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序文 神恩
遺言の書
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告。
我が子子孫孫に伝えるべき事を来るべき日に備え、記し残す。
この日乃本のみならず人の世を守護しうる上で、危地に及ぶほどに甚だ重大なることにて、余人の眼に触れること無きよう、この書を秘匿し守り通すことをきつく申しつくるもの也。
事の先ぶれは嘉慶二年四月。
西国の術師の都にて生じた″あやかしなりの病〟にて、この病、人や獣の物狂いに始まり、やがてはその姿形がこの世ならざる化物に変じるもの也。
病により化生したものども、獣を喰らい人を喰らいて悍ましき事この上もなく、識有し賢き術師、勲し猛き武士共、これを鎮めるべく事にあたりし。
なれど、鎮護国家に任じられし陰陽寮の術師の壱人、己が力に溺れ地獄の盟約に名を連ね、内側より守護を破れば、陰陽寮の術師共これに能う事敵わず、武士も矢尽き刀折れ、遂には力尽きて守るもの無しとなりて、地獄の蓋開きぬ。
呪われし地獄の者共来たりて地に溢れ、人の世、溢れし妖魔共に抗う手立てなく、遂に人も滅びるかと思われし時、天、人の世を憐み七つ柱の神々とその神威をお示しになり、『参恩七武』をお示しになる。
我等徒党を組み『参恩七武』の神恩と神威をもって大儀となし、地獄のものを打ち祓い、地獄の蓋を見事閉じぬ。
参恩は神恩也。御霊法、???、 ???の三宝をもって神恩と為す。
三宝は大いなる天の神恩なれば、常人が触れる事すら能わず。これを手にし振うこと叶いし時、神の理にて天地海の三界を統べ、全てを封ずる大いなる神威を手にせん。
地獄の盟主と言えどこれに抗う事敵わず。蓋再び開きし折、三宝をもってこれに当たれ。
七武は天の神威にて真の武なれば、魑魅魍魎にあやかしのものを退け、魔に抗いしものどもに授けたる武。三宝を捧げ奉るに妖魔を打ち祓いぬ時に、七つの武をもてこれに当たれ。
常に心技体を磨き、その身と魂を捧げ、七つ武にて護り参らせ給え。
如何なるものを贖っても、人の世を護り参らせ給え。
そが我らが法也。
我が身無念ながらここに果て尽きるに、辞世の句をしたためる。
七神の 初めの一振り 曇れども 人の世憐れと 護りこそすれ
真武七神流
七神 源一郎
我が子子孫孫に伝えるべき事を来るべき日に備え、記し残す。
この日乃本のみならず人の世を守護しうる上で、危地に及ぶほどに甚だ重大なることにて、余人の眼に触れること無きよう、この書を秘匿し守り通すことをきつく申しつくるもの也。
事の先ぶれは嘉慶二年四月。
西国の術師の都にて生じた″あやかしなりの病〟にて、この病、人や獣の物狂いに始まり、やがてはその姿形がこの世ならざる化物に変じるもの也。
病により化生したものども、獣を喰らい人を喰らいて悍ましき事この上もなく、識有し賢き術師、勲し猛き武士共、これを鎮めるべく事にあたりし。
なれど、鎮護国家に任じられし陰陽寮の術師の壱人、己が力に溺れ地獄の盟約に名を連ね、内側より守護を破れば、陰陽寮の術師共これに能う事敵わず、武士も矢尽き刀折れ、遂には力尽きて守るもの無しとなりて、地獄の蓋開きぬ。
呪われし地獄の者共来たりて地に溢れ、人の世、溢れし妖魔共に抗う手立てなく、遂に人も滅びるかと思われし時、天、人の世を憐み七つ柱の神々とその神威をお示しになり、『参恩七武』をお示しになる。
我等徒党を組み『参恩七武』の神恩と神威をもって大儀となし、地獄のものを打ち祓い、地獄の蓋を見事閉じぬ。
参恩は神恩也。御霊法、???、 ???の三宝をもって神恩と為す。
三宝は大いなる天の神恩なれば、常人が触れる事すら能わず。これを手にし振うこと叶いし時、神の理にて天地海の三界を統べ、全てを封ずる大いなる神威を手にせん。
地獄の盟主と言えどこれに抗う事敵わず。蓋再び開きし折、三宝をもってこれに当たれ。
七武は天の神威にて真の武なれば、魑魅魍魎にあやかしのものを退け、魔に抗いしものどもに授けたる武。三宝を捧げ奉るに妖魔を打ち祓いぬ時に、七つの武をもてこれに当たれ。
常に心技体を磨き、その身と魂を捧げ、七つ武にて護り参らせ給え。
如何なるものを贖っても、人の世を護り参らせ給え。
そが我らが法也。
我が身無念ながらここに果て尽きるに、辞世の句をしたためる。
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