25 / 44
第一章「迷宮都市フェーベル編」
第二十五話「五階層を目指して」
しおりを挟む
俺とクリステルさんはお互いの背中を守りながら攻撃を始めた。ミスリル製のラウンドシールドを左手に持ち、右手でブローソドードを構える。エミリアから何度も教わったエンチャントを掛け、剣に冷気を纏わせる。火属性のファイアゴブリンは俺のエンチャントを目の当たりにして狼狽したが、すぐに攻撃を仕掛けてきた。
敵はファイアボルトの魔法を使えるのか、武器を使って戦う者も居れば、木に登って高い位置から炎の矢を飛ばす者も居る。俺は冷気を纏わせた剣でファイアゴブリンを叩き切った。ここ最近は徹底的に剣と魔法を学んできたからか、ファイアゴブリン程度の魔物なら簡単に狩れる。
敵よりも身長が二十センチ近く高いのだ。筋力も俺の方が多い。それでもダンジョンは魔物の領域。魔物の方がこの空間の地形を理解しているから有利に戦えるのだ。狂戦士の果実が成る木々を飛び移りながらファイアボルトを飛ばす厄介な敵が居たが、ティナが敵の首根っこを掴んで地上に叩き落とした。
ティナは体は小さいが力はかなり強い。ファイアゴブリン程度の魔物なら力づくでねじ伏せる事も出来るのだ。遠距離から執拗に炎の矢を飛ばし、俺達を狙っていたファイアゴブリンが俺の前に立つと、両手を向けて炎の矢を放ってきた。
俺は瞬時に左手に持った盾で敵の攻撃を受け、右手に持ったブローソドードで敵の首を飛ばした。敵の首が宙を舞うと同時に凍り付くと、ファイアゴブリン達が咆哮を上げ始めた。
ダンジョン内に反響する気味の悪い声に釣られ、闇の中から三体の魔物が姿を現した。真っ黒な体毛に包まれた体長百五十センチ程の魔物、火属性のブラックウルフだ。爪には炎が纏っており、筋肉は大きく肥大している。あまりにも大きすぎる狼系の魔物に狼狽した瞬間、一体のファイアゴブリンが狂戦士の果実を落とした。
ブラックウルフが地面に落ちた狂戦士の果実を食べ始めると、敵の体内の魔力が徐々に増幅し、次第に恐怖を覚える程の魔力の強さを感じた。闇属性以外の魔物が狂戦士の果実を食べると寿命が縮まるが、魔力を大幅に強化出来る。
体は瞬く間に大きくなり、仲間のブラックウルフを頭から喰らうと、敵味方を判別出来ずに襲いかかってきた。狂戦士の果実を落としたファイアゴブリンはブラックウルフの鋭い爪で切り裂かれ、仲間を殺されたファイアゴブリンは仲間の死を笑った。
忌々しい魔物達にとっては仲間が死のうが笑い事でしかないのだ。俺はクリステルさんとティナに背中を任せ、体長二メートル程まで成長した化物の様なブラックウルフに剣を向けた。
目は血走っており、狂戦士の果実の効果で精神が高ぶっているのか、一目散に俺に向かって飛びかかってきた。ラウンドシールドで敵の顔面を殴っても効果は無く、ブラックウルフの爪が俺の頬を切り裂いた。
パックリと切れた頬からは大量の血が流れたが、戦いで興奮しているから痛みは感じない。痛みに悶えていられる余裕はないのだ。まさかファイアゴブリンがブラックウルフに狂戦士の果実を与えるとは思わなかった。
魔物も狂戦士の果実を食べるが、それは闇属性の魔物に限ると思っていた。狂戦士の果実自体が闇属性に属するから、異なる属性の魔物が食べれば毒にしかならない。人間にとっても狂戦士の果実は毒なのだ。大量のお酒を一度の飲むよりも遥かに危険な果実は、ダンジョンで死を悟った時の最終手段として用いられる。
巨体のブラックウルフが俺に体当たりをかますと、俺はあまりの攻撃の速さに回避が間に合わず、敵の攻撃をもろに喰らった。体が高速で宙を舞い、石の壁に激突すると、まるで全身の骨が砕けた様な激痛を感じた。
立ち上がるだけでも全ての力を振り絞らなければならない。膝は震え、剣も盾も体当たりの際に何処かに消えた。今俺に残っているのは一振りのダガーと、エミリアが授けてくれた魔法しかない。
クリステルさんとティナから大きく離された俺の元には、再び巨体のブラックウルフが駆けてきた。
「死んだな……」
俺が自分の死を悟った時、足元に狂戦士の果実が落ちている事に気がついた。慌てて拾い上げると、俺は意を決して黒い果実を齧った。体力と魔力が一気に回復し、瞬く間に恐怖心が消えて精神が高ぶると、俺は果実の力に惑わされずに平静を保てている事に気がついた。
体の震えは止まり、全身の痛みを忘れてダガーを引き抜いた。体内から冷気を掻き集め、左手を地面に向けた。今こそアイスゴーレムの力を借りよう。まだ不完全だが、仲間は一人でも多い方が良い。
「アイスゴーレム!」
鋭い冷気が空間に充満した瞬間、体長百八十センチ程の氷のゴーレムが現れた。俺は彼のために氷の盾を作り、氷から作り上げた両刃の剣を持たせると、彼は俺を見つめて跪いた。まるで頼れる騎士の様な立派なゴーレムが忠誠を誓う様に頭を垂れると、ブラックウルフが飛びかかってきた。
瞬間、アイスゴーレムが氷の盾でブラックウルフの顔面を殴ると、骨が砕ける音が室内に轟いた。驚異的な攻撃力に俺の気分は一気に高揚し、俺はアイスゴーレムと共にブラックウルフに切りかかった。
エンチャントを掛けたダガーで敵の足を切り裂くと、瞬く間に下半身が凍りついた。狂戦士の果実のお陰で魔力が完璧に回復しているから、いくらでも魔法を使える。下半身が凍りついた状態でも、ブラックウルフは口から炎を吐き、俺達を威嚇した。
このままでは敵に近づけない。ブラックウルフの爆発的な炎を浴びれば一撃で命を落とすだろう。アイスゴーレムが俺を見つめて微笑むと、俺の肩に手を置いて静かに頷いた。それからアイスゴーレムが盾を握り締め、炎を浴びながらゆっくりとブラックウルフとの距離を詰めると、アイスゴーレムの体が溶け始めた。
命を落としても俺に攻撃の機会を作ろうとしてくれているのだろう。アイスゴーレムの愛に俺は思わず涙が溢れ、彼の背中に体を付け、徐々にブラックウルフとの距離を詰めた。大きかった背中が瞬く間に小さくなると、彼はすっかり水に変わってダンジョンに吸収された。
ブラックウルフはアイスゴーレムを溶かすために全ての魔力を使い切ったのか、怯えながら俺を見つめた。既に自分の死を悟っているのだろう。俺は仲間の死に激昂し、全力で敵の頭部にダガーを突き立てた。体中から魔力を掻き集め、ダガーを思い切り敵の頭部に差し込むと、ブラックウルフの体が氷に包まれた。
エミリアの加護が無かったら俺は死んでいただろう。それに、俺を守ってくれたアイスゴーレム。今度はもっと大きく、丈夫な体に作ってあげよう。ダガーを引き抜くと、クリステルさんとティナが駆け寄ってきた……。
敵はファイアボルトの魔法を使えるのか、武器を使って戦う者も居れば、木に登って高い位置から炎の矢を飛ばす者も居る。俺は冷気を纏わせた剣でファイアゴブリンを叩き切った。ここ最近は徹底的に剣と魔法を学んできたからか、ファイアゴブリン程度の魔物なら簡単に狩れる。
敵よりも身長が二十センチ近く高いのだ。筋力も俺の方が多い。それでもダンジョンは魔物の領域。魔物の方がこの空間の地形を理解しているから有利に戦えるのだ。狂戦士の果実が成る木々を飛び移りながらファイアボルトを飛ばす厄介な敵が居たが、ティナが敵の首根っこを掴んで地上に叩き落とした。
ティナは体は小さいが力はかなり強い。ファイアゴブリン程度の魔物なら力づくでねじ伏せる事も出来るのだ。遠距離から執拗に炎の矢を飛ばし、俺達を狙っていたファイアゴブリンが俺の前に立つと、両手を向けて炎の矢を放ってきた。
俺は瞬時に左手に持った盾で敵の攻撃を受け、右手に持ったブローソドードで敵の首を飛ばした。敵の首が宙を舞うと同時に凍り付くと、ファイアゴブリン達が咆哮を上げ始めた。
ダンジョン内に反響する気味の悪い声に釣られ、闇の中から三体の魔物が姿を現した。真っ黒な体毛に包まれた体長百五十センチ程の魔物、火属性のブラックウルフだ。爪には炎が纏っており、筋肉は大きく肥大している。あまりにも大きすぎる狼系の魔物に狼狽した瞬間、一体のファイアゴブリンが狂戦士の果実を落とした。
ブラックウルフが地面に落ちた狂戦士の果実を食べ始めると、敵の体内の魔力が徐々に増幅し、次第に恐怖を覚える程の魔力の強さを感じた。闇属性以外の魔物が狂戦士の果実を食べると寿命が縮まるが、魔力を大幅に強化出来る。
体は瞬く間に大きくなり、仲間のブラックウルフを頭から喰らうと、敵味方を判別出来ずに襲いかかってきた。狂戦士の果実を落としたファイアゴブリンはブラックウルフの鋭い爪で切り裂かれ、仲間を殺されたファイアゴブリンは仲間の死を笑った。
忌々しい魔物達にとっては仲間が死のうが笑い事でしかないのだ。俺はクリステルさんとティナに背中を任せ、体長二メートル程まで成長した化物の様なブラックウルフに剣を向けた。
目は血走っており、狂戦士の果実の効果で精神が高ぶっているのか、一目散に俺に向かって飛びかかってきた。ラウンドシールドで敵の顔面を殴っても効果は無く、ブラックウルフの爪が俺の頬を切り裂いた。
パックリと切れた頬からは大量の血が流れたが、戦いで興奮しているから痛みは感じない。痛みに悶えていられる余裕はないのだ。まさかファイアゴブリンがブラックウルフに狂戦士の果実を与えるとは思わなかった。
魔物も狂戦士の果実を食べるが、それは闇属性の魔物に限ると思っていた。狂戦士の果実自体が闇属性に属するから、異なる属性の魔物が食べれば毒にしかならない。人間にとっても狂戦士の果実は毒なのだ。大量のお酒を一度の飲むよりも遥かに危険な果実は、ダンジョンで死を悟った時の最終手段として用いられる。
巨体のブラックウルフが俺に体当たりをかますと、俺はあまりの攻撃の速さに回避が間に合わず、敵の攻撃をもろに喰らった。体が高速で宙を舞い、石の壁に激突すると、まるで全身の骨が砕けた様な激痛を感じた。
立ち上がるだけでも全ての力を振り絞らなければならない。膝は震え、剣も盾も体当たりの際に何処かに消えた。今俺に残っているのは一振りのダガーと、エミリアが授けてくれた魔法しかない。
クリステルさんとティナから大きく離された俺の元には、再び巨体のブラックウルフが駆けてきた。
「死んだな……」
俺が自分の死を悟った時、足元に狂戦士の果実が落ちている事に気がついた。慌てて拾い上げると、俺は意を決して黒い果実を齧った。体力と魔力が一気に回復し、瞬く間に恐怖心が消えて精神が高ぶると、俺は果実の力に惑わされずに平静を保てている事に気がついた。
体の震えは止まり、全身の痛みを忘れてダガーを引き抜いた。体内から冷気を掻き集め、左手を地面に向けた。今こそアイスゴーレムの力を借りよう。まだ不完全だが、仲間は一人でも多い方が良い。
「アイスゴーレム!」
鋭い冷気が空間に充満した瞬間、体長百八十センチ程の氷のゴーレムが現れた。俺は彼のために氷の盾を作り、氷から作り上げた両刃の剣を持たせると、彼は俺を見つめて跪いた。まるで頼れる騎士の様な立派なゴーレムが忠誠を誓う様に頭を垂れると、ブラックウルフが飛びかかってきた。
瞬間、アイスゴーレムが氷の盾でブラックウルフの顔面を殴ると、骨が砕ける音が室内に轟いた。驚異的な攻撃力に俺の気分は一気に高揚し、俺はアイスゴーレムと共にブラックウルフに切りかかった。
エンチャントを掛けたダガーで敵の足を切り裂くと、瞬く間に下半身が凍りついた。狂戦士の果実のお陰で魔力が完璧に回復しているから、いくらでも魔法を使える。下半身が凍りついた状態でも、ブラックウルフは口から炎を吐き、俺達を威嚇した。
このままでは敵に近づけない。ブラックウルフの爆発的な炎を浴びれば一撃で命を落とすだろう。アイスゴーレムが俺を見つめて微笑むと、俺の肩に手を置いて静かに頷いた。それからアイスゴーレムが盾を握り締め、炎を浴びながらゆっくりとブラックウルフとの距離を詰めると、アイスゴーレムの体が溶け始めた。
命を落としても俺に攻撃の機会を作ろうとしてくれているのだろう。アイスゴーレムの愛に俺は思わず涙が溢れ、彼の背中に体を付け、徐々にブラックウルフとの距離を詰めた。大きかった背中が瞬く間に小さくなると、彼はすっかり水に変わってダンジョンに吸収された。
ブラックウルフはアイスゴーレムを溶かすために全ての魔力を使い切ったのか、怯えながら俺を見つめた。既に自分の死を悟っているのだろう。俺は仲間の死に激昂し、全力で敵の頭部にダガーを突き立てた。体中から魔力を掻き集め、ダガーを思い切り敵の頭部に差し込むと、ブラックウルフの体が氷に包まれた。
エミリアの加護が無かったら俺は死んでいただろう。それに、俺を守ってくれたアイスゴーレム。今度はもっと大きく、丈夫な体に作ってあげよう。ダガーを引き抜くと、クリステルさんとティナが駆け寄ってきた……。
0
お気に入りに追加
1,774
あなたにおすすめの小説
【完結】選ばれなかった王女は、手紙を残して消えることにした。
曽根原ツタ
恋愛
「お姉様、私はヴィンス様と愛し合っているの。だから邪魔者は――消えてくれない?」
「分かったわ」
「えっ……」
男が生まれない王家の第一王女ノルティマは、次の女王になるべく全てを犠牲にして教育を受けていた。
毎日奴隷のように働かされた挙句、将来王配として彼女を支えるはずだった婚約者ヴィンスは──妹と想いあっていた。
裏切りを知ったノルティマは、手紙を残して王宮を去ることに。
何もかも諦めて、崖から湖に飛び降りたとき──救いの手を差し伸べる男が現れて……?
★小説家になろう様で先行更新中
うっかり『野良犬』を手懐けてしまった底辺男の逆転人生
野良 乃人
ファンタジー
辺境の田舎街に住むエリオは落ちこぼれの底辺冒険者。
普段から無能だの底辺だのと馬鹿にされ、薬草拾いと揶揄されている。
そんなエリオだが、ふとした事がきっかけで『野良犬』を手懐けてしまう。
そこから始まる底辺落ちこぼれエリオの成り上がりストーリー。
そしてこの世界に存在する宝玉がエリオに力を与えてくれる。
うっかり野良犬を手懐けた底辺男。冒険者という枠を超え乱世での逆転人生が始まります。
いずれは王となるのも夢ではないかも!?
◇世界観的に命の価値は軽いです◇
カクヨムでも同タイトルで掲載しています。
王宮で汚職を告発したら逆に指名手配されて殺されかけたけど、たまたま出会ったメイドロボに転生者の技術力を借りて反撃します
有賀冬馬
ファンタジー
王国貴族ヘンリー・レンは大臣と宰相の汚職を告発したが、逆に濡れ衣を着せられてしまい、追われる身になってしまう。
妻は宰相側に寝返り、ヘンリーは女性不信になってしまう。
さらに差し向けられた追手によって左腕切断、毒、呪い状態という満身創痍で、命からがら雪山に逃げ込む。
そこで力尽き、倒れたヘンリーを助けたのは、奇妙なメイド型アンドロイドだった。
そのアンドロイドは、かつて大賢者と呼ばれた転生者の技術で作られたメイドロボだったのだ。
現代知識チートと魔法の融合技術で作られた義手を与えられたヘンリーが、独立勢力となって王国の悪を蹴散らしていく!
(完結)醜くなった花嫁の末路「どうぞ、お笑いください。元旦那様」
音爽(ネソウ)
ファンタジー
容姿が気に入らないと白い結婚を強いられた妻。
本邸から追い出されはしなかったが、夫は離れに愛人を囲い顔さえ見せない。
しかし、3年と待たず離縁が決定する事態に。そして元夫の家は……。
*6月18日HOTランキング入りしました、ありがとうございます。
婚約破棄をされた悪役令嬢は、すべてを見捨てることにした
アルト
ファンタジー
今から七年前。
婚約者である王太子の都合により、ありもしない罪を着せられ、国外追放に処された一人の令嬢がいた。偽りの悪業の経歴を押し付けられ、人里に彼女の居場所はどこにもなかった。
そして彼女は、『魔の森』と呼ばれる魔窟へと足を踏み入れる。
そして現在。
『魔の森』に住まうとある女性を訪ねてとある集団が彼女の勧誘にと向かっていた。
彼らの正体は女神からの神託を受け、結成された魔王討伐パーティー。神託により指名された最後の一人の勧誘にと足を運んでいたのだが——。
好きでした、さようなら
豆狸
恋愛
「……すまない」
初夜の床で、彼は言いました。
「君ではない。私が欲しかった辺境伯令嬢のアンリエット殿は君ではなかったんだ」
悲しげに俯く姿を見て、私の心は二度目の死を迎えたのです。
なろう様でも公開中です。
異世界をスキルブックと共に生きていく
大森 万丈
ファンタジー
神様に頼まれてユニークスキル「スキルブック」と「神の幸運」を持ち異世界に転移したのだが転移した先は海辺だった。見渡しても海と森しかない。「最初からサバイバルなんて難易度高すぎだろ・・今着てる服以外何も持ってないし絶対幸運働いてないよこれ、これからどうしよう・・・」これは地球で平凡に暮らしていた佐藤 健吾が死後神様の依頼により異世界に転生し神より授かったユニークスキル「スキルブック」を駆使し、仲間を増やしながら気ままに異世界で暮らしていく話です。神様に貰った幸運は相変わらず仕事をしません。のんびり書いていきます。読んで頂けると幸いです。
婚約破棄された検品令嬢ですが、冷酷辺境伯の子を身籠りました。 でも本当はお優しい方で毎日幸せです
青空あかな
恋愛
旧題:「荷物検査など誰でもできる」と婚約破棄された検品令嬢ですが、極悪非道な辺境伯の子を身籠りました。でも本当はお優しい方で毎日心が癒されています
チェック男爵家長女のキュリティは、貴重な闇魔法の解呪師として王宮で荷物検査の仕事をしていた。
しかし、ある日突然婚約破棄されてしまう。
婚約者である伯爵家嫡男から、キュリティの義妹が好きになったと言われたのだ。
さらには、婚約者の権力によって検査係の仕事まで義妹に奪われる。
失意の中、キュリティは辺境へ向かうと、極悪非道と噂される辺境伯が魔法実験を行っていた。
目立たず通り過ぎようとしたが、魔法事故が起きて辺境伯の子を身ごもってしまう。
二人は形式上の夫婦となるが、辺境伯は存外優しい人でキュリティは温かい日々に心を癒されていく。
一方、義妹は仕事でミスばかり。
闇魔法を解呪することはおろか見破ることさえできない。
挙句の果てには、闇魔法に呪われた荷物を王宮内に入れてしまう――。
※おかげさまでHOTランキング1位になりました! ありがとうございます!
※ノベマ!様で短編版を掲載中でございます。
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる