【完結！】すきおし↪だぶる↩とりっぷ

0話《はじめくんのりょうのごあいさつ》

　あ──お疲れさま！
　やっとここまでたどり着いたね！
　え、えーっと……攻めのほう、的夬利（まとわり）はじめです。
　みんなまだ俺のフルネーム覚えてる？
　りょうの「矢來麻（やくるま）」もだけど、この名字難しいもんね。普通じゃ読み方、わかんないよね……本編内でもなかなか出てこないし。
　でもここまでの長い道のり、たくさんの時間。
　それを費やしてくれて俺達を見届けてくれて、本当にありがとう！
　プロローグじゃりょうが大げさなことを言ってたけど……どうだった？

　誰もが自分をやめられない。
　誰もが他者にはなりえない。

　それは俺が思うに、ひととキャラクターが持つ唯一の共通点。
　逃げられない自分自身を享受し続ける、宿命みたいなもの。
　でも、その選択を自ら選べるのは「ひと」だけだ。
　キャラクターに託された想いを抱きとめて。
　考えて、歩いて、行動して……。
　その道を作れるのは、「人間」だけ。

　救いであり呪い。
　災いであり幸い。

　だからその答えはあなたにしか出せなくて。
　俺達はそれを聞き届けることしかできない。
　だって俺達は──やっぱりあなたとは、「同じ」ではないから。

　……だけど俺も選ぶことができたから、思う。
　エーテルーフくんと同じように、この俺で在ることを幸福だって、ひとつの救いだってそう答えを出せる。
　い、言わされてるわけじゃないよ！
　俺は「そこ」には居ないけど。
　でも、ちゃんと存在してるから。
　これは俺だけの、誰にも侵されることのない答えだって、誇れるんだ。

　ほら、じゃあもう一回。
　今度は俺と一緒にはじめに戻って、りょうに会おう！
　あなたの答えを、知ってもらおう！
　そして朝まで好きなだけ語り合って、最高だって笑い合おう！

　あいつと俺との約束を叶えて。
　すべてを終えた俺達と。
　この物語の、一番最後の。

　──あなただけのダブルピリオドを、描きに行こう！！


了.  あるいは END.！