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9.三つ目の命令

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『ピロン』

(何の音だっけ……?)

 ぼんやりとした頭で考える。

(……あぁ、次の命令だ。今はいったい何時なの?)

 ボーッとしている私に代わって、累くんがスマホを手に取りメッセージを確認する。
 なんだった? と尋ねるように首を傾げると、累くんがスマホの画面をこちらに向けた。

『陰部を舐め合うこと』

「ん……舐め合うんだよね……」

「はい」

 吐精の余韻で少し気怠そうにしていた累くんはゆっくりベッドから下りると、またクローゼットのドアを開けた。
 今度取り出してきたのはスタンドだった。
 累くんはベッドサイドにスタンドを立てて、そこに撮影用のスマホを設置する。

「依さん横になって。……うん、これで全身ちゃんと映ります」

 累くんはTシャツを脱いで裸になると、ベッドの上に乗ってくる。

「失礼します」

「ん。じゃあ私が上になるから、累くんは横になってくれる?」

「はい」

 頭の位置が互い違いになるようにして、私は累くんの身体の上にまたがった。

「依さん……すごい、グチャグチャ……」

「やだ、言わないで」

 ローションで口の中まで敏感になったせいか、累くんのを咥えている間に私のそこからはどんどん蜜が溢れ出していた。
 累くんは私の尻たぶを掴むと、顔を上げていきなり陰部に吸いついた。

「ひぁっ」

「依さん?」

「っ! なんでも、ないっ!」

 フェラをさせられることはしょっちゅうだったけど、自分がそこを舐められるのなんて初めてだった。
 動揺を悟られないように累くんの陰茎に舌を這わせる。
 手で支えて唇で挟むようにして刺激を与えていると、まだ柔らかさの残っていた陰茎があっという間に硬くなった。

「む……は……すご……」

 累くんは腰をビクビク震わせながらも、私の陰部をベロベロと舐めまわす。
 最初はおそるおそるだった舌の動きが次第に大胆になっていく。
 累くんは指で割れ目を割り開くと、溢れた蜜をジュルッと吸った。

「やぁんっ!」

 累くんの熱い舌で舐めまわされて、まるで溶けてしまいそうだ。
 身体を支えている手足の力がぬけて、累くんに胸を押しつけるようにして乗っかってしまう。
 累くんは目当ての突起を見つけたようで、舌先でグリグリと押しつぶした。

「んん……くふ……んふ……ふ……」

 私の口の中は累くんの陰茎でいっぱいだから、喘ぎ声が鼻から漏れる。
 お腹の奥がひどく疼いて仕方ない。
 もっと奥まで欲しくて、もらえないのがもどかしくて、私はその欲望を埋めるように累くんの立派な肉棒を喉の奥まで吸い込んだ。
 ジュポジュポと音を立てながら激しく上下に吸い上げると、累くんも負けじと突起を舐めながら私の中に指を埋めてかき回す。

「ん……んん……」

「あぁっ! 依さん……!」

 夢中で舐め合って互いの絶頂が近づき動きが激しくなってきたところで、スマホが音を鳴らした。
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