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◇路地裏「いちごみるく」
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あ♡ぅ゛♡あぅッ♡
み♡みられてるッ♡歩く人みんなに、俺たちのコト見られてるッ♡俺がオジサンに腰抱かれて歩いてるのッ♡全員に、見られてるぅッ♡こ♡これ♡ぜったいカノジョだって思われてるッ♡ぜったい俺、いまオジサンのカノジョだって思われてるッ♡昼間からイチャつきやがってって♡このリア充って♡見てる人からッ♡こ♡恋人扱い♡されてるよぉっ♡♡♡
だ、だめ♡最初からやだって思ってたけど、でもっ♡オンナノコのカッコしてるだけでこんな人の視線が気になる、なんてッ♡こんなッ♡こんなのむりッ♡一日中こんな状態でッ♡ひとに見られてっ♡オジサンのカノジョ扱いされてるって意識しながらッ♡ずっとえっちなことナシなんてッ♡そんなの、むりぃッ♡もぉゾクゾクしてるのにッ♡おまんこムズムズしてるのにッ♡ちんぽおあずけなんて♡おあずけされっぱなしなんてぇッ♡♡♡
で、でもッ♡カノジョ♡カノジョって認めたら♡オジサンのオンナになっちゃうッ♡オトコじゃなくてッ♡本気でオジサンのカノジョになっちゃうし、されちゃうッ♡そんなのダメ♡俺オトコなんだから♡ちゃんとオトコ♡オトコなんだからッ♡ふぁ♡ふあぁ♡オジサンっ♡勝手に我慢できなくなってッ♡勝手にちんぽ我慢できなくなってッ♡無理やり俺のことラブホ連れ込んでッ♡ラブホハメしてくれればっ♡いいのにぃ……ッ♡♡♡
「オイオイ、なにひとりでトロ顔してんだ?♡」
「ふ、ふぇッ?♡ぁ、な、なんでもないっ♡」
「デートなんだからちゃんと俺に集中しろよ……ほら、どっか行きたいトコとかねぇのか?」
「ぃ、行きたいトコ……っ?」
そ、そんなこと言われてもッ♡ラブホなんて言えないしッ♡
ぇ、映画?
カラオケ……?
だ、ダメ♡人目はないけど暗いしッ♡密室だしッ♡絶対オジサンに好き勝手イタズラされるっ♡カノジョになれ、ってッ♡延々寸止めいじわるされちゃうからッ♡ぜったいダメっ♡
てゆーかオジサンっ、自分からデート誘っといて俺任せなのッ?♡わざわざ俺にこんなカッコさせてジマンとか言ってたから、てっきり「俺の考えた完璧なスケベプラン♡」とか考えてきてたかと思ってたのにッ♡ずっとセクハラ三昧でッ♡ギラギラな高級店連れて行ったりッ♡星アリのレストラン行ったりッ♡夜はホテルのスイートとか取ってて鍵見せてきたりするッ♡オヤジ臭いデートすると思ってたのに……ッ♡そ、それなのに俺が行きたいトコ決めるなんて……っ♡この辺で行きたいトコあったかな……っ♡
えっと、えっと、えっと……、
「……ぁ」
あ……。
それなら……っ!
「──アイス屋、なぁ」
「アイスじゃなくてジェラートっ。彼女が来たいって、言ってたから……っ。し、下見ッ」
そうやってなんとか思いついて、やって来たのは最近この辺りにできたジェラート屋。本場で修行した人が開いたっていう店で、オジサンに言った通り、彼女がSNSで見つけて行きたいと話していた場所だった。店は奥まった場所にあって、バズったせいか長い列ができてたけど、オジサンは渋る様子もなくここまで一緒に俺と歩いてきたし、列にも一緒に並んでくれて、なんだか拍子抜けした気分になった。な、なんだよ。もっと、文句言うかと、思ってたのに……っ♡
「つうか今はお前が俺のカノジョだろ?そこちゃんと守れよな」
「っ、だからッ、カノジョじゃない……ッ♡」
「ったく。わかったからアイスの種類選べ。もう順番来るぞ」
「だからジェラートだってッ。えっと、それならっ、コレと、コレと、コレっ」
意外と速い列の進みに、俺は慌ててオジサンにジェラートの種類を伝える。それを聞いたオジサンはソツなく注文をして、なんの躊躇いもなく自分の財布で金を払った。あっ。べ、別に、そういうつもりじゃ、なかったんだけど……。
「ほらよ」
「う、うん。えっと……金、いくら?」
店よりもっと奥に行った人気のない路地で差し出されるジェラートを受け取りながら、俺は店でオニーサンから押しつけられた小さい女物のバッグを漁る。いつの間にか俺が持ってた荷物はこっちに入れ替えられたみたいだ。
用意周到……。
変わらずヘンにチクチクした気分になるけど、さすがにこういうのまでぜんぶ払って貰うのは落ち着かない。だから、と俺も財布を取り出すと、すぐ、オジサンから制されてしまった。
「今更気ィ使ってんじゃねぇよ。カノジョなんだから大人しく奢られとけ」
「なッ。だ、だからカノジョじゃないしッ♡」
「今までだってラブホの金は俺持ちだったし、お前もそれは受け入れてただろ?だからそれの延長だ。気にすんな」
「ぅ……いいの?」
「いいの」
「ッ……、──っ♡」
上目遣いで尋ねれば、俺の言葉をリピートするように「いいの」、とやけに子供っぽい口調で言われて、奥のほうがやたらきゅーんとする。ぅう、なにこれ……っ♡またなんか、きゅんきゅん、してるよぉ……ッ♡
「なら、もう金の話はナシだ。いいな?」
「わ……わかった。俺は、カノジョじゃないけど……ッ」
「強情だな……殊勝なのか厚かましいのかどっちかにしろよ……」
「っ……♡」
あきれるオジサンの態度に、なぜかきゅんきゅんがもっと強くなる。いつもエッチのときはやたらイジワルで余裕ぶってるオジサンのこんな顔を見るのははじめてで……。なんか、なんだろっ、無性に、かわいい……とか、思っちゃう。持ってるジェラートだってミルクの一種類だけだし。俺はちゃんと、ナッツとピスタチオとストロベリーのトリプルにしたのに。イチイチ人生経験豊富そうなクセに、こういうのはやっぱオジサンだから疎いのかな……?
「おい」
「ん?なに?」
「ほれ。あーん」
チラチラとオジサンを横目に見ながら、あれこれ考えてジェラートをスプーンでつついていると、いきなりオジサンがスプーンにミルクジェラートをひと口をすくって、俺へと差し出してきた。
「へっ!?」
でも、そんなことされるなんて思ってなかった俺は、当然、ビックリしてしまう。
あ、当たり前じゃんッ!?♡だって、そんなッ♡フツーの恋人同士みたいなコト、するとかッ♡オジサンがそゆことしてくるとかッ♡お、思わ、ないじゃんッ!?♡
「あ?デートなんだからこれくらいさせろよ。早く食えって」
「だ、だからっ、俺は、カノジョじゃ……っ♡」
「御託はいいんだよ。この味、お前は頼んでねぇだろ?だから味見だ、味見」
「ぅ♡うぅ♡も、もぉッ♡ぉ♡オジサンの、ばかっ♡」
もっともらしいことを言いながら、ほれほれ、といかにもオヤジ臭い仕草でスプーンを揺らすオジサンに、俺は反論できないまま仕方なくクチを開ける。た、確かに、ちょっとだけ、ミルクジェラートも食べたいなって、思ってた、けど……ッ♡
「ん、んぅ♡」
そのままスプーンをまるごと、ぱくりとクチに頬張れば、シンプルなミルクジェラートの味が舌の上に広がっていく。あ♡つめたいっ♡あまいけど……さっぱりしてて、おいしいっ♡ミルクの味、濃くて、おいしい……っ♡俺も頼めばよかったな、これ、おいしい……っ♡
「どうだ?うまいか?」
「ん、おいしぃ……っ♡」
「じゃあもっと食えよ。ほら」
「えっ。いいの?」
「ああ。俺は甘いの、そこまで得意じゃねぇしな」
「……、そっかぁ」
そっか、オジサン……甘いの、そんな好きじゃないんだ。わざわざ遠くまで歩かせて、長い列並ばせて、奢らせて……なんか悪いことしちゃったかな。なんとなく、ちょっとだけ罪悪感を感じるけど、それを「気にするな」って言うみたいに、今度はスプーンじゃなくてコーンごと、オジサンはジェラートを差し出してくる。
「だから、ほら。好きなだけ食えよ」
「ん……わかった。ありがと、オジサン」
べつに、気遣われてるなんて、思わないけど。
思わないけど、俺は素直にゆっくりと、ジェラートの山へ舌を伸ばす。
「ん、ふ……♡」
ちょっとだけ溶け出してるジェラートの端をちろりと撫でて、くりくりと舌先を押し込んでから、上にそっと舐め上げる。そのまま先端にはむっとかぶりついて、ちゅうっと吸って。口の中にミルクの味を転がせながら、はふはふと吸いついていく。
「んぅ♡はふ♡ふぁ♡」
ぁ♡こ♡これ♡
な、なんか♡ちょっとっ♡
ふぇ♡フェラっぽい……ッ♡
フェラなんかやったことないけどッ♡シたこと、ないけどッ♡フェラって、きっと、こういう感じな、気がする……ッ♡ゃ♡やばいっ♡なんかゾクゾクするっ♡ぞわぞわ、するっ♡ぉ♡オジサン♡気づいてるかな?♡俺が♡フェラみたいにえっちにジェラート食べてるって♡気づいちゃってるかなっ?♡こ♡コーフン……っ♡してる、かなッ?♡うぁ♡やだッ♡ヘンなこと考えたらッ♡ゾクゾクするの、とまんないッ♡
「こ、これっ♡ぜんぶ食べちゃって、いいっ?♡」
「ッ……いいぜ♡好きなだけ食えよ?♡」
「ぁ、んんッ♡わかったぁ……ッ♡んぅ♡んんぅ♡」
俺は自分からアピールするみたいにオジサンへ上目遣いで目配せして、そっと右手をコーンに添えて、ジェラートを舐め取っていく。
ぁぅ♡なんかさっきより、おいひ……っ♡オジサンに見られて食べるみるく味っ♡すっごい、おいひ……っ♡
「んぁ♡ふあぁ……ッ♡」
ジェラートの山がすっかりなくなって、コーンの奥だけに固まったところをぢゅううぅっ♡と音を立てて吸ってから、俺は舌を伸ばしてようやくクチを離す。
ふ、ふぁ♡む、夢中で、食べちゃった……っ♡オジサンに見られながらっ♡疑似フェラでジェラート食べるのすっごいおいしくてッ♡ほとんどなくなるまで、一生懸命食べちゃったぁ……ッ♡
「ふぁ♡ん、ぅう……ッ♡」
や、やだ……ッ♡ただジェラート食べただけなのにっ♡おいしいみるく味味わっただけなのにっ♡なんかっ♡カラダっ♡イかされたみたいにぽうっとしてるよぉ……っ♡♡♡
「ちゃんと食べたか?クチ開けてみろ?」
「ぁ♡た、食べたよぉ♡んぁ♡」
ぼんやりしてるとオジサンに顎をとられて、俺は言われるがまま、ぱかりとクチを開ける。ちゃんと食べたかって、食べたのジェラートだから確かめる必要ないのに……ッ♡オジサン、ナニ、言ってんだろ……っ♡
「ん~……よしよし♡空っぽだな♡」
「ふぁ♡」
褒められたような口調に、やっぱりフワフワとした気持ちをとめられない。自分からエッチなことしちゃったせいか、やっぱりイったあとみたいに頭がぽんやり浮ついてる。きっとそんな気分だったから、「俺だけじゃやだ」、なんて思っちゃったんだ。俺ばっかりされるのなんてズルい、って。……そう、思っちゃたんだ。
「……ね?オジサンも……食べよ?」
「あ?──ッ。な、なんだよ、いきなりスプーン差し出してきて」
残っていたジェラートのコーンをむしゃむしゃと食べ終えたオジサンに、今度は俺がスプーンを差し出す。トリプルのいちばん下にあって、まだひとつだけ残ってた、ストロベリージェラートが乗ったスプーンを。
「あーんだよっ。オジサンも、今したじゃん?♡」
そう、俺がやったのは「あーん」。オジサンが不意打ちでやってきた、さっきのヤツ。でも同じことをやってきたクセに、差し出されたスプーンを見たオジサンは、うろたえたように視線を泳がせる。
「ッな。ば、馬鹿か、俺はそんなモン良いって……お前が好きなの食えりゃ良いんだよ」
「……」
ナニ、その態度。
動揺して。まごまごして。テンパっちゃって。
ぜんぜん、いつものオジサンじゃないじゃん。
……ナニ、それ。
すッごい、かわいい……ッ♡♡♡
「ダメっ。このジェラート、あんまり甘くなくて美味しいし。だから、ね?オジサンも食べて?♡ねっ?♡」
「っ……、」
「ね……っ?♡」
「ッ、わ、わかったよ……」
押し強めな俺の催促へ困ったように眉を下げて、渋々クチを開けるオジサンの姿は、やっぱりはじめて見る姿で。やっぱり胸が、きゅんとする。
はぁ、どうしよ……っ♡今日、ほんとっ、きゅんきゅん、すごい……っ♡
「んっ……」
俺が差し出したストロベリージェラートに、俺と同じようにはむっとかぶりつくオジサンの仕草をぽんやり追ってしまう。こうやってなにかを食べてるトコロを見ると、誰かになにかを食べさせてあげるのって楽しいんだな、と思う。なんかこういうの……久々。……俺はもっとオジサンにジェラートを食べてほしくなって、またスプーンでジェラートを掬う。久々の感じを、もっと、味わいたかったから。
「どう?♡おいし?♡ほら、もっと食べ……、──ッ」
……でも。
そこに、ふっと。
ひとりの姿が……俺の視界へ、入った。
「ッ」
その瞬間、一気に意識が現実に引き戻されて、俺は固まってしまう。
だって。
……だって。
そこにいたのは、……俺の彼女。
女友達とジェラート屋に来た雰囲気で、楽しげにジェラートを持ってる……俺の彼女──だったからだ。
「っ──!」
さっと顔が青ざめる。自分の状況と格好に、どうしたらいいのかわからなくなる。
か♡彼女ッ♡
うそ♡うそッ♡こんなとこでッ♡会っちゃう、とかッ♡やだ♡やだッ♡ぉ、オンナノコっ♡オンナノコ扱いされてる俺っ♡かっ♡彼女に、みられちゃうッ♡オジサンとの浮気デートでっ♡自分からオジサンにあーんしてっ♡完全にカノジョ扱いされてる俺ッ♡見られ、ちゃうッ♡しかもっ♡しかも、あの服……ッ♡♡♡
「おい」
「ッ!♡」
完全に戸惑ってる状態でオジサンに声をかけられて、俺はびくん、とカラダを強張らせる。反射的にその姿を見上げれば、一気に挙動不審になった俺の様子を見たからか、オジサンも明らかになにかを察したような顔をしていた。
あッ♡こ、これっ♡オジサンにもッ♡バレ、ちゃう……ッ♡♡♡
「なぁにビクっとしてんだ?♡知り合いでも居たか?♡」
「ぃ♡いないッ♡いないからッ♡」
「へぇ?♡でも俺、なーんかあの服見覚えあるんだよなぁ?♡」
「っ……!♡」
そう。
彼女は……この前オジサンを家に入れたときに忘れてった、例のカラフルな花柄のブラウスを着ていた。だからオジサンに彼女の姿を見られたら、あれが「俺の彼女」だってすぐに気づかれるって、俺もなんとなくわかってたんだ。
ッ、どうしよっ♡どう、しよッ♡これっ♡オジサン、怒らせたかなっ♡あのときみたいにッ♡はげしくされちゃう、かなッ♡そ、そのままヘンなことッ♡えっちなコトされたらッ♡本気でバレちゃうッ♡さすがにちゃんと顔見られたらっ♡女装とメイクしててもッ♡彼女にぜったい俺ってバレちゃうよぉっ♡うぅッ♡どうしよっ♡どうしよ……ッ♡♡♡
いよいよ本格的に混乱して、どうしたらいいのかわからずに立ち尽くせば、ぐいっと突然、力強く引き寄せられて。
「っひゃ!?」
俺はオジサンの胸の中に……すっぽりとカラダを、包まれる。路地から背を向けるようなカタチは、まるで、俺を──彼女から、隠してくれてる……みたいだ。
「落ち着けよ。ココに居りゃ、お前の彼女からは見えねぇだろ?」
「ぇ……」
そしてそれを正しい「答え」として示すように、オジサンは俺を覗き込んで、笑う。
「っ……♡」
お、オジサンっ……。ほんとに、俺を、隠してくれたの?か、彼女から、俺のこと、かばって、くれた……っ?♡
「ぁ♡ぉ、オジサン……っ♡♡♡」
意地悪いけど、いじめようとしてるわけじゃないってわかる笑顔に、また胸が……ううん、今度は全身が、きゅーんと疼く。なんでそんなにやさしいの、って、オジサンを見つめてしまう。するとオジサンは、さっきみたいにまた俺の顎をとって。
「それにこうすりゃ、顔も見えねぇだろ?♡」
「ぇ?ぁ……ん、んぅッ!♡」
そのまま……ちゅうを、してきた。
「ッ……!♡」
ぁッ♡ちゅ、ちゅうッ♡
いまっ♡ちゅうっ♡♡♡
これ♡コレッ♡恋人ちゅう♡カノジョちゅうぅッ♡ホントの彼女がこんな近くにいるのにッ♡俺ッ♡オジサンと♡恋人ちゅう、シてるッ♡ぁ♡ぎゅって♡ぎゅうってされてるッ♡クチのナカだけ念入りにえっちなコトされながらッ♡オジサンのおっきぃカラダでッ♡ぎゅうって♡見つからないようにっ♡恋人ハグされてるッ♡やだっ♡オジサンっ♡これやだっ♡いきなりやさしくするの、やだぁっ♡ぎゅってして隠してくれるの、だめぇッ♡ぎゅってしちゃうっ♡おれも♡ぎゅってしちゃうからっ♡ちゅう♡ちゅうもやだッ♡オジサンっ♡ちゅうも、やなのッ♡おれっ♡最近オジサンとのちゅうすきだからッ♡すごい、超、すきだからッ♡彼女ッ♡彼女がいるのにッ♡オジサンとだいすきちゅうッ♡本気でっ♡しちゃうからッ♡
ぁ♡あッ♡舌ちゅうちゅう吸われてるっ♡いっぱい唾液、交換しちゃうッ♡あっ♡こ、これッ♡俺がたべたミルクジェラートとっ♡オジサンにたべさせたストロベリージェラートのあじっ♡クチの中でまじってるッ♡オジサンと俺のクチのなかでッ♡ジェラートっ♡えっちないちごみるく味になっちゃってるッ♡ふぁ♡これぇ♡なんかすごいえっちッ♡えっちぃッ♡♡♡すごいえっちなことッ♡彼女の前で隠れてっ♡オジサンとしちゃってるぅッ♡♡♡ぁ、だめッ♡これッ♡きもちぃ♡きもちぃ……ッ♡♡♡
「ん、ふ♡ふぁ♡ふぁあ……ッ♡」
「ン♡ごちそうさん♡」
唇に残ったジェラートを舐めとるように、ちゅ♡ちゅ♡と念入りに唇を啄まれてから、ゆっくりと口を離される。ぺろりと唇を舐めるオジサンの仕草に、やたらドキッとしてしまう。
「ぁ♡ふぁ♡ぉ♡オジサンの、ばかッ♡こ♡こんなトコでッ♡ちゅう、してっ♡」
「別にイイだろ?♡おかげでカノジョ、もうどっか行っちまったぜ?♡」
「ぇ?あ……っ。ほ、ホントだ……っ」
オジサンの胸からひょこっと路地を覗けば、その言葉通り、彼女の姿はもうどこにも見えない。こ、これ……やり過ごせた、ってこと、なのかな……。
「俺たちが恋人イチャつきしてたからなぁ♡邪魔しないでくれたんじゃねぇか?♡」
「んぁ♡ゃ♡こっ♡こいびとじゃ♡ぁ♡おじひゃ……ッ♡」
また耳元でささかれて、くっと腰を引き寄せられる。そのままやわやわとおしりを撫で回してくる手つきに、俺はオジサンにぎゅっと抱きついて、いやいや、と首を振る。するとオジサンはもっと熱っぽい息を吐いて、俺の鼓膜にもっとエッチな声を、流し込む。
「今日ホンットお前可愛いなぁ……ッ♡手ェ出さない約束してなけりゃ、即ラブホ連れ込んで即ハメしてたぞ……ッ?♡」
「あッ♡や♡や、ぁッ♡」
やっ♡やだぁっ♡なんでいまそういうこと言うのっ♡今日はエッチなコトしないって言ったのにっ♡なんでエッチな気分にさせるようなコトっ、言うのぉっ♡そ、そんなに言うなら♡すればっ、いいのにっ♡店で言った約束なんかわすれてっ♡いつもみたいに強引にッ♡いつもみたいにスケベなエッチッ♡シて、いいのにぃ……ッ♡♡♡
「でもお前がまだカノジョって認めてねぇからな……ッ♡お互い、まだ、お預けだな……ッ?♡」
「んぁ♡かっ♡カノジョぉ……ッ♡」
カノジョっ♡カノジョ……っ♡おあずけ……ッ♡♡♡
ッも、もし、それ、いま認めたら……ッ♡俺が、オジサンのカノジョって、いま、認めたら……ッ♡オジサンと、えっち、できる……ッ?♡か♡カノジョって認めたらッ♡オジサン、えっち、してくれるの……ッ?♡いまから即ラブホ行ってっ♡さっきみたいなあまあまべろちゅしながらッ♡ぎゅうってシながらッ♡おまんこいっぱいトントンしてくれる、らぶらぶえっち……ッ♡すけべであまあまなラブハメえっち……ッ♡いっぱい♡いっぱい♡シて、くれるの……ッ?♡♡♡
あ……ッ♡うぁ……ッ♡ッぁ、だ、だめ……ッ♡だめっ♡だ、めぇ♡おれ、オトコっ♡オトコ、なんだからッ♡おれ♡オトコ、なんだからぁっ♡それだけはっ♡それだけは、ちゃんとっ♡いままでちがうってしてきた、からぁ♡カノジョっ♡カノジョって、認めるのだけはっ、だめぇ……ッ♡♡♡
「っ……♡♡♡」
俺は必死に首を振って、オジサンの胸を押し返す。そしてまだ残っていたジェラートを食べ切って、つよく、オジサンを見つめる。
み、認め、ないっ♡
ながされ、ないっ♡
オジサンのカノジョには、まだ、ならないから……ッ♡♡♡
「ぃ、行こっ!お、おれッ♡また行きたい場所、あるからッ♡」
「──、」
ヤケみたいに宣言する俺をぽかん、と一瞬だけ呆けたように見つめたオジサンは。……すぐに俺を、いつものスケベな、意地悪な顔で、笑みをつくる。
「ホンットお前……この期に及んで強情だなぁ……ッ?♡」
「ぅ、うるさい……っ♡♡♡」
み♡みられてるッ♡歩く人みんなに、俺たちのコト見られてるッ♡俺がオジサンに腰抱かれて歩いてるのッ♡全員に、見られてるぅッ♡こ♡これ♡ぜったいカノジョだって思われてるッ♡ぜったい俺、いまオジサンのカノジョだって思われてるッ♡昼間からイチャつきやがってって♡このリア充って♡見てる人からッ♡こ♡恋人扱い♡されてるよぉっ♡♡♡
だ、だめ♡最初からやだって思ってたけど、でもっ♡オンナノコのカッコしてるだけでこんな人の視線が気になる、なんてッ♡こんなッ♡こんなのむりッ♡一日中こんな状態でッ♡ひとに見られてっ♡オジサンのカノジョ扱いされてるって意識しながらッ♡ずっとえっちなことナシなんてッ♡そんなの、むりぃッ♡もぉゾクゾクしてるのにッ♡おまんこムズムズしてるのにッ♡ちんぽおあずけなんて♡おあずけされっぱなしなんてぇッ♡♡♡
で、でもッ♡カノジョ♡カノジョって認めたら♡オジサンのオンナになっちゃうッ♡オトコじゃなくてッ♡本気でオジサンのカノジョになっちゃうし、されちゃうッ♡そんなのダメ♡俺オトコなんだから♡ちゃんとオトコ♡オトコなんだからッ♡ふぁ♡ふあぁ♡オジサンっ♡勝手に我慢できなくなってッ♡勝手にちんぽ我慢できなくなってッ♡無理やり俺のことラブホ連れ込んでッ♡ラブホハメしてくれればっ♡いいのにぃ……ッ♡♡♡
「オイオイ、なにひとりでトロ顔してんだ?♡」
「ふ、ふぇッ?♡ぁ、な、なんでもないっ♡」
「デートなんだからちゃんと俺に集中しろよ……ほら、どっか行きたいトコとかねぇのか?」
「ぃ、行きたいトコ……っ?」
そ、そんなこと言われてもッ♡ラブホなんて言えないしッ♡
ぇ、映画?
カラオケ……?
だ、ダメ♡人目はないけど暗いしッ♡密室だしッ♡絶対オジサンに好き勝手イタズラされるっ♡カノジョになれ、ってッ♡延々寸止めいじわるされちゃうからッ♡ぜったいダメっ♡
てゆーかオジサンっ、自分からデート誘っといて俺任せなのッ?♡わざわざ俺にこんなカッコさせてジマンとか言ってたから、てっきり「俺の考えた完璧なスケベプラン♡」とか考えてきてたかと思ってたのにッ♡ずっとセクハラ三昧でッ♡ギラギラな高級店連れて行ったりッ♡星アリのレストラン行ったりッ♡夜はホテルのスイートとか取ってて鍵見せてきたりするッ♡オヤジ臭いデートすると思ってたのに……ッ♡そ、それなのに俺が行きたいトコ決めるなんて……っ♡この辺で行きたいトコあったかな……っ♡
えっと、えっと、えっと……、
「……ぁ」
あ……。
それなら……っ!
「──アイス屋、なぁ」
「アイスじゃなくてジェラートっ。彼女が来たいって、言ってたから……っ。し、下見ッ」
そうやってなんとか思いついて、やって来たのは最近この辺りにできたジェラート屋。本場で修行した人が開いたっていう店で、オジサンに言った通り、彼女がSNSで見つけて行きたいと話していた場所だった。店は奥まった場所にあって、バズったせいか長い列ができてたけど、オジサンは渋る様子もなくここまで一緒に俺と歩いてきたし、列にも一緒に並んでくれて、なんだか拍子抜けした気分になった。な、なんだよ。もっと、文句言うかと、思ってたのに……っ♡
「つうか今はお前が俺のカノジョだろ?そこちゃんと守れよな」
「っ、だからッ、カノジョじゃない……ッ♡」
「ったく。わかったからアイスの種類選べ。もう順番来るぞ」
「だからジェラートだってッ。えっと、それならっ、コレと、コレと、コレっ」
意外と速い列の進みに、俺は慌ててオジサンにジェラートの種類を伝える。それを聞いたオジサンはソツなく注文をして、なんの躊躇いもなく自分の財布で金を払った。あっ。べ、別に、そういうつもりじゃ、なかったんだけど……。
「ほらよ」
「う、うん。えっと……金、いくら?」
店よりもっと奥に行った人気のない路地で差し出されるジェラートを受け取りながら、俺は店でオニーサンから押しつけられた小さい女物のバッグを漁る。いつの間にか俺が持ってた荷物はこっちに入れ替えられたみたいだ。
用意周到……。
変わらずヘンにチクチクした気分になるけど、さすがにこういうのまでぜんぶ払って貰うのは落ち着かない。だから、と俺も財布を取り出すと、すぐ、オジサンから制されてしまった。
「今更気ィ使ってんじゃねぇよ。カノジョなんだから大人しく奢られとけ」
「なッ。だ、だからカノジョじゃないしッ♡」
「今までだってラブホの金は俺持ちだったし、お前もそれは受け入れてただろ?だからそれの延長だ。気にすんな」
「ぅ……いいの?」
「いいの」
「ッ……、──っ♡」
上目遣いで尋ねれば、俺の言葉をリピートするように「いいの」、とやけに子供っぽい口調で言われて、奥のほうがやたらきゅーんとする。ぅう、なにこれ……っ♡またなんか、きゅんきゅん、してるよぉ……ッ♡
「なら、もう金の話はナシだ。いいな?」
「わ……わかった。俺は、カノジョじゃないけど……ッ」
「強情だな……殊勝なのか厚かましいのかどっちかにしろよ……」
「っ……♡」
あきれるオジサンの態度に、なぜかきゅんきゅんがもっと強くなる。いつもエッチのときはやたらイジワルで余裕ぶってるオジサンのこんな顔を見るのははじめてで……。なんか、なんだろっ、無性に、かわいい……とか、思っちゃう。持ってるジェラートだってミルクの一種類だけだし。俺はちゃんと、ナッツとピスタチオとストロベリーのトリプルにしたのに。イチイチ人生経験豊富そうなクセに、こういうのはやっぱオジサンだから疎いのかな……?
「おい」
「ん?なに?」
「ほれ。あーん」
チラチラとオジサンを横目に見ながら、あれこれ考えてジェラートをスプーンでつついていると、いきなりオジサンがスプーンにミルクジェラートをひと口をすくって、俺へと差し出してきた。
「へっ!?」
でも、そんなことされるなんて思ってなかった俺は、当然、ビックリしてしまう。
あ、当たり前じゃんッ!?♡だって、そんなッ♡フツーの恋人同士みたいなコト、するとかッ♡オジサンがそゆことしてくるとかッ♡お、思わ、ないじゃんッ!?♡
「あ?デートなんだからこれくらいさせろよ。早く食えって」
「だ、だからっ、俺は、カノジョじゃ……っ♡」
「御託はいいんだよ。この味、お前は頼んでねぇだろ?だから味見だ、味見」
「ぅ♡うぅ♡も、もぉッ♡ぉ♡オジサンの、ばかっ♡」
もっともらしいことを言いながら、ほれほれ、といかにもオヤジ臭い仕草でスプーンを揺らすオジサンに、俺は反論できないまま仕方なくクチを開ける。た、確かに、ちょっとだけ、ミルクジェラートも食べたいなって、思ってた、けど……ッ♡
「ん、んぅ♡」
そのままスプーンをまるごと、ぱくりとクチに頬張れば、シンプルなミルクジェラートの味が舌の上に広がっていく。あ♡つめたいっ♡あまいけど……さっぱりしてて、おいしいっ♡ミルクの味、濃くて、おいしい……っ♡俺も頼めばよかったな、これ、おいしい……っ♡
「どうだ?うまいか?」
「ん、おいしぃ……っ♡」
「じゃあもっと食えよ。ほら」
「えっ。いいの?」
「ああ。俺は甘いの、そこまで得意じゃねぇしな」
「……、そっかぁ」
そっか、オジサン……甘いの、そんな好きじゃないんだ。わざわざ遠くまで歩かせて、長い列並ばせて、奢らせて……なんか悪いことしちゃったかな。なんとなく、ちょっとだけ罪悪感を感じるけど、それを「気にするな」って言うみたいに、今度はスプーンじゃなくてコーンごと、オジサンはジェラートを差し出してくる。
「だから、ほら。好きなだけ食えよ」
「ん……わかった。ありがと、オジサン」
べつに、気遣われてるなんて、思わないけど。
思わないけど、俺は素直にゆっくりと、ジェラートの山へ舌を伸ばす。
「ん、ふ……♡」
ちょっとだけ溶け出してるジェラートの端をちろりと撫でて、くりくりと舌先を押し込んでから、上にそっと舐め上げる。そのまま先端にはむっとかぶりついて、ちゅうっと吸って。口の中にミルクの味を転がせながら、はふはふと吸いついていく。
「んぅ♡はふ♡ふぁ♡」
ぁ♡こ♡これ♡
な、なんか♡ちょっとっ♡
ふぇ♡フェラっぽい……ッ♡
フェラなんかやったことないけどッ♡シたこと、ないけどッ♡フェラって、きっと、こういう感じな、気がする……ッ♡ゃ♡やばいっ♡なんかゾクゾクするっ♡ぞわぞわ、するっ♡ぉ♡オジサン♡気づいてるかな?♡俺が♡フェラみたいにえっちにジェラート食べてるって♡気づいちゃってるかなっ?♡こ♡コーフン……っ♡してる、かなッ?♡うぁ♡やだッ♡ヘンなこと考えたらッ♡ゾクゾクするの、とまんないッ♡
「こ、これっ♡ぜんぶ食べちゃって、いいっ?♡」
「ッ……いいぜ♡好きなだけ食えよ?♡」
「ぁ、んんッ♡わかったぁ……ッ♡んぅ♡んんぅ♡」
俺は自分からアピールするみたいにオジサンへ上目遣いで目配せして、そっと右手をコーンに添えて、ジェラートを舐め取っていく。
ぁぅ♡なんかさっきより、おいひ……っ♡オジサンに見られて食べるみるく味っ♡すっごい、おいひ……っ♡
「んぁ♡ふあぁ……ッ♡」
ジェラートの山がすっかりなくなって、コーンの奥だけに固まったところをぢゅううぅっ♡と音を立てて吸ってから、俺は舌を伸ばしてようやくクチを離す。
ふ、ふぁ♡む、夢中で、食べちゃった……っ♡オジサンに見られながらっ♡疑似フェラでジェラート食べるのすっごいおいしくてッ♡ほとんどなくなるまで、一生懸命食べちゃったぁ……ッ♡
「ふぁ♡ん、ぅう……ッ♡」
や、やだ……ッ♡ただジェラート食べただけなのにっ♡おいしいみるく味味わっただけなのにっ♡なんかっ♡カラダっ♡イかされたみたいにぽうっとしてるよぉ……っ♡♡♡
「ちゃんと食べたか?クチ開けてみろ?」
「ぁ♡た、食べたよぉ♡んぁ♡」
ぼんやりしてるとオジサンに顎をとられて、俺は言われるがまま、ぱかりとクチを開ける。ちゃんと食べたかって、食べたのジェラートだから確かめる必要ないのに……ッ♡オジサン、ナニ、言ってんだろ……っ♡
「ん~……よしよし♡空っぽだな♡」
「ふぁ♡」
褒められたような口調に、やっぱりフワフワとした気持ちをとめられない。自分からエッチなことしちゃったせいか、やっぱりイったあとみたいに頭がぽんやり浮ついてる。きっとそんな気分だったから、「俺だけじゃやだ」、なんて思っちゃったんだ。俺ばっかりされるのなんてズルい、って。……そう、思っちゃたんだ。
「……ね?オジサンも……食べよ?」
「あ?──ッ。な、なんだよ、いきなりスプーン差し出してきて」
残っていたジェラートのコーンをむしゃむしゃと食べ終えたオジサンに、今度は俺がスプーンを差し出す。トリプルのいちばん下にあって、まだひとつだけ残ってた、ストロベリージェラートが乗ったスプーンを。
「あーんだよっ。オジサンも、今したじゃん?♡」
そう、俺がやったのは「あーん」。オジサンが不意打ちでやってきた、さっきのヤツ。でも同じことをやってきたクセに、差し出されたスプーンを見たオジサンは、うろたえたように視線を泳がせる。
「ッな。ば、馬鹿か、俺はそんなモン良いって……お前が好きなの食えりゃ良いんだよ」
「……」
ナニ、その態度。
動揺して。まごまごして。テンパっちゃって。
ぜんぜん、いつものオジサンじゃないじゃん。
……ナニ、それ。
すッごい、かわいい……ッ♡♡♡
「ダメっ。このジェラート、あんまり甘くなくて美味しいし。だから、ね?オジサンも食べて?♡ねっ?♡」
「っ……、」
「ね……っ?♡」
「ッ、わ、わかったよ……」
押し強めな俺の催促へ困ったように眉を下げて、渋々クチを開けるオジサンの姿は、やっぱりはじめて見る姿で。やっぱり胸が、きゅんとする。
はぁ、どうしよ……っ♡今日、ほんとっ、きゅんきゅん、すごい……っ♡
「んっ……」
俺が差し出したストロベリージェラートに、俺と同じようにはむっとかぶりつくオジサンの仕草をぽんやり追ってしまう。こうやってなにかを食べてるトコロを見ると、誰かになにかを食べさせてあげるのって楽しいんだな、と思う。なんかこういうの……久々。……俺はもっとオジサンにジェラートを食べてほしくなって、またスプーンでジェラートを掬う。久々の感じを、もっと、味わいたかったから。
「どう?♡おいし?♡ほら、もっと食べ……、──ッ」
……でも。
そこに、ふっと。
ひとりの姿が……俺の視界へ、入った。
「ッ」
その瞬間、一気に意識が現実に引き戻されて、俺は固まってしまう。
だって。
……だって。
そこにいたのは、……俺の彼女。
女友達とジェラート屋に来た雰囲気で、楽しげにジェラートを持ってる……俺の彼女──だったからだ。
「っ──!」
さっと顔が青ざめる。自分の状況と格好に、どうしたらいいのかわからなくなる。
か♡彼女ッ♡
うそ♡うそッ♡こんなとこでッ♡会っちゃう、とかッ♡やだ♡やだッ♡ぉ、オンナノコっ♡オンナノコ扱いされてる俺っ♡かっ♡彼女に、みられちゃうッ♡オジサンとの浮気デートでっ♡自分からオジサンにあーんしてっ♡完全にカノジョ扱いされてる俺ッ♡見られ、ちゃうッ♡しかもっ♡しかも、あの服……ッ♡♡♡
「おい」
「ッ!♡」
完全に戸惑ってる状態でオジサンに声をかけられて、俺はびくん、とカラダを強張らせる。反射的にその姿を見上げれば、一気に挙動不審になった俺の様子を見たからか、オジサンも明らかになにかを察したような顔をしていた。
あッ♡こ、これっ♡オジサンにもッ♡バレ、ちゃう……ッ♡♡♡
「なぁにビクっとしてんだ?♡知り合いでも居たか?♡」
「ぃ♡いないッ♡いないからッ♡」
「へぇ?♡でも俺、なーんかあの服見覚えあるんだよなぁ?♡」
「っ……!♡」
そう。
彼女は……この前オジサンを家に入れたときに忘れてった、例のカラフルな花柄のブラウスを着ていた。だからオジサンに彼女の姿を見られたら、あれが「俺の彼女」だってすぐに気づかれるって、俺もなんとなくわかってたんだ。
ッ、どうしよっ♡どう、しよッ♡これっ♡オジサン、怒らせたかなっ♡あのときみたいにッ♡はげしくされちゃう、かなッ♡そ、そのままヘンなことッ♡えっちなコトされたらッ♡本気でバレちゃうッ♡さすがにちゃんと顔見られたらっ♡女装とメイクしててもッ♡彼女にぜったい俺ってバレちゃうよぉっ♡うぅッ♡どうしよっ♡どうしよ……ッ♡♡♡
いよいよ本格的に混乱して、どうしたらいいのかわからずに立ち尽くせば、ぐいっと突然、力強く引き寄せられて。
「っひゃ!?」
俺はオジサンの胸の中に……すっぽりとカラダを、包まれる。路地から背を向けるようなカタチは、まるで、俺を──彼女から、隠してくれてる……みたいだ。
「落ち着けよ。ココに居りゃ、お前の彼女からは見えねぇだろ?」
「ぇ……」
そしてそれを正しい「答え」として示すように、オジサンは俺を覗き込んで、笑う。
「っ……♡」
お、オジサンっ……。ほんとに、俺を、隠してくれたの?か、彼女から、俺のこと、かばって、くれた……っ?♡
「ぁ♡ぉ、オジサン……っ♡♡♡」
意地悪いけど、いじめようとしてるわけじゃないってわかる笑顔に、また胸が……ううん、今度は全身が、きゅーんと疼く。なんでそんなにやさしいの、って、オジサンを見つめてしまう。するとオジサンは、さっきみたいにまた俺の顎をとって。
「それにこうすりゃ、顔も見えねぇだろ?♡」
「ぇ?ぁ……ん、んぅッ!♡」
そのまま……ちゅうを、してきた。
「ッ……!♡」
ぁッ♡ちゅ、ちゅうッ♡
いまっ♡ちゅうっ♡♡♡
これ♡コレッ♡恋人ちゅう♡カノジョちゅうぅッ♡ホントの彼女がこんな近くにいるのにッ♡俺ッ♡オジサンと♡恋人ちゅう、シてるッ♡ぁ♡ぎゅって♡ぎゅうってされてるッ♡クチのナカだけ念入りにえっちなコトされながらッ♡オジサンのおっきぃカラダでッ♡ぎゅうって♡見つからないようにっ♡恋人ハグされてるッ♡やだっ♡オジサンっ♡これやだっ♡いきなりやさしくするの、やだぁっ♡ぎゅってして隠してくれるの、だめぇッ♡ぎゅってしちゃうっ♡おれも♡ぎゅってしちゃうからっ♡ちゅう♡ちゅうもやだッ♡オジサンっ♡ちゅうも、やなのッ♡おれっ♡最近オジサンとのちゅうすきだからッ♡すごい、超、すきだからッ♡彼女ッ♡彼女がいるのにッ♡オジサンとだいすきちゅうッ♡本気でっ♡しちゃうからッ♡
ぁ♡あッ♡舌ちゅうちゅう吸われてるっ♡いっぱい唾液、交換しちゃうッ♡あっ♡こ、これッ♡俺がたべたミルクジェラートとっ♡オジサンにたべさせたストロベリージェラートのあじっ♡クチの中でまじってるッ♡オジサンと俺のクチのなかでッ♡ジェラートっ♡えっちないちごみるく味になっちゃってるッ♡ふぁ♡これぇ♡なんかすごいえっちッ♡えっちぃッ♡♡♡すごいえっちなことッ♡彼女の前で隠れてっ♡オジサンとしちゃってるぅッ♡♡♡ぁ、だめッ♡これッ♡きもちぃ♡きもちぃ……ッ♡♡♡
「ん、ふ♡ふぁ♡ふぁあ……ッ♡」
「ン♡ごちそうさん♡」
唇に残ったジェラートを舐めとるように、ちゅ♡ちゅ♡と念入りに唇を啄まれてから、ゆっくりと口を離される。ぺろりと唇を舐めるオジサンの仕草に、やたらドキッとしてしまう。
「ぁ♡ふぁ♡ぉ♡オジサンの、ばかッ♡こ♡こんなトコでッ♡ちゅう、してっ♡」
「別にイイだろ?♡おかげでカノジョ、もうどっか行っちまったぜ?♡」
「ぇ?あ……っ。ほ、ホントだ……っ」
オジサンの胸からひょこっと路地を覗けば、その言葉通り、彼女の姿はもうどこにも見えない。こ、これ……やり過ごせた、ってこと、なのかな……。
「俺たちが恋人イチャつきしてたからなぁ♡邪魔しないでくれたんじゃねぇか?♡」
「んぁ♡ゃ♡こっ♡こいびとじゃ♡ぁ♡おじひゃ……ッ♡」
また耳元でささかれて、くっと腰を引き寄せられる。そのままやわやわとおしりを撫で回してくる手つきに、俺はオジサンにぎゅっと抱きついて、いやいや、と首を振る。するとオジサンはもっと熱っぽい息を吐いて、俺の鼓膜にもっとエッチな声を、流し込む。
「今日ホンットお前可愛いなぁ……ッ♡手ェ出さない約束してなけりゃ、即ラブホ連れ込んで即ハメしてたぞ……ッ?♡」
「あッ♡や♡や、ぁッ♡」
やっ♡やだぁっ♡なんでいまそういうこと言うのっ♡今日はエッチなコトしないって言ったのにっ♡なんでエッチな気分にさせるようなコトっ、言うのぉっ♡そ、そんなに言うなら♡すればっ、いいのにっ♡店で言った約束なんかわすれてっ♡いつもみたいに強引にッ♡いつもみたいにスケベなエッチッ♡シて、いいのにぃ……ッ♡♡♡
「でもお前がまだカノジョって認めてねぇからな……ッ♡お互い、まだ、お預けだな……ッ?♡」
「んぁ♡かっ♡カノジョぉ……ッ♡」
カノジョっ♡カノジョ……っ♡おあずけ……ッ♡♡♡
ッも、もし、それ、いま認めたら……ッ♡俺が、オジサンのカノジョって、いま、認めたら……ッ♡オジサンと、えっち、できる……ッ?♡か♡カノジョって認めたらッ♡オジサン、えっち、してくれるの……ッ?♡いまから即ラブホ行ってっ♡さっきみたいなあまあまべろちゅしながらッ♡ぎゅうってシながらッ♡おまんこいっぱいトントンしてくれる、らぶらぶえっち……ッ♡すけべであまあまなラブハメえっち……ッ♡いっぱい♡いっぱい♡シて、くれるの……ッ?♡♡♡
あ……ッ♡うぁ……ッ♡ッぁ、だ、だめ……ッ♡だめっ♡だ、めぇ♡おれ、オトコっ♡オトコ、なんだからッ♡おれ♡オトコ、なんだからぁっ♡それだけはっ♡それだけは、ちゃんとっ♡いままでちがうってしてきた、からぁ♡カノジョっ♡カノジョって、認めるのだけはっ、だめぇ……ッ♡♡♡
「っ……♡♡♡」
俺は必死に首を振って、オジサンの胸を押し返す。そしてまだ残っていたジェラートを食べ切って、つよく、オジサンを見つめる。
み、認め、ないっ♡
ながされ、ないっ♡
オジサンのカノジョには、まだ、ならないから……ッ♡♡♡
「ぃ、行こっ!お、おれッ♡また行きたい場所、あるからッ♡」
「──、」
ヤケみたいに宣言する俺をぽかん、と一瞬だけ呆けたように見つめたオジサンは。……すぐに俺を、いつものスケベな、意地悪な顔で、笑みをつくる。
「ホンットお前……この期に及んで強情だなぁ……ッ?♡」
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