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prologue
しおりを挟むダーツやビリヤードなどが並ぶ遊技場の奥の奥。古めかしいドアの向こうは壺中天と呼ばれる場所らしい。
入っていく大人たちは皆、ニヤつき泥臭い欲を塗りたくった笑顔を浮かべ薄気味悪い笑みを撒き散らす。
その跡をチョロチョロとあの日の私は追いかけた。壺の中に飛び込んだらどんな素敵な世界が見れるのか。子供ながらに大人の『秘密』が知りたかったのだ。
『お嬢さんどこへいくんですか』
『この中に入りたい』
『お嬢さんはまだ若い』
『ならいつ入れるの』
『もう少し成長してからかな』
ーーオトナになったまたおいで
私を止めた初老の男性は頭を優しく撫でると私を抱きかかえ出口まで。目に焼き付けるように見つめたあの扉を私は忘れることがなかった。
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