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3.いま黒魔術って言った!?
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「黒魔術ぅ!?」
「うん、お母さんがそういう血筋なんだって」
まずは詳しい事情から……というわけで美々花に話を聞くと、どうやら美々花は20歳になって黒魔術を使えるようになったらしい。
美々花ママからの遺伝なんだとか。
「いや、でも、なんで俺のチンコを……」
すると美々花はふいと目を逸らし、うつむきながら指の先で床をいじり始める。
付き合いが長いからわかるが、これは美々花に何かやましい事がある時のクセだ。
「美々花」
美々花がビクリと肩を震わせる。
「怒らないから言ってごらん」
「……あの、あのね、最近、義くんがすごくかっこよくなったなって思って」
「うん?」
うつむく美々花の耳が赤い。
かわいい。
……じゃなくて。
「それとこれとにどういう関係が?」
「友だちにね、『義くんはモテるんだから、いつまでも待たせてると浮気されちゃうよ』って言われて……」
「いや、そんなことしないよ!?」
俺は焦って否定する。
まさか俺の知らないところでそんなことを言われているとは。
すると美々花がパッと顔を上げる。
「魔力が安定する20歳になるまではエッチしない方がいいってママが言うからそうしただけで、別に義くんに意地悪したいとかじゃないから!」
「……そうだったんだ」
「義くんは私としたかった?」
「そりゃあもちろん!」
俺が即答すると、美々花がサッと顔色を青くした。
「やっぱり……! それでママに『義くんが浮気したらどうしよう!?』って相談したら、浮気防止のいい黒魔術があるわよって教えてくれたの」
「へぁっ!?」
「昨日の夜にそれを使ったら、朝起きたら私の手の中にコレがあってね」
コレ、と言って美々花は胸の中のピンクの箱を大事そうに抱えなおす。
俺は両手で顔を押さえながら天井を仰いだ。
「美々花ママ! なんてことを!!」
「うちのママもパパが浮気しないように預かってるんだって」
「美々花パパ……そうなんだ……」
美々花パパはロマンスグレーの紳士なおじさまなのだが、別にそんなこと知りたくなかった。
今度、顔を合わせた時にどんな顔をすればいいのか。
「でも美々花がいるのに俺が浮気するわけないだろ」
「そんなの、わからないじゃない! だって私なんて大人しくてなんの取り柄もないし」
「俺より全然頭いいでしょ。俺、美々花と同じ大学入るのにめちゃくちゃがんばったんだから」
「義くんと違ってモテないし……」
「俺だってモテないよ」
俺に声をかけてくるのは、美々花という彼女がいるから安心して声をかけてくるような子ばっかりだ。
そもそも美々花がモテないのはいつも俺が周りを威嚇しているからで、俺に聞こえるように「早く別れろ」と悪態をつかれたことだって何度もある。
もし俺たちが別れたら後釜になりたい男は一人や二人ではないだろう。
そんなこと美々花には絶対教えないけど。
「義くんと別れたくない……」
美々花が大きな目をうるうると涙で濡らしながら俺を見つめる。
う、泣き顔もかわいい。
じゃなくて。
美々花は俺のチンコの入ったピンクの箱をギュッと胸の前で抱きしめた。
「だからお願い!! コレをちょうだい! 大事にするから!」
「いやいやいや」
「ちゃんとお世話するから」
「そんなペットじゃないんだから!」
「今朝だって、一緒にシャワー浴びてキレイに洗ってあげたんだよ?」
「はい? 一緒にシャワー?」
俺のチンコが裸の美々花と一緒にシャワーを浴びている姿を想像してゴクリと喉が鳴る。
「うん、ちゃんとシワの隙間も丁寧に洗ってあげたら嬉しそうにしてたよ」
美々花が愛おしそうにピンクの箱をなでる。
その瞬間、ピンクの箱がカタカタと動き出した。
「うん、お母さんがそういう血筋なんだって」
まずは詳しい事情から……というわけで美々花に話を聞くと、どうやら美々花は20歳になって黒魔術を使えるようになったらしい。
美々花ママからの遺伝なんだとか。
「いや、でも、なんで俺のチンコを……」
すると美々花はふいと目を逸らし、うつむきながら指の先で床をいじり始める。
付き合いが長いからわかるが、これは美々花に何かやましい事がある時のクセだ。
「美々花」
美々花がビクリと肩を震わせる。
「怒らないから言ってごらん」
「……あの、あのね、最近、義くんがすごくかっこよくなったなって思って」
「うん?」
うつむく美々花の耳が赤い。
かわいい。
……じゃなくて。
「それとこれとにどういう関係が?」
「友だちにね、『義くんはモテるんだから、いつまでも待たせてると浮気されちゃうよ』って言われて……」
「いや、そんなことしないよ!?」
俺は焦って否定する。
まさか俺の知らないところでそんなことを言われているとは。
すると美々花がパッと顔を上げる。
「魔力が安定する20歳になるまではエッチしない方がいいってママが言うからそうしただけで、別に義くんに意地悪したいとかじゃないから!」
「……そうだったんだ」
「義くんは私としたかった?」
「そりゃあもちろん!」
俺が即答すると、美々花がサッと顔色を青くした。
「やっぱり……! それでママに『義くんが浮気したらどうしよう!?』って相談したら、浮気防止のいい黒魔術があるわよって教えてくれたの」
「へぁっ!?」
「昨日の夜にそれを使ったら、朝起きたら私の手の中にコレがあってね」
コレ、と言って美々花は胸の中のピンクの箱を大事そうに抱えなおす。
俺は両手で顔を押さえながら天井を仰いだ。
「美々花ママ! なんてことを!!」
「うちのママもパパが浮気しないように預かってるんだって」
「美々花パパ……そうなんだ……」
美々花パパはロマンスグレーの紳士なおじさまなのだが、別にそんなこと知りたくなかった。
今度、顔を合わせた時にどんな顔をすればいいのか。
「でも美々花がいるのに俺が浮気するわけないだろ」
「そんなの、わからないじゃない! だって私なんて大人しくてなんの取り柄もないし」
「俺より全然頭いいでしょ。俺、美々花と同じ大学入るのにめちゃくちゃがんばったんだから」
「義くんと違ってモテないし……」
「俺だってモテないよ」
俺に声をかけてくるのは、美々花という彼女がいるから安心して声をかけてくるような子ばっかりだ。
そもそも美々花がモテないのはいつも俺が周りを威嚇しているからで、俺に聞こえるように「早く別れろ」と悪態をつかれたことだって何度もある。
もし俺たちが別れたら後釜になりたい男は一人や二人ではないだろう。
そんなこと美々花には絶対教えないけど。
「義くんと別れたくない……」
美々花が大きな目をうるうると涙で濡らしながら俺を見つめる。
う、泣き顔もかわいい。
じゃなくて。
美々花は俺のチンコの入ったピンクの箱をギュッと胸の前で抱きしめた。
「だからお願い!! コレをちょうだい! 大事にするから!」
「いやいやいや」
「ちゃんとお世話するから」
「そんなペットじゃないんだから!」
「今朝だって、一緒にシャワー浴びてキレイに洗ってあげたんだよ?」
「はい? 一緒にシャワー?」
俺のチンコが裸の美々花と一緒にシャワーを浴びている姿を想像してゴクリと喉が鳴る。
「うん、ちゃんとシワの隙間も丁寧に洗ってあげたら嬉しそうにしてたよ」
美々花が愛おしそうにピンクの箱をなでる。
その瞬間、ピンクの箱がカタカタと動き出した。
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