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Execute.03:ノエル・アジャーニ -Noelle Adjani-

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 時間は矢のように過ぎ去り、日付が変わって間もないような夜更け頃。二階の元・零士の私室で、現・ノエルの寝室。そこでノエルが寝入った後、零士は独りリビングのソファにだらしなく寝転がりながら。そうしながら、左耳に携帯電話を当てていた。仕事用の古いスライド式でなく、私物のスマートフォンの方だ。
『……私だよ、零士。そろそろ連絡が来る頃だと思ってた』
 電話に出た相手は、やはりというべきかシャーリィだった。やたらと眠そうな声音なのは、今日もまた残業続きだからだろうか。神北学園の教師とSIA上級担当官の二足のわらじだ。幾ら前者が非常勤といえ、想像以上の激務であることは想像に難くない。
「ってことは、要件も大体分かってるか」
 寝転んだままで零士が言えば、電話の向こうでシャーリィは『ああ』と頷き。『ノエルのことだろう?』と、いとも簡単に零士の真意を突いてきた。
「ご明察だ。悪かったな、こんな時間に電話なんぞ掛けちまって。ノエルが一緒に居たんじゃあ、チョイと話しづらいんだ」
『まあ、だろうね。本人の前じゃあ色々と憚られるような話だ。何、気にすることはないよ。私の方もこれぐらいのこと、織り込み済みさ』
 ははは、とシャーリィは乾いた笑いを浮かべて。その後でこう言った。急に、声音を何オクターブか低い、シリアスな色に塗り替えて。
『――――で、何が訊きたい?』
「全部だ」と、即答する零士。「全部教えろ。彼女のこと。そして、なんでアンタがノエルに、わざわざミラージュなんてコードネームを預けたのか」
 零士が脅迫でもするかのような調子で言うと、シャーリィはくっくっくっ、と喉を鳴らしてひとしきり笑った後に。その後に『……分かったよ』と、諦め気味で怠そうな声でそれを認めた。電話の向こうでカチンと鳴っているのは、きっと口に咥えたマールボロ・ライトの煙草に、彼女がジッポーで火を付けようとしているからに違いない。
『ふぅー……』
 そうして、シャーリィは紫煙を深々と肺に叩き込んで一服した後。尚も煙草を吹かしながら、早速零士の問いに答え始めた。
『……ノエル・アジャーニの基本プロフィールは、前に渡したとおりだ』
「ああ」頷く零士。
「ノエル・アジャーニ、十六歳。出身はフランス・パリ市、誕生日は六月二二日。父は刑事だったが、両親とは既に死別。アンタに拾われてミラージュになったことは、本人から既に聞いている」
『そこまで記憶しているか。ストーカーを疑われても仕方ないね?』
 おかしげに笑うシャーリィに「茶化すな」と零士は小言を入れ。そうすればシャーリィは『悪かったよ、ほんの冗談だ』と詫び、話を続ける。
『両親が死亡済み、ってのは知っての通りだが、それも他殺なんだ』
「他殺……」
『そう、しかもプロの犯行だ。お陰で、SIAでも未だに誰がったのか特定し切れていない。現地警察に至っては、迷宮入り扱いだ』
「……! ということは、ノエルの目的は、両親の復讐……!?」
 ハッとした零士が思い当たったことを即座に口にすると、シャーリィは『大正解』とそれを認めた。その後で『ご褒美に飴ちゃんでもあげよう』なんて場違いな冗談を抜かすものだから、零士は無言でそれに抗議する。
『あー……悪かったよ、冗談を言っている場面じゃないね』
「だったら、さっさと核心のトコを話してくれ」
 少し怒り気味な声音の零士に『分かった分かった、だからそう怒るなって』と辟易しながらシャーリィは返し、また本題の方の話に戻っていく。
『……まあ、ノエルの目的は今君が言った通りだ。彼女は偶然、難を逃れてね。天涯孤独になってすぐ、たまたま私が拾ったってワケさ』
「で、エージェント入りか」
『幸か不幸か、彼女の才能は凄まじいモノだったからね。それこそ、嘗ての飛鳥を彷彿とさせるほどに』
「飛鳥……」
 ――――飛鳥。
 その名が出た途端、零士はチクリと胸に痛むものを感じた。古傷を抉られているような、癒えない傷跡を突っつかれているかのような、そんなチクリとした、幻肢痛ファントム・ペインにも似た見えない痛みを。
『……っと、済まないね。この名は君の前だと禁句だったか』
 と、零士の沈黙を感じ取ったシャーリィが、割と申し訳なさそうに詫びる。だがそれに零士は「構わない、続けてくれ」と言って、そんなシャーリィに話を続けさせた。
『まあとにかく、あのの才能は凄まじいよ。それこそ、不幸なことだけど天才だ。殺しの天才。あんな優しいが殺しの天才だなんて、皮肉なことだけれど。でも、この世界ってのは往々にしてそういうものだからね。……それこそ、君のように』
「俺のことは、今は関係ない」
『そう言わないでくれよ、私にとっては大事な弟子なんだから。
 …………話は逸れたけれど、ノエルは正真正銘の天才だ。実戦に出し始めたのは大体半年前だって、昼間に言ったけれど。そうは思えないぐらいに彼女、良いウデをしているだろう?』
 まあな、と零士は頷いた。実際、とても実戦経験が僅か半年の……言ってしまえば、ヒヨッ子とは思えない。パリでの彼女はそれ程までに凜々しく、それでいて雄々しい戦いぶりだった。他でもない、一番近くで見ていた零士がそう感じるのだから、間違いはない。
『訓練は君の邪魔にならない程度に、って言ったけれど。それは微妙に間違いなんだ。今の私が教えられる範囲を、あのはさっさと通り抜けてしまった』
「なら、もっと色々と教えてやれば良かっただろう」
『馬鹿だね、君の時とは色んな事情が違うんだ。神北学園の教師なんてやってる以上、昔より格段に忙しさは増している』
「自業自得だ」
『それに、零士の時とは状況も違ってだね。一緒の家に住んで、四六時中一緒に居たワケじゃないんだ。言ったら悪いけれど、教えられることにも限度があるんだよ。場所や、時間的な制約が多くてね』
「だから、アンタはノエルを弟子じゃないと?」
 零士が問うたのは、このやり取りの核心に近いところだった。
『……半分は、正解だ』
 しかし、数瞬の間を置いて告げられた、シャーリィの回答はそんな微妙な色をしたものだったから。零士は更に「じゃあ、残り半分は?」と、追撃を仕掛けるようにシャーリィへと問う。
『馬鹿だね、君も。昼間にだって言っただろうに、もう忘れたのかい?
 ――――私の弟子は、生涯でたった二人きりだけなんだよ。これ以上、弟子なんてモノを増やすつもりは無いんだ。零士、君が私にとって、最後の弟子なんだよ』
 と、シャーリィは珍しくかなり真剣な、それでいて哀しげな声で、続ける零士の質問に答えてみせた。いつもの冷静な顔でおちゃらける、あんな妙な調子は欠片も見せずに。ただただ真剣に、そして哀しすぎるような声で、シャーリィはそう言った。
「……悪い、そうだったな」
 だからこそ、零士は彼女に対して詫びた。シャーリィの言葉が、あまりに重すぎて。その重みを誰よりも理解している立場だからこそ、零士は心の底から彼女に詫びた。
『いいさ、気にするな。……何も、哀しいのは私だけじゃない。零士、君もなんだから』
 そうすると、シャーリィは普段じゃ考えられないぐらいに優しげな声音で言って。その後で『話を戻そう』と切り替えの言葉を告げ、話の方向性を元の方へと軌道修正する。
『まあ、彼女の過去に関してはこんなところだ。私としても、個人のプライバシーにあまり踏み込みたくはない。これ以上奥まったコトを訊きたければ、ノエル自身の口から訊いてくれ。過去について、私の口から言えるのはここまでだ』
「……一つ、訊かせてくれ」
『何かな?』
「何故……何故ノエルに、"ミラージュ"の名を。飛鳥と同じコードネームを与えた?」
 それは、零士が最も知りたかったことだった。忌まわしくも切ない、哀しくも愛おしい。そんな、二度と耳にするはずの無かった名を、何故シャーリィがノエルに与えたのか。それを、零士は知りたかったのだ。
『…………多分、今までの話を聞いた君なら。もう、分かっているはずだ』
 シャーリィの答えは、こうだった。
 そして、その通りでもあった。問いかけるまでもなく、既に零士の胸中で答えは出ていたのだ。何故、ノエル・アジャーニがミラージュの名を与えられたか。何故、シャーリィが再びミラージュの名を誰かに与えるような真似をしたのか。直接本人に訊くまでもなく、既に零士の中で答えは出ていた。出て、しまっていたのだ。
「…………」
 故に、零士は押し黙る。ひどく苦い顔をして、ソファに寝転がった格好から見えるリビングの天井、その先にある虚空をぼうっと眺めながら。
『……ノエルは、君にそっくりだろう、零士。びっくりするぐらいにね』
 そんな沈黙を、じれったく思ったのか。シャーリィはシリアスな色を残しつつも、元通りの口調に戻して言った。
「何故、それをもっと早く言わなかった。何故、もっと早く言ってくれなかった?」
『言えなかったのさ、他でもない君だからこそ』
 ミラージュの名前は、誰よりも君に対しては重いから――――。
「…………」
 シャーリィの言葉の裏に、そんな意味が見え隠れして。零士はまた言うべき言葉を見失い、押し黙ってしまう。
「……だから。俺と似ているから、ミラージュだから。だから、シャーリィ。アンタはノエルを、ミラージュを俺の弟子にすると?」
 そして、暫くの沈黙の後。零士がポツリと呟くように言えば、シャーリィは『そうだ』と小さく頷き、その言葉を肯定した。
 彼女が明確に肯定すれば、零士は少しばかり不満に思いつつも。しかし一応の形で納得はし。ひとまずは、ノエルに対して胸中に抱いていた、モヤッとするモノを取り除くことが出来ていた。それだけが、ある意味で救いだった。
「アンタが言うんなら、もう俺にこれ以上の異論は無い。異論は無いが……文句の一つぐらいは付けさせろ、この馬鹿」
『悪かったよ、悪かったって』
 冗談っぽく零士が言えば、シャーリィはそれに応じるかのように口調を普段通りの、間の抜けた感じに戻して詫びてくる。フッと微かに笑い合えば、先程まで漂っていた、シリアスで物哀しいような雰囲気は、少しばかり掻き消えてくれる。
『……でも』
 と、そんな折だった。シャーリィがまた、声音を真剣な色に戻して言ったのは。
『…………まだ、飛鳥のことを引きずっているのかい?』
「…………」
 その名は、零士にとっては重すぎるを通り越し、最早背にした十字架のようなもので。その名をシャーリィの口から聞いた瞬間、零士はまた、元の哀しげな表情に戻っていた。
「……忘れられるワケが、ないだろう」
 ポツリと静かに、しかし慟哭するように呟いた、そんな短い言葉。それが、零士にとっての何もかもで。そして、今言うべき全てだった。
 ――――桐原飛鳥きりはら あすか
 その名は、零士にとって忘れがたき名前。その名は、零士が今も背負う、重すぎる十字架。
 そして、その名前は。彼女の声も、面影も、仕草も。そして彼女の想いも、全てが今や、左眼に走る一条の傷跡となって零士に刻まれていた。疼く左眼の傷は、零士が戦い続ける為の誓い。復讐の誓いを刻み込んだ、哀しすぎる聖痕スティグマ
「忘れられるワケが、ないんだ…………」
 そっと、指先で左眼の傷に触れる。今日に限ってひどく疼く傷が、まるで零士に向かって囁きかけているようだった。貴様に、ミラージュの重さが背負えるのかと。今一度、その名を背負えるのかと…………。
「俺は……」
 零士は、自らの内から聞こえるその問いに、答える術を持っていなかった。今はまだ、そこにあるのはただひとつ。左眼に走る聖痕スティグマに刻まれた誓いはただ一つ、復讐の誓いだけだった――――。
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