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英雄が死んだ日
しおりを挟む人間族の治める国≪ラスイル≫と竜人族の治める国≪サファト≫。
サファトの侵攻から始まった両国の戦争が3年目に差しかかろうとしたとき、大きな転機が訪れた。
ラスイルの英雄シャノン・フォン・ロスヴァイセが、とある貴族の裏切りによって、竜人族の戦士長クエレブレに捕らえられたのだ。
──それから4ヶ月後。
シャノンが治めていた──現在は竜人族が支配している──都市の中央広場にて、彼とクエレブレの婚礼の儀が行われることになった……。
中央広場に設置された木造の高台に青年が立たされている。気品のある、美しい青年だ。すらりとした長身で、腰までまっすぐ伸びる金髪は陽光を受けて輝いている。青年の名はシャノン。この都市の若き領主にして英雄である。
そんな彼だが、広場に集められた領民たちにあられもない姿を晒していた。
細身ながらも引き締まった肉体を包んでいるのは、白銀の鎧でもなければ、洗練された貴族装束でもない。精緻なレースをあしらったブラジャーと、膝上まで長い脚を包む薄絹はすべて純白。花嫁の下着姿を意識しているのは明白だった。ただし、ショーツは身につけていない。露出したペニスの有り様に、大衆の視線が嫌でも集中する。何故なら、彼のそれは完全に勃起しており、反り勃つ肉竿にはコルセットのような白い装飾革が巻かれているからだ。近くで見れば、ペニスの鈴口に細く透明なガラス棒が突き刺さっていることに気づくだろう。
そして……。後ろに組まされた手首には、結婚指輪代わりの銀枷が嵌められていた。
あらゆる感情を宿した無数の視線が英雄の肌を刺す。
シャノンは朱に染まる美貌を伏せた。死にたくなるほど恥ずかしくても逃げ出すことはできない。それは彼の使命と……となりに立つ黒鱗の竜人が許さない。
その黒竜は、竜人族の中でもひときわ立派な体躯の持ち主で、シャノンと並ぶと大人と子ども以上の体格差がある。鋭く煌めく紅い隻眼が、彼が歴戦の戦士であることを物語る。彼こそがクエレブレ。竜人族の戦士長であり、この都市の新たな領主だ。
太った中年の貴族が高台の階段を登ってくる。
裏切り者のドミニク伯爵だ。自分の利権のために英雄を罠に嵌めた売国奴。領民たちは眦を吊り上げたが、台の周辺を守る屈強な竜人兵たちや──何よりクエレブレが恐ろしく、かの男への怒気と殺意を持て余していた。
「この素晴らしき式に諸君らと共に立ち会えること、私は嬉しく思う! これから行うのは、クエレブレ様とシャノン様の……婚姻の儀だ」
シャノンは後ろからクエレブレに両足をM字に抱え上げられた。ペニスはもちろん、その下にある肛門まで、集まった大衆に晒すことになった。
高台の前列──英雄の肛門が間近で見れる位置にいた大人たちは息をのんだ。縦長に割れ、穴周辺の肉がふっくら盛り上がった肛門が、女性器を連想させたのだ。幼女の性器のようにピンク色で可憐な外見とは裏腹に、そこは絶えずヒクヒクと蠢き、中の肉を覗かせ、透明な粘液まで滴らせて……まるで発情した淫売婦のそれであった。
「ほほう……花嫁殿はすっかり出来上がっているようですな。驚いた者も多いと思うが、花嫁殿の穴には、性的に興奮すると女の膣のように濡れるよう、竜人族の固有魔術が施されているのだ。まあ……もっとも、花嫁殿のクリトリスを見れば、発情は一目瞭然だろうがな」
ドミニクがニヤリと笑う。
そう、シャノンは発情していた。同時に絶望もしていた。
屈辱と羞恥に苛まれながらも、肉体はこれからの淫儀に期待している。自身の肉体が、堕ちるところまで堕ちていることをまざまざと思い知らされたのだ。
「ひぃ……!」
どこからか、女性のひきつった悲鳴があがった。クエレブレの露出した性器を見ての悲鳴だった。形こそ人間のそれに近いのだが、大きさは人間とは比べものにならない。赤黒くゴツゴツした表面には無数の血管が浮き出ている。
雄々しく反り勃つ凶器の先端が、シャノンの肛門にぷちゅっと押しつけられる。
まさか──と、大人たちは戦慄する。
「では……クエレブレ様。貴方は生涯、妻を愛することを誓いますか?」
「誓う」
「シャノン様、貴方も生涯、夫を愛することを誓いますな?」
「……っ」
シャノンは唇を噛みしめる。
今から言わねばならぬ言葉は、英雄シャノンにとっては死刑宣告も同じ。
しかし、言わなければ、捕らえられている仲間と、彼らの家族の命がない。また、領民たちにも危害が及ぶかもしれない。ロスヴァイセ領が竜人族による略奪や強姦に遭っていないのは、猛将クエレブレがシャノンとの契約を守っているからだ。シャノンが我が身を差し出す代わりに、領民には危害を加えないという契約──。
「ち、誓う……はひゃああぁあああァアアアアアアアアア~~ッッ!!」
無残な絶叫が広場に響いた。
誓いの言葉を口にした瞬間に、人々が見守る中、シャノンは肛門を貫かれた。
竜の花婿が、抱え込んだ花嫁の身体を下から力強く突き上げる。花嫁の引き締まった腹部がペニスの形にボコンッと盛り上がる。
「んぉっ! おッ! オッ! おッ! おンッ! んおぉおぉォォ~~ッ!」
シャノンの形のよい唇から迸るのは、品性の欠片もない、獣じみた悲鳴だった。成人男性の腕よりも太い巨大な肉槍で串刺しにされているのだから無理もなかろうが……高貴な美貌を持つ彼だからこそ、その無様さが際立った。
「やっ……やめろぉおおっ!! シャノン様をはなせえええぇっ!!」
淫惨な光景に言葉を失う群衆の中で、幼い少年が勇気ある声をあげた。父親らしき男が、今にも台上へ駆け出しそうな彼を必死に取り押さえている。
「フン……何も知らん小僧では分かるまいか。しかし、お前たちは気づいているだろう? 花嫁殿はとても悦んでいると」
そう下卑た笑みを浮かべ、ドミニク伯爵が眼下の領民に問いかける。大人は彼の言葉を否定できなかった。
「ほひっ! ほひぃっ! ぉおぉおおおおんッ♡」
シャノンの悲鳴には甘さが混じっていた。ピストンの激しい衝撃に寄り目がちになっている表情には、たしかな陶酔の色が宿っていた。挿入部から溢れ出る透明な粘液が、びちゃびちゃと床を叩いて濡らしている。
「嘘だろ……あんな化け物チンポハメられてよがってるなんて……」
「ほ、本当に……アレがシャノン様なのか?」
民衆の間に困惑と動揺が伝染していく。
「みっ、見るらっ! ぉオンッ♡ みっ、見ないれっ! 見ないれくれへぇえええっ♡」
無数の目が、美しい領主の痴態に釘付けになっている。
数多の視線にシャノンの白肌は焼き苛まれた。なのに、マゾに開花させられた身体は啼き悦び、残酷な絶頂はすぐそこまで迫っていた。
「気をやるときの礼儀作法は分かっているな?」
と、背後の竜人が囁く。
捕らえられて数ヶ月間、彼により散々に教え込まされた、卑猥で、屈辱的な作法だ。今や骨の髄まで染みついてしまっている。
「できなければ、そうだな……あの無礼な小僧を見せしめにしようか……」
「やめっ、やめ、ろォ……! 民には手を出すな……! いっ、いま、言う、から……っ」
「理性が残っていてはやり辛いだろう。手伝ってやる」
そう言って、ペニスを深く突き込んできた。
ペニスが腹皮を突き破りかねない地獄の肛虐は、しかしシャノンには堪らない快感だった。ブチュンッブチュンッと内臓を押し上げられる度に、脳裡が明滅し、理性をごっそりと削りとられる。──おかげで心置きなく狂えた。
「イッ♡ イクッ♡ イきまひゅっ♡ シャノンはケツまんこれイキましゅうッ♡ ご主人様の逞しいおチンポれっ♡ ケツまんこイク許可くだひゃいぃいいいいっ♡」
英雄が、あろうことか憎敵を≪主人≫と呼び、娼婦も躊躇うような卑猥な言葉を吐き散らした。領民は驚愕し、絶句する。
「民に見られながらイキたいのだな?」
「たっ、民にっ、見られながらイキまひゅっ♡ イカしぇてえぇぇぇっ♡」
「ならば、民に宣言しながら果てろ」
「はひぃっ♡ み、みんな見ててくへぇっ♡ わたひがっ、ご主人様のおチンポれケツアクメキメるとこぉっ、見てへぇえぇええええっ♡ イクゥ♡ まんこイクゥウウウッ♡♡」
シャノンは肛門絶頂の雄叫びをあげながら、総身をビグンビグンと派手に震わせた。赤い舌が虚空を舐めて、翡翠の瞳がぐるんと裏返る。
領民たちは、敬愛する美しい領主の醜く無様なアクメ顔を目撃した。
アナルアクメに浸る花嫁を、竜の花婿はなおも剛直で責め続ける。
「んぉほぉっ!? おほぉほぉっ♡♡ ごっ、ご主人しゃまぁっ♡ んイィッ♡ イッでうっ♡ シャノンはイッでまずぅっ♡ イッでるろにぃっ♡ おっ、おチンポぉっ♡ おチンポズンズンぐるぅうぅううう~~ッ♡♡」
絶頂から降りられず、領民の前で淫語を喚きながら下品によがり狂うシャノン。
あの少年が再び悲痛な声をあげる。
「シャノン様ァッ!! 何やってるんだよォ!! そんな奴やっつけてくれよォッ!!」
「むりっ♡ むりらぁっ♡ こんらっ♡ しゅごいチンポにっ♡ シャノンの雑魚まんこが勝てるわけぇっ♡ ぐヒィッ♡ またいぐぅうッッ♡ また雑魚まんご負げでイグゥッ♡♡」
「クソぉ……っ!! かかってこい片目の化け物め! おれが相手だ!!」
(あ、あぁぁ……! 頼む、やめてくれ……!)
「歯向かってはっ! らめらっ! あひィンッ♡ 人ではっ! 竜人しゃまにはっ! 勝てっ、なひからぁっっ!」
「シャノン様は勝ってただろ!! どうしてそんなウソをつくんだ!!」
「……やかましい小僧だ」
背後の竜人の低い呟きに、熱に浮かされていたはずの背筋が一瞬で凍えた。
この苛烈で冷酷な黒竜は、シャノン以外の人間など、なんとも思っていないのだ。
「ごっ、ご主人しゃまっ!! シャノンはクリチンポでもイキたいれしゅっ! おぉンッ! 民の前れっ! ほひィっ! クリチンポびゅーびゅー射精しゅる許可をくだひゃいぃっ!」
緊張と突き上げられる衝撃に声を裏返しながら、シャノンは必死に言葉を紡いだ。卑猥な懇願で竜の意識をこちらへ向けさせるために……。
嵐のような肛虐が止んだ。
竜人はシャノンの言葉に耳を傾けている。
シャノンは新たにわき上がる羞恥心を捩じ伏せ、畳みかけた。
「ぁあん……♡ ご主人しゃまぁ♡ お願いしますぅ……っ♡ クリチンポくるひぃんれしゅう♡ クリチンポ自由になったらぁ、シャノンはケツまんこぎゅ~ってしてご主人様のおチンポにごほーししましゅからぁ……♡」
──だから、どうかあの子を殺さないで──。
男としての矜持もかなぐり捨てて精一杯の媚を売る。甘ったるいねだり声を出して、無理やり口角を吊り上げて頭と股のユルい色狂いを演じる。悔しくて情けなくて、涙がボロボロこぼれた。
「……いいだろう」
クエレブレがドミニク伯爵を一瞥する。意図を察した男がふたりに近づく。
シャノンのペニスに巻かれた白革の結び目をほどく伯爵の目は真剣だった。万が一、竜の愛妻を傷つければ自分の命がないことをよく心得ているのだ。尿道に突き刺さるガラスの先端を摘み、ゆっくり……慎重に引き抜く。
「ふぁ……ッ! あっ♡ はあぁぁぁあァァアアアァアァァ~~♡♡♡」
訪れた解放感にシャノンは淫声をあげた。ぱっくり開いた鈴口から濃厚な白濁汁がビュクッビュクッと溢れ出てくる。長い間、理不尽に塞き止められていた精液だ。
「ざーめん出てうぅ♡ ふやあぁぁん♡ クリチンポ気持ちいいよぉ♡」
長い長い射精に、極太ペニスで串刺しにされた美体を甘く震わせてよがる。ゾッとするほどのいやらしさに、中年貴族は思わず生唾をのみ込んだが、黒竜を恐れてすぐに顔を背けた。
「あぁぁっ! 白いおしっこ出てる……シャノン様のちんちん壊れちゃった……!」
精通を知らない少年が、顔面を蒼白にさせる。
「さあ、約束だぞ、シャノン。俺を満足させろ」
「あぁん……♡ まらざーめん止まってないろにぃ……♡」
「お前のこんな姿を見せられて、俺が待てるわけないだろう……」
クエレブレの声は熱く湿っていた。
そして……。
花嫁を壊さんばかりの抽挿が再開される。
「お゛っ♡ ぉお゛んっ♡ ぎもぢいぃっ♡ ぢんぽもっ♡ まんごもっ♡ ろっぢもぎもぢいぃいぃ~~ッッ♡♡♡」
シャノンは吐精悦と肛虐悦によがり悶える。身体を激しく揺さぶられる衝撃に合わせて、彼のペニスが玩具のようにブルンブルンッと情けなく揺れた。鈴口から噴き散った大量の白濁汁が、最前列の領民に雨のように降りかかる。精液が髪にべっとりかかってしまった少女の悲鳴に、シャノンは申し訳なさと羞恥でさらに身体を熱くする。
「しゅっ、しゅまないぃっ! わたひっ、まじゅちゅでざーめん止まりゃないんらぁっ! うひぃっ♡ まらまら出りゅうううぅっ♡♡ ざーめん出ひゃうぅううううううう~~ッ♡♡♡」
性豪の竜が満足できるように、シャノンの身体には様々な魔術が施されていた。
その結果、肛門が膣のように濡れ、竜の剛直を受け入れても肛門や内臓は傷つかず、人では有り得ない長時間の大量射精が可能になったのだ。
男を妊娠させる術もあるが、それは黒竜の独占欲が許さない。……それが、シャノンにとって唯一の救いだった。
「この街では竜も人も平等だ! お二方のおかげで、お前たちは今後もゲルヒルデ領のように奴隷として扱われることも、ジーク領のように家畜として扱われることもないのだ!」
睦み合う夫婦の傍らでそう宣うドミニク伯爵に、領民たちは憎悪の眼差しを向ける。
なにが平等だ。奴隷であり家畜であることに変わりはない。
しかし、それを声にできる者はいなかった。頼りにしていた英雄の、こんな醜態を見せられては……。
シャノン・フォン・ロスヴァイセには、もはや指導者の資格はない。
「あぎぃいっ♡ またまんこの中れおチンポふどぐなっだぁ♡ イっ、イグんれすね!? シャノンもご主人しゃまと一緒にイグゥ♡ イギまずぅっ♡♡ イグぅッッ♡♡ イグイグイグイグイッぐぅううううううううぅぅ~~~~~~ッッ♡♡♡♡♡」
花嫁が美しい金髪を振り乱し、下品な淫叫を響かせて最大の絶頂を迎える。白濁汁がビュブウゥウウウウウッと噴水のように勢いよく噴き出て、腸内が歓喜にうねうねと蠕動し、肛環が極太ペニスをきつく締めつけた。
黒い竜が低く、短く唸った。
竜人は射精量も人間とは比べ物にならない。引き締まっていたシャノンの腹は、黒竜の射精が終わる頃には臨月の妊婦のようにパンパンに膨張していた。逆流した精液が結合部からごぽっごぽっと溢れ出てくる。
「はへっ♡ はっ♡ はへえぇぇぇぇ……♡♡♡」
ペニスからジョロジョロと漏れ出た黄金湯が床を叩く。失禁しながら、シャノンは力の抜けた笑みを浮かべていた。汗と涙と鼻水と涎で濡れた情けない顔。そこに凛々しかった英雄の面影はない。
「小便しながらあんなだらしねえアへ顔……演技でできるか?」
「や、やっぱり、無理だったんだ……人間が竜に勝つなんて……」
「ああぁぁ……もうラスイルはおしまいだぁ……!」
「~~ッッ!! かっこわりいッ!! なにがラスイルの英雄だ!! 竜人にいいようにやられて! 変な格好で! 変な声出して! おしっこ漏らして!! 嫌いだ!! 大っっ嫌いだッッ!!」
少年が父にしがみついて泣き叫ぶ。竜人よりも、憧れと尊敬を踏みにじった英雄をなじりながら。
少年だけではない。領民たちの失望、絶望、嫌悪、軽蔑、憐憫、憤怒、憎悪、欲情の視線を、シャノンは全身に浴びていた。
(すまない……こんなやり方でしかお前たちを守れずに……)
「素晴らしかったぞ、シャノン。可愛いお前に免じて……小僧の無礼は許そう」
威厳と慈愛が混ざりあった声が降ってくる。
心身ともに疲れ果てていたシャノンは、囁かれた言葉に安堵して、意識を手放した。
※※※
その夜。
クエレブレは寝所にて新妻との初夜を堪能していた。
抱き合うように身体を繋げ、白尻を掴んで下から突き上げてやれば、美しい妻は腸内をビクビク痙攣させながらよがり啼いた。
「ンヒィッ♡ ……んもっ……ゆるひてくらひゃいっ……♡ おまんこ壊れひゃうぅ……♡」
昼間の件がよほどこたえたのか、妻は夫の胸にすがって許しを乞う。
「シャノン、口を開けろ」
「は、はひ……♡ んぁ、ぁ……♡」
素直に開かれた口の中へ、上から唾液を注ぐ。
翡翠の瞳を熱く潤ませたまま、こくこくと美味そうに喉を上下させる姿が愛おしい。
「……提案がある」
「てい、あん……?」
「そうだ。ふたりでこの地を去り、どこか静かに落ち着ける場所で過ごそう。人間共のあの目を見たろう? もはや連中はお前に守られることを望んでおらんし、お前も連中を守ってやる必要はないのだ」
婚礼の儀は、人間たちの士気を削ぐためとして用意した舞台だったが、クエレブレにとって、その目的はあくまでオマケだった。彼の本当の目的は、シャノンに人間を見捨てさせることだった。武力と知略で数多の竜を下し、自分の右目を奪った英雄シャノンを、真の意味で手に入れるために。自身の存在意義……守るべき者を失った男は、この手に堕ちてくるしかないのだから。
ところが……。
「らっ……らめ……! だめ、だ! ロスヴァイセからは、はなれんぞ……!」
蕩けきっていた翡翠の双眸に正気の光が宿り、クエレブレの提案をはねつける。
シャノンは、自分が領土を去れば──そして、クエレブレという抑止力がなくなれば──ドミニク伯爵や竜人兵がロスヴァイセを食い荒らすことを知っているのだ。クエレブレには領民がどうなろうが知ったことではないのだが、無理にシャノンを連れ出せば、彼は間違いなく自ら命を絶つだろう。そんな心優しく高潔な魂を堪らなく愛しているのだが、それ故に厄介だ。
「まったく……俺はお前以外いらないのだがなぁ……」
竜人は隻眼を細め、やれやれとため息をこぼした。
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是非是非こういうお話をまた書いてください
ありがとうございます!!
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