【R18/完結】私のことは忘れてください〜できそこないの魔女は俺様な侯爵令息に溺愛される〜

河津ミネ

文字の大きさ
上 下
48 / 111
二章 出会いと別れ

6.-2※

しおりを挟む
 半裸で抱き合いながら何度も口づけを交わす。
 レオルドの熱い唇がソフィアの冷たかった唇を喰み、互いの熱が同じ温度になっていった。

「もっと、もっとだ。ソフィア」

「ん……は……」

 レオルドの身体の周りをうっすらと呪いがおおっているのがわかる。
 ルーパスから移した忘却の呪いがレオルドにもしっくりと馴染んでいて、これまでも忘却の呪いがわずかにかかっていたことに気がついた。
 ソフィアの呪いを見る力はあまり強くないので今まで気づかなかったが、レオルドの仕事場で呪いの気配が濃くなったのはレオルド自身への呪いが強まったせいもあったのだろう。

「もっと俺に呪いを移せ」

「レオルド様、もうこれ以上は……」

 ルーパスから移した呪いの三分の一ぐらいを移し終えた頃、レオルドの身体がこれ以上の呪いを受け付けなくなった。
 胸のあたりまで黒く染めていた呪いの跡も、肘のあたりにまで減っている。

「これ以上は移せないようです。でもこれぐらいの呪いなら、そんなに時間はかからず浄化できます。そのあと、レオルド様に移した分の呪いも私が必ず浄化しますね」

「そうか」

 レオルドは身体を起こしてくるりと向きを変えると、そのままソフィアにおおい被さる。
 ソフィアをじっと見つめながら赤い目をゆっくりと閉じ、もう一度開いた時、そこにはそれまでと違う欲望の光があった。
 深い欲のこもった視線を受けて、ソフィアの身体の芯がゾクリと震える。

「ソフィアに触れたい」

 ハァ、と熱い吐息を漏らしながら燃えるような赤い目が獲物を捉える。

「俺に触れられるのは嫌か?」

「……いいえ」

 震える小さな声でソフィアが答えると、レオルドの手が伸びてきて、むき出しになっているソフィアの首筋から鎖骨に向かってその形をたどるようにゆっくりと撫でる。
 レオルドの熱い手に触れられるとドキドキして緊張するけれど、胸の奥からあたたかくなって嫌に感じることなど少しもない。
 触れられたところすべてから、熱が伝わって気持ちがいい。
 ふいにレオルドの手がふわりとソフィアの胸に乗せられた。

「あ、だめ!」

 ソフィアの抵抗にレオルドの手が止まる。
 魔女であるソフィアに男女の営みについて教える者などおらず、ソフィアはほとんど閨の知識を持っていない。
 それでもこれは駄目だと本能が告げていた。
 薄暗闇でもわかるほど、レオルドが赤い目をギラつかせながらソフィアを見下ろす。
 胸のふくらみを包むように置かれたレオルドの手に力が入り、シュミーズの上からゆっくりと揉みしだき始める。

「あ……や……だめ……」

「本当にダメか?」

 くすぐったいようなもどかしいような初めての感覚で、ソフィアの身体がピクリと反応する。
 レオルドの手の動きに合わせるように、ソフィアは短く息を吐きシーツの上で身体をよじって身悶えた。

「ん……ふ……だめ……で……」

 レオルドの指がシュミーズの上から胸の先端をすりとひっかいた。

「ひゃんっ!」

 強い快感が走り、ソフィアの身体がベッドの上で跳ねる。
 その瞬間、レオルドはむき出しの白い首筋にむしゃぶりつき、シュミーズをたくしあげその手をブラジャーの中に潜り込ませた。
 レオルドの手がソフィアの胸に直に触れながら、形が変わるほど揉みしだく。

「あ……や……つよ……」

 逃げようとするソフィアに食らいつきながら、レオルドの舌は鎖骨から首筋を舐めあげて耳にかぶりつく。
 そしてその手は柔らかな胸のふくらみを揉みながら指先で先端をひっかいた。

「え……な……あ……やぁっ!」

 同時にいくつも刺激を与えられ、ソフィアは大きく身悶えながら戸惑った。

(だめ、こんなのだめ……)

 何が起きているのかよくわからなかったが、でもきっとこんなのは駄目に違いない。
 ソフィアの目から自然と涙がこぼれ落ちる。

「いやぁ……だめ……だめです……」

 息も絶え絶えになりながら涙を流して訴えると、それに気づいたレオルドがようやく動きを止めた。
しおりを挟む
感想 2

あなたにおすすめの小説

どうやら夫に疎まれているようなので、私はいなくなることにします

文野多咲
恋愛
秘めやかな空気が、寝台を囲う帳の内側に立ち込めていた。 夫であるゲルハルトがエレーヌを見下ろしている。 エレーヌの髪は乱れ、目はうるみ、体の奥は甘い熱で満ちている。エレーヌもまた、想いを込めて夫を見つめた。 「ゲルハルトさま、愛しています」 ゲルハルトはエレーヌをさも大切そうに撫でる。その手つきとは裏腹に、ぞっとするようなことを囁いてきた。 「エレーヌ、俺はあなたが憎い」 エレーヌは凍り付いた。

不器用騎士様は記憶喪失の婚約者を逃がさない

かべうち右近
恋愛
「あなたみたいな人と、婚約したくなかった……!」 婚約者ヴィルヘルミーナにそう言われたルドガー。しかし、ツンツンなヴィルヘルミーナはそれからすぐに事故で記憶を失い、それまでとは打って変わって素直な可愛らしい令嬢に生まれ変わっていたーー。 もともとルドガーとヴィルヘルミーナは、顔を合わせればたびたび口喧嘩をする幼馴染同士だった。 ずっと好きな女などいないと思い込んでいたルドガーは、女性に人気で付き合いも広い。そんな彼は、悪友に指摘されて、ヴィルヘルミーナが好きなのだとやっと気付いた。 想いに気づいたとたんに、何の幸運か、親の意向によりとんとん拍子にヴィルヘルミーナとルドガーの婚約がまとまったものの、女たらしのルドガーに対してヴィルヘルミーナはツンツンだったのだ。 記憶を失ったヴィルヘルミーナには悪いが、今度こそ彼女を口説き落して円満結婚を目指し、ルドガーは彼女にアプローチを始める。しかし、元女誑しの不器用騎士は息を吸うようにステップをすっ飛ばしたアプローチばかりしてしまい…? 不器用騎士×元ツンデレ・今素直令嬢のラブコメです。 12/11追記 書籍版の配信に伴い、WEB連載版は取り下げております。 たくさんお読みいただきありがとうございました!

今夜は帰さない~憧れの騎士団長と濃厚な一夜を

澤谷弥(さわたに わたる)
恋愛
ラウニは騎士団で働く事務官である。 そんな彼女が仕事で第五騎士団団長であるオリベルの執務室を訪ねると、彼の姿はなかった。 だが隣の部屋からは、彼が苦しそうに呻いている声が聞こえてきた。 そんな彼を助けようと隣室へと続く扉を開けたラウニが目にしたのは――。

【完結】もう無理して私に笑いかけなくてもいいですよ?

冬馬亮
恋愛
公爵令嬢のエリーゼは、遅れて出席した夜会で、婚約者のオズワルドがエリーゼへの不満を口にするのを偶然耳にする。 オズワルドを愛していたエリーゼはひどくショックを受けるが、悩んだ末に婚約解消を決意する。 だが、喜んで受け入れると思っていたオズワルドが、なぜか婚約解消を拒否。関係の再構築を提案する。 その後、プレゼント攻撃や突撃訪問の日々が始まるが、オズワルドは別の令嬢をそばに置くようになり・・・ 「彼女は友人の妹で、なんとも思ってない。オレが好きなのはエリーゼだ」 「私みたいな女に無理して笑いかけるのも限界だって夜会で愚痴をこぼしてたじゃないですか。よかったですね、これでもう、無理して私に笑いかけなくてよくなりましたよ」

巨乳令嬢は男装して騎士団に入隊するけど、何故か騎士団長に目をつけられた

狭山雪菜
恋愛
ラクマ王国は昔から貴族以上の18歳から20歳までの子息に騎士団に短期入団する事を義務付けている いつしか時の流れが次第に短期入団を終わらせれば、成人とみなされる事に変わっていった そんなことで、我がサハラ男爵家も例外ではなく長男のマルキ・サハラも騎士団に入団する日が近づきみんな浮き立っていた しかし、入団前日になり置き手紙ひとつ残し姿を消した長男に男爵家当主は苦悩の末、苦肉の策を家族に伝え他言無用で使用人にも箝口令を敷いた 当日入団したのは、男装した年子の妹、ハルキ・サハラだった この作品は「小説家になろう」にも掲載しております。

断る――――前にもそう言ったはずだ

鈴宮(すずみや)
恋愛
「寝室を分けませんか?」  結婚して三年。王太子エルネストと妃モニカの間にはまだ子供が居ない。  周囲からは『そろそろ側妃を』という声が上がっているものの、彼はモニカと寝室を分けることを拒んでいる。  けれど、エルネストはいつだって、モニカにだけ冷たかった。  他の人々に向けられる優しい言葉、笑顔が彼女に向けられることない。 (わたくし以外の女性が妃ならば、エルネスト様はもっと幸せだろうに……)  そんな時、侍女のコゼットが『エルネストから想いを寄せられている』ことをモニカに打ち明ける。  ようやく側妃を娶る気になったのか――――エルネストがコゼットと過ごせるよう、私室で休むことにしたモニカ。  そんな彼女の元に、護衛騎士であるヴィクトルがやってきて――――?

空から落ちてきた皇帝を助けたら近衛騎士&偽装恋人に任命されました~元辺境伯令嬢の男装騎士ですが、女嫌いの獣人皇帝から無自覚に迫られ大変です~

甘酒
恋愛
元辺境伯令嬢のビリー・グレイはわけあって性別を偽り、双子の兄の「ウィリアム」として帝国騎士団に籍を置いている。 ある日、ビリーが城内を巡視していると、自国の獣人皇帝のアズールが空から落下してくるところに遭遇してしまう。 負傷しつつビリーが皇帝の命を救うと、その功績を見込まれ(?)、落下事件の調査と、女避けのために恋人の振りをすることを命じられる。 半ば押し切られる形でビリーが引き受けると、何故かアズールは突然キスをしてきて……!? 破天荒な俺様系?犬獣人皇帝×恋愛経験皆無のツンデレ?男装騎士の恋愛ファンタジー 執筆済みのため、完結まで毎日更新! ※なんちゃってファンタジーのため、地球由来の物が節操なく出てきます ※本作は「空から落ちてきた皇帝を助けたら、偽装恋人&近衛騎士に任命されました-風使いの男装騎士が女嫌いの獣人皇帝に溺愛されるまで-」を大幅に改稿したものです。

婚約者の本性を暴こうとメイドになったら溺愛されました!

柿崎まつる
恋愛
世継ぎの王女アリスには完璧な婚約者がいる。侯爵家次男のグラシアンだ。容姿端麗・文武両道。名声を求めず、穏やかで他人に優しい。アリスにも紳士的に対応する。だが、完璧すぎる婚約者にかえって不信を覚えたアリスは、彼の本性を探るため侯爵家にメイドとして潜入する。2022eロマンスロイヤル大賞、コミック原作賞を受賞しました。

処理中です...