ゴクドウさんは救世主!?

ネル♦

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夏といえば…海!!

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っていうかここでバレた。


もしかしたらこれも会長の策のうちなのだろうか。

コイツらが来るの分かってたとか?
あまりにも用意周到過ぎる。


「会長」
「なんだ三ケ島。」
ケロッとしてる会長。

「知ってました?この事」
「ああ、だからこんなに警備もいるし空にもヘリ飛んでんだろ」
「お金持ちって怖いですね」
「は?咲人、貴様知っていたのか」
「まあ、ついさっきな。」
「他のみんなは…」
「俺知らない。何の話?」
「僕もわかんない」
「僕はなんとなく察しがついたよ。悠陽は?」
「…いやよく分からない」
「コイツは馬鹿だからな」
「なんだと?それはお前もだろう!」

黒服の男達は身構えている。

「あとは頼んだ。俺達はまだあと2日間遊ばせてもらう。」
会長の言葉で警備員が一斉に男達を確保して、ヘリに乗せられて行った。


「さて、と。三ケ島。話がある。そのまま俺の部屋に来い。」


今まで見たことのないような威圧的な顔で会長にそう告げられ、俺は黙って頷いた。


───


そして会長の部屋にて。



「会長だけなんですね」
「当たり前だ。俺と二人きりの方が色々出来るだろ」
「色々って…」
会長はニッと笑って真剣な顔付きに変わる。

「勝手ながら三ケ島の事を色々調べさせてもらった。」


…やっぱりな。

「お前がこの学園に来た理由。あとお前の家の事。残念ながら俺がだいぶ前に拾ったバッチからは何の情報も得られなかったからな。学園長の一ノ瀬と潮から聞かせてもらった」

学園長と黒鉄先輩……。
会長に負けたのか…。


「お前が学園に来た理由は、用心棒をするため。んで、お前の家は御門グループであり、本家は極道である事。しかもかなりの権力持ちで表も裏もトップ。」「全部合ってます」
「しかもお前の存在は隠されていたと…。その理由は?」
「なんか、親父が言うには俺を守るためらしいですよ。うち、表ではあまり他の目を気にする事無いですけど裏では違う。裏社会は真っ黒ですからね。色んな組とかグループから喧嘩売られまくりなんです。それが原因じゃないですか?まあ表では俺の存在が隠されていたみたいですけど裏では隠されてなかったら無意味でしたけどね」
「さっきのヤツらはお前の知ってるヤツらだろ?」
「はい。裏の人間です。山城組といって、一番タチが悪いヤクザグループですね。あそこからは良く喧嘩売られるんですよ。いつも親父がねじ伏せてましたけど」
「なるほどな…お前がこの学園に通っているのを知って情報集めてここに来たんだろうな。あえてセキュリティガバガバにしておいて正解だったな」

その言葉を聞いて驚いた。
あえてセキュリティ緩くしてたのか…。

「でも万が一ほかの皆さんに被害があったらどうするんですか。大問題ですよ会長」
「そうはならねえよ。俺がいる限りな」
「…」


…自信たっぷりかこの人。

「なんだ、無言か?俺に惚れたのか?」
「違います」
「まあともかく、お前が狙われているのは分かった。この事を知っているのは、俺と潮。そんで静鶴くらいか…。七瀬はまだ全て分かってるわけじゃないだろ。飛鳥井は馬鹿だから気付くのに時間かかるなきっと。」
「え、委員長ばかじゃないですよ。さすがに…天然なんじゃないですか?」
「アイツが天然…?どう見てもバカだろ。頭はいいのにこういう問題に関しては鈍いんだよ」
「へえ…以外ですね」
「ところで、一輝。好きなやついんのか?」

いきなり変わった話題にクエスチョンマークが浮かぶ。

「いないですけど」
「じゃあ俺と付き合え」
「無理ですけど」
「チッ即答かよ…」

いきなり何を言い出すんだこの人は…。
バカは会長だろ…。

そもそも男と付き合うなんて考えた事もないしこれから先付き合う事もない。

というかいきなり名前呼びにシフト変更したのか。



「会長にはもっといい人をオススメしますよ」
「誰だ?一輝か?」
「違います」
「クソ」
「口が悪い」
「お前も素だと口悪いだろ絶対」
「うるせぇ」
「ほらな」
にやにやと笑い出す会長様。
くっ…思わず素が出てしまった…。
抑えなければ。

「誰にも言わねえから安心しろよ。守ってやる。」
「自分の身くらい自分で守れますよ。会長も自分の心配してください。初めて会長を庇った時みたいに、会長の周りの影からコソコソ動いてる人達をよく見かけます。」
「…ああ、知ってる。」
「知ってたんですか。意外ですね」
「俺達に親衛隊がいる事も知っているが、なかなか動けないみたいなんだよな。恐らく裏で指揮してる奴がいるんだろうな。いずれそいつも引っ張り出すつもりだ。」

会長も色々考えていたのか。
やっぱり自分の事は自分がよく分かってるか。
まあ会長は鈍感じゃない事を知ったので学園も生徒会も風紀委員達の事もしっかり見ないと…。

「話はそれだけだ。時間貰って悪かった。あと2日間楽しむぞ。」
会長は立ち上がり、一輝の元へゆっくりと近づく。


そして、一輝の頭をくしゃりと撫でて微笑んだ。



…わ、わあ…
これは破壊力バツグン…。


「ほら、晩飯の時間だ。行くぞ」
「はい、会長」


一輝と咲人は2人で部屋を出て、大広間に向かった。
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