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【これからのふたり】
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「ん~♡なおくん♡なおくんっ♡♡♡」
「っ……♡だから引っ付くなよウッゼェな……っ!♡とっとと帰れよッ♡こっちはまだ動画の編集残ってんだぞッ」
「ん~っ。それは、わかってるけど……。でも、配信、お金っ。今までで一番貰えたしっ。フォロワさんも、いっぱい増えたんでしょっ?♡」
「……。」
今日も今日とて散々ヤった後、背中から俺に引っ付いている久慈。
例の配信が終わって、少しばっか燻っていた俺のアカウントは、爆発的なことになった。配信はほぼ一日リアタイランキング一位取りっぱなし。同接は四千人越え。投げ銭は過去最高額。フォロワーは一気に三千人増えた。想像した以上のウハウハっぷりだが、あんなクソダサ失禁配信を四千人に見られたのかって考えると、正直本気で胃が痛ぇ。
「いっぱいいろんな人に見てもらえたねっ。なおくん……よかったねっ♡」
「うっせぇよ……ッ♡どうせテメェは金貰えりゃ満足なんだろ?」
「んんっ。それも、ある、けど……。でも、おれは……。なおくんのお手伝いできたのが、うれしい……なぁ?」
「は、はぁっ!?♡♡♡ばっ♡なに……ッ♡♡♡そ、そんなこと言われても嬉しくねぇからなッ!?♡」
「んんんっ♡なおくんっ♡かわい~~~♡」
「ひっ!?♡ぁ、ば、ばか♡なに、また、サカって……ッ♡……──ん?」
俺の返事を聞いて満足げにニマニマと笑う久慈は、耳元にキスしながらまだしつこく身体を弄ってくる。マジでどんだけクソデカチンポモンスターなんだよ、お前……ッ♡♡♡
抵抗しつつ、前にも増して来るようになったDM(いい加減チン凸やめろ短小共)を開くと、そこには「攻めくん最高にかっこよかったです♡セフレくんですか?フリーだったらお相手してほしいなー♡」「配信えっちでさいこーでした♡あーちゃんさんのこともっと知りたい~♡」「攻めくんのアカウントありますか?教えてほしいです!おちんぽ写真いっぱい見たい♡♡♡」とかナントカ、やたらと久慈のことを言ってる内容が並んでいる。
「……あれっ?えっ?えっ?これ、おれのこと言ってくれてるっ?わっ、あーちゃんかっこいい、だって!♡すごーいっ!♡」
「……。」
当然のようにDMを盗み見て、ワァワァ無邪気にはしゃぐ久慈。
……確かに今回の配信の反響は、竿役のお陰もあるだろう。どんな配信も、初モノが一番注目されんのがセオリーだ。配信界じゃ前から人気のある俺が初めて竿を入れてハメ配信したんだ、そりゃ相手のこいつが注目されんのも当然だろう。ハナから陽キャ、タッパもあって見た目だって悪くねぇ。そりゃ、周りのメス男子だって、ほっとかねぇはず……。
「……チッ」
でも、それを見てもちっとも良い気分にはならない。こいつのことを含めて周りにマウントとるつもりだったのに、実際にその反応を見たらむしろイラつきのほうが余裕で勝る。別に、こいつなんて、ただのセフレで、体の良い生ちんぽでしかねぇけど。でも、それでも、良い気はしねぇ。
あぁ、クソッ、気に食わねぇ。久慈は俺のセフレなんだ。俺の身体で。俺の生ちんぽで。俺のモンなんだよ。他のヤツがぬるい興味本位で手ぇ出していい男じゃねぇんだ。クソ……ッ。
「……。ね……なおくん?」
「あ゙?……うわっ♡♡♡」
俺がDMを見つめたまま唇を噛んでいると、がばっと抱き締められた。毛布ごと包まれて、デカい身体で後ろから覗き込まれて、ゆるりと、柔らかく、微笑まれる。
「また一緒に……えっち撮影、しよ?♡」
「は、っ?♡な、なんだよ、いきなり……っ♡」
「したくなったの♡ね♡今度ははじめから……らぶらぶえっち、ね?♡」
「ぁ、ンッ!?♡ふ♡ふぁ♡ぅ♡うぅ゙ッ♡」
俺が突然の誘いを訝しんでも、久慈は笑うだけだ。愉しげに口元を緩めて、また、しつけぇキスをしてくる。優しい、久慈らしい、鬱陶しいくらいに俺を甘やかして、食らい尽くすキス。とけてくのを感じる。またこいつに、俺のナカを、溶かされちまってる気がする。
あぁ、くそっ♡いちいちキス、してくんなっ♡また配信したい、って……どうせ金に味、占めたんだろッ♡なにがらぶらぶえっち、だよッ♡マジでこいつ、単細胞な、ドケチ野郎──。
「ん゙、んぅ゙ッ♡ふ、ふぅ……ッ♡」
何度も何度も、唇を食んでから離して。俺を、見つめて。そうして──。
「ン♡……ん♡ふふ……っ♡なおくん……っ♡あのね。おれね。なおくんのこと。だいすき、だからねっ♡」
「は……ッ。──。……はあああぁぁぁぁッ!?♡♡♡」
……そうして、なんの迷いもなくそんなことを言ってきやがった久慈に、俺は、目を開いて絶叫する。
す、すっ、すすす、だっ、だだだだっ、だっ、すっ、す、すッ……!!!!!!!!!!!!!
ばばばばば、バカじゃねぇのか。ななななななな、なに言ってんだ。くくくくくくくっ、くだらないことほざいて、媚びてんじゃねぇぞ──!!!!!!
反論したいことは山ほどあんのに、言いたいことはなにひとつ言葉になってくれない。カエルみたいにパクパク口だけを動かしたまま、俺はなにもできず、ただ顔を紅くする。
「ふふっ♡なおくんっ♡♡♡」
「あ、ぁっ、うわッ!♡♡♡」
心底嬉しそうな久慈。
床に押し倒される俺。
相変わらず、クソみてぇに素直になれない、俺の性根。
それでも俺の頭の触覚だけは、俺の隠されたほんとうの想いを示すように──ピコピコと、きれいなハートマークを描いていた。
「っ……♡だから引っ付くなよウッゼェな……っ!♡とっとと帰れよッ♡こっちはまだ動画の編集残ってんだぞッ」
「ん~っ。それは、わかってるけど……。でも、配信、お金っ。今までで一番貰えたしっ。フォロワさんも、いっぱい増えたんでしょっ?♡」
「……。」
今日も今日とて散々ヤった後、背中から俺に引っ付いている久慈。
例の配信が終わって、少しばっか燻っていた俺のアカウントは、爆発的なことになった。配信はほぼ一日リアタイランキング一位取りっぱなし。同接は四千人越え。投げ銭は過去最高額。フォロワーは一気に三千人増えた。想像した以上のウハウハっぷりだが、あんなクソダサ失禁配信を四千人に見られたのかって考えると、正直本気で胃が痛ぇ。
「いっぱいいろんな人に見てもらえたねっ。なおくん……よかったねっ♡」
「うっせぇよ……ッ♡どうせテメェは金貰えりゃ満足なんだろ?」
「んんっ。それも、ある、けど……。でも、おれは……。なおくんのお手伝いできたのが、うれしい……なぁ?」
「は、はぁっ!?♡♡♡ばっ♡なに……ッ♡♡♡そ、そんなこと言われても嬉しくねぇからなッ!?♡」
「んんんっ♡なおくんっ♡かわい~~~♡」
「ひっ!?♡ぁ、ば、ばか♡なに、また、サカって……ッ♡……──ん?」
俺の返事を聞いて満足げにニマニマと笑う久慈は、耳元にキスしながらまだしつこく身体を弄ってくる。マジでどんだけクソデカチンポモンスターなんだよ、お前……ッ♡♡♡
抵抗しつつ、前にも増して来るようになったDM(いい加減チン凸やめろ短小共)を開くと、そこには「攻めくん最高にかっこよかったです♡セフレくんですか?フリーだったらお相手してほしいなー♡」「配信えっちでさいこーでした♡あーちゃんさんのこともっと知りたい~♡」「攻めくんのアカウントありますか?教えてほしいです!おちんぽ写真いっぱい見たい♡♡♡」とかナントカ、やたらと久慈のことを言ってる内容が並んでいる。
「……あれっ?えっ?えっ?これ、おれのこと言ってくれてるっ?わっ、あーちゃんかっこいい、だって!♡すごーいっ!♡」
「……。」
当然のようにDMを盗み見て、ワァワァ無邪気にはしゃぐ久慈。
……確かに今回の配信の反響は、竿役のお陰もあるだろう。どんな配信も、初モノが一番注目されんのがセオリーだ。配信界じゃ前から人気のある俺が初めて竿を入れてハメ配信したんだ、そりゃ相手のこいつが注目されんのも当然だろう。ハナから陽キャ、タッパもあって見た目だって悪くねぇ。そりゃ、周りのメス男子だって、ほっとかねぇはず……。
「……チッ」
でも、それを見てもちっとも良い気分にはならない。こいつのことを含めて周りにマウントとるつもりだったのに、実際にその反応を見たらむしろイラつきのほうが余裕で勝る。別に、こいつなんて、ただのセフレで、体の良い生ちんぽでしかねぇけど。でも、それでも、良い気はしねぇ。
あぁ、クソッ、気に食わねぇ。久慈は俺のセフレなんだ。俺の身体で。俺の生ちんぽで。俺のモンなんだよ。他のヤツがぬるい興味本位で手ぇ出していい男じゃねぇんだ。クソ……ッ。
「……。ね……なおくん?」
「あ゙?……うわっ♡♡♡」
俺がDMを見つめたまま唇を噛んでいると、がばっと抱き締められた。毛布ごと包まれて、デカい身体で後ろから覗き込まれて、ゆるりと、柔らかく、微笑まれる。
「また一緒に……えっち撮影、しよ?♡」
「は、っ?♡な、なんだよ、いきなり……っ♡」
「したくなったの♡ね♡今度ははじめから……らぶらぶえっち、ね?♡」
「ぁ、ンッ!?♡ふ♡ふぁ♡ぅ♡うぅ゙ッ♡」
俺が突然の誘いを訝しんでも、久慈は笑うだけだ。愉しげに口元を緩めて、また、しつけぇキスをしてくる。優しい、久慈らしい、鬱陶しいくらいに俺を甘やかして、食らい尽くすキス。とけてくのを感じる。またこいつに、俺のナカを、溶かされちまってる気がする。
あぁ、くそっ♡いちいちキス、してくんなっ♡また配信したい、って……どうせ金に味、占めたんだろッ♡なにがらぶらぶえっち、だよッ♡マジでこいつ、単細胞な、ドケチ野郎──。
「ん゙、んぅ゙ッ♡ふ、ふぅ……ッ♡」
何度も何度も、唇を食んでから離して。俺を、見つめて。そうして──。
「ン♡……ん♡ふふ……っ♡なおくん……っ♡あのね。おれね。なおくんのこと。だいすき、だからねっ♡」
「は……ッ。──。……はあああぁぁぁぁッ!?♡♡♡」
……そうして、なんの迷いもなくそんなことを言ってきやがった久慈に、俺は、目を開いて絶叫する。
す、すっ、すすす、だっ、だだだだっ、だっ、すっ、す、すッ……!!!!!!!!!!!!!
ばばばばば、バカじゃねぇのか。ななななななな、なに言ってんだ。くくくくくくくっ、くだらないことほざいて、媚びてんじゃねぇぞ──!!!!!!
反論したいことは山ほどあんのに、言いたいことはなにひとつ言葉になってくれない。カエルみたいにパクパク口だけを動かしたまま、俺はなにもできず、ただ顔を紅くする。
「ふふっ♡なおくんっ♡♡♡」
「あ、ぁっ、うわッ!♡♡♡」
心底嬉しそうな久慈。
床に押し倒される俺。
相変わらず、クソみてぇに素直になれない、俺の性根。
それでも俺の頭の触覚だけは、俺の隠されたほんとうの想いを示すように──ピコピコと、きれいなハートマークを描いていた。
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