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第四章「騎士団編」
第百五十話「魔法授業と新装備」
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「エミリア、魔法の授業を始める前にエミリアが覚える属性を事前に決めておこうと思う」
「属性を選ぶのね! どんな属性の中から選ぶの?」
勿論、エミリアに選んで貰うのは俺の得意な雷か炎だ。それ以外の属性に関しては満足に教える事が出来ない。土属性も得意だが、魔法の可能性、応用出来る魔法の種類を考慮すると、土属性は炎や雷にはどうしても劣ってしまう。
「選んでもらうのは雷か炎だよ。どっちの属性が良い?」
俺は右手にサンダーボルト、左手にヘルファイアを発生させてエミリアに見せた。俺が魔法を披露すると、エミリアは賞賛の眼差しを向けた。
「どっちがいいかな。炎か雷……どっちも覚えたいけど、一つずつの方が良いのよね?」
「うん。まずは一種類の魔法を覚えた方が良いと思うんだ。俺は最初に土属性を選んだけど、エミリアには雷か炎を練習してもらうと思う」
「それなら私は炎にするわ! 雷は雷撃の盾があるし、右手で炎を使えるようになって、左手に雷撃の盾を装備したら、サシャみたいに左右で別々の属性を使える事になるでしょう?」
エミリアはやはり賢いな……。まさかここまで魔法に対する理解があるとは。左手に雷撃の盾を持ち、右手で炎を操るという事か。エミリアの言う通り、一度に使える属性は多い方がいい。炎が得意な敵には炎以外の攻撃で挑まなければならないからだ。
「わかったよ。それなら最初に覚える属性は炎にしよう。魔法の授業は明日から始めるからね。特に装備などは用意しなくてもいいよ。必要な物は俺が準備する」
「ありがとう! 明日か……早く明日にならないかな!」
これでエミリアが最初に覚える属性が決まった。炎の魔力を引き出せる杖を作らなければならないな。それから指環に腕輪、首飾りもあった方が良いだろうか。最初から魔力を大幅に増幅させるエンチャントが付いた装備を使うと、自分の魔力の総量を把握出来ない可能性がある。渡すアイテムは杖だけにしよう。
今日は杖の作成と、マントの作成依頼。それからシャーロット装備の購入。ガーディアンの作り方に関するの本の購入。やる事が多いな……。今日も楽しい日になりそうだ。
「サシャ、紅茶の御代わりは?」
「頂こうかな。ありがとう。王女様から紅茶を注いで貰えるなんて光栄だよ」
「そうかな? 私はよく分からないけど、王女も市民も同じじゃないかな。勿論サシャは市民じゃなくて勇者様だけど」
「俺も自分が勇者だという実感はないんだ。ただ……この地で暮らす生き物や仲間が、魔王に殺されたくないと思って魔王を倒したんだ。そしたらいつの間にか勇者なんて呼ばれるようになったけど、俺にはその資格があるのかも分からない」
「サシャは偉大な事を成し遂げたわ。ボリンガー騎士団が王国を守ってくれなかったら、今頃私は死んでいたかもしれないし。大陸に住む民のために命を懸けて戦ったサシャは、勇者として胸を張って生きていくべきよ」
王女が言うと説得力あるな。見た目は幼いが、精神は成熟しているのだな。
「そろそろ戻りましょうか。サシャも何かする事があるんでしょう?」
「そうだね、そろそろ戻ろか」
俺は荷物を片付けてから、ユニコーンの背中にシャーロットとエミリアを載せた。俺はユニコーンに飛び乗って手綱を持った。俺達が出発すると、近くで休んでいたワイバーンも飛び立った。特に命令しなくても勝手に付いてきて護衛をしてくれる。ワイバーンはかなり高度な知能を持つ幻魔獣だ。今度エミリアと一緒にワイバーンに乗って遠くまで行くのも良いかもしれない。勿論、安全のために仲間も何人か連れて行こう。
ユニコーンをしばらく走らせるとアルテミス城に到着した。俺はエミリアを降ろしてからキングに市民から受け取った果物を渡した後、すぐに町に出た。
「サシャ、買い物に行くのね!」
「そうだよ。まずはシャーロットの買い物をしようか。好きな物を買って良いからね」
「ありがとう! 何が良いかな。まずは服が欲しい!」
俺はシルフと一緒にシャーロットの普段着を選ぶ事にした。俺は女性の服の事はよく分からない。厳密に言えば、男用の服の事もよく分からない。俺は普段から常に魔装を着ているから、服を着替える事は無い。魔装を外すのも寝る前の僅かな間だから、自分の服をあまり持っていないし、興味もない。シャーロットは商業区で一軒の女性用の服の店を見つけた様だ。
「ここに入ってみましょう」
店の中に入ると、可愛らしいドレスや女性用の下着などが飾ってあった。シャーロットは店の中から普段着るための服や、下着などを選んだ。
俺はシャーロットの買い物を待っている間、店の中の商品を一通り見ていると、リボンのコーナーを見つけた。頭に結び付けるリボンだろうか。そういえば以前、クーデルカが俺の頭にリボンを結んだ事があったな。『サシャ、髪が長いんだからリボンで結んでも良いんじゃない?』と言っていた気がする。その日、リボンを結んだまま外に出て女性と勘違いされた事があった。それから俺は頭にリボンは結ばないと心に決めた……。
だけど、俺には似合わないリボンも、シルフなら似合うはずだ。シルフには内緒でリボンを買ってあげよう……。俺は数あるリボンの中から、銀色の煌びやかなリボンを選んだ。シルフの緑色の髪のアクセントになる色だ。
「ねぇねぇ、それは誰にあげるの?」
シルフは俺の肩の上に乗って髪を触っている。
「秘密だよ……」
「気になるな……誰にあげるんだろう」
「すぐに分かるよ」
しばらくシャーロットの買い物を待っていると、両手いっぱいに自分用の服を選んで持ってきた。趣味の良いコルセットや、普段着るためのドレス、下着や寝る時に着るネグリジェなどを持っている。
「おまたせ! 選び終わったわ!」
俺は商品の代金を払って店を出た。買った物は勿論ユニコーンの背中に積んだ。街中で荷馬車代わりに使うと機嫌を悪くするかもしれないから、ユニコーンには野菜や果物が売っている店で食べたい物を好きなだけ買ってあげる事にした。野菜と果物を取り扱っている店には、俺が見た事も無い食べ物で溢れていた。ユニコーンは一つずつ鼻を近づけて匂いを嗅いでいる。
「私の店に勇者様のユニコーンが来てくれた!」
店の亭主は嬉しそうにユニコーンを見つめている。しばらく待っているとユニコーンは食べたい物を前足で指さした。いや、厳密にはひずめを向けた。ユニコーンはよくわからない果物を選んだ様だ。見た事も無いボール状の果物を食べる事にした様だ。
「これを全部下さい」
俺は店に並んでいたボール状の果物を全て買い取ってユニコーンの背中に載せた。
「これはリンゴって言うんですよ、勇者様。アルテミス王国の特産品の中の一つで、うちのリンゴは食べると口いっぱいに甘みが広がるんです!」
そうか、この果物の名前はリンゴか。王国の特産品か……美味しそうだな。それから俺はエイブラハムの店にマントの注文をしに行く事にした。新鮮な果物を積んだまま、長い時間外でユニコーンを待たせると果物が悪くなりそうだから、用件だけ伝えて早めに戻ろう。俺はエイブラハムの店の扉を開けると、中からは俺を待っていたかのようにエイブラハムが飛び出した。
「サシャじゃないか! 今日は何の用だ? 武器か? 防具か?」
「今日は騎士団のマントを頼みたいんだけど、エイブラハムはマントも作れる?」
「勿論だとも! 俺は伝説の鍛冶職人だぞ? 装備に関してはほとんど作る事が出来る、ちなみに装飾品なんかも作れるぞ。それで、マントのデザインは考えてあるか?」
「それが、まだ何も考えなくて……どんなデザインが良いだろうか」
俺は素直にエイブラハムの意見を聞く事にした。
「国の紋章なら剣や盾をモチーフにした感じで作るんだが。騎士団なら……そうだ! サシャの召喚獣をモチーフにした紋章はどうだ?」
「良い考えだね! 召喚獣か。モチーフにして恰好が付く召喚獣といえば、ミノタウルスは牛だから格好悪いし、ユニコーンはまぁ良いかもしれない。キングは骸骨だから却下。ルナは人間とほとんど同じだし……」
「サシャ、ワイバーンはどう? 飛竜なら格好いい紋章になるかもよ?」
「ワイバーンか! それなら良いだろう!! サシャ、ワイバーンを中心にデザインを作るぞ。良いな?」
ボリンガー騎士団の紋章はワイバーンがモチーフになる事に決まった。
「マントは明日までに仕上がるよ、魔法を使って縫うだけだから金属の加工なんかより遥かに簡単なんだよ」
俺はマントの代金を先払いした。騎士団にとって必要な物だし、今はお金には困っていないから、思い切って買う事にしよう。
「ありがとう、そうだ……シャーロットのための装備を探しているんだけど、魔術師だから防御力は重視しないんだけど、何か良い装備あるかな?」
俺はエイブラハムにシャーロットの装備を選んでもらう事にした。エイブラハムはシャーロットの前に立ち、両手を彼女に向けて相手の魔力を探った。
「魔術師か得意属性は闇か。俺の力では測りきれない程の魔力を感じる。彼女にはローブと腕輪があればいいだろう」
と言ってエイブラハムは魔術師用のローブと銀色の細い腕輪を持ってきた。
「このローブは魔法耐性が高く、弱い魔法なら簡単に防ぐ事が出来る。それからこっちの腕輪は俺が簡単に作った物だが、魔力が上がる種類の腕輪だ」
エイブラハムはローブと同じデザインのブーツと手袋を更に追加で持ってきた。デザインに統一感があるのは良い事だ。黒と銀を基調としたデザインでかなり高級感がある。きっと良いアイテムに違いない。
「サシャ、これ気に入ったわ!」
シャーロットが新しい装備を手に取って嬉しそうにしている。アイテム名は、「魔法耐性のローブ」「魔法耐性のブーツ」「魔法耐性の手袋」「神聖なるルビーの腕輪」
「ありがとう! エイブラハム!」
装備を受け取ったシャーロットは更衣室で装着した。満足そうに新しい装備を眺めている。よし、シャーロットの装備は完璧だ。俺はエイブラハムに代金を払って店を出た。
今日しなければならない事は、ガーディアンに関する本を買う事、それからエミリアの杖の作成。達は魔法関係のアイテムが売っている店に行く事にした。
「属性を選ぶのね! どんな属性の中から選ぶの?」
勿論、エミリアに選んで貰うのは俺の得意な雷か炎だ。それ以外の属性に関しては満足に教える事が出来ない。土属性も得意だが、魔法の可能性、応用出来る魔法の種類を考慮すると、土属性は炎や雷にはどうしても劣ってしまう。
「選んでもらうのは雷か炎だよ。どっちの属性が良い?」
俺は右手にサンダーボルト、左手にヘルファイアを発生させてエミリアに見せた。俺が魔法を披露すると、エミリアは賞賛の眼差しを向けた。
「どっちがいいかな。炎か雷……どっちも覚えたいけど、一つずつの方が良いのよね?」
「うん。まずは一種類の魔法を覚えた方が良いと思うんだ。俺は最初に土属性を選んだけど、エミリアには雷か炎を練習してもらうと思う」
「それなら私は炎にするわ! 雷は雷撃の盾があるし、右手で炎を使えるようになって、左手に雷撃の盾を装備したら、サシャみたいに左右で別々の属性を使える事になるでしょう?」
エミリアはやはり賢いな……。まさかここまで魔法に対する理解があるとは。左手に雷撃の盾を持ち、右手で炎を操るという事か。エミリアの言う通り、一度に使える属性は多い方がいい。炎が得意な敵には炎以外の攻撃で挑まなければならないからだ。
「わかったよ。それなら最初に覚える属性は炎にしよう。魔法の授業は明日から始めるからね。特に装備などは用意しなくてもいいよ。必要な物は俺が準備する」
「ありがとう! 明日か……早く明日にならないかな!」
これでエミリアが最初に覚える属性が決まった。炎の魔力を引き出せる杖を作らなければならないな。それから指環に腕輪、首飾りもあった方が良いだろうか。最初から魔力を大幅に増幅させるエンチャントが付いた装備を使うと、自分の魔力の総量を把握出来ない可能性がある。渡すアイテムは杖だけにしよう。
今日は杖の作成と、マントの作成依頼。それからシャーロット装備の購入。ガーディアンの作り方に関するの本の購入。やる事が多いな……。今日も楽しい日になりそうだ。
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「頂こうかな。ありがとう。王女様から紅茶を注いで貰えるなんて光栄だよ」
「そうかな? 私はよく分からないけど、王女も市民も同じじゃないかな。勿論サシャは市民じゃなくて勇者様だけど」
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「そろそろ戻りましょうか。サシャも何かする事があるんでしょう?」
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俺は荷物を片付けてから、ユニコーンの背中にシャーロットとエミリアを載せた。俺はユニコーンに飛び乗って手綱を持った。俺達が出発すると、近くで休んでいたワイバーンも飛び立った。特に命令しなくても勝手に付いてきて護衛をしてくれる。ワイバーンはかなり高度な知能を持つ幻魔獣だ。今度エミリアと一緒にワイバーンに乗って遠くまで行くのも良いかもしれない。勿論、安全のために仲間も何人か連れて行こう。
ユニコーンをしばらく走らせるとアルテミス城に到着した。俺はエミリアを降ろしてからキングに市民から受け取った果物を渡した後、すぐに町に出た。
「サシャ、買い物に行くのね!」
「そうだよ。まずはシャーロットの買い物をしようか。好きな物を買って良いからね」
「ありがとう! 何が良いかな。まずは服が欲しい!」
俺はシルフと一緒にシャーロットの普段着を選ぶ事にした。俺は女性の服の事はよく分からない。厳密に言えば、男用の服の事もよく分からない。俺は普段から常に魔装を着ているから、服を着替える事は無い。魔装を外すのも寝る前の僅かな間だから、自分の服をあまり持っていないし、興味もない。シャーロットは商業区で一軒の女性用の服の店を見つけた様だ。
「ここに入ってみましょう」
店の中に入ると、可愛らしいドレスや女性用の下着などが飾ってあった。シャーロットは店の中から普段着るための服や、下着などを選んだ。
俺はシャーロットの買い物を待っている間、店の中の商品を一通り見ていると、リボンのコーナーを見つけた。頭に結び付けるリボンだろうか。そういえば以前、クーデルカが俺の頭にリボンを結んだ事があったな。『サシャ、髪が長いんだからリボンで結んでも良いんじゃない?』と言っていた気がする。その日、リボンを結んだまま外に出て女性と勘違いされた事があった。それから俺は頭にリボンは結ばないと心に決めた……。
だけど、俺には似合わないリボンも、シルフなら似合うはずだ。シルフには内緒でリボンを買ってあげよう……。俺は数あるリボンの中から、銀色の煌びやかなリボンを選んだ。シルフの緑色の髪のアクセントになる色だ。
「ねぇねぇ、それは誰にあげるの?」
シルフは俺の肩の上に乗って髪を触っている。
「秘密だよ……」
「気になるな……誰にあげるんだろう」
「すぐに分かるよ」
しばらくシャーロットの買い物を待っていると、両手いっぱいに自分用の服を選んで持ってきた。趣味の良いコルセットや、普段着るためのドレス、下着や寝る時に着るネグリジェなどを持っている。
「おまたせ! 選び終わったわ!」
俺は商品の代金を払って店を出た。買った物は勿論ユニコーンの背中に積んだ。街中で荷馬車代わりに使うと機嫌を悪くするかもしれないから、ユニコーンには野菜や果物が売っている店で食べたい物を好きなだけ買ってあげる事にした。野菜と果物を取り扱っている店には、俺が見た事も無い食べ物で溢れていた。ユニコーンは一つずつ鼻を近づけて匂いを嗅いでいる。
「私の店に勇者様のユニコーンが来てくれた!」
店の亭主は嬉しそうにユニコーンを見つめている。しばらく待っているとユニコーンは食べたい物を前足で指さした。いや、厳密にはひずめを向けた。ユニコーンはよくわからない果物を選んだ様だ。見た事も無いボール状の果物を食べる事にした様だ。
「これを全部下さい」
俺は店に並んでいたボール状の果物を全て買い取ってユニコーンの背中に載せた。
「これはリンゴって言うんですよ、勇者様。アルテミス王国の特産品の中の一つで、うちのリンゴは食べると口いっぱいに甘みが広がるんです!」
そうか、この果物の名前はリンゴか。王国の特産品か……美味しそうだな。それから俺はエイブラハムの店にマントの注文をしに行く事にした。新鮮な果物を積んだまま、長い時間外でユニコーンを待たせると果物が悪くなりそうだから、用件だけ伝えて早めに戻ろう。俺はエイブラハムの店の扉を開けると、中からは俺を待っていたかのようにエイブラハムが飛び出した。
「サシャじゃないか! 今日は何の用だ? 武器か? 防具か?」
「今日は騎士団のマントを頼みたいんだけど、エイブラハムはマントも作れる?」
「勿論だとも! 俺は伝説の鍛冶職人だぞ? 装備に関してはほとんど作る事が出来る、ちなみに装飾品なんかも作れるぞ。それで、マントのデザインは考えてあるか?」
「それが、まだ何も考えなくて……どんなデザインが良いだろうか」
俺は素直にエイブラハムの意見を聞く事にした。
「国の紋章なら剣や盾をモチーフにした感じで作るんだが。騎士団なら……そうだ! サシャの召喚獣をモチーフにした紋章はどうだ?」
「良い考えだね! 召喚獣か。モチーフにして恰好が付く召喚獣といえば、ミノタウルスは牛だから格好悪いし、ユニコーンはまぁ良いかもしれない。キングは骸骨だから却下。ルナは人間とほとんど同じだし……」
「サシャ、ワイバーンはどう? 飛竜なら格好いい紋章になるかもよ?」
「ワイバーンか! それなら良いだろう!! サシャ、ワイバーンを中心にデザインを作るぞ。良いな?」
ボリンガー騎士団の紋章はワイバーンがモチーフになる事に決まった。
「マントは明日までに仕上がるよ、魔法を使って縫うだけだから金属の加工なんかより遥かに簡単なんだよ」
俺はマントの代金を先払いした。騎士団にとって必要な物だし、今はお金には困っていないから、思い切って買う事にしよう。
「ありがとう、そうだ……シャーロットのための装備を探しているんだけど、魔術師だから防御力は重視しないんだけど、何か良い装備あるかな?」
俺はエイブラハムにシャーロットの装備を選んでもらう事にした。エイブラハムはシャーロットの前に立ち、両手を彼女に向けて相手の魔力を探った。
「魔術師か得意属性は闇か。俺の力では測りきれない程の魔力を感じる。彼女にはローブと腕輪があればいいだろう」
と言ってエイブラハムは魔術師用のローブと銀色の細い腕輪を持ってきた。
「このローブは魔法耐性が高く、弱い魔法なら簡単に防ぐ事が出来る。それからこっちの腕輪は俺が簡単に作った物だが、魔力が上がる種類の腕輪だ」
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「サシャ、これ気に入ったわ!」
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「ありがとう! エイブラハム!」
装備を受け取ったシャーロットは更衣室で装着した。満足そうに新しい装備を眺めている。よし、シャーロットの装備は完璧だ。俺はエイブラハムに代金を払って店を出た。
今日しなければならない事は、ガーディアンに関する本を買う事、それからエミリアの杖の作成。達は魔法関係のアイテムが売っている店に行く事にした。
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