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第二章「王国を目指して」
第八十六話「召喚士ギルド」
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俺達は暫くギルド区を見て回った後、召喚士ギルドに到着した。木造の二階建て、建物の屋根の上ではガーゴイル達が昼食を摂っている。ギルドの入り口にはギルドマスターのステータスが表示されている。『召喚士 LV46 アルベルト・ブルクハルト』。俺達はユニコーンを召喚士ギルドの前で待たせ、室内に中に入る事にした。
扉を開けると、本屋の様な空間が広がっていた。壁際には本棚が設置されており、召喚や魔法関係の本が所狭しと並べられている。それ以外にも、召喚のための魔物の素材なども陳列されている。落ち着いた雰囲気で、紅茶の爽やかな香りが漂っている。ここが召喚士ギルドか……。
室内には大きなテーブルが四つあり、一番奥にはギルドマスターと思われる男性が座っている。召喚士達は皆ローブを身に纏っており、俺の様な全身を覆う鎧を装備している者は居ない。明らかに場違いな俺達が室内を進むと、召喚士達が一斉に注目した。
ギルドマスターはテーブルの上で何やら本を書いている様だ。難しい顔をしながら羽ペンを本に走らせている。俺達に気がつくと、彼は顔を上げて俺を見つめた。
「すみません。初めて召喚士ギルドに来たのですが……」
「加入希望者か?」
「加入という訳ではないのですが、クエストに関する情報や、召喚のための素材を譲って頂ければなと思いまして……」
「召喚の素材? そんなに若いのに召喚が出来るのか? 小僧。召喚魔法を舐めているんじゃないか?」
「別に舐めている訳ではありませんが、一応召喚魔法は使えます」
年齢は四十代だろうか。召喚士なのに目の前に居るルナを見ても、幻魔獣のハーピーだという事にすら気が付かない様だ。
「それで、今までどんな魔物を召喚したんだ? まさかスライムやゴブリンの様な低級な魔物を召喚して、召喚魔法が使えると言っている訳ではないよな?」
「建物の外に居る魔物の姿が見えますか? あれは俺が召喚した幻獣のユニコーンです。それから隣に居るのは幻魔獣のハーピー。召喚獣ではありませんが、俺が育てた魔物です。それから、アルテミス王国の外には幻魔獣のワイバーンを待機させており、町には幻魔獣のスケルトンキングも居ます。あとはフィッツ町にも幻獣のミノタウロスが居ます」
「なんだって……? 俺を馬鹿にしているのか? 一人の人間が幻魔獣を三体、幻獣を二体も従えているって? 小僧、からかう相手を間違えるなよ。俺は召喚士ギルドのギルドマスターだ!」
ギルドマスターはふんぞり返って俺を見下ろすと、クーデルカが杖を抜いた。
「サシャが小僧ですって? 魔族の私からすれば、貴方も生まれたばかりの赤子同然。私のサシャを愚弄する行為は許さないわよ」
「あぁまぁ、クーデルカ。落ち着いて」
早めに身分を明かしておいた方が良さそうだな。懐からギルドカードを取り出して見せると、ギルドマスターは愕然とした表情を浮かべた。
扉を開けると、本屋の様な空間が広がっていた。壁際には本棚が設置されており、召喚や魔法関係の本が所狭しと並べられている。それ以外にも、召喚のための魔物の素材なども陳列されている。落ち着いた雰囲気で、紅茶の爽やかな香りが漂っている。ここが召喚士ギルドか……。
室内には大きなテーブルが四つあり、一番奥にはギルドマスターと思われる男性が座っている。召喚士達は皆ローブを身に纏っており、俺の様な全身を覆う鎧を装備している者は居ない。明らかに場違いな俺達が室内を進むと、召喚士達が一斉に注目した。
ギルドマスターはテーブルの上で何やら本を書いている様だ。難しい顔をしながら羽ペンを本に走らせている。俺達に気がつくと、彼は顔を上げて俺を見つめた。
「すみません。初めて召喚士ギルドに来たのですが……」
「加入希望者か?」
「加入という訳ではないのですが、クエストに関する情報や、召喚のための素材を譲って頂ければなと思いまして……」
「召喚の素材? そんなに若いのに召喚が出来るのか? 小僧。召喚魔法を舐めているんじゃないか?」
「別に舐めている訳ではありませんが、一応召喚魔法は使えます」
年齢は四十代だろうか。召喚士なのに目の前に居るルナを見ても、幻魔獣のハーピーだという事にすら気が付かない様だ。
「それで、今までどんな魔物を召喚したんだ? まさかスライムやゴブリンの様な低級な魔物を召喚して、召喚魔法が使えると言っている訳ではないよな?」
「建物の外に居る魔物の姿が見えますか? あれは俺が召喚した幻獣のユニコーンです。それから隣に居るのは幻魔獣のハーピー。召喚獣ではありませんが、俺が育てた魔物です。それから、アルテミス王国の外には幻魔獣のワイバーンを待機させており、町には幻魔獣のスケルトンキングも居ます。あとはフィッツ町にも幻獣のミノタウロスが居ます」
「なんだって……? 俺を馬鹿にしているのか? 一人の人間が幻魔獣を三体、幻獣を二体も従えているって? 小僧、からかう相手を間違えるなよ。俺は召喚士ギルドのギルドマスターだ!」
ギルドマスターはふんぞり返って俺を見下ろすと、クーデルカが杖を抜いた。
「サシャが小僧ですって? 魔族の私からすれば、貴方も生まれたばかりの赤子同然。私のサシャを愚弄する行為は許さないわよ」
「あぁまぁ、クーデルカ。落ち着いて」
早めに身分を明かしておいた方が良さそうだな。懐からギルドカードを取り出して見せると、ギルドマスターは愕然とした表情を浮かべた。
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