クエスチョントーク

流音あい

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第一回『生きる価値とは』

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※「自殺」という言葉が出てきますので、敏感な方はご注意ください。


S「えーっと初めまして。ショートケーキです」
C「チーズケーキです」
S「名前は好きなケーキからです」
C「なんか名前決めてって言われて、どうしよっかとか言ってたら、好きなケーキとかでいいよって言われてそうなりました。私チーズケーキにしてるけどショートケーキも好きなんで」
S「私もチーズケーキ好きだよ」
C「ね。その時の気分だよね」
S「ね。チョコが一番食べたいときだってあるし」
C「あるある。ってかケーキの気分じゃないときもあるし」
S「あるある」

C「で、なに話すの」
S「なんかトークテーマに合わせてってことだけど」
C「トークテーマは?」
S「えーっとね、あ、先にタイトルコールお願いしますだって。せーの」


S&C『クエスチョントーク』


C「これ読むの?」
S「うん。まずは番組の紹介だって」

S「このラジオは、毎回呼ばれたゲストさん達にテーマに沿って話してもらうトーク番組です」
C「真剣に聴くもよし、何も考えずに聞くもよし。何気ない会話に何を見出すかはあなた次第」
S「このラジオの周波数に合わせちゃったあなたは、今もこれからもきっとハッピー」
C「深く考えたり、気楽に楽しんだり、しっかり自分で生き方を決めていきましょう」


C「とりあえずトーク番組ってことでしょ」
S「みたいだね」
C「メインパーソナリティとかいないの?」
S「っぽいね」
C「いろいろ謎過ぎるんだけど。ってかこれって毎回うちらがやるわけじゃないよね」
S「違うでしょ。おしゃべりするだけだからって言われて来てみただけだし。ずっとじゃないでしょ」
C「だよね。今回だけだよね」
S「たぶん」

C「で、どーすんの」
S「あ、これ今回のトークテーマだって」
C「二人で読めばいいの?」
S「そうだって。せーの」


S&C『生きる価値とは』


C「『生きる意味』じゃなくて『価値』なんだ」
S「ね」
C「ふーん。どうですかショートケーキさん」
S「うーん、そうだねえ」
C「私こういうのあんま考えたことないかも」
S「そう? 私たまに考えるよ」
C「マジで? 何考えんの」
S「そんな深くは考えないけど。考えたくなる時ってあるじゃん」
C「私遊ぶのに忙しくて考えてらんないんだけど」
S「アハハハ、赤ちゃんかよ」
C「アハハハ、遊ぶのが仕事だもんね」
S「泣くのもね」
C「赤ちゃんはいつも全力だからね」
S「うん。全力で生きてればいいんだよ」
C「アッハッハ、なにそれ、格言かよ」
S「アッハッハ、ってかなんだっけ、脱線したじゃん」
C「ショートケーキが赤ちゃんとか言い出すから」
S「ショートケーキ? って私か」
C「そうだよ。自分のラジオネーム忘れんなし」
S「ごめんごめん。中学の時とか考えなかった?」
C「何を」
S「だから『生きる価値』とかそういうの」
C「中学の時の方が考えないでしょ」
S「中学の時の方が考えるでしょ。思春期真っ最中だし」
C「あー意味なく考える感じのやつね」
S「そうそう、特に意味はないけど考えちゃうの」
C「あったかも。でも特に結論出ずに終わるよね」
S「うん。きっとそういう時期なんだよ。結論出すためじゃなくて、考えたいから考えるの」
C「考えるのが目的ってやつね」
S「ね。あ、私たち高二でーす。だから最近の話でーす」
C「あ、そうでーす。同級生でーす」

S「そういえばさ、この前なんかのドラマで『お前なんか生きてる価値ねえんだよ』って言われてた俳優さんがカッコ良かった」
C「言われてた方なんだ。言ってた方じゃなくて」
S「そう。キャラ的には言ってる方がかっこよかったんだけど、顔は言われてた方がタイプなの」
C「あるよね、そういうこと。なんのドラマ?」
S「わかんない。たまたまチャンネル変えてる時にちらっと見ただけだから」
C「内容より好きな俳優出てるかどうかでドラマ観ることあるよね」
S「あるある。内容よくわかんなくてもキャラかっこいいから観るみたいな。百聞は一見の価値ありだっけ」
C「え、なんか違くない? なんか混ざってる」
S「なんだっけ。どれだっけ」
C「『百聞は一見にしかず』だよね。あとあれ『一見の価値あり』だよ」
S「そっかそっか。でもどっちも一見じゃん」
C「ね、紛らわしいよね。ってかそういうのが生きる価値だよね」
S「え、何が、どれが」
C「観たいもの見れるって価値のひとつじゃん。そういうのでいいんじゃないの」
S「ああ、『生きる価値』のことね。そうだよね、それくらいのもんだよね実際。大袈裟に考えなくてもそういうのがいっぱいあればいいよね」
C「ね」

C「そういやこの前、すごい可愛いネイル見つけたの。容器がかわいくてさ」
S「マニキュアね」
C「そう、マニキュア。色もカワイイんだけど容器がぷくっとしてて可愛いの。三色欲しいのあったんだけど、まだ一個しか買えてないから次行ったら買うわ」
S「そういうの楽しむのも価値だよね」
C「ね。『生きる価値』とか言ったって、楽しいこと全部価値じゃんね」
S「ね。嫌なことはカウントしなきゃいいし」
C「嫌なことは嫌なことで醍醐味になることもあるけどね」
S「え、なにそれ、いきなり」
C「いや漫画でさ、好きなキャラ死んじゃって、このキャラ死ぬならこの作品に出会いたくなかった! とか思ったことがあってさ」
S「そこまで思うんだ」
C「そのときはそれくらいショックだったんだよ。でも結果生きてたのねそのキャラ」
S「ああ、あとから判明するやつね」
C「そう、それであのときの悲しみには意味があった、とか思ったりするじゃん? より感動するみたいな」
S「あー」
C「あんまそういうことない?」
S「私はないかな。嫌だなとか思った時点で読むのやめちゃうかも」
C「もったいな」
S「で、あとからネタバレとか友達から聞いて、読んでおきゃよかった、とかまでは思わないんだけどさ」
C「思わないのかよ」
S「でも知れて良かったとは思うから、そこからまた読んだりね」
C「一応読むんだ」
S「興味が続いてればね。飽きてたらそのまま、へえ、で終わる」
C「まあ、自分の好きな方に価値を置いてればいいってことだよね」
S「ね」
C「何が価値になるかはその時々で変わるし。っつか何でこのテーマなんだろうね」
S「さあね。あ、あれじゃん? 9月だからじゃん?」
C「なんか関係ある?」
S「9月ってほら、自殺対策週間? とかなかった?」
C「あー、なんかあったね。夏休み明けだから的な」
S「次に多いのは5月だっけ。ゴールデンうぇーく明け」
C「言えてないし。ゴールデンウィークね」
S「ごめん、ちょっと噛んだ。あ、『自殺予防週間』だって。『9月10日から16日』だって」
C「へえ。ってかもう過ぎてんじゃん」
S「ホントだ。アハハ」
C「まあ過ぎててもする人はするからね」
S「自殺を?」
C「対策を」
S「そっちか。あ、『自殺対策強化月間は3月』だって」
C「へえ。じゃ3月が一番多いの?」
S「いや、それは知らないけど」
C「じゃあ今回のテーマ自殺者向けってこと?」
S「いや違うんじゃない? こっちが勝手にそう思っただけだし。ってか自殺者って言ったら死んでんじゃん。自殺志願者でしょ」
C「あ、そっか。自殺志願者向けね」
S「うん、っていや違うって。普通にラジオのトークテーマでしょ」
C「あ、そういえばさ、前に読んだ外国の小説で自殺者が多い地域の話出てきて、登場人物が『日本みたいだな』とか言ってた」
S「え、外国の本読めんの」
C「いや翻訳されたやつだよ」
S「あ、そっか」

C「ってかさ、価値とかそういうこと考えてる暇あったら好きなことに夢中になってたいよね」
S「夢中になれることなかったら?」
C「探せばいいじゃん? 見つかってないなら今後見つかるわけだから楽しみでしょ。『ヤバ、チョー楽しい』って感覚がわかるようになっちゃったら生きる価値とか考えてる暇ないっしょ」
S「かもね」
C「でしょ。楽しみたい時に楽しんでれば、それだけでいいじゃん」
S「楽しめない時は?」
C「楽しまなきゃいいじゃん。楽しめる時に楽しめばいいんであって、楽しめない時に無理に楽しもうとすることなくない? なんかやってて楽しかったら価値を感じてるんだからそれ以外の時にわざわざ考えなくていいよ」
S「あーなるほどねー。でも考えないと言葉として言えないわけだから、考えてみるのはいいと思う」
C「え、なに、どういう意味」
S「いやだからさ、えーっとチーズケーキさんの言う『考えなくていい』って結論も、考えてみたから言葉としてまとめることが出来たわけでしょ。考えなくいいって気付くには、考えてみないとわからなかったりするよねってこと」
C「なんか小難しいし理屈っぽい」
S「かもね。でもまあ結論は出た感じ?」


C「え、なに、まとめ?」
S「まとめ? じゃあ、チーズケーキさんどうぞ」
C「え、私がまとめんの」
S「そう、結論」
C「結論も何も。いや、まあ、とりあえず『考えてないで楽しめ』だよ。ってか『考えんな』だよ」
S「口悪くなってるし」
C「いいんだよ。『考えてんじゃねえ』だよ。『楽しいことしてろ』だよ」
S「もっと悪くなってんじゃん」
C「いいんだよ。『楽しんでろや、お前ら』だよ」
S「どこまで悪くなんの」
C「気にすんなお前ら」
S「誰に言ってんの。えーっと私の方の結論は『たまには考えてみよう』だね。考えてみて言葉にするとわかることもあるよってことで」
C「真逆じゃん。ってかまとまってないじゃん」
S「いいんだよ、気にすんなお前ら」
C「ちょ、私のセリフ」


C「うん? あ、なに、終わっていいの?」
S「へえ。エンディングだって」
C「エンディングって。ああ。これ読むのね」


S「今回のクエスチョントークいかがだったでしょうか」
C「真剣に? それとも気楽に? お楽しみいただけましたでしょうか」
S「また次回、どこかの誰かがトークします」
C「ご清聴ありがとうございました」
S「……あ、ショートケーキでした」
C「チーズケーキでした」
S&C「バイバーイ」
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