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第57話 強敵の予感
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獣道の森に来て三日目
朝食を済ませてプチダンジョンの外に出ると、いつも通りにリビングアーマー(ミスリル)が入口を守っていた。それより気になる事が、ドロップアイテムが一〇〇個近くあるんじゃないだろうか?寝ずの番で戦ってくれる便利な魔物ではあるが、申し訳ない気分になってしまった。
Lvの確認をしてみると、召喚時は三十でミスリルの鎧に乗り移った時にLv六十になっていたが今は、二体ともLv六十五になっていた。
そういえば経験値なのだが、DPで上げる時はあげるのに必要なDPであってDPを経験値にしているわけではなかった。魔物を倒せば経験値をもらえるのだが、同じ魔物同じLvでももらえる経験値に差があるようだ。
理由は分からないが、一番少ない時と多い時で最大五十倍近くの差が出たのだ。うん、意味わからん。まぁ大量に魔物を倒せばレベルが上がることは間違いないし、戦闘経験の意味もあるので無駄ではないだろう。
ドロップ品を確認していると、バーサクベアーやシャドウスネークもあったが外縁部の弱い魔物のドロップも多数あった。にしても、索敵していないのに一〇〇匹近くの魔物がここに来たってことか、多いよな。ただ狩りしてるだけじゃ何が原因かわからないな。
ただの氾濫なら魔物を倒せばある程度は収まるはずだが、なんか原因があったらめんどくさいことになりそうだな。
「今日は、安全を確保するためにみんなで行動しようと思います。人数が多くなるので、移動は遅くなりますが確実に進んでいこう。昨日の夜戦でも問題がなさそうだったから、森の奥に入ってくので各自注意を怠らないようにね」
全員が返事をしたところで、森の奥に向かって進んでいく。隊列は、真ん中に俺とカエデと従魔組、前に年長組、左右のちょっと後ろ側に年少組と年中組である。隊列を決めようと思ったらピーチがみんなに指示を飛ばしだしたのだ。
前から接近してくる魔物は、シュリの盾に吹き飛ばされグロッキーになった所を追撃されて絶命する。
右から接近してきた魔物は、サーシャが素早くヘイトを稼いで攻撃をかわしながら後方へと回り込み、年少組のアタッカー達が容赦なく攻撃を加え絶命。
左から接近してきた魔物は、ジュリエットの魔法とマリアの弓がタンクがヘイトをとる前にヒットして行動が鈍った所に、リリーとシャルロットが左右から挟みヘイトを取りあう。混乱している魔物を残りのアタッカーが攻撃して絶命。
何というか、作業になりつつある光景だ。問題はないが、作業になると簡単なミスが出てしまうことがあるので、ちょこちょこ声をかけながら気を引き締めていた。
森の中心へ向かって四時間ほど進み、昼食をとることにした。
シルキー特製のサンドイッチだ。野菜たっぷりに生ハムを挟んでマヨネーズがぬってあるもの、野菜とチーズが挟んであるもの、鶏や豚をカツにしてキャベツと甘辛ソースのかかっているもの、サンドイッチだけだと思ったらハンバーガーも作っていたようだ。
付け合わせにフライドポテトやチキンナゲットなども一緒に作ってくれていたようだ。シルキー無しの生活はもう考えられないな。俺の知識もある程度受け継いでいるみたいだから、かゆいところに手が届くような献立が多くてこっそりと涙を流すことがあるくらいだ。
警戒しながら、片手で食べれるサンドイッチやハンバーガー、サイドメニューをぱくついていた。
食休みをはさみもう少し進むことを伝えると、
「ご主人様、あまりプチダンジョンから離れると戻るのが大変ですよ?」
と、ピーチが進言してきた。
「確かに離れすぎたら戻るのが面倒だな。ん~~、地上を戻ろうと思うから大変なんだよな。進んだ先でまたプチダンジョン作って、ウォーホース達が走っても問題ないサイズのトンネルを作れば移動は簡単になるな。
DPの無駄遣いかもしれないけど、みんなが戦闘で稼いでくれるDPもあるし、定期収入もたくさんあるから問題ないか。ということで、進んでからDPでトンネル作ってプチダンジョンと繋げるから気にせず奥に進もう」
一時間位進むと、また辺りの雰囲気が変わってきた。ランクの強い敵が出てくる可能性が高くなってきたので、進むペースを下げるように指示を出す。
二つ目のプチダンジョンからここまで約五時間程進んで、遭遇した魔物の数は約五十匹。普通ならBランクの魔物にここまで多く遭遇することはほとんどないが、やはり何かの影響で遭遇率が上がっているのだろう。
雰囲気が変わってから三十分程進んだ頃、俺や従魔たちの索敵にひっかかった魔物が一匹現れる。おそらく体長は四メートル程のサイズで四足歩行の魔物だ。バーサクベアーを大きくしたようなシルエットに見える。みんなに声をかけ、魔物まで二〇メートル程になった所で姿が確認できた。
索敵で感じた通りバーサクベアーを一回り大きくしたような熊型の魔物だった。ミリーさんからもらった資料にあった、【ヘビーグリズリー】だろう。Aランクの魔物で、バーサクベアーと同じで、耐久力と力が強く倒すのに時間のかかる魔物だ。
シュリが前に出てヘイトを稼ぎ、シールドチャージでヘビーグリズリーを受け止め切れずにシュリが押し返された。体重差があるといっても初めて力で押し負けたことになる。これは本格的にまずい魔物なんじゃないか、俺たちも前に出るべきか。
「ご主人様、お下がりください。私たちの力で倒してみせます」
バフ魔法をかけているピーチから俺に向かって待ての指示が出た(俺視点)。
強化されたシュリは、何とか押し切られずに防いでいた。四メートル以上の体から繰り出される攻撃をよく耐えれるものだと思いながら見ていると、メアリーとマリアから顔を狙って矢が放たれる。
ヘビーグリズリーはかわすわけでもなく、何もなかったかのように体毛がはじいていた。あの体毛って対刃機能が高すぎねえか。矢が皮膚に届く前に弾かれてたぞ。二人とも戦力になれないようで後方に下がって気持ち落ち込んでいる様子だが、周囲へ警戒を始めた。
次に行動を始めたのは、魔法アタッカー組だった。シュリが行動に気付き、シールドチャージをきめてから距離を置く。レミー・ライム・ジュリエットの三人から魔法が放たれ、火・雷・風の三種類の魔法が直撃する。
魔法は多少効いているようだったが、ダメージらしいダメージにはなっていなかった。体毛は少し焦げたがそれだけ、雷は体内に届いたようだが移動を阻害できる程のダメージは無かった、風に至っては体毛に弾かれているようだった。
中に浸透する攻撃はききそうだが、効果がある魔法を娘たちは使えないと思う。どうやって倒すつもりなのだろうか、行き当たりばったりでないことを祈ろう。
魔法の効果がなかったことを確認しながら、シュリが再度ヘビーグリズリーに接近し攻撃を打ち合う。ピーチからイリアへ精霊魔法でデバフをかけるように指示がでている。イリアは地の精霊を呼び出し物理防御力低下の魔法を行使させたようだった。
リリーとシャルロットがシュリを越してヘビーグリズリーの左右に位置をとり、盾を構え体を密着させ物理的に足止めを行おうとしていた。
ヘビーグリズリーの後ろから、斧槍を構えたクシュリナが土魔法を付与し、エレノアが火魔法を付与して攻撃を仕掛けようとしたとき、リリーとシャルロットでは、力負けしてしまいすぐに吹き飛ばされ姿勢を維持することすらできなかった。
吹き飛ばされた二人をかわして、斧槍の二人の攻撃がヒットする。土付与は衝撃を強くし、火付与は切れ味を鋭くする効果があるため斧槍と相性がいい属性付与だ。
切れ味の上がった斧槍でもヘビーグリズリーの体毛に弾かれてしまいダメージらしいダメージは与えられなかったが、衝撃力の強くなった斧槍は体内まで衝撃が届きダメージを与えることができた。
ダメージを与えられたことでヘビーグリズリーのヘイトが一気にクシュリナに傾き、攻撃をして離脱しようとしていた所へ、ヘビーグリズリーが大きな右腕を振りかぶった。クシュリナは、離脱できない事を体が理解してしまい動きが止まってしまった。
動きの止まったクシュリナへ、ヘビーグリズリーの腕が迫ってきたとき、小さな影がクシュリナを弾きとばしてその攻撃を受け止めていた。
朝食を済ませてプチダンジョンの外に出ると、いつも通りにリビングアーマー(ミスリル)が入口を守っていた。それより気になる事が、ドロップアイテムが一〇〇個近くあるんじゃないだろうか?寝ずの番で戦ってくれる便利な魔物ではあるが、申し訳ない気分になってしまった。
Lvの確認をしてみると、召喚時は三十でミスリルの鎧に乗り移った時にLv六十になっていたが今は、二体ともLv六十五になっていた。
そういえば経験値なのだが、DPで上げる時はあげるのに必要なDPであってDPを経験値にしているわけではなかった。魔物を倒せば経験値をもらえるのだが、同じ魔物同じLvでももらえる経験値に差があるようだ。
理由は分からないが、一番少ない時と多い時で最大五十倍近くの差が出たのだ。うん、意味わからん。まぁ大量に魔物を倒せばレベルが上がることは間違いないし、戦闘経験の意味もあるので無駄ではないだろう。
ドロップ品を確認していると、バーサクベアーやシャドウスネークもあったが外縁部の弱い魔物のドロップも多数あった。にしても、索敵していないのに一〇〇匹近くの魔物がここに来たってことか、多いよな。ただ狩りしてるだけじゃ何が原因かわからないな。
ただの氾濫なら魔物を倒せばある程度は収まるはずだが、なんか原因があったらめんどくさいことになりそうだな。
「今日は、安全を確保するためにみんなで行動しようと思います。人数が多くなるので、移動は遅くなりますが確実に進んでいこう。昨日の夜戦でも問題がなさそうだったから、森の奥に入ってくので各自注意を怠らないようにね」
全員が返事をしたところで、森の奥に向かって進んでいく。隊列は、真ん中に俺とカエデと従魔組、前に年長組、左右のちょっと後ろ側に年少組と年中組である。隊列を決めようと思ったらピーチがみんなに指示を飛ばしだしたのだ。
前から接近してくる魔物は、シュリの盾に吹き飛ばされグロッキーになった所を追撃されて絶命する。
右から接近してきた魔物は、サーシャが素早くヘイトを稼いで攻撃をかわしながら後方へと回り込み、年少組のアタッカー達が容赦なく攻撃を加え絶命。
左から接近してきた魔物は、ジュリエットの魔法とマリアの弓がタンクがヘイトをとる前にヒットして行動が鈍った所に、リリーとシャルロットが左右から挟みヘイトを取りあう。混乱している魔物を残りのアタッカーが攻撃して絶命。
何というか、作業になりつつある光景だ。問題はないが、作業になると簡単なミスが出てしまうことがあるので、ちょこちょこ声をかけながら気を引き締めていた。
森の中心へ向かって四時間ほど進み、昼食をとることにした。
シルキー特製のサンドイッチだ。野菜たっぷりに生ハムを挟んでマヨネーズがぬってあるもの、野菜とチーズが挟んであるもの、鶏や豚をカツにしてキャベツと甘辛ソースのかかっているもの、サンドイッチだけだと思ったらハンバーガーも作っていたようだ。
付け合わせにフライドポテトやチキンナゲットなども一緒に作ってくれていたようだ。シルキー無しの生活はもう考えられないな。俺の知識もある程度受け継いでいるみたいだから、かゆいところに手が届くような献立が多くてこっそりと涙を流すことがあるくらいだ。
警戒しながら、片手で食べれるサンドイッチやハンバーガー、サイドメニューをぱくついていた。
食休みをはさみもう少し進むことを伝えると、
「ご主人様、あまりプチダンジョンから離れると戻るのが大変ですよ?」
と、ピーチが進言してきた。
「確かに離れすぎたら戻るのが面倒だな。ん~~、地上を戻ろうと思うから大変なんだよな。進んだ先でまたプチダンジョン作って、ウォーホース達が走っても問題ないサイズのトンネルを作れば移動は簡単になるな。
DPの無駄遣いかもしれないけど、みんなが戦闘で稼いでくれるDPもあるし、定期収入もたくさんあるから問題ないか。ということで、進んでからDPでトンネル作ってプチダンジョンと繋げるから気にせず奥に進もう」
一時間位進むと、また辺りの雰囲気が変わってきた。ランクの強い敵が出てくる可能性が高くなってきたので、進むペースを下げるように指示を出す。
二つ目のプチダンジョンからここまで約五時間程進んで、遭遇した魔物の数は約五十匹。普通ならBランクの魔物にここまで多く遭遇することはほとんどないが、やはり何かの影響で遭遇率が上がっているのだろう。
雰囲気が変わってから三十分程進んだ頃、俺や従魔たちの索敵にひっかかった魔物が一匹現れる。おそらく体長は四メートル程のサイズで四足歩行の魔物だ。バーサクベアーを大きくしたようなシルエットに見える。みんなに声をかけ、魔物まで二〇メートル程になった所で姿が確認できた。
索敵で感じた通りバーサクベアーを一回り大きくしたような熊型の魔物だった。ミリーさんからもらった資料にあった、【ヘビーグリズリー】だろう。Aランクの魔物で、バーサクベアーと同じで、耐久力と力が強く倒すのに時間のかかる魔物だ。
シュリが前に出てヘイトを稼ぎ、シールドチャージでヘビーグリズリーを受け止め切れずにシュリが押し返された。体重差があるといっても初めて力で押し負けたことになる。これは本格的にまずい魔物なんじゃないか、俺たちも前に出るべきか。
「ご主人様、お下がりください。私たちの力で倒してみせます」
バフ魔法をかけているピーチから俺に向かって待ての指示が出た(俺視点)。
強化されたシュリは、何とか押し切られずに防いでいた。四メートル以上の体から繰り出される攻撃をよく耐えれるものだと思いながら見ていると、メアリーとマリアから顔を狙って矢が放たれる。
ヘビーグリズリーはかわすわけでもなく、何もなかったかのように体毛がはじいていた。あの体毛って対刃機能が高すぎねえか。矢が皮膚に届く前に弾かれてたぞ。二人とも戦力になれないようで後方に下がって気持ち落ち込んでいる様子だが、周囲へ警戒を始めた。
次に行動を始めたのは、魔法アタッカー組だった。シュリが行動に気付き、シールドチャージをきめてから距離を置く。レミー・ライム・ジュリエットの三人から魔法が放たれ、火・雷・風の三種類の魔法が直撃する。
魔法は多少効いているようだったが、ダメージらしいダメージにはなっていなかった。体毛は少し焦げたがそれだけ、雷は体内に届いたようだが移動を阻害できる程のダメージは無かった、風に至っては体毛に弾かれているようだった。
中に浸透する攻撃はききそうだが、効果がある魔法を娘たちは使えないと思う。どうやって倒すつもりなのだろうか、行き当たりばったりでないことを祈ろう。
魔法の効果がなかったことを確認しながら、シュリが再度ヘビーグリズリーに接近し攻撃を打ち合う。ピーチからイリアへ精霊魔法でデバフをかけるように指示がでている。イリアは地の精霊を呼び出し物理防御力低下の魔法を行使させたようだった。
リリーとシャルロットがシュリを越してヘビーグリズリーの左右に位置をとり、盾を構え体を密着させ物理的に足止めを行おうとしていた。
ヘビーグリズリーの後ろから、斧槍を構えたクシュリナが土魔法を付与し、エレノアが火魔法を付与して攻撃を仕掛けようとしたとき、リリーとシャルロットでは、力負けしてしまいすぐに吹き飛ばされ姿勢を維持することすらできなかった。
吹き飛ばされた二人をかわして、斧槍の二人の攻撃がヒットする。土付与は衝撃を強くし、火付与は切れ味を鋭くする効果があるため斧槍と相性がいい属性付与だ。
切れ味の上がった斧槍でもヘビーグリズリーの体毛に弾かれてしまいダメージらしいダメージは与えられなかったが、衝撃力の強くなった斧槍は体内まで衝撃が届きダメージを与えることができた。
ダメージを与えられたことでヘビーグリズリーのヘイトが一気にクシュリナに傾き、攻撃をして離脱しようとしていた所へ、ヘビーグリズリーが大きな右腕を振りかぶった。クシュリナは、離脱できない事を体が理解してしまい動きが止まってしまった。
動きの止まったクシュリナへ、ヘビーグリズリーの腕が迫ってきたとき、小さな影がクシュリナを弾きとばしてその攻撃を受け止めていた。
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