベッドの準備をするようにお願いした。
度々常識を教えてもらっていたが、今回はドワーフの観点での常識がなかったために、リンドが理解の限度を越してオーバーヒートしてしまったのだろうか? ハーフドワーフのカエデは特に何ともなかったのにな……ドワーフの中で育つとリンドみたいな反応が普通なのかな? まぁ考えても仕方ねえな。
リンドが起きてくるまで違う事をしておこう。アクアも言ってた水の魔導具は既に完成というよりダンマスのスキルで召喚できるからな。塩を作る魔導具の様子はどうなってるんだろ?
今回二人ともヴローツマインに置いてきてたんだった。無線で聞いてみるか。向こうの様子を一応確認するとともに、アリスとライムに魔導具の様子を聞いてみた。俺の予想に反して、もうすでに完成しているとの事。
必要数も準備してあり、その魔導具の機能を流用してお風呂にも使えるように調整もすんでいるらしい。今は魔導具ではなく流れる水を使った水車や風車を作っていて、ベアリングに使う真球の作成が難しいと嘆いていた。
ご主人様なら問題なく作れると思いますが、私たちの力で作れなければ意味がないと奮闘しているらしい。自分たちだけで考えず、ドワーフは鍛冶に精通しているから相談してみてはどうかとアドバイスをしておいた。
俺が指示がなくても自分で考えて行動してくれているようだ。ディストピアもヴローツマインのドワーフが協力してくれれば何とかなりそうだし、俺ものんびりできそうだな。
ディストピアを見たリンドの一言目。その様子が面白かったのか、年少組が「なんじゃこりゃ~~!」と真似していたのが可笑しい。
俺の家、農家の奴隷の家、学校、奴隷家族の家兼商店、奴隷家族の家兼食堂っぽい建物しかないのだ。不自然にならない様に木材をある程度積んではいるが、だだっ広い段々畑の様な地面しかないのだから当たり前だろう。
「何でこんなにインフラが整ってるのよ! まだ街にもなっていないのにおかしいじゃない!」
「へ?」
「ちょっときみ、この非常識な状況が分かってないの? 街ができてないのに道路が整備されているうえに、生活排水を流す様な溝もあるし、それにあの城壁は何? 高すぎるし! ありえないんですけど! でも水はどうするんですか?」
「え? 街作るって決めたんだから、初めにインフラ整備しても変じゃないですよね? 土魔法がつかえる人間が複数いるんですから、作るのは普通じゃないですか? それにあの溝は生活排水を流す溝じゃないですよ。
一応雨なんかが降った時ように流れる動線を作っただけです。生活排水は全部地下に流れるようにしてあります。以前にある街で実験していた、地下下水が成功したのでこの街の地下にも設置してます。水は、親交のある、水精霊のウンディーネに眷属を出してもらうって約束してるんだ」
「……ちょっとこっち来て」
「いって~」
「あんた、少しは常識を知ったらどうなの? 水を水精霊が用意してくれるってどうなの? 地下下水って何? 頭がパンクするんですけど! ばかなの? 死ぬの?」
「君が何でそのセリフを知っているか気になるけど、水精霊なら今の時間、俺の家の庭にいるんじゃないか? アクアいるか~」
しばらくすると、ふわふわとアクアが飛んできた。ツィード君とシルクちゃんもついてきたと、いうよりは連れてこられたと言ったほうが正確だろうか?
「ご主人様、どうかなさいましたか?」
「リンドが興味持ってるみたいだからよんd『ゴツンッ』いって~何すんだよ!」
アクアの表情の温度が下がったように感じるのは気のせいか?
「あなた、ウンディーネ様って言ったら精霊の中でも上位の精霊ですよ? 分かってるんですか? 私たちドワーフは精霊種ではないですが、ノームの眷属みたいなものです。その精霊と同格のウンディーネ様を小間使いみたいにしてるのよ! 場合によっては許さないわよ!」
「いや、許さないと言われてもね。リンドじゃ俺の事倒せないよ? それにここで暴れたら、間違いなくシュリが出てくるからね、手も足も出ずに制圧されるよ? えっと、ツィード君はアクアに怒られてる途中みたいだから、シルクちゃんにガルド・ノーマン・メイを呼んできてもらおうか。急ぎでお願いね」
「シュウ君、今言っていたシルクって子と今、ウンディーネ様に正座させられてるツィードって子も精霊なの?」
「まぁ精霊ですけど……アクア、みんなが揃ってからの方がいいよな?」
「そうですね、揃う前にある程度お話ししておいた方がいいですかね。ここにいるツィード君は闇精霊で、みんなを呼びに行ってもらったシルクちゃんは光精霊ですね。
私たちはご主人様であるシュウ様に加護を受けている者ですよ。私はウンディーネですが、ウンディーネだって、私以外にもたくさんいますからね。そのうちの一人ですので大して偉くもないんですよ」
「アクアの姉御! シルクが戻ってきたよ!」
「シルクちゃん早いわね、えらいえらい。でもねツィード君、私の事を姉御って呼んじゃダメって何度言えばわかるのかな?」
アクアが正座をしているツィードにむかって、目が全然笑っていない綺麗な笑顔で近付いていくと、ツィードの顔色が驚く程危ない色へ変色していく。
「アクア、話が進まないから戻ってきて」
「「「ご主人様、およびですか?」」」
「みんな急いできてくれてありがと。ちょっと紹介したい人がいるから付き合ってくれ。この人は、リンドさんって言ってこの街を見に来てくれたドワーフの街の偉い人だ。
で、こちらの燃えているのがイフリートのガルド、こっちのふわふわしてるのがシルフのメイ、最後にこっちのごつごつしたのはノームのノーマンだ。だから痛いって、無言で叩くな! それに今の状況よくみろよ? めっちゃ睨まれてるのわかってるか?」
「そんなことどうでもいいのよ! ちょっとあんた、なんで四大精霊と光闇の六人も精霊がいるの? なんか特別なばしょなのここって? それに加護をもらってるんじゃなくて、加護をしているってどういうことなの? 私が馬鹿で理解できないだけ?」
「まぁ落ち着いてこのビールでも飲め。まぁ加護をしているとか大げさな事じゃないよ。ただ住む場所を用意しただけだしな。そしたらみんなが協力してくれて、この街を作れるようになったんだよ。
俺はみんなに住む場所を用意して、みんなは俺のために協力してくれてる持ちつ持たれつの関係だよ、こいつ今混乱してるから大目に見てやってくれ」
「ご主人様が言うのでしたら……次は容赦しませんよ? 私の眷属はきれいな水があれば住み着いてくれますからね。ご主人様にはそのもとになる魔導具を作ってもらってるわけですし、私としては感謝しきれないですね」
嘘と事実を混ぜて話を進めていくと、賢いアクアはすぐに察してくれて合わせてくれている。さすが精霊のまとめ役的存在だな。
「ご主人様、リンドさんが立ったまま気絶してます。どういたしましょう?」
「みんなで家の応接間に運んでもらっていいかな? ベッド準備させておくから」
俺は立ったまま器用に気絶しているリンドを精霊たちに任せて、家の中に入ると掃除をしていたミドリがいたので、ベッドの準備をするようにお願いした。
度々常識を教えてもらっていたが、今回はドワーフの観点での常識がなかったために、リンドが理解の限度を越してオーバーヒートしてしまったのだろうか? ハーフドワーフのカエデは特に何ともなかったのにな……ドワーフの中で育つとリンドみたいな反応が普通なのかな? まぁ考えても仕方ねえな。
リンドが起きてくるまで違う事をしておこう。アクアも言ってた水の魔導具は既に完成というよりダンマスのスキルで召喚できるからな。塩を作る魔導具の様子はどうなってるんだろ?
今回二人ともヴローツマインに置いてきてたんだった。無線で聞いてみるか。向こうの様子を一応確認するとともに、アリスとライムに魔導具の様子を聞いてみた。俺の予想に反して、もうすでに完成しているとの事。
必要数も準備してあり、その魔導具の機能を流用してお風呂にも使えるように調整もすんでいるらしい。今は魔導具ではなく流れる水を使った水車や風車を作っていて、ベアリングに使う真球の作成が難しいと嘆いていた。
ご主人様なら問題なく作れると思いますが、私たちの力で作れなければ意味がないと奮闘しているらしい。自分たちだけで考えず、ドワーフは鍛冶に精通しているから相談してみてはどうかとアドバイスをしておいた。
俺が指示がなくても自分で考えて行動してくれているようだ。ディストピアもヴローツマインのドワーフが協力してくれれば何とかなりそうだし、俺ものんびりできそうだな。
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