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店内/カウンター
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「ごめんね~♡夕哉さんがかわいいから、俺とまんなくなっちゃった♡」
「いや、大丈夫。俺も、ヨかったし……♡」
「そう?♡そんならよかった~♡」
と言って、俺と腕を組んでべったりと寄り添ってくる上野くん。
ヤること終わって、「やりすぎちゃったからおごるね」と上野くんに誘われて、俺はハメカフェ内のカウンターに座っていた。
手首には、真っ黒のリストバンド。この店に入ってきたときは他人事のように眺めてたこのリストバンドを同じ日に俺もつけることになるなんて、なんだか不思議な気分だ。因果というか、なんというか。
「もぉ、真司くん。お相手さんへのオプション以外のプレイはなるべく控えてっていつも言ってるでしょう?めっ、ですよ」
「え~、いいじゃんっ。ヒロちゃんだって外じゃいっぱい男とヤってるくせにぃ~」
「お、俺のコトはいいんですよぉッ♡」
カウンターでは、さっき遠目に見てたエロい雰囲気のお兄さんが頬を染めて照れている。さっき上野くんが言ってた、気に入ってるっていうカウンター担当の人だろうか。明らかに年下だろう上野くんにあっけなくやり込められてるとこを見るに、確かに上野くんが好きそうな感じだ。
「はぁい、ブレンドです♡どうぞぉ♡」
「あ、ありがとうございます」
そのやり取りをぼうっと見つめていると、コーヒーを渡される。これが上野くんのおごり。そっと口をつければ、苦すぎない味と、いい香りが広がって美味しい。本格的な喫茶店で出てくるコーヒーみたいだ。
「夕哉さん、言っとくけどヒロちゃんは指名できないからね」
「えっ?指名?ああそっか、ここは店員さんともエッチ、できるんだっけ」
「そう。でもヒロちゃんがエッチすると店崩壊すっから、オーナーが禁止してんの」
「あ、もう、真司くんっ♡言っちゃだめですよぉ♡」
崩壊……?はよく意味がわからないけど、ヒロちゃん……ヒロさんが否定しないあたり、嘘の内容じゃなさそうだ。
「へぇ。随分詳しいね」
「まーね♡俺、前ここ勤めてたから♡」
「エッ。そうなのっ!?」
得意げな告白に、俺は思わず大声を出してしまう。
元店員!!
それならこの全面的に慣れた雰囲気も、店の事情に詳しいのも納得だ。
「勤めてた期間は短かったですけどねぇ」
「だってココで働けばもっといっぱいヤれるかと思ったんだもん。でも実際はそうでもないからさぁ……客のほうが全然イけるの、詐欺だよね」
「もぉ、それだけが目的で勤めるのなんて、真司くんくらいですよぉ……」
「え~。ヒロちゃんの賄いも目当てだったって♡」
「褒めてもだめですからねぇ?」
「……」
成程、つまり上野くんは、生粋のエッチ好き、ってことか……。
感心した気持ちでコーヒーを飲みながら、のんびりと上野くんとヒロさんの会話を見守っていると、甘えるようにべたりとカウンターに肘をついて、下から上野くんが上目遣いに俺を覗き込んでくる。
「ねっ。またヤろうよ♡俺夕哉さん気に入っちゃった♡」
「えっ。ほんと?」
「うん♡すっごいよかった♡だから連絡先交換しよ♡」
「あ、うん。いいけど……」
「やった♡俺、だいたいココいるからさ。いっぱいヤろ~♡あ、もちろん他の人ともヤっていーからね♡」
あ、そういう感じなんだ……。
つまりはセフレ、ってことか。でもいきなり彼氏になるよりは、そのほうが気楽かな。
「今後もお客さんになってくれれば、俺も嬉しいです♡」
「あ、はい……」
そうだな……。
なんかなし崩し的に、ヒロさんとも顔見知りになっちゃったし。エッチなことするのが目的じゃなくても、勉強とか、息抜きとかに……ここ、使ってみようかな。
最初にこの店へ入った緊張感なんてどこへやら。俺はすっかり寛いだ気持ちで、ヒロさんへ、笑顔を作った。
「わかりました。機会があれば、またよろしくお願いします」
「いや、大丈夫。俺も、ヨかったし……♡」
「そう?♡そんならよかった~♡」
と言って、俺と腕を組んでべったりと寄り添ってくる上野くん。
ヤること終わって、「やりすぎちゃったからおごるね」と上野くんに誘われて、俺はハメカフェ内のカウンターに座っていた。
手首には、真っ黒のリストバンド。この店に入ってきたときは他人事のように眺めてたこのリストバンドを同じ日に俺もつけることになるなんて、なんだか不思議な気分だ。因果というか、なんというか。
「もぉ、真司くん。お相手さんへのオプション以外のプレイはなるべく控えてっていつも言ってるでしょう?めっ、ですよ」
「え~、いいじゃんっ。ヒロちゃんだって外じゃいっぱい男とヤってるくせにぃ~」
「お、俺のコトはいいんですよぉッ♡」
カウンターでは、さっき遠目に見てたエロい雰囲気のお兄さんが頬を染めて照れている。さっき上野くんが言ってた、気に入ってるっていうカウンター担当の人だろうか。明らかに年下だろう上野くんにあっけなくやり込められてるとこを見るに、確かに上野くんが好きそうな感じだ。
「はぁい、ブレンドです♡どうぞぉ♡」
「あ、ありがとうございます」
そのやり取りをぼうっと見つめていると、コーヒーを渡される。これが上野くんのおごり。そっと口をつければ、苦すぎない味と、いい香りが広がって美味しい。本格的な喫茶店で出てくるコーヒーみたいだ。
「夕哉さん、言っとくけどヒロちゃんは指名できないからね」
「えっ?指名?ああそっか、ここは店員さんともエッチ、できるんだっけ」
「そう。でもヒロちゃんがエッチすると店崩壊すっから、オーナーが禁止してんの」
「あ、もう、真司くんっ♡言っちゃだめですよぉ♡」
崩壊……?はよく意味がわからないけど、ヒロちゃん……ヒロさんが否定しないあたり、嘘の内容じゃなさそうだ。
「へぇ。随分詳しいね」
「まーね♡俺、前ここ勤めてたから♡」
「エッ。そうなのっ!?」
得意げな告白に、俺は思わず大声を出してしまう。
元店員!!
それならこの全面的に慣れた雰囲気も、店の事情に詳しいのも納得だ。
「勤めてた期間は短かったですけどねぇ」
「だってココで働けばもっといっぱいヤれるかと思ったんだもん。でも実際はそうでもないからさぁ……客のほうが全然イけるの、詐欺だよね」
「もぉ、それだけが目的で勤めるのなんて、真司くんくらいですよぉ……」
「え~。ヒロちゃんの賄いも目当てだったって♡」
「褒めてもだめですからねぇ?」
「……」
成程、つまり上野くんは、生粋のエッチ好き、ってことか……。
感心した気持ちでコーヒーを飲みながら、のんびりと上野くんとヒロさんの会話を見守っていると、甘えるようにべたりとカウンターに肘をついて、下から上野くんが上目遣いに俺を覗き込んでくる。
「ねっ。またヤろうよ♡俺夕哉さん気に入っちゃった♡」
「えっ。ほんと?」
「うん♡すっごいよかった♡だから連絡先交換しよ♡」
「あ、うん。いいけど……」
「やった♡俺、だいたいココいるからさ。いっぱいヤろ~♡あ、もちろん他の人ともヤっていーからね♡」
あ、そういう感じなんだ……。
つまりはセフレ、ってことか。でもいきなり彼氏になるよりは、そのほうが気楽かな。
「今後もお客さんになってくれれば、俺も嬉しいです♡」
「あ、はい……」
そうだな……。
なんかなし崩し的に、ヒロさんとも顔見知りになっちゃったし。エッチなことするのが目的じゃなくても、勉強とか、息抜きとかに……ここ、使ってみようかな。
最初にこの店へ入った緊張感なんてどこへやら。俺はすっかり寛いだ気持ちで、ヒロさんへ、笑顔を作った。
「わかりました。機会があれば、またよろしくお願いします」
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