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ゴクドウさんの仕事
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俺は灯のブレザーを探していた。
灯はあの時もう既にブレザーを身に付けておらず、ワイシャツ姿だった。
だから多分脱がされて、どこかに捨て置かれているのだろう。
林までの道を辿って探してみるが、なかなか見つからない。
が、前方に人影が。
「…誰のブレザーだこれは」
誰のか分からない砂まみれになったブレザーをひっくり返しまくりながら確認していた。
「あ、それ多分俺のです」
そう言うと、その人は振り返りこちらを向いた。
「……貴様のか…?にしてはサイズ少し小さくないか…?」
ブレザーと一輝を交互に見る眼鏡の綺麗系イケメン。
身長はやっぱり俺より高い。
ガタイも…意外と…?
筋肉ついてそうな体質だ。
「っていうか名前、書いてません?」
一輝はその人に近寄り、一緒に名前を探す。
「…ん?これか…?砂まみれでよく見えなかったが…雨宮灯…?お前雨宮って名前なのか…?しかしやはりサイズが合っていなくないか…」
なんかこの人面白いな。
とか何とか思っていると、今更腕章を付けていることに気づいた。
生徒会副会長…。
この人も生徒会か。
うーん…まあなんかどことなく副会長ポジっぽい気もする。
ちょっと天然だが。
「まあいいか。しっかりクリーニングに出すんだぞ。ほら。受け取れ」
副会長はやっとブレザーを渡してくれた。
「ありがとうございます、副会長さん。」
ペコリと頭を下げると、何故か驚いたような顔をされた。
「貴様は礼儀がなっているな。見た目だけだとかなりの不審者だがな」
た、確かにな。
「ところでそのブレザーほんとはお前のじゃないだろう。雨宮灯は1年だ。貴様は2年の三ケ島だろう?」
知ってて乗ってきてたのかこの人。
って言うかなぜ俺の事も知っているんだ。
目立たないように生活しているのに。
「何故知っている?と言いたげな顔だな。」
ば、バレてる…
「俺は副会長だ。生徒の名前と容姿くらい全員ちゃんと頭に叩き込んであるからな。」
「はぁ…」
「ため息を吐くと幸せが逃げると聞かなかったのか貴様は。」
にしてもやっぱ面白いなこの人。
「で、雨宮に何かあったのか。」
「ココでそれ聞きます…?」
人の目もあるから避けたい。
あとあまり言いたくない。
なんて事を考えていると、副会長は鼻で笑った。
「ふん。まあ話せない内容ならば強制はしない。しっかりそのブレザー届けてやるんだぞ。」
と言って去っていった。
おお…神対応。
副会長は神対応が上手い。
にしても、また生徒会と関わってしまった。
…親衛隊いたらどうしよう。
キョロキョロと辺りを見回すが変なやつは居ないので良しとする。
俺も副会長に続きそれから数分後寮へと引き返すのであった。
「明日雨宮に渡そう」
一輝が呟く。
「明日三ケ島先輩に返そう。それまで僕を守ってください、三ケ島先輩…っ」
灯は一輝が貸してくれたブレザーを自分の部屋で抱きしめた。
灯はあの時もう既にブレザーを身に付けておらず、ワイシャツ姿だった。
だから多分脱がされて、どこかに捨て置かれているのだろう。
林までの道を辿って探してみるが、なかなか見つからない。
が、前方に人影が。
「…誰のブレザーだこれは」
誰のか分からない砂まみれになったブレザーをひっくり返しまくりながら確認していた。
「あ、それ多分俺のです」
そう言うと、その人は振り返りこちらを向いた。
「……貴様のか…?にしてはサイズ少し小さくないか…?」
ブレザーと一輝を交互に見る眼鏡の綺麗系イケメン。
身長はやっぱり俺より高い。
ガタイも…意外と…?
筋肉ついてそうな体質だ。
「っていうか名前、書いてません?」
一輝はその人に近寄り、一緒に名前を探す。
「…ん?これか…?砂まみれでよく見えなかったが…雨宮灯…?お前雨宮って名前なのか…?しかしやはりサイズが合っていなくないか…」
なんかこの人面白いな。
とか何とか思っていると、今更腕章を付けていることに気づいた。
生徒会副会長…。
この人も生徒会か。
うーん…まあなんかどことなく副会長ポジっぽい気もする。
ちょっと天然だが。
「まあいいか。しっかりクリーニングに出すんだぞ。ほら。受け取れ」
副会長はやっとブレザーを渡してくれた。
「ありがとうございます、副会長さん。」
ペコリと頭を下げると、何故か驚いたような顔をされた。
「貴様は礼儀がなっているな。見た目だけだとかなりの不審者だがな」
た、確かにな。
「ところでそのブレザーほんとはお前のじゃないだろう。雨宮灯は1年だ。貴様は2年の三ケ島だろう?」
知ってて乗ってきてたのかこの人。
って言うかなぜ俺の事も知っているんだ。
目立たないように生活しているのに。
「何故知っている?と言いたげな顔だな。」
ば、バレてる…
「俺は副会長だ。生徒の名前と容姿くらい全員ちゃんと頭に叩き込んであるからな。」
「はぁ…」
「ため息を吐くと幸せが逃げると聞かなかったのか貴様は。」
にしてもやっぱ面白いなこの人。
「で、雨宮に何かあったのか。」
「ココでそれ聞きます…?」
人の目もあるから避けたい。
あとあまり言いたくない。
なんて事を考えていると、副会長は鼻で笑った。
「ふん。まあ話せない内容ならば強制はしない。しっかりそのブレザー届けてやるんだぞ。」
と言って去っていった。
おお…神対応。
副会長は神対応が上手い。
にしても、また生徒会と関わってしまった。
…親衛隊いたらどうしよう。
キョロキョロと辺りを見回すが変なやつは居ないので良しとする。
俺も副会長に続きそれから数分後寮へと引き返すのであった。
「明日雨宮に渡そう」
一輝が呟く。
「明日三ケ島先輩に返そう。それまで僕を守ってください、三ケ島先輩…っ」
灯は一輝が貸してくれたブレザーを自分の部屋で抱きしめた。
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