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Sortie-02:騎士たちは西欧より来たりて
第四章:第501機動遊撃飛行隊、その名はイーグレット/05
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その後、宗悟はミレーヌに全てを打ち明けた。そして、ミレーヌもまた彼に自身のことを打ち明けて――――そこから、二人の関係が始まったのだ。
両親と最愛の妹を喪った悲しみに打ちひしがれる彼に、ミレーヌは毎日のように寄り添っていた。彼の孤独を埋めるかのように、ただ黙って彼の傍に居続けた。
同時に――――ミレーヌもまた、彼に孤独を埋めて貰っていた。彼と話すようになって、彼に寄り添って毎日を過ごす内に……いつしか彼女の中で孤独感というものは消えていて。それと共に、誰かと共に過ごすことに対する……今まで一度として味わったことのない、安らぎのような感覚を抱き始めていたのだ。
そんな二人は、殆ど偶然のような出逢いと接近であったが。しかし結果を見れば、宗悟とミレーヌは人間的に凄まじく相性の良い二人だったのだ。
そして更なる偶然として、ESPパイロットとしてもすこぶる相性が良かった。宗悟と過ごす内に、ミレーヌはいつしか彼のことを一番近くで守ろうと、彼の操る空間戦闘機の後席に着こうと考え始めていたようだが……しかし仮に彼女がそう思わなかったとしても、結局は宗悟とミレーヌは相棒になっていたことだろう。それほどまでに、能力的な面でも二人は相性が最高に良かったのだ。
人間的にも、そしてESPパイロットとしても。風見宗悟とミレーヌ・フランクールは、いつしか互いに切っても切れない関係、お互いが居ないともう何も出来ないぐらいの……それほどまでの深い関係になっていった。
そんな二人の駆る≪グレイ・ゴースト≫が大戦果を挙げ、いつしかエースの内に数えられるようになるのも。宗悟がその能力から『風の妖精』という異名で呼ばれることになるのも、何もかもが必然のことだった。
空の上でも地上でも、二人はもう二人で一人。互いが欠けては全てが成り立たなくなるような、今ではもうそんな関係性だ。まさに比翼連理といったところか。宗悟にとってミレーヌは、安心して後席を預けられる唯一無二の相棒にして、良き姉貴分のような存在。逆にミレーヌにとって宗悟は護るべき対象であり、何処へでも連れて行ってくれる、彼女にとってたった一人の翼であり、相棒。二人にとってお互いは、それほどまでに深い存在だった。たったひとりの、掛け替えのない存在になっていたのだ。
だからか、当然のように宗悟はミレーヌに対して。そして、ミレーヌは宗悟に対して……そういった類の特別な感情を抱き始めたのだが。しかし、互いに互いのそんな気持ちには……もう長い付き合いになっているというのに、二人とも未だ気付いていなかった。
宗悟が結構な鈍感体質、ということもあるのだろう。何にせよ、既に二人とも深く互いを想い合っているにも関わらず……宗悟とミレーヌは今日現在もそのことに気が付いていない。傍から見ればじれったいことこの上ないのだが……こればかりは、時が解決するのを待つしかないのか。
――――まあ何にせよ、それが『風の妖精』の異名を取るエース二人、風見宗悟とミレーヌ・フランクールという存在だった。
両親と最愛の妹を喪った悲しみに打ちひしがれる彼に、ミレーヌは毎日のように寄り添っていた。彼の孤独を埋めるかのように、ただ黙って彼の傍に居続けた。
同時に――――ミレーヌもまた、彼に孤独を埋めて貰っていた。彼と話すようになって、彼に寄り添って毎日を過ごす内に……いつしか彼女の中で孤独感というものは消えていて。それと共に、誰かと共に過ごすことに対する……今まで一度として味わったことのない、安らぎのような感覚を抱き始めていたのだ。
そんな二人は、殆ど偶然のような出逢いと接近であったが。しかし結果を見れば、宗悟とミレーヌは人間的に凄まじく相性の良い二人だったのだ。
そして更なる偶然として、ESPパイロットとしてもすこぶる相性が良かった。宗悟と過ごす内に、ミレーヌはいつしか彼のことを一番近くで守ろうと、彼の操る空間戦闘機の後席に着こうと考え始めていたようだが……しかし仮に彼女がそう思わなかったとしても、結局は宗悟とミレーヌは相棒になっていたことだろう。それほどまでに、能力的な面でも二人は相性が最高に良かったのだ。
人間的にも、そしてESPパイロットとしても。風見宗悟とミレーヌ・フランクールは、いつしか互いに切っても切れない関係、お互いが居ないともう何も出来ないぐらいの……それほどまでの深い関係になっていった。
そんな二人の駆る≪グレイ・ゴースト≫が大戦果を挙げ、いつしかエースの内に数えられるようになるのも。宗悟がその能力から『風の妖精』という異名で呼ばれることになるのも、何もかもが必然のことだった。
空の上でも地上でも、二人はもう二人で一人。互いが欠けては全てが成り立たなくなるような、今ではもうそんな関係性だ。まさに比翼連理といったところか。宗悟にとってミレーヌは、安心して後席を預けられる唯一無二の相棒にして、良き姉貴分のような存在。逆にミレーヌにとって宗悟は護るべき対象であり、何処へでも連れて行ってくれる、彼女にとってたった一人の翼であり、相棒。二人にとってお互いは、それほどまでに深い存在だった。たったひとりの、掛け替えのない存在になっていたのだ。
だからか、当然のように宗悟はミレーヌに対して。そして、ミレーヌは宗悟に対して……そういった類の特別な感情を抱き始めたのだが。しかし、互いに互いのそんな気持ちには……もう長い付き合いになっているというのに、二人とも未だ気付いていなかった。
宗悟が結構な鈍感体質、ということもあるのだろう。何にせよ、既に二人とも深く互いを想い合っているにも関わらず……宗悟とミレーヌは今日現在もそのことに気が付いていない。傍から見ればじれったいことこの上ないのだが……こればかりは、時が解決するのを待つしかないのか。
――――まあ何にせよ、それが『風の妖精』の異名を取るエース二人、風見宗悟とミレーヌ・フランクールという存在だった。
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