【R18】朝起きたら俺の×××が家出していた

1.×××家出す

　朝起きたら俺のチンコが家出していた。

　何を言っているかわからないと思うが、俺も自分が何を言っているのかわからない。
　ただパンツの中で竿の部分だけがそっくりどこかに消えて無くなっていたのだ。

　俺――こと池野義久（20）はどこにでもいるごく平凡な大学生だ。

　ただひとつだけ平凡じゃないとすれば、それは幼なじみの超絶かわいい彼女がいること。
　かつて幼稚園でうめ組の時、俺は仲良くなった彼女にプロポーズした。

『みみちゃん、おっきくなったらけっこんしようね』

『うん。よしくんとけっこんする』

　それ以来俺たちはずっと恋人同士だ。
　あの時俺は人生の幸運すべてを使い切ったんじゃないかな。

　さて、俺の彼女である黒間美々花（20）はめちゃくちゃかわいい。

　昔から大人しくて人見知りで、俺のことを「義くん」って呼びながら背中に隠れて服をキュッて掴んでくるもんだから、俺が絶対に守ってあげるんだって誓った。
　ほんのちょっと嫉妬深いところはあるけれど、好かれていると思えばそれも嬉しい。
　ツヤツヤの黒髪ロングストレートで、目はくりっと大きくて、唇なんてぷりぷりのピンク色だ。
　そしてほくろひとつない色白の肌はきっとすべすべに違いない。

　そうき・っ・と・。

　なぜなら俺はまだ美々花とそういうことをした事がないから。

「そうだよ！　まだ使ってないんだよ！！」

　なぜなら、彼女が『20歳になるまで待って欲しい』という言うから、ずっと我慢してきた。
　その彼女の20歳の誕生日が先週で、その時は試験中だったせいで学食でケーキを買って食べるだけのささやかなお祝いしかできなかった。
　試験明けの今週末に改めて誕生日のお祝いをしようとお泊まりデートを企画しているというのに！！

「落ち着け、俺」

　あまりのことに現実逃避をしてしまったが、問題は俺のチンコが家出したことだ。

　まだ新品まっさらな俺のチンコ。

　俺はもう一度パンツの中をのぞいてみるが、やっぱりどこにもいない。

「えー……」

　本当にないか確かめるためにパジャマ代わりのハーフパンツと一緒にパンツも脱いでみる。
　するとそこは竿の部分だけがすっぱり切り落とされたように、つるつるの肌になっている。
　おそるおそる触ってみるが、痛いとかもなくむしろ感覚はほとんどない。
　さっきまで寝ていたベッドの布団をめくってみたり、洗濯物のかごをひっくり返してみたり、なんなら間違えて捨ててないかゴミ箱をあさってみたりしたけれど俺のチンコは見つからない。

「出てこいよ～俺のチンコ～。どこだよ～」

　一人暮らしのベッド上で、俺は股間を丸出しのまま呆然と座り込んだ。

　もう泣きそうだ。

　泣いていいかな？

　それにしても一番の猥褻物が無いから丸出しでも問題ないのかな？

　なんだかショックを受けすぎて頭がまともに働かない。

　ブブブブブ

　すると、テーブルの上に置いてあったスマホが震えた。