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特典:『SIX RULES』設定資料集
設定資料集/3:登場銃器紹介(サブ・マシーンガン編)
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/サブ・マシーンガン
・ベレッタ モデル12S
1950年代末期にイタリアの名門・ベレッタが売り出したサブ・マシーンガン。オープン・ボルト機構のスタンダードなサブ・マシーンガンで、安価ながらベレッタらしい高品質が特徴的。ちなみにモデル12Sは'78年登場の小改良を施したアップグレード・モデル。ちなみに例によってブラジル・トーラス社にてMT-12という形でライセンス生産が為されている。
作中では第四条のカーチェイスで登場。インプレッサの助手席ダッシュボード裏、本来エアバッグが入っている位置をくり抜いて備えられた隠し武器入れに収まっていたものを和葉が取り出してハリーに渡し、逃走の傍らで窓から出して撃ちまくる。
・CZ スコーピオンEVO3
チェコのCZ(チェスカー・ゾブロヨフカ)社より2009年に登場したサブ・マシーンガン。軽量なポリマー樹脂を採用していて、クローズド・ボルト機構、両利き対応のセレクタとマガズィン・リリース、ボルト操作用のチャージング・ハンドルを引ききった位置に引っ掛ける為の切り欠きがあるなど、何処か設計はMP5ライクな雰囲気。その上MP5シリーズより格段に安価な為、近年各国の法的機関へ急速な普及を見せている新進気鋭のサブ・マシーンガンだ。
"スコーピオン"というと後述する同社、或いはチェコ・スロヴァキア時代の名銃スコーピオンVz.61シリーズを思い起こされるが、実際そこから名を受け継いでいる。とはいえ設計自体は旧体制チェコ・スロヴァキアから分離した隣国のスロヴァキア、ラウゴ・アームズ社の試作サブ・マシーンガンをベースにしている為に、嘗ての名銃スコーピオンとはまるで別物となっている。
作中ではユーリ・ヴァレンタイン邸の襲撃時、武器を使い果たしたハリーが後述するロシア製ショットガンTOZ-194Mと共に敵兵の死骸から頂戴して使用する。名前だけの登場ですぐに使い切られ棄てられた為、目立った登場シーンは無いに等しい。
・CZE スコーピオンVz.68
1960年代、冷戦真っ只中の時代に旧チェコ・スロヴァキアで生まれた東側の傑作サブ・マシーンガン。上に跳ね上げ銃に重ねる独特な折り畳み式のワイヤー銃床を由来とする"スコーピオン"の名は前述の新生代サブ・マシーンガン、スコーピオンEVO3に受け継がれたものの、そちらの項で述べた通りに直系の関係ではない。
少し大きな自動拳銃といったぐらいの、サブ・マシーンガンとしてはかなり小振りなボディが特徴的。本来の用途は装甲車両の乗員、或いは戦闘機パイロットが脱出した際のサヴァイヴァル・ガンなど狭い空間への持ち込みを想定していたが、小振りなボディからの凄まじい連射力、発射速度調整用のレート・リデューサーの搭載、そして何よりもその小振りさによる秘匿しやすさもあって東側各国で盛んにライセンス生産が行われる。結果として本来想定していない治安部隊や特殊部隊、非合法の暗殺などにも広く用いられることとなった。
あらゆる意味で優秀な小型サブ・マシーンガンで、チェコ・スロヴァキアが分離した現在でも生産は続けられている。また原型となったVz.61は.32ACPの小口径ピストル弾を用いるが、『SIX RULES』に登場したVz.68は使用するカートリッジを9mmパラベラム弾に変更したバリエーション・モデルだ。
作中、和葉を連れて逃走するユーリ・ヴァレンタインのリムジンを追う際、ハリーが屋敷内から拾い集めてきた武器としてランボルギーニ・ムルシエラゴ・ロードスターの助手席に放り込む。リムジンとのカーチェイス中に二挺を使い、その内一挺でリムジンの後輪タイヤを撃ち抜き停めることに成功した。その後は二挺とも高速走行中に路上に棄てられている。
・H&K MP5-SD5
言わずと知れた西ドイツ生まれのサブ・マシーンガン界の革命児、MP5シリーズの特殊バリエーション。MP5シリーズの詳しい解説は後述のMP5-A5の項で説明するとして、此処ではシリーズの中でも一風変わったSDシリーズについて解説していく。
MP5-SDシリーズ、SDの意はシャルデンプファー(独語ウムラウトが記述不可の為、敢えて日本語で書かせて頂く)、ドイツ語でそのまま消音装置を意味する言葉の頭文字を取ったモノ。SDシリーズは通常のMP5の銃身を変更し、銃身と一体型のインテグラル式というサイレンサーをその名の通りに仕込んだ代物なのだ。
このインテグラル式サイレンサーの利点は、やはりサイズを据え置きのままで、更に後付けのサイレンサーより優れた消音効果をもたらすことにあるだろう。発射ガスが散らばる為に弾の初速が落ちるという効果もあり、9mmパラベラム通常弾でも弾頭の速度が音速を超えず、それに伴う衝撃波も発生しない。その為、通常の後付けサイレンサー装着時の静粛運用のように火薬を減らした特殊な減装弾(亜音速弾)を用意する必要が無い、といった効果もある。
とはいえ、消耗した際にサイレンサーの交換が死ぬほど面倒などのデメリットもある。しかしそれらを差し置いても有用な代物で、MP5-SDシリーズは特殊作戦用途のサブ・マシーンガンとしての、ある意味で一つの回答ともいえるだろう。
作中ではハリーの過去回想時、アメリカ西海岸L.Aでのとある仕事の際、クララ・ムラサメの装備として固定銃床式/三点バースト追加モデルのSD5が登場。十九歳の若きハリーの前で踊るような殺戮の嵐を繰り広げてみせた。
・H&K MP5-A5
1960年代、当時の西ドイツに居を構えていたヘッケラー・アンド・コック社から彗星のように現れたサブ・マシーンガン界の革命児にして、今も尚第一線級として各国で用いられている傑作。それがこのMP5シリーズだ。
構造自体は同社のベストセラー自動ライフル・G3シリーズをそのまま小型化したといった具合で、特徴的なローラーロッキング閉鎖方式を採用したクローズド・ボルト機構なども受け継がれている。当時はまだサブ・マシーンガンの機構としては単純なオープン・ボルト式が主流であり、クローズドを採用したが故の高い命中精度で「簡易狙撃銃」とまで言わしめた本銃の精度は、正に異次元の領域だった。
登場して暫くは中々に影が薄い存在であったが、しかし1977年10月13日に発生したルフトハンザ航空181便のハイジャック事件、これが契機となって世界中から脚光を浴びることになる。この事件に際し、西ドイツ国境警備隊の対テロ特殊部隊・GSG-9(ゲー・エス・ゲー・ノイン)がMP5を携え颯爽と航空機内に突入。鮮やかな手際と共に犯人三名の射殺と一名の確保、更にこの時点で生存していた人質全ての救出という形で事件を解決した。この際にGSG-9が装備していた物がMP5と知れ渡ると、世界各国から注目を浴びることになる。
そんなこんなを経て、現在では世界中の軍や警察でスタンダードなサブ・マシーンガンとして普及している。登場から半世紀が経過した今となっては流石に古さも目立ち始めてきたが、しかし今後まだ暫くの間は、サブ・マシーンガン界のスタンダードに君臨し続けるだろう。
作中ではA3モデルに三点バースト追加した近代化改修型、MP5-A5が登場。ユーリ・ヴァレンタイン邸の正門を警護する門番二人の携行品として描かれている。発砲は無し。
・ベレッタ モデル12S
1950年代末期にイタリアの名門・ベレッタが売り出したサブ・マシーンガン。オープン・ボルト機構のスタンダードなサブ・マシーンガンで、安価ながらベレッタらしい高品質が特徴的。ちなみにモデル12Sは'78年登場の小改良を施したアップグレード・モデル。ちなみに例によってブラジル・トーラス社にてMT-12という形でライセンス生産が為されている。
作中では第四条のカーチェイスで登場。インプレッサの助手席ダッシュボード裏、本来エアバッグが入っている位置をくり抜いて備えられた隠し武器入れに収まっていたものを和葉が取り出してハリーに渡し、逃走の傍らで窓から出して撃ちまくる。
・CZ スコーピオンEVO3
チェコのCZ(チェスカー・ゾブロヨフカ)社より2009年に登場したサブ・マシーンガン。軽量なポリマー樹脂を採用していて、クローズド・ボルト機構、両利き対応のセレクタとマガズィン・リリース、ボルト操作用のチャージング・ハンドルを引ききった位置に引っ掛ける為の切り欠きがあるなど、何処か設計はMP5ライクな雰囲気。その上MP5シリーズより格段に安価な為、近年各国の法的機関へ急速な普及を見せている新進気鋭のサブ・マシーンガンだ。
"スコーピオン"というと後述する同社、或いはチェコ・スロヴァキア時代の名銃スコーピオンVz.61シリーズを思い起こされるが、実際そこから名を受け継いでいる。とはいえ設計自体は旧体制チェコ・スロヴァキアから分離した隣国のスロヴァキア、ラウゴ・アームズ社の試作サブ・マシーンガンをベースにしている為に、嘗ての名銃スコーピオンとはまるで別物となっている。
作中ではユーリ・ヴァレンタイン邸の襲撃時、武器を使い果たしたハリーが後述するロシア製ショットガンTOZ-194Mと共に敵兵の死骸から頂戴して使用する。名前だけの登場ですぐに使い切られ棄てられた為、目立った登場シーンは無いに等しい。
・CZE スコーピオンVz.68
1960年代、冷戦真っ只中の時代に旧チェコ・スロヴァキアで生まれた東側の傑作サブ・マシーンガン。上に跳ね上げ銃に重ねる独特な折り畳み式のワイヤー銃床を由来とする"スコーピオン"の名は前述の新生代サブ・マシーンガン、スコーピオンEVO3に受け継がれたものの、そちらの項で述べた通りに直系の関係ではない。
少し大きな自動拳銃といったぐらいの、サブ・マシーンガンとしてはかなり小振りなボディが特徴的。本来の用途は装甲車両の乗員、或いは戦闘機パイロットが脱出した際のサヴァイヴァル・ガンなど狭い空間への持ち込みを想定していたが、小振りなボディからの凄まじい連射力、発射速度調整用のレート・リデューサーの搭載、そして何よりもその小振りさによる秘匿しやすさもあって東側各国で盛んにライセンス生産が行われる。結果として本来想定していない治安部隊や特殊部隊、非合法の暗殺などにも広く用いられることとなった。
あらゆる意味で優秀な小型サブ・マシーンガンで、チェコ・スロヴァキアが分離した現在でも生産は続けられている。また原型となったVz.61は.32ACPの小口径ピストル弾を用いるが、『SIX RULES』に登場したVz.68は使用するカートリッジを9mmパラベラム弾に変更したバリエーション・モデルだ。
作中、和葉を連れて逃走するユーリ・ヴァレンタインのリムジンを追う際、ハリーが屋敷内から拾い集めてきた武器としてランボルギーニ・ムルシエラゴ・ロードスターの助手席に放り込む。リムジンとのカーチェイス中に二挺を使い、その内一挺でリムジンの後輪タイヤを撃ち抜き停めることに成功した。その後は二挺とも高速走行中に路上に棄てられている。
・H&K MP5-SD5
言わずと知れた西ドイツ生まれのサブ・マシーンガン界の革命児、MP5シリーズの特殊バリエーション。MP5シリーズの詳しい解説は後述のMP5-A5の項で説明するとして、此処ではシリーズの中でも一風変わったSDシリーズについて解説していく。
MP5-SDシリーズ、SDの意はシャルデンプファー(独語ウムラウトが記述不可の為、敢えて日本語で書かせて頂く)、ドイツ語でそのまま消音装置を意味する言葉の頭文字を取ったモノ。SDシリーズは通常のMP5の銃身を変更し、銃身と一体型のインテグラル式というサイレンサーをその名の通りに仕込んだ代物なのだ。
このインテグラル式サイレンサーの利点は、やはりサイズを据え置きのままで、更に後付けのサイレンサーより優れた消音効果をもたらすことにあるだろう。発射ガスが散らばる為に弾の初速が落ちるという効果もあり、9mmパラベラム通常弾でも弾頭の速度が音速を超えず、それに伴う衝撃波も発生しない。その為、通常の後付けサイレンサー装着時の静粛運用のように火薬を減らした特殊な減装弾(亜音速弾)を用意する必要が無い、といった効果もある。
とはいえ、消耗した際にサイレンサーの交換が死ぬほど面倒などのデメリットもある。しかしそれらを差し置いても有用な代物で、MP5-SDシリーズは特殊作戦用途のサブ・マシーンガンとしての、ある意味で一つの回答ともいえるだろう。
作中ではハリーの過去回想時、アメリカ西海岸L.Aでのとある仕事の際、クララ・ムラサメの装備として固定銃床式/三点バースト追加モデルのSD5が登場。十九歳の若きハリーの前で踊るような殺戮の嵐を繰り広げてみせた。
・H&K MP5-A5
1960年代、当時の西ドイツに居を構えていたヘッケラー・アンド・コック社から彗星のように現れたサブ・マシーンガン界の革命児にして、今も尚第一線級として各国で用いられている傑作。それがこのMP5シリーズだ。
構造自体は同社のベストセラー自動ライフル・G3シリーズをそのまま小型化したといった具合で、特徴的なローラーロッキング閉鎖方式を採用したクローズド・ボルト機構なども受け継がれている。当時はまだサブ・マシーンガンの機構としては単純なオープン・ボルト式が主流であり、クローズドを採用したが故の高い命中精度で「簡易狙撃銃」とまで言わしめた本銃の精度は、正に異次元の領域だった。
登場して暫くは中々に影が薄い存在であったが、しかし1977年10月13日に発生したルフトハンザ航空181便のハイジャック事件、これが契機となって世界中から脚光を浴びることになる。この事件に際し、西ドイツ国境警備隊の対テロ特殊部隊・GSG-9(ゲー・エス・ゲー・ノイン)がMP5を携え颯爽と航空機内に突入。鮮やかな手際と共に犯人三名の射殺と一名の確保、更にこの時点で生存していた人質全ての救出という形で事件を解決した。この際にGSG-9が装備していた物がMP5と知れ渡ると、世界各国から注目を浴びることになる。
そんなこんなを経て、現在では世界中の軍や警察でスタンダードなサブ・マシーンガンとして普及している。登場から半世紀が経過した今となっては流石に古さも目立ち始めてきたが、しかし今後まだ暫くの間は、サブ・マシーンガン界のスタンダードに君臨し続けるだろう。
作中ではA3モデルに三点バースト追加した近代化改修型、MP5-A5が登場。ユーリ・ヴァレンタイン邸の正門を警護する門番二人の携行品として描かれている。発砲は無し。
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