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寝起き
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目を覚ますと外は真っ暗だった。
「……」
疲れているのか子供たちは暗くなった部屋で吐息を立てて眠っている。
贈悟は明かりをつけようと起き上がる。
悠斗がしっかりと贈悟の手を握っていた。
このままでいようか、とそんな考えが脳裏をよぎったが、
不純な気がして悠斗の指を少しずつ手からはがしていった。
「……ぞーご、さん?」
起こしたようだ。眠気眼に名前を呼ばれる。
外しかけた指を再びグッと掴まれた。
「電気点けようか?」
名残惜しみながら、悠斗の手を引き離した。
灯りをつけると悠斗は身体を起こして大きなあくびをした。
隣の春真はまだぐっすりと眠っている。
起こすのは可哀そうだ。
そう思ったが悠斗は春真をゆすり始めた。
「はるまー起きろー」
目を覚ました春真が突然身体を起こし二人の頭がぶつかった。
「……あの、二人ともケガは」
割れんばかりの泣き声を上げたのは春真の方だ。
悠斗も打った箇所を手で押さえている。
贈悟は春真を抱えあげた。
「よしよし、春真。そんなに痛くないよ」
背を撫でてあやしていると悠斗が駆け寄ってきた。
「オレも! オレも!」
二人も抱っこは出来ない。
春真が落ち着いたところで床へ下ろし、二人を抱きしめた。
「よしよし」
満足そうに悠斗は贈悟の背へ手をまわしている。
そうしてしばらくあやしていると、自宅の電話が鳴った。
二人も落ち着いてきたので、出ると娘からだ。
帰ってこない息子を心配したのだろう。
「春真なら家にいるが……」
『あら、春真がいるなら安心ね』
「……わしが心配されてるのか?」
受話器から噴き出したような笑い声が聞こえた。
贈悟は眉間にしわを増やした。
「春真をそっちに送っていく」
『父さん一人で帰らせるの嫌だから私行くわ』
一言多いようだが、とにかく迎えに来るようだ。
「……」
疲れているのか子供たちは暗くなった部屋で吐息を立てて眠っている。
贈悟は明かりをつけようと起き上がる。
悠斗がしっかりと贈悟の手を握っていた。
このままでいようか、とそんな考えが脳裏をよぎったが、
不純な気がして悠斗の指を少しずつ手からはがしていった。
「……ぞーご、さん?」
起こしたようだ。眠気眼に名前を呼ばれる。
外しかけた指を再びグッと掴まれた。
「電気点けようか?」
名残惜しみながら、悠斗の手を引き離した。
灯りをつけると悠斗は身体を起こして大きなあくびをした。
隣の春真はまだぐっすりと眠っている。
起こすのは可哀そうだ。
そう思ったが悠斗は春真をゆすり始めた。
「はるまー起きろー」
目を覚ました春真が突然身体を起こし二人の頭がぶつかった。
「……あの、二人ともケガは」
割れんばかりの泣き声を上げたのは春真の方だ。
悠斗も打った箇所を手で押さえている。
贈悟は春真を抱えあげた。
「よしよし、春真。そんなに痛くないよ」
背を撫でてあやしていると悠斗が駆け寄ってきた。
「オレも! オレも!」
二人も抱っこは出来ない。
春真が落ち着いたところで床へ下ろし、二人を抱きしめた。
「よしよし」
満足そうに悠斗は贈悟の背へ手をまわしている。
そうしてしばらくあやしていると、自宅の電話が鳴った。
二人も落ち着いてきたので、出ると娘からだ。
帰ってこない息子を心配したのだろう。
「春真なら家にいるが……」
『あら、春真がいるなら安心ね』
「……わしが心配されてるのか?」
受話器から噴き出したような笑い声が聞こえた。
贈悟は眉間にしわを増やした。
「春真をそっちに送っていく」
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