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フタリはあやしい
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「ね。あのふたり付き合ってると思う?」
「んん。どれ?」
「あれ。あっちの向かいのソファ席。リーマンと私服。」
「ああ、あれか……うわ、なんかリーマンのほう余裕あっていいなぁ。ああいう攻めになりたい……」
「ふふっ。浜松じゃ、まだ無理かも。」
「えっヒドい!」
それからは毎週、俺は羽々寧さんとハメカフェでデート……を、するようになった。
することは単純。いつもの奥のソファ席で、カフェの中に居る他のカップルを観察して、あーだこーだ話すこと。大体はそのふたりが付き合ってるかどうかが主題で、勝手に想像を膨らませて盛り上がる。なにせオタクは俯瞰が好きな生き物。お互い人間観察が好きな下世話同士、それだけでも楽しい話題だ。
ソファに座って、細い私服の腰を引き寄せて耳元にキスをしてるリーマンは、明らかに攻めって雰囲気。余裕があるのにちょっと遊んでいるような笑顔は、あけるん先輩を思い出させる理想の攻めしぐさだ。私服はリーマンのキスに顔を赤くして縮こまっていて、ヒクヒクと小刻みに震えている。感じてるのを隠そうとしてるのに全然隠せてない詰めの甘さが可愛い。年上、かな?
「どう?」
「受けが可愛い。年上でツンっぽいのにチョロそうでイイ」
「攻めも良いよね。相手のことをちゃんと見ながら動いてる。相当巧そう。」
「うまい?なにが?」
「全部。受けを物凄く満足させそうな感じ。」
「俺とは違う?」
「全然違う。」
「もぉ~っ!」
少しだけ焚き付けても、羽々寧さんはいつも通りのこんな態度だ。素っ気ないし全然つれない。普通に話してても、俺をからかうのには余念がない感じ。人をタネにして話すのは楽しいけど、毎回これだとやっぱりちょっとしょげたくなる。やっぱ俺のこと、好き勝手にオモチャにしたいだけなんじゃない?って。
でも……。
「でも、僕は、浜松みたいなほうが好み。」
「ッ♡な。なにそれ……っ♡」
「言ったまま。僕は、浜松みたいに生意気で、肝心な時にうまくできなくて、でも素直で勢い任せなほうが好きだよ。」
「だ、だからぁっ、それ、ズルいってぇ……ッ♡」
でも、羽々寧さんはこういう人だ。
俺が凹んだタイミングをバッチリ狙って、フォローするような、キュンキュンさせるようなことをドンピシャで言ってくる。それはいつも俺にとってはとんでもない破壊力で、胸の奥も心の中も、乱れ雪月花ってレベルでぐっちゃぐちゃに掻き回されてしまう。……ああもぉっ、なんで真顔でそういうこと言うかなぁッ!?♡
「僕、ずるい?」
「ズルいよっ♡だって狙ってやってるでしょッ!?♡」
「うん。でも浜松、こういうの、好きでしょ?」
「いやっ、それはっ、好きだけどぉ……ッ!♡」
好きだけどっ、そういうの毎回毎回やられたらっ、俺、大変だからっ!♡マジで心臓っ、保たないからっ!♡だから羽々寧さんっ、そういうのはもうちょい、手加減してやってほしいんだけど……ッ!♡
「好きなら良いよね。……浜松。もっと、くっつこ?」
「ッ──!♡♡♡」
そのままコテン、と俺へもたれ掛かって、腕まで絡めてくる羽々寧さん。
あーっ、なにそれっ、ああもぉ……っ!♡
くそぉっ、あぁもぉッ、かわいいなぁ……ッ!♡♡♡
「んん。どれ?」
「あれ。あっちの向かいのソファ席。リーマンと私服。」
「ああ、あれか……うわ、なんかリーマンのほう余裕あっていいなぁ。ああいう攻めになりたい……」
「ふふっ。浜松じゃ、まだ無理かも。」
「えっヒドい!」
それからは毎週、俺は羽々寧さんとハメカフェでデート……を、するようになった。
することは単純。いつもの奥のソファ席で、カフェの中に居る他のカップルを観察して、あーだこーだ話すこと。大体はそのふたりが付き合ってるかどうかが主題で、勝手に想像を膨らませて盛り上がる。なにせオタクは俯瞰が好きな生き物。お互い人間観察が好きな下世話同士、それだけでも楽しい話題だ。
ソファに座って、細い私服の腰を引き寄せて耳元にキスをしてるリーマンは、明らかに攻めって雰囲気。余裕があるのにちょっと遊んでいるような笑顔は、あけるん先輩を思い出させる理想の攻めしぐさだ。私服はリーマンのキスに顔を赤くして縮こまっていて、ヒクヒクと小刻みに震えている。感じてるのを隠そうとしてるのに全然隠せてない詰めの甘さが可愛い。年上、かな?
「どう?」
「受けが可愛い。年上でツンっぽいのにチョロそうでイイ」
「攻めも良いよね。相手のことをちゃんと見ながら動いてる。相当巧そう。」
「うまい?なにが?」
「全部。受けを物凄く満足させそうな感じ。」
「俺とは違う?」
「全然違う。」
「もぉ~っ!」
少しだけ焚き付けても、羽々寧さんはいつも通りのこんな態度だ。素っ気ないし全然つれない。普通に話してても、俺をからかうのには余念がない感じ。人をタネにして話すのは楽しいけど、毎回これだとやっぱりちょっとしょげたくなる。やっぱ俺のこと、好き勝手にオモチャにしたいだけなんじゃない?って。
でも……。
「でも、僕は、浜松みたいなほうが好み。」
「ッ♡な。なにそれ……っ♡」
「言ったまま。僕は、浜松みたいに生意気で、肝心な時にうまくできなくて、でも素直で勢い任せなほうが好きだよ。」
「だ、だからぁっ、それ、ズルいってぇ……ッ♡」
でも、羽々寧さんはこういう人だ。
俺が凹んだタイミングをバッチリ狙って、フォローするような、キュンキュンさせるようなことをドンピシャで言ってくる。それはいつも俺にとってはとんでもない破壊力で、胸の奥も心の中も、乱れ雪月花ってレベルでぐっちゃぐちゃに掻き回されてしまう。……ああもぉっ、なんで真顔でそういうこと言うかなぁッ!?♡
「僕、ずるい?」
「ズルいよっ♡だって狙ってやってるでしょッ!?♡」
「うん。でも浜松、こういうの、好きでしょ?」
「いやっ、それはっ、好きだけどぉ……ッ!♡」
好きだけどっ、そういうの毎回毎回やられたらっ、俺、大変だからっ!♡マジで心臓っ、保たないからっ!♡だから羽々寧さんっ、そういうのはもうちょい、手加減してやってほしいんだけど……ッ!♡
「好きなら良いよね。……浜松。もっと、くっつこ?」
「ッ──!♡♡♡」
そのままコテン、と俺へもたれ掛かって、腕まで絡めてくる羽々寧さん。
あーっ、なにそれっ、ああもぉ……っ!♡
くそぉっ、あぁもぉッ、かわいいなぁ……ッ!♡♡♡
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