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第89話 宣戦布告
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ピーンポーン
家のチャイムが鳴って、ピーチがいち早く行動をして、玄関に誰が来たか確認へ行った。しばらくしてピーチが戻ってくると、ミリーさんが訪ねてきましたがどうなさいますかと。
冒険者ギルドの受付とはいえ、かなり優秀で色んなことを知っていたから、宣戦布告についても知っているのではないだろうか? そう思い連れてきてもらう。
「シュウ君、突然の訪問すいません。この家なんですか? 貴族でもここまですごい作りの家に住んでいませんよ?」
「気にしなくていいですよ。ちょっとミリーさんに聞きたいこともありましたので、むしろ訪問してくれて助かりました。この家は、俺とカエデで時間をかけて作ったんですよ」
「私に聞きたいことですか? その前に、冒険者ギルドから正式に謝罪をさせていただきたくて、突然の訪問をさせていただきました。本来であれば、あのハゲが謝罪に来るべきなのですが、あのハゲは冒険者ギルドのルールを破って、貴族から賄賂をもらっていた事が発覚したので解任されました。
新しいギルドマスターが任命されましたが、シュウ君たちと接点がなかった人間が突然訪問しても失礼に当たりますので、一番付き合いの長い私が謝罪に参りました。改めて、誠に申し訳ございませんでした」
深く頭を下げて俺に謝罪をしてくる。
「あのハゲはいなくなったんだ。なら気にしなくていいよ、冒険者ギルドが嫌だったわけじゃなくて、あのハゲが嫌だっただけだからな。みんなに謝罪してもらってないから、謝罪してもらいたいけど……会わせるのは嫌だな。謝罪金で適当に巻き上げてもらっていいですか?」
「謝罪金ですか? 何となく意味は解りますが、前例がないので……でも、フェンリル戦で活躍した人たちの言い分ですから、今のマスターへ伝えれば何とかなると思います。本当にこれだけでよろしいのですか?」
「冒険者ギルド自体は悪くないのに責任追及してもしょうがないし、あのハゲがいないなら良好な関係でいたいですしね。その話はここまで。で、ミリーさんに聞きたかったことっていうのは、メルビン男爵が宣戦布告して、戦争を始めるんですよね? その戦争に第三勢力として参戦する事ってできるんですか?」
「え!? 第三勢力ですか? 確か、以前二つの街が戦争を始める段階になって、その二つの街に対してさらに宣戦布告して三つ巴の戦争が起こったと聞いたことがあります。
その時は勝った街の貴族が、負けた二つの街を占領したと聞いています。ですがどうして第三勢力として参加するのですか? この街の冒険者枠で参戦すればいいのではないですか?」
「その理由は簡単だよ。メルビン男爵には勝ってほしくないけど、フレデリクの街には負けてほしくないから、俺たちが第三勢力でその戦争を蹂躙すれば、フレデリクの街が不利になることはないわけだ。
そういえば、戦争の勝者は敗者にどの程度、命令できたりするかわかる? 俺は勝っても貴族にはなるつもりはないですが、勝者が敗者にできる命令の幅で、条件付きで戦後の後始末は戦争を始めた貴族たちにやってもらおうと考えているんだよな」
「何となく言わんとしていることは解りました。街同士の戦争だと勝利した貴族は敗者の貴族の権利をすべて奪う事ができます。戦争後に貴族であった者を処刑することは禁じられているので、もし本当に殺しておきたければ戦争中に暗殺するほうがいいと思います」
「じゃぁ、戦後の処理は任せる! 今後俺の許可なく税金を上げたり、住民に不利になるようなことをした場合は、首を取りに行くっていう命令は無理かな?」
「そうですね、街の税金をあげたりする権利を貴族から奪ったと仮定して、奪われた貴族が勝手に税金はあげられないですね。もし上げた場合は、シュウ君の戦争において得た権利の侵害になって、処刑されても文句は言えないはずですね」
自分で聞いておいてなんだが、ミリーさんってマジ優秀じゃねえか? ケモ耳だし! ギルドの職員だからって普通こんなこと聞いて答えられるものなのだろうか? 聞いておいてんなんだが。
「その線でいってみるか、ミリーさん相談なんですが宣戦布告の手続きの仕方みたいなのって、解ったりしますか? ただ戦争しますっていうだけじゃないですよね?」
「その前に聞いてもいいですか? 二つの街の騎士団と冒険者の一部を相手にして勝てると思いなのですか?」
「え? シングルの冒険者クラスがいないのに、俺たちが負けると思うのですか?」
「言われてみれば、その通りですね。シングルすら耐えるのが厳しかったフェンリルの攻撃を受け続けたシュリさんが、そこら辺の兵士や冒険者が倒せるわけないですね。そういえば宣戦布告ですが、ギルドを通して行うはずです。貴族も平民も関係なかったはずです。
ですが、ある程度のお金がかかります。貴族もいちいち布告されたら戦うなんてことしてたらめんどくさいですし、お金と布告状を出したギルドに預けて、敗戦した時にそこから支払いっていう形になったはずです。大体金貨にして一〇〇〇枚は預けないといけないですが、大丈夫なのですか?」
「金貨一〇〇〇枚か。冒険者ギルドには行ってなかったけど、自分たちで狩りに行って素材は工房とかに持ち込んで売ってたから、かき集めれば問題ないね。足りなくても、カエデにいったん借りればなんとでもなるし。うん、問題ない」
「よほどのことがない限り大丈夫だと思いますが、気を付けてくださいね。布告状の方はシュウ君に特殊な紙に書いてもらう必要があるので、一旦冒険者ギルドに来てもらっていいですか? それとお金も今用意できますか?」
お金を取りに行くふりをして、自分の部屋に入ってDPで金貨を一〇〇枚づつ召喚して革袋に入れる。さすがに一〇〇枚ともなるとそれなりに重くなり、まとめて入れるのは危険なので(足に落としてしまった時の事を考えると)分けて入れたがそれでも危険物には変わらなかった。
詰めた金貨の袋を収納の指輪にしまってから、ミリーさんの待つ食堂へ戻る。
「金貨一〇〇〇枚あったからこれで問題ない、今から冒険者ギルドに行けばいいんだよね?」
「そうですね、特殊な紙に宣戦布告状を直筆で書いてもらえれば、後はこっちでの処理になりますので」
ミリーさんについて冒険者ギルドへ向う。当然の様に俺のまわりには、護衛としての娘たちがついてきていた。レイリーとカエデの他のメンツは、リリー・キリエ・チェルシーの年中組の3人だ。
特に選ばれた理由とは無い。護衛は俺からの指示がない限り基本は、娘たちで割り振っている。どうやって決めたかは不明である。
ミリーさんに連れられて冒険者ギルドの中の一室に通された。今まで入ったことのない、何となくいいものが置いてあると思うような部屋だ。俺に家具や物の価値がわかるわけがないのだ! しばらくすると、紙を持ったミリーさんと見た事のない少し年配の女性が入ってきた。
「シュウ君、紙を持ってきました。それと宣戦布告という事ですので、ギルドマスターに立ち合いをしてもらう事になりました」
「ミリーに紹介されたように、今の冒険者ギルドのマスターです。先代のギルドマスター大変ご迷惑をおかけしました。本当に申し訳ございませんでした」
「ミリーにも言ったけど悪いのはハゲであって、冒険者ギルドじゃないですから別にいいですよ。それより宣戦布告の手続きをお願いします」
「わかりました。再度確認いたしますが、負けた場合はこの後に出してもらう金貨一〇〇〇枚がすべて没収される形になりますが問題ありませんか?」
「負けないから問題ない。まぁ金貨一〇〇〇枚くらいならまた稼げばいいだけだしな。そういえば、俺たちが勝ったら何がもらえるんだ?」
「えっと、貴族たちが持っている権利ですね。後、宣戦布告した側の貴族が預けた金貨一〇〇〇枚は丸々もらえますね」
「確認だけど、俺たちが第三勢力でその戦争に勝利すれば、勝者が敗者にできる命令で条件付きで戦後の後始末は、貴族たちにやってもらおうと考えているんですけど問題ないか?」
「どういった条件でしょうか?」
「今後、俺の許可なく税金を上げたり住民に不利になるようなことをした場合は、首を取りに行くみたいな条件はできるかな?」
「ちなみに何でその様な条件を、お考えなのか聞いてもよろしいですか? フレデリク側の冒険者枠で参加することもできますが」
「単純な話だよ。フレデリクの街には負けてほしくないけど、メルビン男爵には勝ってほしくない。貴族どもが勝手に始めた戦争で、住人に負担をかけるなってことだ。だから第三勢力で参戦したい」
「ふむ、貴族にならずに面倒事を起こしたなら、起こした張本人が始末しろってことですかね。そのまま後始末させると住人に重税を課す可能性があるから、その命令ができない様に縛りたいという事ですか?」
「単純に言えばそういう事だな。無駄な贅沢をしなければそこまで金はかからんだろう? 問題なのは騎士団の維持位だと思っている。まぁ細かいこともあるだろうから、本当に必要だと思ったら税の増額は許可するだろうしね」
「了解いたしました。初めに金貨一〇〇〇枚を出していただいていいですか」
準備した一〇〇〇枚の金貨を机の上に置いていく。出された金貨をミリーとギルドマスターが時間をかけて数えていた。
「本当に一〇〇〇枚ありますね。では、この紙の内容を確認していただいて、サインをしてもらっていいですか?」
「あれ? 自分で布告内容を書くんじゃないんですか?」
「実は、その部分は代筆でも大丈夫です。ただ書いた人がどこのギルドでもいいけどギルドマスターが書けば問題なかったりするんです。ただサインは自分で書いていただかないといけません。紙と呼んでいますが、実は一種の魔導具ですので注意してくださいね」
「へー魔導具なのか、えっとなになに、簡単に言えば○○に宣戦布告しますって内容なんだな。ちょっと難しく書いてあるけどそんな感じだか。後はお金の事とかか、レイリー、カエデこれで問題ないか?」
二人ともこれで問題がないとの事だったので、サインをしてキラキラした液体を親指につけて拇印みたいに押して完成したようだった。
「これで問題ないですね。では、この街のメルビン男爵とリーファスの街のネルビ男爵に、布告があったことを知らせてきます。日時と場所は後日お伝えしに行きますね」
宣戦布告が終わった。そういえばいつ戦争になるんだろう? レイリーの話だと時間と戦う場所を決めてやるらしいけど。まぁ伝えに来てくれるみたいだし、帰ってレベル上げと装備の準備をするか。
家のチャイムが鳴って、ピーチがいち早く行動をして、玄関に誰が来たか確認へ行った。しばらくしてピーチが戻ってくると、ミリーさんが訪ねてきましたがどうなさいますかと。
冒険者ギルドの受付とはいえ、かなり優秀で色んなことを知っていたから、宣戦布告についても知っているのではないだろうか? そう思い連れてきてもらう。
「シュウ君、突然の訪問すいません。この家なんですか? 貴族でもここまですごい作りの家に住んでいませんよ?」
「気にしなくていいですよ。ちょっとミリーさんに聞きたいこともありましたので、むしろ訪問してくれて助かりました。この家は、俺とカエデで時間をかけて作ったんですよ」
「私に聞きたいことですか? その前に、冒険者ギルドから正式に謝罪をさせていただきたくて、突然の訪問をさせていただきました。本来であれば、あのハゲが謝罪に来るべきなのですが、あのハゲは冒険者ギルドのルールを破って、貴族から賄賂をもらっていた事が発覚したので解任されました。
新しいギルドマスターが任命されましたが、シュウ君たちと接点がなかった人間が突然訪問しても失礼に当たりますので、一番付き合いの長い私が謝罪に参りました。改めて、誠に申し訳ございませんでした」
深く頭を下げて俺に謝罪をしてくる。
「あのハゲはいなくなったんだ。なら気にしなくていいよ、冒険者ギルドが嫌だったわけじゃなくて、あのハゲが嫌だっただけだからな。みんなに謝罪してもらってないから、謝罪してもらいたいけど……会わせるのは嫌だな。謝罪金で適当に巻き上げてもらっていいですか?」
「謝罪金ですか? 何となく意味は解りますが、前例がないので……でも、フェンリル戦で活躍した人たちの言い分ですから、今のマスターへ伝えれば何とかなると思います。本当にこれだけでよろしいのですか?」
「冒険者ギルド自体は悪くないのに責任追及してもしょうがないし、あのハゲがいないなら良好な関係でいたいですしね。その話はここまで。で、ミリーさんに聞きたかったことっていうのは、メルビン男爵が宣戦布告して、戦争を始めるんですよね? その戦争に第三勢力として参戦する事ってできるんですか?」
「え!? 第三勢力ですか? 確か、以前二つの街が戦争を始める段階になって、その二つの街に対してさらに宣戦布告して三つ巴の戦争が起こったと聞いたことがあります。
その時は勝った街の貴族が、負けた二つの街を占領したと聞いています。ですがどうして第三勢力として参加するのですか? この街の冒険者枠で参戦すればいいのではないですか?」
「その理由は簡単だよ。メルビン男爵には勝ってほしくないけど、フレデリクの街には負けてほしくないから、俺たちが第三勢力でその戦争を蹂躙すれば、フレデリクの街が不利になることはないわけだ。
そういえば、戦争の勝者は敗者にどの程度、命令できたりするかわかる? 俺は勝っても貴族にはなるつもりはないですが、勝者が敗者にできる命令の幅で、条件付きで戦後の後始末は戦争を始めた貴族たちにやってもらおうと考えているんだよな」
「何となく言わんとしていることは解りました。街同士の戦争だと勝利した貴族は敗者の貴族の権利をすべて奪う事ができます。戦争後に貴族であった者を処刑することは禁じられているので、もし本当に殺しておきたければ戦争中に暗殺するほうがいいと思います」
「じゃぁ、戦後の処理は任せる! 今後俺の許可なく税金を上げたり、住民に不利になるようなことをした場合は、首を取りに行くっていう命令は無理かな?」
「そうですね、街の税金をあげたりする権利を貴族から奪ったと仮定して、奪われた貴族が勝手に税金はあげられないですね。もし上げた場合は、シュウ君の戦争において得た権利の侵害になって、処刑されても文句は言えないはずですね」
自分で聞いておいてなんだが、ミリーさんってマジ優秀じゃねえか? ケモ耳だし! ギルドの職員だからって普通こんなこと聞いて答えられるものなのだろうか? 聞いておいてんなんだが。
「その線でいってみるか、ミリーさん相談なんですが宣戦布告の手続きの仕方みたいなのって、解ったりしますか? ただ戦争しますっていうだけじゃないですよね?」
「その前に聞いてもいいですか? 二つの街の騎士団と冒険者の一部を相手にして勝てると思いなのですか?」
「え? シングルの冒険者クラスがいないのに、俺たちが負けると思うのですか?」
「言われてみれば、その通りですね。シングルすら耐えるのが厳しかったフェンリルの攻撃を受け続けたシュリさんが、そこら辺の兵士や冒険者が倒せるわけないですね。そういえば宣戦布告ですが、ギルドを通して行うはずです。貴族も平民も関係なかったはずです。
ですが、ある程度のお金がかかります。貴族もいちいち布告されたら戦うなんてことしてたらめんどくさいですし、お金と布告状を出したギルドに預けて、敗戦した時にそこから支払いっていう形になったはずです。大体金貨にして一〇〇〇枚は預けないといけないですが、大丈夫なのですか?」
「金貨一〇〇〇枚か。冒険者ギルドには行ってなかったけど、自分たちで狩りに行って素材は工房とかに持ち込んで売ってたから、かき集めれば問題ないね。足りなくても、カエデにいったん借りればなんとでもなるし。うん、問題ない」
「よほどのことがない限り大丈夫だと思いますが、気を付けてくださいね。布告状の方はシュウ君に特殊な紙に書いてもらう必要があるので、一旦冒険者ギルドに来てもらっていいですか? それとお金も今用意できますか?」
お金を取りに行くふりをして、自分の部屋に入ってDPで金貨を一〇〇枚づつ召喚して革袋に入れる。さすがに一〇〇枚ともなるとそれなりに重くなり、まとめて入れるのは危険なので(足に落としてしまった時の事を考えると)分けて入れたがそれでも危険物には変わらなかった。
詰めた金貨の袋を収納の指輪にしまってから、ミリーさんの待つ食堂へ戻る。
「金貨一〇〇〇枚あったからこれで問題ない、今から冒険者ギルドに行けばいいんだよね?」
「そうですね、特殊な紙に宣戦布告状を直筆で書いてもらえれば、後はこっちでの処理になりますので」
ミリーさんについて冒険者ギルドへ向う。当然の様に俺のまわりには、護衛としての娘たちがついてきていた。レイリーとカエデの他のメンツは、リリー・キリエ・チェルシーの年中組の3人だ。
特に選ばれた理由とは無い。護衛は俺からの指示がない限り基本は、娘たちで割り振っている。どうやって決めたかは不明である。
ミリーさんに連れられて冒険者ギルドの中の一室に通された。今まで入ったことのない、何となくいいものが置いてあると思うような部屋だ。俺に家具や物の価値がわかるわけがないのだ! しばらくすると、紙を持ったミリーさんと見た事のない少し年配の女性が入ってきた。
「シュウ君、紙を持ってきました。それと宣戦布告という事ですので、ギルドマスターに立ち合いをしてもらう事になりました」
「ミリーに紹介されたように、今の冒険者ギルドのマスターです。先代のギルドマスター大変ご迷惑をおかけしました。本当に申し訳ございませんでした」
「ミリーにも言ったけど悪いのはハゲであって、冒険者ギルドじゃないですから別にいいですよ。それより宣戦布告の手続きをお願いします」
「わかりました。再度確認いたしますが、負けた場合はこの後に出してもらう金貨一〇〇〇枚がすべて没収される形になりますが問題ありませんか?」
「負けないから問題ない。まぁ金貨一〇〇〇枚くらいならまた稼げばいいだけだしな。そういえば、俺たちが勝ったら何がもらえるんだ?」
「えっと、貴族たちが持っている権利ですね。後、宣戦布告した側の貴族が預けた金貨一〇〇〇枚は丸々もらえますね」
「確認だけど、俺たちが第三勢力でその戦争に勝利すれば、勝者が敗者にできる命令で条件付きで戦後の後始末は、貴族たちにやってもらおうと考えているんですけど問題ないか?」
「どういった条件でしょうか?」
「今後、俺の許可なく税金を上げたり住民に不利になるようなことをした場合は、首を取りに行くみたいな条件はできるかな?」
「ちなみに何でその様な条件を、お考えなのか聞いてもよろしいですか? フレデリク側の冒険者枠で参加することもできますが」
「単純な話だよ。フレデリクの街には負けてほしくないけど、メルビン男爵には勝ってほしくない。貴族どもが勝手に始めた戦争で、住人に負担をかけるなってことだ。だから第三勢力で参戦したい」
「ふむ、貴族にならずに面倒事を起こしたなら、起こした張本人が始末しろってことですかね。そのまま後始末させると住人に重税を課す可能性があるから、その命令ができない様に縛りたいという事ですか?」
「単純に言えばそういう事だな。無駄な贅沢をしなければそこまで金はかからんだろう? 問題なのは騎士団の維持位だと思っている。まぁ細かいこともあるだろうから、本当に必要だと思ったら税の増額は許可するだろうしね」
「了解いたしました。初めに金貨一〇〇〇枚を出していただいていいですか」
準備した一〇〇〇枚の金貨を机の上に置いていく。出された金貨をミリーとギルドマスターが時間をかけて数えていた。
「本当に一〇〇〇枚ありますね。では、この紙の内容を確認していただいて、サインをしてもらっていいですか?」
「あれ? 自分で布告内容を書くんじゃないんですか?」
「実は、その部分は代筆でも大丈夫です。ただ書いた人がどこのギルドでもいいけどギルドマスターが書けば問題なかったりするんです。ただサインは自分で書いていただかないといけません。紙と呼んでいますが、実は一種の魔導具ですので注意してくださいね」
「へー魔導具なのか、えっとなになに、簡単に言えば○○に宣戦布告しますって内容なんだな。ちょっと難しく書いてあるけどそんな感じだか。後はお金の事とかか、レイリー、カエデこれで問題ないか?」
二人ともこれで問題がないとの事だったので、サインをしてキラキラした液体を親指につけて拇印みたいに押して完成したようだった。
「これで問題ないですね。では、この街のメルビン男爵とリーファスの街のネルビ男爵に、布告があったことを知らせてきます。日時と場所は後日お伝えしに行きますね」
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