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ふたりめ

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「み、みのるっ♡な、なんで、央がいる部屋でするんだよぉっ♡」
 
 わけのわからないみのるの主張に、俺は涙目になる。
 期待と興奮でずくずくになった身体を抱えて、夜になって。ようやく、子作りエッチの時間を迎えた俺たちは──なぜか央が寝ている部屋で、こそこそと言い合いをしていた。
 
「え~?♡だってなかちゃんが一緒なら、なかちゃんが弟ちゃんか妹ちゃん、どっちがほしいのかわかるでしょ?♡だから一緒の部屋でするの♡俺てんさ~い♡」
「て、天才じゃないだろっ♡なんだよ、その意味不明な理屈ぅッ♡」
 
 こう言っている通り、みのるの言い分は「央が一緒なら弟か妹どっちが欲しいかわかる」から。つまりここでエッチをすれば、央が望む性別を、産み分けることができるから──と言うのがみのるの理屈だ。もちろん根拠なんかひとつもない。でもこういうときのみのるにはなにを言ってもムダだ。
 前向きでポジティブだけど強引で、人の言うことを聞かないワンコなみのるに、俺はいつも手を焼いてきた。それはこんな場面でも同じ。今更別の部屋ですることを、みのるは聞き入れてはくれないだろう。
 ……それに。
 
「ほら、おっきい声出したらなかちゃんが起きちゃうよ?♡なでくん、しーっ、ね♡」
「ぅ、う゛ぅ……ッ♡」
 
 ……それにみのるは俺が央と一緒の部屋でエッチをする、ってことに興奮するはずだって、絶対、最初から気づいてる。だからこれはみのるなりのちょっとした「いじわる」だ。確かに央はもうすっかり夢の中。不用意に大きな声を出したら、起きてしまう可能性もある。だから声を我慢しなくちゃいけない状況で、大好きな子供の隣でエッチをする背徳感で、マゾな俺がいつもよりずっと、欲情しちゃうように。みのるは、いじわる、してるんだ……ッ♡♡♡
 
「──ほら♡なでくん♡俺たちのどすけべ子作りえっち♡なかちゃんも、一緒だよ♡」
「あ♡あう♡あうぅ゛……ッ♡♡♡」
 
 それを示すように、みのるも、俺へ央の存在を指し示す。
 うぅ♡うぅッ♡やだっ♡言うなよっ♡言うなよ、ばかぁっ♡央がっ♡一緒の部屋でぇ♡これから♡これからッ♡ドスケベっ♡ドスケベ子づくりえっちする、のぉ……ッ♡やだ♡やだぁ♡そんなの言われたら、からだッ♡じんじんするっ♡ぞわぞわ、するッ♡だめなのに♡こんなのだめなのにっ♡すっごい興奮、しちゃうよぉっ♡♡♡
 
「かわい……ッ♡いじわるされてえっちになってるなでくんの顔ッ♡おちんぽ、バッキバキになる……ッ♡」
「あ♡みのる♡やぁ♡ちんぽ押しつけるの、やっ♡」
「だめ♡だってやっとなでくんのナマおまんこに、俺のナマおちんぽ挿れられるんだもん……ッ♡」
「ぁ♡あッ♡うあぁ……ッ♡♡♡」
 
 そうやって、もうギッチギチな下着姿のみのるが自分から取り出したのは、勃起した……生ちんぽ。そのでかい質量に、俺はびくん、とわかりやすく反応してしまう。
 
「ち、ちんぽっ♡みのるのっ♡ナマ、ちんぽぉ……ッ♡」
「そうだよ♡なでくんおまんこがずうっと我慢してた……ナマおちんぽ、だよ♡」
「うぁ♡ふぁ♡ぉお゛……ッ♡」
 
 耳元で囁く甘い音色に、ガクンっ♡と思わず腰が動く。
 央を産んでエッチを再開してからも、エッチはほとんどがゴム付きだった。男の子宮はアナルから腸と分かれる場所にあって、アナルエッチでもナマエッチをしたらまた妊娠しちゃう可能性があったからだ。子宮の入口は心を許した相手にしか開かないようになっているし、今は男女両方に使えるしっかりした避妊薬も普通に薬局で買えるけど、薬は初めての妊娠出産後だからずっと自主的に控えていたし、俺はみのるのちんぽが挿入ってるって思ったら、すぐ、まんこから子宮が降りてきちゃうから……ッ♡
 だから、妊娠ができる前は毎日だって挿れていて、俺の身体じゃ腹がギチギチになっちゃうくらいデカい、みのるのちんぽ──。お、俺が大好きな、みのるのちんぽは……ッ♡この身体になってからはずっと、まんこではゴム越しにしか感じることができなかったんだ。
 でも、今日は。今日は……ッ♡直接このでっかい凶暴パパちんぽで、直接まんこぞりぞりされて、子宮口にぴったりくっつきながらちゅうちゅう亀頭でキスされてッ、直接ッ、しゃせぇされても、いい日……ッ♡♡♡
 だからそれを想像するだけで俺はたまらなくなって、引き寄せられるようにみのるのちんぽを手で撫で回してしまう。
 
「あふ……ッ♡みのるの、ちんぽ……ッ♡生ちんぽぉ……ッ♡これ♡俺のッ♡ナマまんこのッ♡ナカにぃ……ッ♡」
「んッ♡……ふふっ♡なでくん、ハート目でおちんぽなでなでしちゃって、かわい……ッ♡なでなでなでくんだねぇ♡」
「な、なに、ばかなこと言ってッ♡ぁ♡お゛♡ぉ゛ッ♡」
「じゃあ、すぐ、挿れようね♡なでくんおまんこ、もう、準備万端だもんね……ッ♡」
「ほぉ゛♡ぉ゛♡んぅ゛ッ!♡♡♡」
 
 俺がちんぽを撫でてる姿でばかなことを言うみのるも、すぐに俺のアナルへ手を伸ばしてくる。子作りエッチの期待だけでずぶずぶに濡れた愛液はアナルにまで染みていて、表面を撫でられるだけでもぬるりと滑って、思わず声が出てしまう。……でも、それはすぐ……みのるのでっかい手で、塞がれてしまった。
 
「おっきな声出しちゃ、だぁめ♡ほら、なでくんのおまんこ♡パパおちんぽ、挿れるからね♡なでくん、自分で、くち、ふさげる……ッ?♡」
「ぁ、ふっ♡ふぅ゛♡ん、んぅ゛……ッ♡♡♡」
 
 みのるの手の中でふっ、ふっ、と湿った息を吐けば、ゆっくりとみのるから覗き込まれる。あどけなくて、でもギラギラした目は、今にも興奮があふれ出しそうだ。拒否権のないそんな瞳に、俺はこくこくと頷いて、自分の手で口を塞ぐ。そうすれば「えらいね」って言われるみたいに、ちゅっと額にキスをされた。
 
「ん♡なでくんいーこ……♡じゃあ、いくね……ッ♡」
「んッ♡ん♡んぅぅ゛……!♡♡♡」
 
 そのまま、ゆっくりとみのるはアナルにちんぽを宛てがって、ゆっくりと腰を沈めてくる。もうアナルでもまんこでも慣れ親しんだカタチに、俺のアナルはそれだけでちゅうぅッ♡とみのるのちんぽを嬉しそうに吸い上げてしまう。俺のだいすきなみのるの、俺だけのパパちんぽ。しかも今日はそれが、ゴムにもなににも邪魔されてないナマの状態で、まんこまで直にキている。そんなの、悦ばないなんて無理だ。嬉しがらないなんて、むり。だって、こんなにだいすきなひとから、身体と心のぜんぶでだいすきを伝えられる、だいすきなひととの、子づくりエッチをしている。そんなの、きもちよくならないなんて、むり。ぜったいッ、むりぃ゛……ッ♡
 ぁ゛♡あ゛♡ちんぽ、きてるよっ♡みのるのちんぽ♡きてるッ♡あつくてっ♡かたいッ♡だいすきなみのるの、ナマちんぽ……ッ♡♡♡うぁ゛♡すぐ、まんこ、クる♡まんこ、はいっちゃう゛♡みのるの♡パパの、ちんぽ♡きちゃう♡きちゃうッ♡まんこ、ぉ゛……ッ!♡
 
「ぉ゛♡お゛♡ぉ゛お……ッ!♡」
 
 にゅるり、と俺のナカを味わうようにちんぽはアナルの全体をちゅこちゅこと撫で上げて、そのまますぐ、まんこへと侵入した。とんっ♡と一瞬でデカい重さが子宮口まで届いて、俺は思わず手の中で声を上げて、腰も突き上げてしまう。それだけ、久しぶりのナマちんぽはすごくて。そして今日のみのるのちんぽは、すごかった。
 
「ぉ゛♡しゅ、ご……ッ♡なでくんの、ナマ、おまんこぉ゛……ッ♡お゛♡ちんぽ♡おちんぽ、吸われ、るぅ゛ッ♡なでく♡か、なでぇ゛……ッ♡♡♡」
「ぉ♡お゛ッ♡ほ、おぉ゛……ッ♡」
 
 そしてそれは、俺だけじゃなくみのるも同じようだった。みのるも俺と同じように、俺のナマまんこで、ばかみたいに感じているようだった。腰を押し込めたまま、ちゅこちゅこ奥だけを味わうように突いてるのがその証拠だ。みのるは一番気持ちよくなったとき、この動きだけを繰り返す。
 それは俺がずうっとみのると一緒にいたから知っていることで、俺がずうっとみのると心と身体を繋げ続けてきたから、知れたことだ。こんなスケベな行為からでも、俺はみのるとずっとふたりで歩いてきたんだって実感する。でっかいみのるを見上げて。その視線に気づいたみのるがしゃがみ込んで。あるいは俺を抱き上げて。
 そうやってデコボコな高さをふたりで毎回埋め合いながら、央って子供を授かって、やっとみんなで家族になって、一緒に歩いていく人数が、増えていって……。
 その、大変だけどかけがえのない毎日を、だいすきなみのるとまた、俺は積み重ねて広げていけるんだって、こんなスケベな状態なのに、目の前のみのるを見て、そう、実感してしまって。
 
「ふッ♡ぅ゛♡ふぅぅ゛……ッ!♡♡♡」
 
 ──だから、俺は、そんな気持ちに押し上げられるように、アクメ、してしまった。嬉しく思わないなんて無理だった。喜ばないなんて、無理だった。だって、このセックスは、俺がいま感じられる、いちばんの幸せみたいなものだったんだから。
 だから、俺は必死にみのるの腰へ脚を絡めて、ちっちゃい身体を全力で震わせて、涙を流して、アクメした。ぎゅううっ、とまんこが締まって、みのるのオスのカタチが俺の全身へ、また刻みつけられるみたいに、染み込んでいく。
 
「ッう゛……!♡ぁ゛♡あ゛♡ぉお゛……ッ!♡♡♡」
 
 その動きにみのるも耐え切れなかったようだった。ふり絞るような声を上げて、みのるも、全身を震わせる。ぶくっ、とナカでちんぽが一段階膨らんで、全体が灼けるような熱を帯びて、一気に奥まで、精液がほとばしる。それは俺の子宮が待ち侘びていたみのるの精子で、俺自身が待ち望んでいた、みのるが俺に贈るいちばんの、「あいしてる」のあかしだった。
 
「ぉ゛♡お゛♡ぉ゛……ッ!♡♡♡」
「ふ♡ぅ゛♡んうぅぅ゛……ッ!♡♡♡」
 
 みのるの射精はとまらない。元々みのるは射精が長い。これも、俺がみのるを犬みたいって思う理由だ。いつまでもちんぽをでっかくしたまま、断続的な射精を繰り返す、特徴的なみのるの射精。
 そしてそれは今日も同じ。俺をがっしり抱え込んで、腰をぐっと押し込めて、子宮口にぴったり亀頭を押しつけっぱなしにして、なるべく奥、なるべく多く、自分の精子を子宮へと届けようと、本能と愛情をグチャグチャに混ぜ込んだまま、俺に精子を注ぎ続ける。
 ぁ゛♡あ゛♡せーし♡パパせーし、とどいてる、よぉっ♡びゅくびゅく子宮に注がれてッ♡卵子ッ♡夢中で食い破ってるよぉ゛っ♡されてるッ♡着床、されてるッ♡みのるのせーしでいまッ♡またッ♡おれっ♡ママに、されてるッ♡央がとなりで寝てるのにッ♡央もいっしょなのにッ♡みのるから、ママに、されちゃってるッ♡ぉ゛♡お゛♡みのりゅ♡みのりゅッ♡して♡ままに、してッ♡おれのことっ♡また、ままにしてぇ♡だいすきなッ♡だいしゅきなみのるのあかちゃんッ♡おれのおなかにッ♡はらませ、てぇ゛……ッ♡♡♡
 
「か、なで♡かな、でぇ゛……♡♡♡」
「ぁ♡あ゛♡みの……ッ♡んぅぅ゛ッ♡♡♡」
 
 ようやく治まってくる射精に、手をほどかれて、絡められて、みのるからの、キス。口全体をふさがれて、ぢゅうぢゅう舌と唾液を吸われていく、強すぎる、キス。子宮に愛してるを流し込まれて、口から好きを流し込まれて、手からも大好きを流し込まれて。それだけでも甘イキしてアクメしてとまらなくって、俺はぎゅうっと腰に回した脚に力をこめる。ぁ♡ぉ゛♡だいしゅきほーるど、とまんないッ♡だいしゅき、なの、とまんなぃ゛……ッ♡みのりゅ、すき♡しゅき♡しゅき、だよぉ♡しゅきなの♡だい、しゅき♡みのる♡みの、りゅ゛……ッ♡♡♡
 
「ふ♡ふッ♡んうぅ゛♡」
「かなで♡なでく♡かわい♡かわい……ッ♡んぅ♡ぅ♡ふぅぅッ♡」
 
 ちゅ、ちゅ、とキスが繰り返される。何度も唇が落ちてくる。でっかい、おっきいみのるのカラダになにもかもが支配されて、俺が、みのるだけの俺になる。絡む舌に、流し込まれる唾液に、どんどん力が入らなくなる。しがみつくこともできなくなって、どうしようもないまま全身をくたぁ♡ってだらしなく弛緩させれば、央のいるベビーベッドを見上げるように、体勢を横寝バックに変えられる。
 
「ぁ゛♡あッ♡みのるっ、これ、や゛ぁッ……♡ふぅ゛!♡」
 
 まるで横から央に子作りエッチを見せつけるような格好に、俺は思わず口から手を離して、恥ずかしさにいやいや、と首を横に振る。でも、みのるは嬉しそうに俺を引き寄せて、カラダと同じように大きな指を、俺の口へと入れてきた。
 
「なでくん、しぃ、ね♡なかちゃん、起きちゃうから、ね……ッ♡」
「んぅ゛♡ふ♡ふっ♡ふぅ゛ッ♡」
 
 耳元から念を押すような甘い声を注がれて、みのるはまたゆるゆると、奥だけを突くように動き始める。歯で噛ませるように入れられた指は小さい俺の口じゃ二本だけでもいっぱいで、俺は不器用な息遣いでその太さを受け止めるしかない。腰の動きに呼応して、俺の中を探るように動くみのるの指。舌に、唾液とは違う乾いた塩っからいみのるの指の味が広がると、俺も無性に興奮してきて、必死で指を啄んで、しゃぶりついてしまう。
 ぁ♡あ♡みのるのすきな、指フェラ……ッ♡んッ♡んぅ♡みのるの指、おいしいよぉ……ッ♡フェラも、したい……ッ♡みのるのちんぽも、しゃぶりたい……ッ♡俺のちっちゃい口、喉までいっぱいにしてッ♡みのるのちんぽ咥え込んでッ、おなかのナカからも妊娠ッ♡させられたい……ッ♡♡♡
 
「なでくん♡なでくんっ♡すきッ♡だいすき……ッ♡♡♡」
「っ♡ッ♡っ♡♡♡」
 
 片手は口に、片手は腹に回して、ぴったりと一ミリのスキマもなくくっついたまま、続く、エッチ。しかもそれだけじゃ足りなくて、両脚もがっしり絡められて、ぜったいに逃げられないようにされて、小さな声で囁かれる愛情に、奥だけをしつこく、しつこく、かき回される。激しいピストンじゃなくディープキスでもするような腰の動きは、俺が妊娠をするようになってからやり始めた、みのるが大好きな動きだ。一回射精した精液を絶対に卵子まで届けようとする、妊娠して♡妊娠して♡絶対俺の精子で妊娠して♡っておねだりする、どうしようもなく本能なオスの動き。そんなことされたら俺も子宮が疼いて、みのるの、パパの精液がほしいの、とめられなくて……ッ♡♡♡
 
「でる♡でる♡かなでッ♡でるよ♡ぉ゛♡ほッ♡ほぉ゛……ッ!♡♡♡」
「ふ♡ふぅ゛♡んうぅ゛……ッ!♡♡♡」
 
 キュウキュウナカを締めつけるまんこの動きに、みのるも、また、しゃせぇ……ッ!♡♡♡さっきよりも逃げられない状況で、最奥まで注がれる精子に、俺も、赤ちゃんみたいにちゅぱちゅぱ、みのるの指を、吸い上げて……ッ♡
 ぁ♡あ゛♡出てる♡せーし、また、でてるよぉ゛♡俺のことママにするせーしッ♡パパのちんぽからっ、ドクッ♡ドクッ♡っていっぱいいっぱいッ、でてる、よぉ゛ッ♡ぁ♡みのりゅ♡おれたちっ♡なかばにっ、エッチ、見せつけちゃってる゛ッ♡パパとママがッ♡いっしょに気持ちよくなってるとこッ♡ぜんぶッ♡自分の子供に、みせちゃってるッ♡ぉ゛♡エッチッ♡えっちだよぉ♡俺のパパえっちッ♡すっごく、えっち、なのぉ゛……ッ♡♡♡
 
「んぅ゛♡ぉ゛♡お゛♡ぉ゛お……ッ♡♡♡」
 
 二度目の射精に、俺は全身をヒクヒクさせながら深いアクメに酔いしれる。ナカに熱いみのるのちんぽを感じて、腹はみのるの精子でいっぱいで。カラダだって、みのるにがっしり捕まえられて。まだ断続的に、まんこの奥へとろとろ流れていく精液に、幸せで、きもちよくて、本当にとろけちゃうんじゃないかって、俺は思う。
 ぉ゛♡もぉぜったい妊娠、してる♡もぉぜったい、みのるのあかちゃん、はらんで、る♡パパのちんぽで、妊娠してる……ッ♡子宮っ♡まだヒクヒクしてッ♡よろこんでる、よぉ……ッ♡
 
「ほぉ゛♡ぉ゛♡ん、おぉ゛……ッ♡♡♡」
 
 続く余韻に、にゅぽ♡っと鈍い音を立ててちんぽが抜かれる。俺の全身をいっぱいにしていた愛情のかたまりが引き抜かれて、なんだかすごくさみしい気持ちになる。ああ、もう終わり、なのかな。もうおしまい、なのかな。みのるとの、パパとの、愛情ばっかりの、子作り、エッチ。もうこれで、おわり──、
 
「──ッ!?♡♡♡」
 
 自然と快感であふれていた涙が瞳からこぼれるのと一緒に、そこで、俺の意識と身体は同時にふわりと浮き上がった。比喩じゃなくて、物理でだ。俺は起き上がったみのるからお姫様抱っこで抱えられて、気づけば一瞬で抱き上げられていた。とっさにみのるへしがみついてその顔を見上げれば、暗い部屋の中でみのるはにっこり笑っていて。……そして、その笑みはまだ、性欲に満ちたオスの目を、保ったままだった。
 
「ぁ♡あ♡あ゛♡」
 
 これからなにをされるのか。まだ、なにが続くのか。ぞく、ぞく、と背中から本能的に昇ってくる悪寒に、みのるは俺の身体を空中で簡単に向き合う体勢へと変えてしまった。脚を開いて。また、アナルにちんぽを押し当てられて。ぁ、これ♡これッ♡これ、って……ッ♡♡♡
 
「ッッッ゛!♡♡♡♡♡」
 
 期待と、興奮と、そしてちょっとだけ感じた恐怖を全部受け止めたような笑顔で、それでもひとつの躊躇なく、みのるは、俺のアナルにそのままちんぽを突き立てた。向かい合って足を広げた俺を、みのるが抱えて支えて、立ったまま挿入を行う──俗に言う、駅弁体位だ。
 突然の変則体位に、俺は声も出せずにアクメしてしまう。ビュッ♡とあっけなく射精して、その精液は、みのるの腹に、かかって……ッ♡
 
「ぉ゛♡お゛♡ぉお゛ッ♡」
「ッ……♡なで、くん♡」
「お゛、ほぉ゛♡みの、りゅ゛♡」
 
 まだチカチカしてる俺をしっかり支えたまま、小声のやり取りに、みのるはゆっくりと足を進める。そこには──。
 
「ほら、なでくん♡……俺たちの、なかちゃんだよ♡」
「ぁ♡あ゛♡や、ぁ♡」
 
 そこには、誰でもない、央の姿。まだすやすや寝てる、俺たちの、ふたりの、愛の結晶。さっき横寝バックだけでもあんなに興奮した存在を今度は目の前に晒されて、そんなみのるの「いじわる」に、俺は全身を貫かれたような快感を感じてしまう。背徳感で全身がいっぱいになって、どうしたらいいのかわからなくて。でも、そんな俺へ、みのるは促す。やさしく、あまく。でもやっぱり「いじわる」な。俺の、だいすきなっ、みのるの、まま……ッ♡
 
「なかちゃんはすっごくいい子だから……♡もうきっと、弟ちゃんか妹ちゃんどっちがほしいのか、俺たちに教えてくれたと思うんだ。だからそろそろ部屋、移動しよ?♡それでいっぱい声出して……まだまだ、いっぱい、エッチ、しよ?♡」
「うぁ゛♡ひッ♡うぁぁ゛……ッ♡」
「だから……ね♡なかちゃんに、言ってあげよ、なでくん♡パパとママ、向こうでがんばってくるから、って♡おしえて、あげよ?♡」
「ぁ♡うぁぁ♡ひ♡ひぅぅ゛……ッ♡♡♡」
 
 おしえて、あげる。
 いま、俺たちがしてるのは、エッチ。こづくり、セックス。しかも俺はみのるに子供みたいに抱き上げられて、でもちんぽ突っ込まれて、ナカだってまだみのるの精液でぐずぐずしてる、どうしようもなく恥ずかしい、ぜったい子供の前じゃ見せられない、そういう状態。そんな恥ずかしすぎる駅弁スタイルの、スケベなエッチの真っ最中。それを、央に、教えて、あげる、なんて。こんな、スケベな、こと。パパとママが、してるってッ♡なかばにッ♡なかば、にぃ゛……ッ♡
 
「っぅ♡う゛♡う゛ぅ……ッ♡♡♡」
 
 で、でも♡これ♡これとおんなじ、こと♡おんなじことして♡なかばが、産まれた、からッ♡俺たちがいっぱいいっぱいエッチしてッ♡いっぱいいっぱい愛し合ってッ♡それで、央がこの世に産まれて、くれたからぁ♡だからっ♡だからぁ♡これ♡これもっ♡パパと、ママの、エッチもッ♡すごく♡すっごくッ♡だいじなこと、だからぁ……ッ♡♡♡
 
「な♡なかばぁ♡ま、ままっ♡ぱぱといっしょにっ♡あかちゃん♡なかばの、きょうだいッ♡がんばって、つくって、くるからぁ……ッ♡だからっ♡ちゃんと、ねてっ♡まってて、ねぇ……ッ♡♡♡」
 
 なんとか、どうにか、口にする。俺たちは、みんなで、もっといっぱい幸せになるために、こんなことをしてるんだよって。央に、俺たちの大好きな央に、伝えてやる。ちょっとパパはいじわるでスケベで。それでママも同じくらい、エッチでスケベだけど。でも、でもっ、お互いみんなが大好きで。大好きなひとと、大好きなひとを、喜ばせて、あげたいから。
 だから。だからぁ……ッ♡♡♡
 
「なかばッ♡ままッ♡ぜったい、かわいい、あかちゃん、産むからッ♡なかばが大好きになる子、ぜったい、産む、からぁ゛……ッ♡だからッ♡いっぱいっ♡おうえん、してねぇ゛……ッ♡♡♡」
 
 だから、なんだかもう、ボロボロボロボロ泣きながら、俺は、そう、口にする。ちんぽも突っ込まれたままで。駅弁エッチもど真ん中、だけど。でも、それでも、それは、俺の、ほんとの、ほんとうの気持ちだったから、俺はグズグズになったまま、ちゃんと、それを、口にした。だって、俺はみんなが、だいすきだから。
 すき。すきだよ。みんな、だいすき……ッ♡♡♡
 
「ふぁ……♡なでくん、かっこい……♡すっごく、かっこい……ッ♡♡♡」
「ぁ、あッ♡みの、る♡みの、るぅ゛♡」
「ん♡がんばろ、ね♡がんばろっ♡いっしょに♡かわいいあかちゃんッ♡がんばろね、なでくんッ♡♡♡」
「んっ♡うんっ♡うんッ♡♡♡」
 
 ぎゅうっと俺を抱きしめてくるみのるを俺も抱きしめ返して、静かに、隣の部屋へ移動する。なんだか最後のほうは普通に喋っちゃってた気もするけど、それでもぜんぜん起きなかった央は、やっぱりみのるに似てるなって思ってしまう。かわいい、かわいい、俺たちの央。だいすきな、だいすきな、俺たちの、宝物。
 
「なでくんっ♡なで、くん♡」
「ぁ♡あ゛♡みのるッ♡ぁ♡あッ、ぁッ、──ほおぉ゛ッ!♡♡♡」
 
 ……隣の部屋へ移動したらもう、そこで我慢はできなくなった。我慢してたのは声だけ、だったけど。でも、久々のみのるとのナマエッチ、子作りエッチなら、やっぱりなにもかもを、全力で感じたかった。もちろん、みのるのいじわるも、ゾクゾクした、けど……ッ♡それでも、やっぱり、声でも繋がりたいのは、とめられなくて。だから俺は部屋へ移動してキツく腰を押し込まれた瞬間から、ばかみたいに下品な大声で、喘いでしまった。
 
「ッ♡なでくん、こえ、おっきすぎ……ッ♡」
「ら゛♡らって♡ら゛、ってぇッ♡みのるの、ちんぽッ♡きもち、よすぎ、てぇ゛♡」
「なでくん……ッ♡俺のおちんぽきもちいの……♡ずっと、我慢してたの?♡」
「してたッ♡してた、よぉ゛♡なかばが、いるからッ♡おこさない、ように、ってぇ゛……ッ♡ずっと、おれ♡がまん、してたぁ♡♡♡」
「ッ……♡♡♡それならッ、いまからはッ♡なんにも我慢しないで、つづき、しようねッ♡俺も、がまん、しないから……ッ♡いっぱい、エッチっ、しようねッ!♡」
「ぉ、お゛ッ?♡ほッ、ほぉぉ゛ッ!?♡♡♡」
 
 その言葉と同時に、ズンッ!♡♡♡と杭を打たれたように、下から勢い良くちんぽが奥まで突き上がる。
 
「なでくん……ッ♡今日は、朝まで、するからね……ッ♡朝までッ♡なでくんの、ことッ♡いっぱいッ♡いっぱいッ♡愛して、あげるから、ねぇ……ッ!♡♡♡」
「あ♡ぁッ♡ぁあ゛……ッ♡♡♡」
 
 それは言葉通りみのるも我慢をやめた合図で、子作りだけじゃなく、俺を全身で愛して感じさせようっていうエッチをするって宣言だった。家族としてだけじゃなくて、央のパパとしてだけじゃなくて、猫咲奏のことが大好きな、犬花実って個人としても俺とエッチをするっていう、そういうグツグツ煮えたぎるような、オスとしての主張だった。
 
「みのる♡みのる♡みの、りゅ……ッ♡♡♡」
 
 そんなのを浴びたら、俺だって、猫咲奏になってしまう。家族としてだけじゃない、央のママだけじゃない、犬花実がだいすきな、ただの猫咲奏としても、エッチをせずにはいられなくなってしまう。
 だって、俺だってみのるが大好きだから。みのるを愛したくて、みのるに愛されたくて、たまらないから。家族で。夫で。パパで。……その今のみのるが、ぜんぶぜんぶ大好きで。でも、まだ、恋人で彼氏なみのるも、居なくなったわけじゃない。まだ、ちゃんと、ここに居るって思ってる。……それなら、そういうみのるも手放したくない。まだまだずっと、一緒に居たい。俺、みのるに関しては、ほんとに、ホントに、ワガママだから。だから、まだまだ、恋人のみのるにも、彼氏のみのるにも、愛され、たいから……ッ♡
 
「し、して……ッ♡みのるッ♡みのるの、ぜんぶでッ♡俺のこと、愛して……ッ♡またずっとちんぽ挿れたままッ♡なでなで、してッ♡ぐずぐずになるまで、スケベなこと、してッ♡俺、まだ、いっぱいいっぱいッ♡みのるに甘やかされて、いじめられたい、よぉ♡カレシのみのるに、あいされ、たいよぉ……ッ♡♡♡」
「ッ、あはっ♡すっごい……ッ♡今日のなでくんっ♡ちょー特別なっ、あまあまのっ、とろとろなでなでなでくんだぁ……ッ♡」
「っ、ば、ばか……ッ♡んぉ゛ッ!♡♡♡」
「する♡するから♡なでくんのことッ♡かなでの、ことッ♡おれッ♡一生ッ♡しあわせに、するからッ!♡♡♡」
「お゛ッ♡ぉお゛ッ♡みのッ♡みのるっ♡みのりゅ゛ッ♡ほぉ゛ッ♡おぉ゛ッ!♡」
 
『かなで』、と呼ばれる、もう一度切り替わったスイッチで、みのるはもう、なんの遠慮もなく俺のちいさなカラダを抱え込んで、ガツガツと腰を振る。全身を上下に揺さぶられて、必死でしがみついてもその動きはとめられない。動くたびに一番奥までみのるのちんぽが入り込んで、もう、ピストンするだけで赤ちゃんの部屋までちんぽが届いてしまいそうだ。一気に激しさを増した動きに、もう何度もアクメした俺は、すぐに限界を迎えてしまう。ぎゅうっと全身が締まって、ただ、ただ、気持ちがよくて。
 
「ぁ゛♡お゛ッ♡いく♡イグッ♡だめ♡みのるッ♡みのりゅ゛ッ♡」
「おれ♡おれもいぐッ♡かなで♡かなで♡かなでぇッ♡♡♡」
「あ♡ぁ♡あ゛♡ぉ゛♡お゛ッ♡ほおぉぉ゛……ッ!♡♡♡」
 
 それが一番上まで昇って、限界まで高まったところで、お互いの名前を呼び合って、俺たちは同時にイった。もうそうなるのが当然なように、ただ自然に、一緒にイった。それは、それも、俺たちがずっと一緒にそうしてきたあかし以外の、なにものでもなくて。エッチで、セックスで、そういうことを感じられることが、なんだか、無性に、たまらなく、思えて。
 だから俺も汚い声をなにも隠さずに、これはいちばん大好きなひとからの、いちばん愛してるひとから貰った気持ちよさなんだよっていうのをぜんぶぜんぶ示すように、全力でアクメして、射精をした。
 またみのるの腹に精液がかかって、俺も、ナカに、射精をされて。ああ、また、みのるから妊娠させられちゃった、また、愛されたあかしを貰っちゃった、って思いながら、ふるふると震えて、その射精を受け止めた。
 ゆっくりと顔を上げる。
 そこに、みのるがいる。
 ──ああ。
 こんなに嬉しいこと。
 こんなに幸せなこと、ない。
 
「ぁ♡ぁう゛♡み、のる゛……ッ♡♡♡」
「ん♡ん♡なで、くん……ッ♡♡♡」
 
 もう泣いたまま、俺はみのるへ抱きついた。この想いを言葉だけじゃ表現できるはずがなくて、それならこうするしかないって、俺はただ、みのるへぎゅっとしがみついた。そうすればみのるは、やっぱり俺の気持ちを全部わかってるように俺を抱きしめ返して、俺の頭にぐりぐりと頬を押しつけた。つむじに、耳に、何度もキスが振ってきて、愛してるを贈られる。
 だいすき。だいすき。だいすき。俺と同じように、言葉じゃなくて、仕草ですべてを示す愛情。それは俺にとってはまだまだ強すぎる、でも重ねるたびに俺を強くする、絶対に、無敵な魔法。みのるがいつでも優しく差し出してくれる、俺を護ってくれる、永遠の、祝福だ。
 だから俺はそれを抱きとめて、泣き腫らした顔をさらけ出して、下手くそに笑う。
 これがみのるの愛してくれた男だよって。
 そしてお前を、いつまでも愛していく男だよって。
 そう、まっすぐに、教えてやる。
 
「ね、みのる……ッ♡みのる……ッ♡♡♡」
 
 目を合わせる。
 口を開く。
 俺は猫咲奏。
 犬花実の夫。
 そして、央の父親。
 そして、まだ会ったことのない──新しい子供の、父親。
 
「みのるっ♡また、後ろからチューするの、やって……ッ♡ぎゅうってして、おなかも、撫でて……ッ♡ここに、新しい家族ができるんだって、俺に、おしえて……ッ♡♡♡」
「っ、なでくん……ッ♡♡♡」
 
 俺は生きてゆく。
 まだまだ。
 このさき。
 みのると。
 なかばと。
 新しい家族と、歩いてゆく。
 辛いことも。
 悲しいことも。
 きっときっと、たくさんある。
 でも、だから。
 ……だからこそ。
 
「みのる……ッ♡いっぱい、いっぱいっ♡まだまだ……っ♡みんなで、たくさん、幸せに、なろうね……ッ♡♡♡」
 
 
 
 
 
 
 
 ・
 ・
 ・
 
 
 
 
 
 
「──なでくん!赤ちゃん、産まれたよっ!」
「あ、ぁ、うぁ……ッ」
「やったねっ、これで俺たち、ほんとに、ほんとの、家族だね……っ!」
「あっ、みのる……、みのる……ッ」
 
 その日、世界のぜんぶが、新しく見えて。
 産まれたばっかりの赤ちゃんを抱いて。
 赤ちゃんと同じように、ばかみたいに泣いてるみのるを見て。
 
 ──ああ、しあわせってこういうふうに、花みたいに咲くんだなって思ったこと。
 
 みのる。
 なかば。
 俺はきっと一生……忘れないと思うよ。
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みんなの感想(1件)

ななばなな
2023.07.05 ななばなな

めちゃくちゃえっちなのにそこにエモさが加わっている…!ちょっぴり感動ハッピー、最高か…!?!?なんかもう幸せなのを見てるだけでこっちも幸せになってしまう!!!!!

掌
2023.07.06

ななばななさんご感想ありがとうございます!
このふたりの話はエモ感をかなり意識したので汲み取っていただけ大感謝です🙏🙏🙏🙏
『ちょっぴり感動ハッピー』も物語として目指している場所なので欲しい言葉をいただけた気持ちでいっぱいです……!!私も幸せです!ありがとうございます!!

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