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2.ピンクの箱
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急いでスマホの画面を見ると、美々花からのメッセージが画面に浮かぶ。
『どうしたの? 今日はお休み?』
スマホの時計を確認すれば、すでに一限の始まる時間だった。
美々花と俺は同じ大学の同じ学部に在籍しているので、授業開始時間になっても現れない俺を心配してメッセージをくれたのだろう。
俺はすかさず返事を打ち込む。
『今日休む』
それだけ送ると、俺はスマホをベッドの上に放り投げた。
さすがにチンコのない身体で外を歩く気にはなれない。
落ち着かない気持ちのままもう一度家中を探して、それでもやっぱり見つからなくて、いつまであったかを思い出すために頭を抱えながらベッドに座って考えているとチャイムがなった。
ピンポーン
こんな時にいったい誰かとのぞき穴から外を見ると、美々花が立っていた。
あわててドアを開ける。
「美々花、どうしたの?」
「あの、体調は大丈夫? 薬とかポカリとかゼリーとか色々買ってきたよ」
「あ、ありがと……」
そう言って片手を持ちあげてドラッグストアの名前の入ったビニール袋を見せてから、美々花は心配そうに俺を見て首をかしげた。
「あの、あがってもいい?」
「あ、うん」
特に熱などがあるわけではないので、病気がうつったりはしないだろう。
俺の部屋で美々花とふたりきりなことに胸が高鳴るが、すぐにチンコがなければ何もできないと気づいて落ち込んでしまう。
「義くん、大丈夫? 顔色が悪いよ?」
「うん……」
俺の顔色を心配してくれるなんて、美々花はなんてかわいいんだろうか。
テーブルを挟んで向かい合わせになるように座っていると、美々花がカバンの中から何かキラキラした箱を取り出してテーブルの上に置いた。
それはピンク色の箱で、何やらキラキラと輝く石で装飾されている。
「義くん、あのねコレ」
「ん?」
美々花が蓋を開けると、中には柔らかそうな布が詰まっていた。
美々花が布を手に取り丁寧にはらりとめくると、中から妙な形の赤黒い塊が現れた。
「あ! 俺のチンコ!!」
20年間見てきたチンコを見間違えるはずもない。
俺は美々花の手の中のピンクの箱にすばやく手を伸ばすが、すぐにパタンと蓋を閉められてしまった。
「え!? 美々花? それ俺のチンコだよね? 朝からずっと探してたんだ。返して?」
「うん……あのね……」
美々花が俺のチンコの入った箱を胸に抱え持ちながら上目遣いで俺を見つめる。
「コレ、私にもらえないかなって思って」
「……はぁっ!!!?」
ふたりの間に沈黙が訪れたのは一瞬で、すぐに俺は素っ頓狂な声を上げた。
『どうしたの? 今日はお休み?』
スマホの時計を確認すれば、すでに一限の始まる時間だった。
美々花と俺は同じ大学の同じ学部に在籍しているので、授業開始時間になっても現れない俺を心配してメッセージをくれたのだろう。
俺はすかさず返事を打ち込む。
『今日休む』
それだけ送ると、俺はスマホをベッドの上に放り投げた。
さすがにチンコのない身体で外を歩く気にはなれない。
落ち着かない気持ちのままもう一度家中を探して、それでもやっぱり見つからなくて、いつまであったかを思い出すために頭を抱えながらベッドに座って考えているとチャイムがなった。
ピンポーン
こんな時にいったい誰かとのぞき穴から外を見ると、美々花が立っていた。
あわててドアを開ける。
「美々花、どうしたの?」
「あの、体調は大丈夫? 薬とかポカリとかゼリーとか色々買ってきたよ」
「あ、ありがと……」
そう言って片手を持ちあげてドラッグストアの名前の入ったビニール袋を見せてから、美々花は心配そうに俺を見て首をかしげた。
「あの、あがってもいい?」
「あ、うん」
特に熱などがあるわけではないので、病気がうつったりはしないだろう。
俺の部屋で美々花とふたりきりなことに胸が高鳴るが、すぐにチンコがなければ何もできないと気づいて落ち込んでしまう。
「義くん、大丈夫? 顔色が悪いよ?」
「うん……」
俺の顔色を心配してくれるなんて、美々花はなんてかわいいんだろうか。
テーブルを挟んで向かい合わせになるように座っていると、美々花がカバンの中から何かキラキラした箱を取り出してテーブルの上に置いた。
それはピンク色の箱で、何やらキラキラと輝く石で装飾されている。
「義くん、あのねコレ」
「ん?」
美々花が蓋を開けると、中には柔らかそうな布が詰まっていた。
美々花が布を手に取り丁寧にはらりとめくると、中から妙な形の赤黒い塊が現れた。
「あ! 俺のチンコ!!」
20年間見てきたチンコを見間違えるはずもない。
俺は美々花の手の中のピンクの箱にすばやく手を伸ばすが、すぐにパタンと蓋を閉められてしまった。
「え!? 美々花? それ俺のチンコだよね? 朝からずっと探してたんだ。返して?」
「うん……あのね……」
美々花が俺のチンコの入った箱を胸に抱え持ちながら上目遣いで俺を見つめる。
「コレ、私にもらえないかなって思って」
「……はぁっ!!!?」
ふたりの間に沈黙が訪れたのは一瞬で、すぐに俺は素っ頓狂な声を上げた。
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