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5話《エーテルーフくんはグイグイ来ます。》

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「ハジメ♡ハジメっ♡らぶ♡らぶっ♡」
「ラブは言葉というか単語なのかな!?ちょっと落ち着いてよぉ、エーテルーフくん!」

 ベッドの上でエーテルーフくんにぎゅうぎゅうと抱きつかれたまま、俺は絶叫に近い声を上げる。つい昨日りょうに「壁がうすいからね~」なんて自分から注意したのも完全に忘れてる状態だ。ごめんなさい、隣人さん……いや!でもッ!好きなゲームのキャラクターがいきなり現実に現れて、いきなりマックスに求愛されちゃったら、誰だって大声ぐらい出しますよねぇ!?

「落ち着く必要などないぞ。何故なら恋は盲目なのだから。盲目とは相手も周りも見えなくなって、理性的判断が出来ない状態なのだから。理性的判断が出来ないとは、とにかく相手に触りまくるということなのだから──!」
「ひとり連想ゲームしないでぇ……!エーテルーフくんはこっちの世界のことだって知ってるんだよねっ!?それなら現実世界に合った行動をしないと!相手に引かれて、嫌われちゃうよっ!?」
「むッ!?」

 一向に俺を離してくれないエーテルーフくんに、俺は必死で言い訳を考える。それはほとんど口からでまかせ、思いつきで言った言葉だったけど……「嫌われちゃう」という内容が思いの外刺さったのか、すぐにエーテルーフくんは起き上がって、俺の拘束を解いてくれた。ふぅ、やれやれ。やっと離れてくれた。これで一旦冷静に話ができるかな……?

「……ハジメに嫌われるのは、嫌だ。そんなことになったら、ボクは耐えられない……っ!」
「あ……っ」

 しかしそう思ったのも束の間、エーテルーフくんはわなわなと肩を震わせて、今にも泣き出しそうに大きな瞳を潤ませてしまう。俺に嫌われるのが、そんなにショックなの!?でもそれにしたって、まさかこれだけ泣いちゃうなんて……!

「ご、ごめんね!嫌いになったわけじゃないよっ?ただ、いきなり抱きつかれてビックリしちゃったんだ。俺はそうじゃないけど、いくら好きな相手でも触られるのが苦手な人だっているしさ……!だから、ちょっと落ち着いて……どうしてこうなったのか、話し合おうっ?」
「……。ハジメは、ボクのことを嫌いになったワケじゃないんだな?」
「もちろん!でもビックリしてるしテンパってるから、一旦、状況を整理したいんだ。それは大丈夫?いい、かな?」
「ふふ……♡そうか。やはりハジメは優しいな。ボクが出逢った通りの、そのままのハジメだ」
「そ……そう?」
「嗚呼。……判った。ボクもキミに逢えて、少々興奮しすぎてしまったようだ。とにかくハジメに四六時中触りたいという気持ちで頭も身体も満ち満ちてしまった」
「さっきも似たようなこと言ってたし、けっこう欲望が直接的なんだね、エーテルーフくんって……」

 現実に居てもそう変わらないエーテルーフくん節に戸惑いつつも、笑顔を見せて俺へ笑い掛ける表情に、ちょっとは落ち着いてくれたかな、と俺も胸を撫で下ろす。
 ふ……ふぅ!これで本当に話し合いができそうだ。よかった!

「とりあえず──ええと。どうして、ここに?なんか……俺に逢いに来た、とか言ってたけど」
「嗚呼。エターニアで遂にキミと旅が出来る──そう思っていたら高まってしまってな。気づいたらこの場所まで来ていたぞっ」
「えっ。気づいたら。ってことは、エーテルーフくんの意志じゃ、ないんだ?」
「少なくとも、いくらボクと言えど現実とエターニアを行き来できる手段は確立していない。そもそも開発者ならば、そんな機能を作るはずもないからな」
「そ、そうなんだ?まぁ、確かにいくらすごい開発者さんでも、現実とゲーム内を行き来させる、なんて夢物語だよね。VRとかVTuberとかでもないんだし。とはいえ、なんでかこうして実現しちゃってるわけだけど……」
「それはボクも不思議に思う。ボク自身の気持ちはともかく、開発者は決してこんな状況を望むはずがないのに……」
「……?」

 開発者、って。
 そりゃエーテルーフくんは現実世界を知ってる存在だし、ゲームそのものとも繋がっているって知ってるけど、随分ハッキリ喋るなぁ。まるで、開発者さんの意思までなにもかも知ってるみたいだ。んん?ということは、開発者さんはキャラが現実に来るのは反対だってこと?

「……だが、どんな理由にせよ異世界に来てしまったからには楽しむのが一番。ボクは、この状況を最大限謳歌しようと思う」
「えっ。」
「つまりボクはこの世界の『来訪者』。異世界逆トリップを果たした者として、情報でしか知らなかった現実世界を、しっかりとこの五感で堪能しなくてはならない義務があるだろう」
「えっ。義務。その。帰る方法とかは、考えないの?」
「まずは充分楽しんでからだ。帰るのはその後。物事には優先順位というモノがある」
「優先順位。」
「嗚呼。まずは東京スカイツリー。そして東京タワー。次に森タワー。サンシャイン60も欠かせないぞっ」
「えっ。それはまさか。行きたい場所ランキング……!──エーテルーフくん、高い所、好きなの?」
「ボクはずっと狭い場所に独りきりで居たからな。エターニアには高い建物もない。つまりは高くて広い所への憧れがマシマシなのだ」
「な、なるほど……マシマシ。でも俺、高い所ちょっと苦手なんだよね……」
「何ィ!?ボクのわくわくデート計画がいきなり頓挫ではないかッ!」
「ご、ごめん。ゆっくり美術鑑賞とか、広い公園で花を見たりはどうかな?俺、のんびり散歩するのが好きなんだ」
「静かな場所や自然にはそう興味がないっ。それならば絶叫マシンだ!白鯨っ!フリーフォールっ!FUJIYAMAっ!ドドンパっ!!」
「ご、ごめん。俺、絶叫マシンもぜんぜんダメで……」
「何ィ!?しゅ、趣味が、合わない……ッ!!!!」

 俺を見て「信じられない」と言いたげにショックを受けて愕然と言葉を失うエーテルーフくん。ギャップ男子だとは思っていたけど、まさかここまで趣味が合わないとは思ってなかった。いや、絶叫マシンが好きだとか、そもそも考えたこともなかったけど……。
 それより義務とか優先順位とかもっともらしいことを言ってたけど、本当にそれでいいのかどうかが、見当もつかない。エーテルーフくんはエターニアにとってもエンエレにとっても最重要と言える、とても大切な存在だ。言い方は悪いけど、現実世界で遊び呆けててもいいんだろうか?

「でも帰らないと、エターニアもエンエレも大変なことにならない?だって、今ゲームの中にはエーテルーフくんが居ないってことになってるんでしょ?」
「む?いや、それは問題ないだろう。ボクはリセットバージョンエーテルーフ。つまりリセバエーテルーフだ。ゲームの中にはキミがプレイ中だったトゥルーエンドルートのボクが変わらず存在しているはずだが」
「んんんッ!?ちょっと待って!?リセット……なにッ!?!?」

 突然「別バージョンエーテルーフくん」とかいう謎の概念を真顔で出されて、俺は一気に混乱してしまう。リセバエーテルーフ……リセバエーテルーフ何!?
 だけど逆に俺の反応を見て、エーテルーフくんは激しく眉を寄せる。

「? キミこそ何を言っている?リセバエーテルーフは、トゥルーエンドルートをクリアした後の──……。」
「ああああああああ!!!!!!!!!ちょちょちょちょ、ちょっと待ってッ!!!!!!!!」
「もごぉ!!!!」

 トゥルーエンドルートクリア後。
 その、俺が今世界で一番聞きたくない単語を言われて、俺は反射的にエーテルーフくんの口を塞ぐ。ここ一ヶ月くらい徹底的に避けてきたネタバレを、まさかご本人からバラされるとか、そんな悲劇があっちゃいけない!!!!!

「待って待って待って!ネタバレネタバレネタバレ!!!!」
「ふごふごッ!?(ネタバレっ!?)」
「そ、そう!俺、まだトゥルーエンドルートクリアしてないのっ!だからダメ!言うのダメっ!ネタバレ禁止ぃ!!」
「ふごぉ゙!?(何ィ゙!?)」

 俺の手の中でおとなしくふごふご語を喋っていたエーテルーフくんは、そこで我慢ができなくなったように俺の手を剥ぎ取って、マシンガンのように喋り始める。

「ならばハジメはどうして端々でトゥルーエンドルート及びエント‥エレメントの詳細を知っている!?現段階では知り得ない情報も、キミの会話から窺えたぞっ!?」
「そっ、それは……りょうが色々教えてくれて!元々りょうがエンエレのガチファンなんだ。その流れで俺もあれこれ聞く内にゲームに興味を持ってさ。ちょうど家庭用ゲーム機に作品が移植されるタイミングだったから、実機も持ってるしこの機会に……って、今ちょうどトゥルーエンドルートをプレイしてた最中なんだよっ!」

 そう言って、俺はベッドの枕元に置いてあったゲーム機を証拠としてエーテルーフくんに差し出す。それを素早く奪い取ったエーテルーフくんは、なにも映っていない真っ黒な液晶画面をじっと睨みつけた。

「こ、これがハジメのエント‥エレメント。ボクが居た、エターニアか……!」
「そうっ!だからほんとにネタバレは勘弁してほしいんだ!俺、初見の感動味わいたくて、トゥルーエンドのためにネタバレ一切回避してきたから!」
「むむ……っ!つまりキミはこのボク、エント‥エレメントの根幹たるエーテルーフを捕まえて、ネタバレは厳禁と宣うのだなッ!?」
「え。え。えと~……ッ。そ、そうですっ!俺の貴重なエンエレ体験のために、できたらそうしていただけるとっ!」
「むむむむっ!まったく!キミというやつはッ!!」
「ご、ごめんねぇ~……!」

 わかりやすく髪をピョーンとして大声で怒るエーテルーフくんに、俺は申し訳ない、と両手を合わせる。あと一日でもトリップが遅かったら俺もルートを終えられたはずなんだけど、こんなタイミングだったから仕方ない。
 でもこんなにぷんすかしてても否定をしないってことは、ネタバレには配慮してくれるってことなんだろうか。キャラクター本人から作品のネタバレに気を使われるって、人生でもそうそうある機会じゃないよな。感謝しておこう……。ありがとう、エーテルーフくん……!

「と……とにかく、ゲームプレイ自体は問題ないってこと?」
「そのはずだ。ボクの記憶が今のボクである時点で、なにかしらゲーム内では処理がされているはずだと思うが」
「そうなの?でも、やっぱり不安だよ。これ、一回起動してみてもいい?」
「むっ。エント‥エレメントをプレイするのかっ?」
「うん。昨日はちょうど、蔵書舎に行く直前でスリープしてたんだ」
「ならばボクも見たいぞ!自分が居た世界を現実から画面越しに見られるなんて、早々出来ることではないッ。しゃんちゃんにも自慢出来る!」
「しゃんちゃん?わかった、それじゃTVに繋ぐね。えーっと。よいしょ……っと」

 エーテルーフくんにせがまれる形で、俺は携帯モードで起動していたゲーム機をテレビに繋いで、大きな画面にゲームを映す。ちょうどエーテルーフくんと会った所でスリープしてたから、その場面が映るはずだ。でも、画面を起動すると──。

『新しいデータを確認しました』
『ゲームシステムを再起動します』

「……あれっ?」

 そこに映し出されたのは黒い画面に白地の無機質な文字。どんなゲームも起動中にフリーズしたりエラーが出たりで再起動することはあるから、別に不自然なことじゃない。でも……なんとなくざわざわする胸に、改めて冒頭のゲーム画面が映される。開発会社と開発ソフトのクレジットに、OP画面。
 そして……何故かゲームはメニュー選択の画面をスキップして、ニューゲームとしてそのまま新しくゲームが始まってしまう。

「えっ!なんで!?勝手にゲームが最初から始まっちゃった!俺のデータは!?」
「これは……」

 ──そこに映るのは、『来訪者』であるプレイヤーの姿。
 それは、元々ある主人公の立ち絵となにも変わらないイラスト。
 でも……その胸元には、主人公が身に着けていないはずのネックレスが首から下がっている。サラマンダーと同じデザインの。でも、赤い石の横にオレンジ色の石がついた。俺がたったひとりのために作った、世界でたったひとつの、ネックレスが。

「っ……!」

 絶句する俺に、主人公の名前が映る。
 そこには、俺がいま誰よりも大切に想っている「リョウ」という文字が──間違いなく名前の欄に、刻まれていた。


【TIPS】
・トゥルーエンドルートを進めるとエーテルーフは己の「システム」を切り離し、新しいエーテルーフとして生まれ直すことを『選択』する。その際にリセットシステムを内包したエーテルーフは消滅したと思われたが、別データとして保存されていたことがクリア後に明かされる。
 このエーテルーフは通常エーテルーフとの区別のため「リセットバージョンエーテルーフ」、通称「リセバエーテルーフ」と呼ばれている。
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