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四章 アレクサンドラとディアナ
75.夜明け-2
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アレクサンドラが真子にランプをわたして下がらせる。
「マーコ、防御魔術をかけて少し下がって」
アレクサンドラが手のひらから出した火球で出口を塞ぐ板ごと吹き飛ばした。
廃坑の中に差し込む月明かりと、外から流れ込む新鮮な空気に少しクラクラする。
アレクサンドラが真子の手を引いて慎重に外に連れ出した。
外に出ると夜もだいぶ更けていた。
「やっぱり常闇のアジトの近くの廃坑ね。元々あの村はこの鉱山で働く人たちが集まってできた村だったから、閉山になって廃村になったのよね」
アレクサンドラが周辺の地形と外から見た鉱山を眺めて言った。
「ここからじゃアジトの方がどうなっているか見えないわね。とりあえず伝令を飛ばして、朝になるまでここで様子を見ましょう。すべてを回復魔術で回復しようとするのも良くないから」
アレクサンドラは吹き飛ばした板のかけらや崩れた岩や土をどかして、廃坑の中の少し入ったところに休める場所を作る。
「みなに伝令を飛ばしてくれる?」
アレクサンドラが伝える内容を真子に指示して、真子が白い鳥を飛ばした。
こことアジトの距離なら真子の鳥でも十分届くらしい。
「マーコ、いらっしゃい」
簡単な食事を終えて、アレクサンドラがマントを広げて真子を誘う。
真子も自分用にマントをもらっているが、いそいそとアレクサンドラの足の間に収まって同じマントに包まった。
「今日はだいぶ魔力を使ったから、大丈夫か確かめさせて?」
アレクサンドラは真子の両手を握り、額と額を重ね合わせて目をつぶった。
アレクサンドラの魔力が微かに体内を巡り、真子の魔力に干渉しないように細心の注意を払いながら真子の魔力の様子を確かめているのを感じる。
「うん、大丈夫そうね」
アレクサンドラがゆっくり目を開けると、真子の黒い目とアレクサンドラの金色の目の視線が絡みあう。
アレクサンドラがささやくような声で静かにつぶやいた。
「ねぇ、マーコ。アタシもあなたがいてくれるから大丈夫なのよ」
「うん」
アレクサンドラの声が耳に優しく響く。
二人の唇がわずかに触れた。
「さて、休みましょう。日が昇ったら行くわよ」
真子はさすがに気が昂って眠れないと思ったが、少しでも身体を休めようと目をつぶってアレクサンドラに身体を預ける。
アレクサンドラは真子の背中を大きな手のひらでゆっくりと撫でた。
気づくと真子は眠っていたようだ。
顔に当たる光に眉をしかめて目を開けると、真子はアレクサンドラのマントに包まったまま一人で横になっていた。
起き上がって廃坑の中から外を見ると、空はもう白んでいた。
少し先に背の高い大きな影が佇んでいる。
真子に気づいたアレクサンドラが振り返る。
朝日を逆光に浴びたまま、アレクサンドラが真子に手を伸ばした。
「さぁ、行くわよ」
真子はアレクサンドラの手を取ってうなずいた。
「マーコ、防御魔術をかけて少し下がって」
アレクサンドラが手のひらから出した火球で出口を塞ぐ板ごと吹き飛ばした。
廃坑の中に差し込む月明かりと、外から流れ込む新鮮な空気に少しクラクラする。
アレクサンドラが真子の手を引いて慎重に外に連れ出した。
外に出ると夜もだいぶ更けていた。
「やっぱり常闇のアジトの近くの廃坑ね。元々あの村はこの鉱山で働く人たちが集まってできた村だったから、閉山になって廃村になったのよね」
アレクサンドラが周辺の地形と外から見た鉱山を眺めて言った。
「ここからじゃアジトの方がどうなっているか見えないわね。とりあえず伝令を飛ばして、朝になるまでここで様子を見ましょう。すべてを回復魔術で回復しようとするのも良くないから」
アレクサンドラは吹き飛ばした板のかけらや崩れた岩や土をどかして、廃坑の中の少し入ったところに休める場所を作る。
「みなに伝令を飛ばしてくれる?」
アレクサンドラが伝える内容を真子に指示して、真子が白い鳥を飛ばした。
こことアジトの距離なら真子の鳥でも十分届くらしい。
「マーコ、いらっしゃい」
簡単な食事を終えて、アレクサンドラがマントを広げて真子を誘う。
真子も自分用にマントをもらっているが、いそいそとアレクサンドラの足の間に収まって同じマントに包まった。
「今日はだいぶ魔力を使ったから、大丈夫か確かめさせて?」
アレクサンドラは真子の両手を握り、額と額を重ね合わせて目をつぶった。
アレクサンドラの魔力が微かに体内を巡り、真子の魔力に干渉しないように細心の注意を払いながら真子の魔力の様子を確かめているのを感じる。
「うん、大丈夫そうね」
アレクサンドラがゆっくり目を開けると、真子の黒い目とアレクサンドラの金色の目の視線が絡みあう。
アレクサンドラがささやくような声で静かにつぶやいた。
「ねぇ、マーコ。アタシもあなたがいてくれるから大丈夫なのよ」
「うん」
アレクサンドラの声が耳に優しく響く。
二人の唇がわずかに触れた。
「さて、休みましょう。日が昇ったら行くわよ」
真子はさすがに気が昂って眠れないと思ったが、少しでも身体を休めようと目をつぶってアレクサンドラに身体を預ける。
アレクサンドラは真子の背中を大きな手のひらでゆっくりと撫でた。
気づくと真子は眠っていたようだ。
顔に当たる光に眉をしかめて目を開けると、真子はアレクサンドラのマントに包まったまま一人で横になっていた。
起き上がって廃坑の中から外を見ると、空はもう白んでいた。
少し先に背の高い大きな影が佇んでいる。
真子に気づいたアレクサンドラが振り返る。
朝日を逆光に浴びたまま、アレクサンドラが真子に手を伸ばした。
「さぁ、行くわよ」
真子はアレクサンドラの手を取ってうなずいた。
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