7 / 12
7.再びブランの攻撃
しおりを挟む
「でも縁談は来ただろう?」
「ほんの少しだけだけどね。ブラン王子のとこが別格で、他の縁談はプランタンと変わらないくらいの小国からのお話ばかりだったわ。どうせこの結婚が断れないなら『真の姿をさらけ出す薬』を飲ませてブラン王子の弱みを握って自由にやろうと思ってたのに」
「姫さま、全部口に出てますよ」
アネモネがそっとローズに忠告する。
「しょうがないじゃない! 『真の姿をさらけ出す薬』のせいで嘘をつけないんだから! でも求婚の理由を知りたかったのも本当。ねぇ、なんで私に求婚したの?」
答えてくれないかもと思いながら、ダメ元でローズはブランに尋ねた。
ブランはふむと少し考えてから口を開いた。
「この薔薇色の髪に惚れたんだ」
「え、髪フェチなの?」
ブランはフフンと鼻で笑ってそれ以上は答えない。
「さて、ローズ姫には俺の信頼を傷つけたお詫びをしてもらおうか」
「なに? 土下座でもすれば良いの?」
「いいや」
ブランは傍に立つローズをグイと抱きよせるとあごを掴んで口づけた。
「ん、な……!」
驚いて声を上げると、ローズのわずかに開けた口の隙間からブランは舌を差し込み、歯列を舐め、上あごをくすぐった。
「む、むー! むー!!」
ローズは両手でブランを押し返そうとするが、鍛え上げられたブランの身体はビクともしなかった。
逆に頭の後ろをグッと押さえられ、口づけはどんどん深くなっていく。
「ん……ふ……ん……」
ブランの舌が口内を激しく動き回り、ローズの身体からはどんどん力が抜けていってしまう。
長く激しく舌を絡め合う口づけに、ローズはとうとう腰がくだけてへなへなとその場に座りこんでしまった。
「な……な……」
ローズが真っ赤な顔をしてブランを見上げると、ブランはローズを見下ろしたままグイと口元を拭った。
「今日はもう俺に近づくな」
そう言ってくるりと向きを変えると、ノワールを従えてブランは去っていった。
「ほんの少しだけだけどね。ブラン王子のとこが別格で、他の縁談はプランタンと変わらないくらいの小国からのお話ばかりだったわ。どうせこの結婚が断れないなら『真の姿をさらけ出す薬』を飲ませてブラン王子の弱みを握って自由にやろうと思ってたのに」
「姫さま、全部口に出てますよ」
アネモネがそっとローズに忠告する。
「しょうがないじゃない! 『真の姿をさらけ出す薬』のせいで嘘をつけないんだから! でも求婚の理由を知りたかったのも本当。ねぇ、なんで私に求婚したの?」
答えてくれないかもと思いながら、ダメ元でローズはブランに尋ねた。
ブランはふむと少し考えてから口を開いた。
「この薔薇色の髪に惚れたんだ」
「え、髪フェチなの?」
ブランはフフンと鼻で笑ってそれ以上は答えない。
「さて、ローズ姫には俺の信頼を傷つけたお詫びをしてもらおうか」
「なに? 土下座でもすれば良いの?」
「いいや」
ブランは傍に立つローズをグイと抱きよせるとあごを掴んで口づけた。
「ん、な……!」
驚いて声を上げると、ローズのわずかに開けた口の隙間からブランは舌を差し込み、歯列を舐め、上あごをくすぐった。
「む、むー! むー!!」
ローズは両手でブランを押し返そうとするが、鍛え上げられたブランの身体はビクともしなかった。
逆に頭の後ろをグッと押さえられ、口づけはどんどん深くなっていく。
「ん……ふ……ん……」
ブランの舌が口内を激しく動き回り、ローズの身体からはどんどん力が抜けていってしまう。
長く激しく舌を絡め合う口づけに、ローズはとうとう腰がくだけてへなへなとその場に座りこんでしまった。
「な……な……」
ローズが真っ赤な顔をしてブランを見上げると、ブランはローズを見下ろしたままグイと口元を拭った。
「今日はもう俺に近づくな」
そう言ってくるりと向きを変えると、ノワールを従えてブランは去っていった。
0
お気に入りに追加
32
あなたにおすすめの小説


甘すぎるドクターへ。どうか手加減して下さい。
海咲雪
恋愛
その日、新幹線の隣の席に疲れて寝ている男性がいた。
ただそれだけのはずだったのに……その日、私の世界に甘さが加わった。
「案外、本当に君以外いないかも」
「いいの? こんな可愛いことされたら、本当にもう逃してあげられないけど」
「もう奏葉の許可なしに近づいたりしない。だから……近づく前に奏葉に聞くから、ちゃんと許可を出してね」
そのドクターの甘さは手加減を知らない。
【登場人物】
末永 奏葉[すえなが かなは]・・・25歳。普通の会社員。気を遣い過ぎてしまう性格。
恩田 時哉[おんだ ときや]・・・27歳。医者。奏葉をからかう時もあるのに、甘すぎる?
田代 有我[たしろ ゆうが]・・・25歳。奏葉の同期。テキトーな性格だが、奏葉の変化には鋭い?
【作者に医療知識はありません。恋愛小説として楽しんで頂ければ幸いです!】

【R18】深層のご令嬢は、婚約破棄して愛しのお兄様に花弁を散らされる
奏音 美都
恋愛
バトワール財閥の令嬢であるクリスティーナは血の繋がらない兄、ウィンストンを密かに慕っていた。だが、貴族院議員であり、ノルウェールズ侯爵家の三男であるコンラッドとの婚姻話が持ち上がり、バトワール財閥、ひいては会社の経営に携わる兄のために、お見合いを受ける覚悟をする。
だが、今目の前では兄のウィンストンに迫られていた。
「ノルウェールズ侯爵の御曹司とのお見合いが決まったって聞いたんだが、本当なのか?」」
どう尋ねる兄の真意は……

今夜は帰さない~憧れの騎士団長と濃厚な一夜を
澤谷弥(さわたに わたる)
恋愛
ラウニは騎士団で働く事務官である。
そんな彼女が仕事で第五騎士団団長であるオリベルの執務室を訪ねると、彼の姿はなかった。
だが隣の部屋からは、彼が苦しそうに呻いている声が聞こえてきた。
そんな彼を助けようと隣室へと続く扉を開けたラウニが目にしたのは――。

ブラック企業を退職したら、極上マッサージに蕩ける日々が待ってました。
イセヤ レキ
恋愛
ブラック企業に勤める赤羽(あかばね)陽葵(ひまり)は、ある夜、退職を決意する。
きっかけは、雑居ビルのとあるマッサージ店。
そのマッサージ店の恰幅が良く朗らかな女性オーナーに新たな職場を紹介されるが、そこには無口で無表情な男の店長がいて……?
※ストーリー構成上、導入部だけシリアスです。
※他サイトにも掲載しています。
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる