追放された公爵令嬢は、隣国の皇太子に溺愛される

「――お前は偽物だ! この国から出ていけ!」
王国の聖女として尽くしてきたエリザベス・ロザリンデは、突如として“偽聖女”の烙印を押され、婚約者の第一王子レオポルドによって無惨に追放されてしまう。
新たに現れた少女ミレイユが「真の聖女」として祭り上げられ、エリザベスの功績はすべて奪われた。

行く当てもなく隣国へ向かう途中、盗賊に襲われた負傷兵を助けたことで、彼女はシュヴァルツ王国の皇太子アルフォンスと出会う。
エリザベスの癒しの力を見たアルフォンスは言う。

「君は“偽物”なんかじゃない。俺が保証する。――どうか、俺の国で新しい人生を歩んでほしい」

絶望の淵にいたエリザベスは、彼の言葉に救われ、シュヴァルツ王国で新たな人生を歩み始める。
彼女の癒しの力はすぐに評判となり、人々から厚い信頼を得ることに。さらに、アルフォンスの献身的な支えと溺愛により、次第に彼女の心も温められていく。

だがその頃、エリザベスを追放したガルディア王国では、謎の疫病が大流行し、ミレイユは何の力も発揮できず国中から非難を浴びていた。
焦った王宮は今さらになって「エリザベスを戻せ」と懇願するが――

「今さら“聖女”だと認められても、私はもう戻りません。
今の私は、シュヴァルツ王国の客人であり、そして……皇太子殿下の大切な人ですから」


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