3 / 16
12月30日 出会い③
しおりを挟む
「というわけで、シンくーん、これ、私のスエットだけど大きめだから多分着れるはず。パジャマにしていーよ」
舞衣歌はクローゼットから取り出したグレーのスエットの上下をシン君にポイと投げてわたした。
「んで、これパンツとシャツ。弟が置いていったヤツで一回洗濯してあるけど新品だからあげる」
スエットの上に白いTシャツと濃いグレーのボクサーパンツを乗せる。
「汚れものは出しておいてくれたら、明日の朝、洗濯するから……ふぁ~あ」
舞衣歌はしゃべりながら大きなあくびをした。
「そんで、駅前にスーパーあるからさ、着替えとか必要な物は明日そこで買いなよ。あ、お金はある? 貸そうか?」
「えっと、財布にはないけど郵便局にあるんで明日お金下ろしてきます」
「よし、じゃあもう遅いし寝よう」
時計はもうすぐ0時を回ろうとしている。
「え、寝る……」
「シン君のお母さんにも挨拶しちゃったしね。襲ったりしないから安心して?」
舞衣歌がからかうように言うと、シン君は少しムッとしたような顔をした。
「舞衣歌さん……あの、俺、宿代、身体で払いましょうか?」
シン君が挑発するような目で見てきた。
さすが美少年、流し目の威力がすごい。
舞衣歌は少し考えるそぶりをしてからシン君の首に手を回した。
「それじゃあお願いしようかな。楽しませてくれる?」
「え!? あ、えっと、がんばります……」
頬を赤らめて目を揺らすシン君のおでこに向かって、舞衣歌は強烈なデコピンをお見舞いした。
「いてっ!!」
「冗談だよ。そういうのは好きな子としなね」
「……からかったんですか」
マジいてぇ、とつぶやきながらおでこをさすってシン君が口を尖らせた。
「私だって好きな人としたいもん」
舞衣歌はベッと舌を出してあかんべをした。
(まぁ好きな人なんてもう何年もいないけど)
「というか、明日も朝から仕事なんだ。もう寝たいから、シン君はそっちの部屋使って。シーツとかは明日新しいの出すから今日は悪いけどそのままで」
そう言って、舞衣歌はもう一度大きなあくびをした。
「いや、俺、床とかで大丈夫ですから」
「いいから、いいから。子どもはお姉さんの言うこと聞きなさい」
「俺、もう18です」
「わ~うちの弟より若い~。鍵落として家に入れなくなっちゃうのはお子さまじゃないの?」
舞衣歌のからかいに、シン君がプイと顔を横に向けてむくれていた。
「ふふ、ごめんごめん。風邪ひくといけないからさ。気にしないでいいよ。シャワー浴びるなら新しいバスタオルは棚にあるから。ふぁ~、ごめん、ほんと眠いからもう寝るね。んじゃ、おやすみ~」
舞衣歌はシン君に勧めたのとは別の部屋に入り、そのままベッドに倒れこむと気を失うようにしてすぐに眠ってしまった。
舞衣歌はクローゼットから取り出したグレーのスエットの上下をシン君にポイと投げてわたした。
「んで、これパンツとシャツ。弟が置いていったヤツで一回洗濯してあるけど新品だからあげる」
スエットの上に白いTシャツと濃いグレーのボクサーパンツを乗せる。
「汚れものは出しておいてくれたら、明日の朝、洗濯するから……ふぁ~あ」
舞衣歌はしゃべりながら大きなあくびをした。
「そんで、駅前にスーパーあるからさ、着替えとか必要な物は明日そこで買いなよ。あ、お金はある? 貸そうか?」
「えっと、財布にはないけど郵便局にあるんで明日お金下ろしてきます」
「よし、じゃあもう遅いし寝よう」
時計はもうすぐ0時を回ろうとしている。
「え、寝る……」
「シン君のお母さんにも挨拶しちゃったしね。襲ったりしないから安心して?」
舞衣歌がからかうように言うと、シン君は少しムッとしたような顔をした。
「舞衣歌さん……あの、俺、宿代、身体で払いましょうか?」
シン君が挑発するような目で見てきた。
さすが美少年、流し目の威力がすごい。
舞衣歌は少し考えるそぶりをしてからシン君の首に手を回した。
「それじゃあお願いしようかな。楽しませてくれる?」
「え!? あ、えっと、がんばります……」
頬を赤らめて目を揺らすシン君のおでこに向かって、舞衣歌は強烈なデコピンをお見舞いした。
「いてっ!!」
「冗談だよ。そういうのは好きな子としなね」
「……からかったんですか」
マジいてぇ、とつぶやきながらおでこをさすってシン君が口を尖らせた。
「私だって好きな人としたいもん」
舞衣歌はベッと舌を出してあかんべをした。
(まぁ好きな人なんてもう何年もいないけど)
「というか、明日も朝から仕事なんだ。もう寝たいから、シン君はそっちの部屋使って。シーツとかは明日新しいの出すから今日は悪いけどそのままで」
そう言って、舞衣歌はもう一度大きなあくびをした。
「いや、俺、床とかで大丈夫ですから」
「いいから、いいから。子どもはお姉さんの言うこと聞きなさい」
「俺、もう18です」
「わ~うちの弟より若い~。鍵落として家に入れなくなっちゃうのはお子さまじゃないの?」
舞衣歌のからかいに、シン君がプイと顔を横に向けてむくれていた。
「ふふ、ごめんごめん。風邪ひくといけないからさ。気にしないでいいよ。シャワー浴びるなら新しいバスタオルは棚にあるから。ふぁ~、ごめん、ほんと眠いからもう寝るね。んじゃ、おやすみ~」
舞衣歌はシン君に勧めたのとは別の部屋に入り、そのままベッドに倒れこむと気を失うようにしてすぐに眠ってしまった。
0
お気に入りに追加
17
あなたにおすすめの小説


セクスカリバーをヌキました!
桂
ファンタジー
とある世界の森の奥地に真の勇者だけに抜けると言い伝えられている聖剣「セクスカリバー」が岩に刺さって存在していた。
国一番の剣士の少女ステラはセクスカリバーを抜くことに成功するが、セクスカリバーはステラの膣を鞘代わりにして収まってしまう。
ステラはセクスカリバーを抜けないまま武闘会に出場して……
イケメン彼氏は年上消防士!鍛え上げられた体は、夜の体力まで別物!?
すずなり。
恋愛
私が働く食堂にやってくる消防士さんたち。
翔馬「俺、チャーハン。」
宏斗「俺もー。」
航平「俺、から揚げつけてー。」
優弥「俺はスープ付き。」
みんなガタイがよく、男前。
ひなた「はーいっ。ちょっと待ってくださいねーっ。」
慌ただしい昼時を過ぎると、私の仕事は終わる。
終わった後、私は行かなきゃいけないところがある。
ひなた「すみませーん、子供のお迎えにきましたー。」
保育園に迎えに行かなきゃいけない子、『太陽』。
私は子供と一緒に・・・暮らしてる。
ーーーーーーーーーーーーーーーー
翔馬「おいおい嘘だろ?」
宏斗「子供・・・いたんだ・・。」
航平「いくつん時の子だよ・・・・。」
優弥「マジか・・・。」
消防署で開かれたお祭りに連れて行った太陽。
太陽の存在を知った一人の消防士さんが・・・私に言った。
「俺は太陽がいてもいい。・・・太陽の『パパ』になる。」
「俺はひなたが好きだ。・・・絶対振り向かせるから覚悟しとけよ?」
※お話に出てくる内容は、全て想像の世界です。現実世界とは何ら関係ありません。
※感想やコメントは受け付けることができません。
メンタルが薄氷なもので・・・すみません。
言葉も足りませんが読んでいただけたら幸いです。
楽しんでいただけたら嬉しく思います。



とある高校の淫らで背徳的な日常
神谷 愛
恋愛
とある高校に在籍する少女の話。
クラスメイトに手を出し、教師に手を出し、あちこちで好き放題している彼女の日常。
後輩も先輩も、教師も彼女の前では一匹の雌に過ぎなかった。
ノクターンとかにもある
お気に入りをしてくれると喜ぶ。
感想を貰ったら踊り狂って喜ぶ。
してくれたら次の投稿が早くなるかも、しれない。
ちょっと大人な体験談はこちらです
神崎未緒里
恋愛
本当にあった!?かもしれない
ちょっと大人な体験談です。
日常に突然訪れる刺激的な体験。
少し非日常を覗いてみませんか?
あなたにもこんな瞬間が訪れるかもしれませんよ?
※本作品ではPixai.artで作成した生成AI画像ならびに
Pixabay並びにUnsplshのロイヤリティフリーの画像を使用しています。
※不定期更新です。
※文章中の人物名・地名・年代・建物名・商品名・設定などはすべて架空のものです。
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる