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五章 アミルの想い
75.島からの脱出-2
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マラマ島の港の近くの屋台でルルティアとアミルは並んで食事をしていた。
手持ちのお金がないと言ったらアクアさまへのお供えだよ、と店主は笑ってタダでパンをくれた。
ありがたく受け取ったけれど、後でちゃんとお金を払いにこようと思いながらルルティアはパンにかぶりついた。
朝から何も食べてないからいつもよりも美味しく感じる。
「なぁ、ルー。怒るなよ。こっち向いて」
マラマ島に着いてからルルティアがアミルの方を全然見ないでいるので、アミルはルルティアの頰を指先でくすぐった。
ルルティアはアミルから顔を逸らして口を尖らせながら小声で文句を言った。
「あ、あんなにしなくても良いじゃない!!」
「でも一体化してたから疲れてないだろ?」
「そういうことじゃない!」
アクアさまの力を分け与えるだけにしてはやけに長く濃厚な交わりで、ルルティアは大いに乱れてしまった。
一体化していたおかげで身体は疲れていなかったけれど、恥ずかしくてうずくまるルルティアをアミルが抱えてサッサとヒキナ島から脱出した。
一足先にマラマ島に上陸したアミルが、海の中で待っていたルルティアの分も着替えを調達してきてくれて、なんとか一緒にマラマ島まで帰って来られた。
「そういえば、この服、どうやって貸してもらったの?」
「漁師のおっさん達に会ったから、浜辺で恋人とエッチしていて気づいたら服を流されてたって言ったら貸してもらえた」
「なっ……!」
「なんだよ。だいたい合っているだろ」
「もう! バカ!!」
次に彼らにあった時に一体どんな顔をしたら良いのか。
ルルティアは想像したら恥ずかしくていたたまれなくなって両手で顔をおおった。
アミルはそんなルルティアの肩を抱いて髪や耳にキスを落としながら、ごめんごめん、とあまり誠実さの感じられない声で謝っていた。
*****
腹ごしらえもできたのでルルティアたちは家に戻ることにした。
「あ、アミルの荷物はウチで預かってるよ」
「捨てても良かったのに。まぁでも、また買わなくてすむのは助かる。ありがとな」
アミルがルルティアを抱えて走ろうとルルティアの膝の後ろに手をやった。
「ルー、つかまって」
「待って! 私にもバズの力を使えるんだよね?」
アクアさまの力をアミルに分け与えられたように、今ならバズの力をルルティアも使えるはずだ。
「ん? あぁ、そっか。そうだな」
「じゃあ自分で跳んでいきたい!」
「よし! じゃあ行くか!」
アミルが笑顔を浮かべてルルティアに向かって手を差し伸べる。
ルルティアがパシと勢いよくその手をつかんだ。
互いに力を入れてグッと手を握ると、二人は空に向かって大きく跳び上がった。
雲ひとつない青空の中、マラマ島の町の上を二つの影が楽しそうにクルクルと回りながら通り過ぎていった。
手持ちのお金がないと言ったらアクアさまへのお供えだよ、と店主は笑ってタダでパンをくれた。
ありがたく受け取ったけれど、後でちゃんとお金を払いにこようと思いながらルルティアはパンにかぶりついた。
朝から何も食べてないからいつもよりも美味しく感じる。
「なぁ、ルー。怒るなよ。こっち向いて」
マラマ島に着いてからルルティアがアミルの方を全然見ないでいるので、アミルはルルティアの頰を指先でくすぐった。
ルルティアはアミルから顔を逸らして口を尖らせながら小声で文句を言った。
「あ、あんなにしなくても良いじゃない!!」
「でも一体化してたから疲れてないだろ?」
「そういうことじゃない!」
アクアさまの力を分け与えるだけにしてはやけに長く濃厚な交わりで、ルルティアは大いに乱れてしまった。
一体化していたおかげで身体は疲れていなかったけれど、恥ずかしくてうずくまるルルティアをアミルが抱えてサッサとヒキナ島から脱出した。
一足先にマラマ島に上陸したアミルが、海の中で待っていたルルティアの分も着替えを調達してきてくれて、なんとか一緒にマラマ島まで帰って来られた。
「そういえば、この服、どうやって貸してもらったの?」
「漁師のおっさん達に会ったから、浜辺で恋人とエッチしていて気づいたら服を流されてたって言ったら貸してもらえた」
「なっ……!」
「なんだよ。だいたい合っているだろ」
「もう! バカ!!」
次に彼らにあった時に一体どんな顔をしたら良いのか。
ルルティアは想像したら恥ずかしくていたたまれなくなって両手で顔をおおった。
アミルはそんなルルティアの肩を抱いて髪や耳にキスを落としながら、ごめんごめん、とあまり誠実さの感じられない声で謝っていた。
*****
腹ごしらえもできたのでルルティアたちは家に戻ることにした。
「あ、アミルの荷物はウチで預かってるよ」
「捨てても良かったのに。まぁでも、また買わなくてすむのは助かる。ありがとな」
アミルがルルティアを抱えて走ろうとルルティアの膝の後ろに手をやった。
「ルー、つかまって」
「待って! 私にもバズの力を使えるんだよね?」
アクアさまの力をアミルに分け与えられたように、今ならバズの力をルルティアも使えるはずだ。
「ん? あぁ、そっか。そうだな」
「じゃあ自分で跳んでいきたい!」
「よし! じゃあ行くか!」
アミルが笑顔を浮かべてルルティアに向かって手を差し伸べる。
ルルティアがパシと勢いよくその手をつかんだ。
互いに力を入れてグッと手を握ると、二人は空に向かって大きく跳び上がった。
雲ひとつない青空の中、マラマ島の町の上を二つの影が楽しそうにクルクルと回りながら通り過ぎていった。
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