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第56話 夜戦の結果
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「さてみんな、夕食も済んで外は暗くなりました。これから行う戦闘は、夜戦になります。視界が悪くなって戦闘がしにくくなるのは分っていると思うけど、味方の位置も昼間より把握し難くなっているので注意してください。
危ない不意打ちをされそうになったら、俺やニコ・ハク・ギン・クロが介入するけどできる限り自分たちでの対処ができるといいな。夜行性の魔物が起きて動き出すころなので、昼間の魔物だけではなく、見た事のない魔物も出てくるから注意するように。
色々言ったところで経験してみなければわからないことが多いので、キリキリと行っちゃおう。戦闘順は、年長・年中・年少のローテーションでいくよ。
二匹以上だったり戦闘中に乱入してきたら後ろの番が引き付けて倒すように! 四匹以上なら俺たちもそのまま戦うから、まずは一匹に集中して連携を取りながら倒せるように」
娘たちは真剣な顔で俺の話を聞いていた。話が終わると装備のチェックし、問題がないことを確認している。準備が整ったようで、ピーチから準備ができたと報告してくれた。
「正解なんてないから、自分たちが思うように戦闘するといい。じゃぁ行こうか」
プチダンジョンの外へ出る。不動のリビングアーマー(ミスリル)が門番をしており、少し離れたところにドロップアイテムがまとめてあった。数を見るとおそらく五匹がリビングアーマーに殺されたのだろう。ドロップアイテムを回収し森の中心を起点に同円上を探索するように移動を開始する。
年長組は、マリーを索敵の中心にしてシュリがその後ろにつく形だ。他のメンバーは、シュリの後ろに、ピーチ・メアリー・ライムの後衛職が付き、最後尾をアリスとライラが警戒している。
その後ろに俺たちがいるので、最後尾の2人はこの位置じゃなくてもいいのだが、実戦に近い形で本人たちが動いているのでこれは正しい選択だろう。
夜目のスキルがないので、魔法で明かりを複数準備してある程度の視界を確保している。夜行性の魔物にはこっちが見えているので、わざわざ相手の土俵に乗る必要もないとの判断でピーチが指示していた。
夜目のスキルがあるとLvによってだが、暗がりも問題なく見えるようになるのだ。
魔物によっては光に引き寄せられてくるが、視界の悪い状況で戦闘するよりは多少魔物が増えても視界を確保して戦闘した方が、俺は正解だと考えている。
魔物のLvが高いのであれば話は変わってくるのだろうが、今回に関しては昼間なら三匹までなら、相手にしても問題ない感じだったので、様子をみながら戦闘をする。
二十分程移動すると、俺の頭の上に乗っているニコが魔物を感知したようで、俺の頭をツンツンしてくる。どうやって索敵してるがわからないが、今回はハクやギン・クロより見つけるのが早かった。俺の索敵範囲にもひっかかっていないので五十メートル以上離れているのだろう。
俺の索敵にも魔物がひっかかった。サイズや形からしておそらくバーサクベアーだろう。こいつって昼間も夜も起きてるのか? いつ寝てるんだ? スライムじゃないし流石に寝るよな?
マリーが四十メートルくらいまで近付くと魔物を察知した様子で周りに伝えている。だいたいの方向をシュリに伝えると、いる位置を交換してシュリが先導する。見つかってるとわかったバーサクベアーは、雄叫びをあげて向かってきた。
慌てずにシュリが挑発をして突進を受け止める。この光景をみていつも思うが、体長三メートル以上あって体重は500kgは下らないだろうバーサクベアーが、すらっとしたスタイルのシュリに止められているのはシュールだ。
昼間と変わらず安定した立ち回りを見せてるな。おっと! 年長組の死角からシャドースネークが来てるじゃねえか! ハクに迎撃に行くように言おうとしたところで、シュリがマリーにもう一匹きているのを聞いて、声に挑発スキルを乗せ範囲に向けて大きな声を上げた。
シャドウスネークは、死角から回り込もうとしたが挑発されたため、一直線にシュリへ向かってきていた。
シュリの盾が光りだし……
【シールドチャージ】
盾スキルを使ったようだ。シールドチャージをくらったバーサクベアーは、のけぞりそのまま後ろへ倒れてた。追撃のためにライムが多めに魔力を込めたストーンアロー(電信柱程の太さ)を真上から落とした。お腹に刺さり絶命するバーサクベアー。
シュリを見るとさらに盾を光らせ
【シールドバッシュ】
盾を振り回してシャドウスネークの頭へ盾がヒットする。
動きが鈍ったシャドウスネークは、メアリーの矢を口に受け瀕死になった所に、さらにアリスが追撃をかける。雷魔法を剣に付与し、メアリーの矢によって上がった首をキレイに切断した。
なんだろ? スキルとか普通に使ってるけどこれってふつうなのか? 別にスキルなくても同じ動作はできるんだけど、スキルを乗せた方が特殊効果が強い感じだな。
シールドバッシュやシールドチャージはおそらく、ノックバック効果が付与されてるんじゃないかな。動作でばれるのは厳しいけど魔物戦なら有効に使えるか。
年中組も光をいくつも用意して視界を確保していた。年長組と違うのは、タンクが2人いるところだろう。MMORPGでは、タブーとなっているタンク同士のヘイトの奪い合いを意識的にやっているようだった。
バーサクベアーを挟んでヘイトを取り合い、右往左往している所をサイドからアタッカーがザックリ、ドカンと攻撃をして倒していた。ゲームっぽい世界だからできるヘイトの奪い合いって、意識的にやると面白いもんだな。
振り向いたりするためにワンテンポ攻撃が遅くなったり、振り向きざまの攻撃だから対処しやすそうだった。
MMORPGだと、強い敵だとタンクを交換しながら戦闘するのもあるからな。今までは一分もかかる戦闘はほとんどないけど、本来同ランクならバーサクベアーはタフなので五分十分かけて倒すのが普通らしいんだよな。
ミリーさんからもらった資料によると、もっと強い魔物なら一時間とかかけて倒すこともあるだろう。そういうときは、タンクを交換しながら戦うってギルドの講習でいってたな。
最後に年少組の戦い方は前の二組とは違い、イリアの精霊魔法で闇精霊に夜目と同じ効果のあるバフを付与していた。戦闘の様子がうまく見れないので、イリアにお願いしてみんなにもかけてもらった。
昼間程とは言わないが、夜だとは思えないほどの視界の良さだった。
年少組の戦いは斬新の一言だった。避けタンクのサーシャが挑発してヘイトを稼ぐと一気に後退して、魔物に自分を追わせてパーティーの中心に連れ込んで集中砲火で終わり。
相手が一匹ならかなり有効な作戦ではある、周りの事を警戒している人員を残さなかったのは減点だな。せめて索敵とサブタンクは攻撃に参加せずに警戒するべきだったかな。
どの組も特徴が出てるな。年長組はシュリという圧倒的なタンクがいるから王道の戦闘スタイル。
年中組は、工夫を凝らして攻撃される回数を減らしている印象の戦闘スタイル。
年少組は、固定概念にとらわれない自由な発想の戦闘スタイル。
どのスタイルも嫌いじゃない! 個人的には遠距離火力だけによる殲滅は好みではない。
娘達の初めての夜戦は特に問題も起こらずに幕を閉じた。
ベースに帰ってから、お風呂に入り軽く夜食を食べてベッドに向かうのだった。
今日は、年中組と一緒のベッドに寝ることになったのだが、全員が少しだけ俺から距離をとって眠ろうとしていたので、嫌なら一緒に寝なくてもいいんじゃないかと聞いたら「一緒に寝ます」とシンクロして言われたので口を閉じざるを得なかった。
微妙に隙間が空いていたので、ニコとハクはその隙間にすっぽりと挟まってご満悦そうだった。
危ない不意打ちをされそうになったら、俺やニコ・ハク・ギン・クロが介入するけどできる限り自分たちでの対処ができるといいな。夜行性の魔物が起きて動き出すころなので、昼間の魔物だけではなく、見た事のない魔物も出てくるから注意するように。
色々言ったところで経験してみなければわからないことが多いので、キリキリと行っちゃおう。戦闘順は、年長・年中・年少のローテーションでいくよ。
二匹以上だったり戦闘中に乱入してきたら後ろの番が引き付けて倒すように! 四匹以上なら俺たちもそのまま戦うから、まずは一匹に集中して連携を取りながら倒せるように」
娘たちは真剣な顔で俺の話を聞いていた。話が終わると装備のチェックし、問題がないことを確認している。準備が整ったようで、ピーチから準備ができたと報告してくれた。
「正解なんてないから、自分たちが思うように戦闘するといい。じゃぁ行こうか」
プチダンジョンの外へ出る。不動のリビングアーマー(ミスリル)が門番をしており、少し離れたところにドロップアイテムがまとめてあった。数を見るとおそらく五匹がリビングアーマーに殺されたのだろう。ドロップアイテムを回収し森の中心を起点に同円上を探索するように移動を開始する。
年長組は、マリーを索敵の中心にしてシュリがその後ろにつく形だ。他のメンバーは、シュリの後ろに、ピーチ・メアリー・ライムの後衛職が付き、最後尾をアリスとライラが警戒している。
その後ろに俺たちがいるので、最後尾の2人はこの位置じゃなくてもいいのだが、実戦に近い形で本人たちが動いているのでこれは正しい選択だろう。
夜目のスキルがないので、魔法で明かりを複数準備してある程度の視界を確保している。夜行性の魔物にはこっちが見えているので、わざわざ相手の土俵に乗る必要もないとの判断でピーチが指示していた。
夜目のスキルがあるとLvによってだが、暗がりも問題なく見えるようになるのだ。
魔物によっては光に引き寄せられてくるが、視界の悪い状況で戦闘するよりは多少魔物が増えても視界を確保して戦闘した方が、俺は正解だと考えている。
魔物のLvが高いのであれば話は変わってくるのだろうが、今回に関しては昼間なら三匹までなら、相手にしても問題ない感じだったので、様子をみながら戦闘をする。
二十分程移動すると、俺の頭の上に乗っているニコが魔物を感知したようで、俺の頭をツンツンしてくる。どうやって索敵してるがわからないが、今回はハクやギン・クロより見つけるのが早かった。俺の索敵範囲にもひっかかっていないので五十メートル以上離れているのだろう。
俺の索敵にも魔物がひっかかった。サイズや形からしておそらくバーサクベアーだろう。こいつって昼間も夜も起きてるのか? いつ寝てるんだ? スライムじゃないし流石に寝るよな?
マリーが四十メートルくらいまで近付くと魔物を察知した様子で周りに伝えている。だいたいの方向をシュリに伝えると、いる位置を交換してシュリが先導する。見つかってるとわかったバーサクベアーは、雄叫びをあげて向かってきた。
慌てずにシュリが挑発をして突進を受け止める。この光景をみていつも思うが、体長三メートル以上あって体重は500kgは下らないだろうバーサクベアーが、すらっとしたスタイルのシュリに止められているのはシュールだ。
昼間と変わらず安定した立ち回りを見せてるな。おっと! 年長組の死角からシャドースネークが来てるじゃねえか! ハクに迎撃に行くように言おうとしたところで、シュリがマリーにもう一匹きているのを聞いて、声に挑発スキルを乗せ範囲に向けて大きな声を上げた。
シャドウスネークは、死角から回り込もうとしたが挑発されたため、一直線にシュリへ向かってきていた。
シュリの盾が光りだし……
【シールドチャージ】
盾スキルを使ったようだ。シールドチャージをくらったバーサクベアーは、のけぞりそのまま後ろへ倒れてた。追撃のためにライムが多めに魔力を込めたストーンアロー(電信柱程の太さ)を真上から落とした。お腹に刺さり絶命するバーサクベアー。
シュリを見るとさらに盾を光らせ
【シールドバッシュ】
盾を振り回してシャドウスネークの頭へ盾がヒットする。
動きが鈍ったシャドウスネークは、メアリーの矢を口に受け瀕死になった所に、さらにアリスが追撃をかける。雷魔法を剣に付与し、メアリーの矢によって上がった首をキレイに切断した。
なんだろ? スキルとか普通に使ってるけどこれってふつうなのか? 別にスキルなくても同じ動作はできるんだけど、スキルを乗せた方が特殊効果が強い感じだな。
シールドバッシュやシールドチャージはおそらく、ノックバック効果が付与されてるんじゃないかな。動作でばれるのは厳しいけど魔物戦なら有効に使えるか。
年中組も光をいくつも用意して視界を確保していた。年長組と違うのは、タンクが2人いるところだろう。MMORPGでは、タブーとなっているタンク同士のヘイトの奪い合いを意識的にやっているようだった。
バーサクベアーを挟んでヘイトを取り合い、右往左往している所をサイドからアタッカーがザックリ、ドカンと攻撃をして倒していた。ゲームっぽい世界だからできるヘイトの奪い合いって、意識的にやると面白いもんだな。
振り向いたりするためにワンテンポ攻撃が遅くなったり、振り向きざまの攻撃だから対処しやすそうだった。
MMORPGだと、強い敵だとタンクを交換しながら戦闘するのもあるからな。今までは一分もかかる戦闘はほとんどないけど、本来同ランクならバーサクベアーはタフなので五分十分かけて倒すのが普通らしいんだよな。
ミリーさんからもらった資料によると、もっと強い魔物なら一時間とかかけて倒すこともあるだろう。そういうときは、タンクを交換しながら戦うってギルドの講習でいってたな。
最後に年少組の戦い方は前の二組とは違い、イリアの精霊魔法で闇精霊に夜目と同じ効果のあるバフを付与していた。戦闘の様子がうまく見れないので、イリアにお願いしてみんなにもかけてもらった。
昼間程とは言わないが、夜だとは思えないほどの視界の良さだった。
年少組の戦いは斬新の一言だった。避けタンクのサーシャが挑発してヘイトを稼ぐと一気に後退して、魔物に自分を追わせてパーティーの中心に連れ込んで集中砲火で終わり。
相手が一匹ならかなり有効な作戦ではある、周りの事を警戒している人員を残さなかったのは減点だな。せめて索敵とサブタンクは攻撃に参加せずに警戒するべきだったかな。
どの組も特徴が出てるな。年長組はシュリという圧倒的なタンクがいるから王道の戦闘スタイル。
年中組は、工夫を凝らして攻撃される回数を減らしている印象の戦闘スタイル。
年少組は、固定概念にとらわれない自由な発想の戦闘スタイル。
どのスタイルも嫌いじゃない! 個人的には遠距離火力だけによる殲滅は好みではない。
娘達の初めての夜戦は特に問題も起こらずに幕を閉じた。
ベースに帰ってから、お風呂に入り軽く夜食を食べてベッドに向かうのだった。
今日は、年中組と一緒のベッドに寝ることになったのだが、全員が少しだけ俺から距離をとって眠ろうとしていたので、嫌なら一緒に寝なくてもいいんじゃないかと聞いたら「一緒に寝ます」とシンクロして言われたので口を閉じざるを得なかった。
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