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二章 出会いと別れ
6.分け合う呪いとレオルドの暴走-1
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レオルドは寝室まで向かうと、ベッドの上に静かにソフィアを下ろした。
寝室には灯りが点けられておらず、隣の部屋から漏れてくる光だけがぼんやりとふたりを照らす。
薄暗闇の部屋の中で、レオルドは着ていたシャツを勢いよく脱ぎ捨て上半身裸になってベッドの上に乗った。
ベッドが沈んでギシと音を立てる。
「なんでレオルド様まで脱ぐんですか!」
「肌に直接触れた方が呪いを移しやすい」
レオルドは黒く染まった手を取ると、自分の裸の胸に触れさせた。
ソフィアの冷たい手の先がレオルドの熱い肌に触れて、そこから熱と鼓動が伝わってくる。
ルーパスのまっさらな肌とは違い、レオルドの肌の上には大小様々な傷痕がいくつもあった。
「レオルド様、こんなに傷が……」
痛ましげに眉をひそめると、レオルドは苦笑しながらシワのよったソフィアの眉間に口づけを落とした。
「俺を邪魔に思っているヤツは多いからな。昔のものだから今はなんともない。怖いか?」
「いいえ」
すぐに小さく首を横にふると、レオルドが口の端を上げて笑う。
そしてそのままソフィアの横に寝転び、優しく腕の中に抱えこんだ。
薄いシュミーズ越しに半裸のレオルドに抱きしめられていると、熱く硬い身体の感触が生々しく感じられて恥ずかしい。
「こうして抱き合っているだけでも呪いが移ってくるのが見える。本来、この呪いが王家の血を呪うものだからだろうな」
確かにレオルドの熱に合わせて身体があたたかく軽くなっていくのは、呪いがレオルドに移っているせいなのだろう。
「さぁ、ソフィア。呪いを移してくれ」
「レオルド様……わかりました」
いくらソフィアが抵抗しても、きっとレオルドはあきらめてくれないに違いない。
呪いを移すまではソフィアを抱きしめて離さない、なんてこともレオルドならしかねない。
ソフィアは覚悟を決めると、レオルドの肌をなでながらルーパスの時とは逆に呪いを移すように呪いの流れを意識した。
手の先から呪いがレオルドの方に向かっていく。
辛くないかとレオルドを見てみるが、口の端を上げた余裕の表情のまま黒い腕をゆっくりさすってくれている。
レオルドの身体が熱くて心地よい。
熱を分けてもらって、石のようだった身体に血が通ってあたたかくなっていく。
「レオルド様……」
「どうした?」
「私、王宮に来てからこんな風に誰かに抱きしめられたのは初めてです。いつも誰にも気づかれず忘れられて……レオルド様に見つけてもらえて嬉しいです」
口の中でつぶやいてから、恥ずかしさのあまり顔が赤くなるのが自分でもわかった。
(暗くてレオルド様に見えていないといいのだけれど……)
冷えた身体がどんどん芯から熱くなっていくのは、呪いを移しているせいかそれとも別の理由のせいか。
「そうか。ではこれからは俺がいくらでも抱きしめてやろう」
抱きしめる腕に力が入ったと思ったら、すぐにレオルドの口づけが降ってきた。
寝室には灯りが点けられておらず、隣の部屋から漏れてくる光だけがぼんやりとふたりを照らす。
薄暗闇の部屋の中で、レオルドは着ていたシャツを勢いよく脱ぎ捨て上半身裸になってベッドの上に乗った。
ベッドが沈んでギシと音を立てる。
「なんでレオルド様まで脱ぐんですか!」
「肌に直接触れた方が呪いを移しやすい」
レオルドは黒く染まった手を取ると、自分の裸の胸に触れさせた。
ソフィアの冷たい手の先がレオルドの熱い肌に触れて、そこから熱と鼓動が伝わってくる。
ルーパスのまっさらな肌とは違い、レオルドの肌の上には大小様々な傷痕がいくつもあった。
「レオルド様、こんなに傷が……」
痛ましげに眉をひそめると、レオルドは苦笑しながらシワのよったソフィアの眉間に口づけを落とした。
「俺を邪魔に思っているヤツは多いからな。昔のものだから今はなんともない。怖いか?」
「いいえ」
すぐに小さく首を横にふると、レオルドが口の端を上げて笑う。
そしてそのままソフィアの横に寝転び、優しく腕の中に抱えこんだ。
薄いシュミーズ越しに半裸のレオルドに抱きしめられていると、熱く硬い身体の感触が生々しく感じられて恥ずかしい。
「こうして抱き合っているだけでも呪いが移ってくるのが見える。本来、この呪いが王家の血を呪うものだからだろうな」
確かにレオルドの熱に合わせて身体があたたかく軽くなっていくのは、呪いがレオルドに移っているせいなのだろう。
「さぁ、ソフィア。呪いを移してくれ」
「レオルド様……わかりました」
いくらソフィアが抵抗しても、きっとレオルドはあきらめてくれないに違いない。
呪いを移すまではソフィアを抱きしめて離さない、なんてこともレオルドならしかねない。
ソフィアは覚悟を決めると、レオルドの肌をなでながらルーパスの時とは逆に呪いを移すように呪いの流れを意識した。
手の先から呪いがレオルドの方に向かっていく。
辛くないかとレオルドを見てみるが、口の端を上げた余裕の表情のまま黒い腕をゆっくりさすってくれている。
レオルドの身体が熱くて心地よい。
熱を分けてもらって、石のようだった身体に血が通ってあたたかくなっていく。
「レオルド様……」
「どうした?」
「私、王宮に来てからこんな風に誰かに抱きしめられたのは初めてです。いつも誰にも気づかれず忘れられて……レオルド様に見つけてもらえて嬉しいです」
口の中でつぶやいてから、恥ずかしさのあまり顔が赤くなるのが自分でもわかった。
(暗くてレオルド様に見えていないといいのだけれど……)
冷えた身体がどんどん芯から熱くなっていくのは、呪いを移しているせいかそれとも別の理由のせいか。
「そうか。ではこれからは俺がいくらでも抱きしめてやろう」
抱きしめる腕に力が入ったと思ったら、すぐにレオルドの口づけが降ってきた。
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